ヘタシリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2018年12月24日 (月) 11:49; SeitenBot (会話 | 投稿記録) による版 (Botによる: {{Cite pmid}}から{{Cite journal}}への移行作業)(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ヘタシリン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Hetacin
Drugs.com Veterinary Use
法的規制
投与経路 乳腺注射
識別
CAS番号
3511-16-8 チェック
ATCコード J01CA18 (WHO)
PubChem CID: 193260
DrugBank DB00739 チェック
ChemSpider 167708 チェック
UNII TN4JSC48CV チェック
KEGG D01074  ×
ChEMBL CHEMBL1201116 ×
化学的データ
化学式C19H23N3O4S
分子量389.469 g/mol
テンプレートを表示

ヘタシリン(Hetacillin)は、アミノペニシリン系のβ-ラクタム系抗生物質である。プロドラッグであり、これ自体は抗生物質活性は持たないが[1]、体内で直ちにアセトンを切り離し、様々な細菌に対する活性を有するアンピシリンを形成する[2]

投与[編集]

ヘタシリンは、経口投与することができる[2]。また、カリウム塩は筋肉注射及び静脈注射で投与することができる。Hetacinの商標名で、獣医学での乳腺注射用に販売されている[3]

腸管内で切断されてホルムアルデヒドを生成することがあり、アンピシリンに対する優位性がほとんどないことが示されてからは、ヒト向けの用途では販売されていない。

化学[編集]

ヘタシリンは、アンピシリンとアセトンから作られる。水溶液中では不安定であり、37℃、pH7では15から30分の半減期でアセトンを再び遊離して分解する[1][4]

アンピシリンとは異なり、ヘタシリンは、少なくともin vitroでは、細菌の酵素であるβ-ラクタマーゼによる分解をほとんど受けない[4]

出典[編集]

  1. ^ a b Drugbank: Hetacillin
  2. ^ a b “Laboratory and pharmacological studies in man with hetacillin and ampicillin”. Br Med J 2 (5555): 804–8. (June 1967). PMC 1843140. PMID 5182358. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1843140/. 
  3. ^ Hetacin-K Intramammary Infusion for Veterinary Use
  4. ^ a b “Independent antibiotic actions of hetacillin and ampicillin revealed by fast methods”. Antimicrob. Agents Chemother. 3 (1): 15–8. (January 1973). PMC 444353. PMID 4597707. http://aac.asm.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=4597707.