プロピレングリコール

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プロピレングリコール[1]
識別情報
CAS登録番号 57-55-6
E番号 E1520 (追加化合物)
RTECS番号 TY6300000
特性
化学式 C3H8O2
モル質量 76.09 g/mol
示性式 CH3CHOHCH2OH
密度 1.036 g/cm³
融点

-59 °C, 214 K, -74 °F

沸点

188.2 °C, 461 K, 371 °F

への溶解度 混和性
エタノールへの溶解度 混和性
ジエチルエーテルへの溶解度 混和性
アセトンへの溶解度 混和性
クロロホルムへの溶解度 混和性
熱伝導率 0.34 W/m-K (50% H2O @ 90°C)
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
NFPA 704
1
0
0
Sフレーズ S24 S25
関連する物質
関連するグリコール エチレングリコール
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

プロピレングリコール(propylene glycol)とは、プロパン-1,2-ジオールのことで、グリコールに分類される有機化合物で、溶媒となる。中央の炭素はキラル中心であるため1対の鏡像異性体が存在する。保湿剤や乳化など様々な用途に使用され、食品や医薬品にも用いられる場合がある。工業的には酸化プロピレン加水分解によって製造される。

特徴

常温では無色・無味・無臭で吸湿性のある油状液体。アセトンクロロホルムと混和する。

2008年度における日本国内生産量は 66,620トン、消費量は 2,688トンである[2]

用途

低用量では生物への毒性が低く、また無味無臭であることから、保湿剤潤滑剤乳化剤不凍液、プラスチックの中間原料、溶媒などとして用いられる他、保湿性や防カビ性に富むことから医薬品化粧品おにぎりなどの品質改善剤等、広範囲で用いられている。

医薬品としては、注射剤・内服薬・外用薬の溶解補助剤として調剤に用いられている。

毒性

哺乳類に対するLD50は経口(5種類の生物)で 18〜24 グラム/キログラム と報告されている[3]。皮膚および眼に対して軽度の刺激性を持つ。低用量では慢性毒性が見られないとされる[3]

規制

  • 消防法で危険物第4類に分類されている。
  • 生活環境保全条例では規制対象物質に指定されている。

出典

  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 7868.
  2. ^ 経済産業省生産動態統計・生産・出荷・在庫統計 Archived 2011年5月22日, at the Wayback Machine.平成20年年計による
  3. ^ a b 製品安全データシート(大陽日酸) - 文書中に引かれている文献を参照。

関連項目