フクちゃん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。石神 善司 (会話 | 投稿記録) による 2021年3月3日 (水) 15:17個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎タイアップ商品: 内容の追加、修正。)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

フクちゃんは、横山隆一による日本漫画作品シリーズと、それを原作とした映画アニメーション作品および、作品内に登場する架空の人物の名称である。

概要

キャラクターとしてのフクちゃんは、1936年昭和11年)1月25日東京朝日新聞(現:朝日新聞東京本社)で始まった連載4コマ漫画江戸っ子健ちゃん』(資料により『江戸ッ子健ちゃん』の表記あり)の脇役として登場した[1]。着物に下駄、大きな学生帽という容姿の幼い男の子で、やがて主人公の健ちゃんよりも人気が出た[2]ため、改題のうえ、フクちゃんを主人公に昇格させた(スピンオフ作品)。その後も『フクちゃん』シリーズは、連載媒体を幾度か変えながら、1971年(昭和46年)まで長期にわたり連載された(#掲載媒体・タイトルの変遷参照)。

フクちゃんの名は漫画家・横井福次郎の「福」から来ている[3][2][4]。フクちゃんは元々、学生帽を被っていなかった。前作『江戸っ子健ちゃん』の初期、大学受験のために健ちゃん宅に居候していた「チカスケ」という登場人物が、合格するために自分を追い込むつもりで先に学生帽を買ったが受験に失敗し、進学を断念して帰郷することになったため、フクちゃんがそれを譲り受けて以来、トレードマークになったものである[2](テレビアニメ版での設定は後述)。

ストーリーは基本的に、フクちゃんとその家族や友達のほのぼのした生活を描いている。作中の登場人物が年を取る事はない(「サザエさん時空」)。

あらすじ

東京の下町に住む少年・フクちゃんは、ある日親戚のおじいさんの家に養子に貰われる。おじいさんの家は大富豪で、フクちゃんはそこの跡取り息子として迎えられた。そこへ、フクちゃんの家庭教師として九州出身のバンカラ学生・アラクマが登場。やがて金持ち暮らしに飽きたおじいさんは、屋敷を福祉施設に改築し、一般に開放。自身はフクちゃん、アラクマと共に長屋に移住し、普通の小市民としての3人の生活がスタートした(同時に剃髭し、身なりもお馴染みのアルファベット柄の着物姿となる)。戦時中は時節柄国防ネタが多く、戦後は一転して世相を交えながらも牧歌的な子供中心の世界が描かれた。

長期連載新聞漫画では『サザエさん』等のように明確にストーリーを完結させた最終回が描かれないまま、作者の死亡、掲載紙変更、休載などから尻切れトンボ的に連載終了となることが多い中、『フクちゃん』はきちんとした完結によって連載を終えた数少ない例である(『フジ三太郎』『ほのぼの君』『アサッテ君』と同様)。最終回間近には、

  1. フクちゃんの実父が戦後台湾に渡り、実業家として成功した事を知ったおじいさんは、フクちゃんに台湾行きを薦めるが、フクちゃんは「おじいさんがおとうさんだ」と言ってこれを拒む。
  2. サラリーマンとなったアラクマも結婚する事となり、密かにアラクマを想っていたナミコが失恋の旅に出る。

といったストーリーが展開された。また同じ横山作品から、『デンスケ』の茶刈デンスケとドシャ子、『ペ子ちゃん』の大中ペ子も登場した。

そしてラスト1回前ではデンスケ一家や健ちゃんたちがフクちゃんに別れを言いに現れ、最終回ではフクちゃんが横山と会話をして大団円となった。

掲載媒体・タイトルの変遷

[1]

  • 東京朝日新聞朝日新聞1936年10月1日 - 1944年3月4日) - 当初は「養子のフクチャン」の題で開始。大阪朝日新聞にも数日遅れで掲載された。何度か改題されたほか、作者の事情で連載を打ち切っていた時期もあった。セリフはすべてカタカナ書き。おじいさんの着物の柄は途中からアルファベットから算用数字に代わった。
    • 養子ノフクチャン(1936年10月1日 - 1937年7月31日) - 夕刊掲載。
    • 末ッコゴロチャン(1937年8月1日 - 1937年12月31日) - この作品から朝刊掲載。近所の友達・ゴロちゃんが主人公のスピンオフ作品。しかしフクちゃんも頻繁に登場しており、内容はほとんど変わりがなかった。
    • フクチャン部隊(1938年1月1日 - 1939年7月6日) - 朝刊連載。主役をフクちゃんに戻す。
    • コドモ指南アラクマ道場(1939年7月7日 - 1939年12月31日) - 朝刊連載。主役にアラクマを据えたスピンオフ作品。アラクマ主宰の「アラクマ道場」でフクちゃん達が稽古に励む。
    • ススメ! フクチャン(1940年1月1日 - 1941年12月31日) - 朝刊連載。再度主役をフクちゃんに戻す。
    • フクチャン実践(1942年1月1日 - 1942年12月18日) - 朝刊連載。ネタの多くが戦時下向けに。最終回は「みんな海外に行く時代」「ここも狭い」とフクちゃんがコマを飛び出し、ここで一度打ち切られる。
    • ジャバノフクチャン(1942年6月23日 - 1942年8月23日) - 7月22日までは挿絵が描かれた海外レポート。同年8月1日に3コマ物の漫画になり、ジャバ(ジャワ島)で原住民と共に暮らすフクちゃんが描かれた。
    • フクチャン従軍記(1942年9月8日 - 1942年9月13日) - 再び挿絵が描かれた戦時レポートに。
    • フクチャンかへる(1942年9月15日 - 1942年9月20日) - ジャバから日本へ帰るフクちゃんを描いた4コマ。
    • フクチャン(1942年9月22日 - 1943年12月31日) - 朝刊連載。再びフクちゃんを主役に据えた通常の4コマに戻る。
    • フクチャン大東亜コドモカイギ(1944年1月1日 - 1944年1月2日) - 2日間掲載の短編漫画。大東亜共栄圏下の子供達が会議する。日本代表はフクちゃん。
    • フクチャンレンセイノ巻(1944年1月4日 - 1944年1月29日) - フクちゃん達も練成を行うことに。1月18日までは朝刊に、1月19日より夕刊に掲載された。最終回は戦闘機に乗り、そのまま下記「ソラノ巻」に改題された。
    • フクチャンソラノ巻(1944年1月31日 - 1944年3月4日) - 夕刊連載。戦闘機に乗ったフクちゃんの活躍を描く。「疎開」する名目で打ち切られた。
  • 防衛新聞(1945年4月18日 - 1945年5月8日 以降不明)
    • 防衛フクチャン[5]
  • 共同通信配信(1946年 - 1947年[2]
  • サンデー毎日1950年9月 - 1951年9月)
    • デンスケ★フクちゃん - 横山作の『デンスケ』と共演させた作品。
  • 毎日新聞1956年1月1日 - 1971年5月31日
    • フクちゃん - 朝刊連載。最終回を描いたペンは長谷川町子に贈られた。

実写映画

1936年(昭和11年)12月に公開された『江戸っ子健ちゃん』を原作とする実写映画『江戸ッ子健ちゃん』がフクちゃんシリーズの最初の映像化作品で、フクちゃんを演じたのは子役時代の中村メイコだった。

劇場用アニメ

第二次世界大戦中、松竹動画研究所によりアニメーション映画『フクチャンの奇襲』(1942年)、『フクチャンの増産部隊』(1943年)、『フクチャンの潜水艦』(1944年)の3作品が制作される。原作者の横山自身も脚本や演出に関わった[6]

1962年(昭和37年)には、横山隆一主催のアニメプロ「おとぎプロダクション」製作による長編オムニバスアニメーション映画『おとぎの世界旅行』の中で、『ロケット・フクちゃん』として登場している。

ラジオドラマ

1957年(昭和32年)に、文化放送でラジオドラマ『フクちゃん』が放送された。主役フクちゃんの声は竹尾智晴(中尾隆聖)が5歳で演じ、彼のデビュー作となった。

テレビアニメ

フクちゃん
ジャンル テレビアニメ
原作 横山隆一
脚本 松岡清治ほか
演出 藤みねお
監修 笹川ひろし
声の出演 坂本千夏
田崎潤
銀河万丈
音楽 筒井広志
オープニング 『ぼく、フクちゃんだい!』(坂本千夏)
エンディング 『明日天気になーれ』(こおろぎ'73
言語 日本語
製作
プロデューサー 碓氷夕焼(テレビ朝日)
大橋益之助(電通)
佐久間晴夫(シンエイ動画)
制作 テレビ朝日
電通
シンエイ動画
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1982年11月2日 - 1984年3月27日
放送時間火曜19:00 - 19:30
放送枠テレビ朝日系列火曜夜7時台枠のアニメ
放送分30分
回数71回
テンプレートを表示

1982年(昭和57年)11月2日から、テレビアニメ版『フクちゃん』がテレビ朝日系で放送開始。アニメーション制作はシンエイ動画、1回2話放送で全71回142話。現代風にアレンジ(個々の人物設定も原作と異なる)されて、1984年(昭和59年)3月27日まで約1年半に亘って続いた。第46話「お母さん大きらい」では当時テレビ朝日で放送されていた『宇宙刑事シャリバン』が登場する。

テレビアニメ版の登場人物と設定・原作との相違点

声優と各キャラクターの説明はシンエイ動画版アニメによる。

福山 福一(ふくやま ふくいち)
声 - 坂本千夏
通称 - フクちゃん。5歳。坊主頭、着物に下駄と大学帽という姿で、毎日元気に遊んで暮らしている。
シンエイ版アニメでの設定
幼稚園の年長児という設定が加わる。当初、普通の幼稚園児の服装・髪型だったフクちゃんが、七五三の準備のため床屋に行くが、うっかり丸坊主にされてしまう[7]。その自分の姿を見てショックを受けて籠った納戸で、父の太郎が学生時代使用していた学帽と、幼少時代の福太郎のお下がりの着物を見つける。これが七五三の衣装として面白いという事で、学帽と着物、前掛けを着用するスタイルに決まってしまった。だが、七五三が終わっても本人がこのスタイルをすっかり気に入ってトレードマークになってしまったという設定である。物事を強調する時に語尾に発する「~だい」と、困った時発する「イヤ~ン」が口癖で、元気あふれる笑顔といつも下駄を履いている裸足、そして「イヤ~ン」と言いながら学帽で顔を隠しながら恥ずかしがる姿がチャームポイント。
福山 福太郎(ふくやま ふくたろう)
声 - 田崎潤
フクちゃんの祖父で、73歳。フクちゃんの母である花子の父にあたる(原作ではフクちゃんの伯父。フクちゃんはおじいさんと呼んでいるが、本当は伯父にあたる)。大金持ちであったが、その生活を捨てた自由人。頑固者だが、意外と新し物好き。孫のフクちゃんにはいつも振り回されている。
荒熊 寛一(あらくま かんいち)
声 - 田中崇→銀河万丈[8]
通称 - アラクマさん。九州出身。福山家の遠い親戚で、福山家に居候している。売れない漫画家。柔道をたしなむ。
清水 キヨシ(しみず キヨシ)
声 - 桂玲子
通称 - キヨちゃん。フクちゃんの友達で、近所の陶器店に住む3歳の幼児。いつもフクちゃんと行動を共にしている。時折無鉄砲な行動に出て、周囲を驚かすことが多い。
清水 ナミコ(しみず ナミコ)
声 - 山田栄子
キヨちゃんの姉で、学生。勝気で男勝り。荒熊に密かに片思いをしている。
福山 太郎(ふくやま たろう)
声 - 津村鷹志
フクちゃんの父。婿養子のサラリーマン。アニメオリジナルキャラ。
福山 花子(ふくやま はなこ)
声 - 川島千代子
フクちゃんの母。ごく普通の専業主婦。アニメオリジナルキャラ。
丸井 クミコ(まるい クミコ)
声 - 栗葉子
通称 - クミちゃん。フクちゃんと同じ幼稚園に通っている友達で、ちょっとませた女の子。アニメオリジナルキャラ。
花野 ユカリ(はなの ユカリ)
声 - 麻丘あゆ美
福山家の隣に住む女性。父は花野耕作という大学教授。美人で優しく、アラクマさんやフクちゃんに慕われる。アニメオリジナルキャラ。
シチ公(シチこう)
福山家の飼い犬で、いつもフクちゃんについて歩く。
ガン太(ガンた)
声 - 青木和代
福山家の近所の太ったガキ大将。フクちゃんに意地悪をして喜んでいることもあれば、時には遊び相手になったり、ピンチの時は守ってくれたりと実は頼りになる少年。
ドシャ子(ドシャこ)、ガラ子(ガラこ)
声 - 山田栄子(ドシャ子)、鈴木みえ(ガラ子)
ガン太の双子の妹。兄に似てお転婆。双子のため、周囲から見分けを付けてもらえないのが悩み。「アカチバラチ」[9]が口癖。両名とも同じ横山作品『ドシャ子』のスピンオフキャラ[10]
健ちゃん(けんちゃん)
声 - 高木早苗
名の通り、『江戸っ子健ちゃん』からのキャラクター。しっかり者の小学生。フクちゃんやその他の未就学児に慕われている近所のお兄さん的存在。アニメではガン太等の存在でやや影が薄い。
茶刈 デン助(ちゃかり デンすけ)
声 - 辻シゲル→辻三太郎[8]
町のお巡りさん。同じ横山作品『デンスケ』からのスピンオフキャラ。

スタッフ

主題歌・挿入歌

主題歌

  • OP「ぼく、フクちゃんだい!」 - 作詞:中村晋太郎 / 作曲:小林亜星 / 編曲:筒井広志 / うた:坂本千夏
  • ED「明日天気になあれ」 - 作詞:高田ひろお / 作曲:小林亜星 / 編曲:筒井広志 / うた:こおろぎ'73

挿入歌

すべて日本コロムビアから発売(後述)。

  • 「フクちゃん絵かきうた」 - 作詞:楠部弓 / 作曲:小林亜星 / うた:坂本千夏
  • 「フクちゃんのゲタ音頭」 - 作詞:中村晋太郎 / 作曲:小林亜星 / うた:坂本千夏、ヤング・フレッシュ
  • 「フクちゃんポルカ」 - 作詞:伊藤アキラ / 作曲:小林亜星 / 編曲:筒井広志 / うた:麻丘あゆ美、ヤング・フレッシュ
  • 「フクちゃん体操」 - 作詞・作曲:小林亜星 / うた:坂本千夏、コロムビアゆりかご会
  • 「フクちゃん応援歌」 - 作詞:碓井夕焼 / 作曲:小林亜星 / うた:坂本千夏、栗葉子、桂玲子、銀河万丈、コロムビアゆりかご会

「絵かきうた」と「ゲタ音頭」は、ED前に放送された事があった。

各話リスト

話数 初回放送日 サブタイトル
1 1982年
11月2日
とこやさんイヤーン / お姉ちゃん大好き
2 11月9日 ぼくかぜひきたい / うそはこりごり
3 11月16日 クッキーこわいぞ / どぎゃんハイキング
4 11月23日 ぼくの下駄ヤーイ / スターになりたい
5 11月30日 いたずら大進撃! / 男ってつらいや
6 12月7日 物干竿が化けた!! / 火の用心カチカチ
7 12月14日 雪国ゆき冒険旅行 / マラソンいやーん
8 12月21日 意地っぱりどっち / サンタはだーれ?
9 12月28日 じゃま者集まれ! / 二人だけの忘年会
10 1983年
1月11日
小さい正月みつけた / だめ犬ゴンベェ
11 1月18日 スケートスイスイ / 落とし物どこだ?
12 1月25日 ぼく, 名探偵だーい / チンチンドンドン
13 2月1日 ラブレターは誰に / 迷子って楽しいな
14 2月8日 ぼくモテちゃった / ぼくホームラン王
15 2月15日 ぼく横綱だーい!! / お別れクミちゃん
16 2月22日 お嫁に行かないで / お使いは疲れるね
17 3月1日 町の子山の子 / 負けるなドスコイ
18 3月8日 先生に嫌われた? / 急行電車いゃーん
19 3月15日 警察って楽しいや / 走れ! きかんしゃ
20 3月22日 ぼく弟がほしいな / キヨちゃんの鳥
21 3月29日 サクラが咲いたョ / 宝物みーつけた!
22 4月5日 なんでもお駄賃 / お嫁さん探そうよ
23 4月12日 エーお笑いを一席 / お母さん大きらい
24 4月19日 親子げんか大嫌い / 学校どんなとこ?
25 4月26日 ぼくお手伝いさんよ / 星占いイヤーン
26 5月3日 泳げ! コイノボリ / あべこべこわい
27 5月10日 英語はペラペラ / デートのおじゃま
28 5月17日 おさわがせ結婚式 / 雨・雨ふれふれ
29 5月24日 はじめての潮干狩 / 邪魔者は追い出せ
30 5月31日 シチ公は友だち / ナミ子におまかせ
31 6月7日 えんそく楽しいな / 人質がいっぱい
32 6月14日 ぼくらは悪い子団 / ボクとなりのこ
33 6月21日 夜更かしいいなあ / 野菜畑で大発見!
34 6月28日 プロレス見たいな / まいごのカブト虫
35 7月5日 子猫いりませんか / ミス七夕だーれ?
36 7月12日 ぼくオバケだぞ!! / 早起き大作戦
37 7月19日 おねだりキャンプ / がんばれみそっかす
38 7月26日 がんばれ水泳大会 / 図書館は遊び場!?
39 8月2日 なくなお巡さん / ボクによく似た子
40 8月9日 省ネエでラクチン / お泊り会だーい
41 8月16日 太鼓たたいて盆踊り / 青い目のお友だち
42 8月23日 ゴンベェの子守唄 / 汗かけばすっきり
43 8月30日 お母さんの夏休み / いい絵どんな絵?
44 9月6日 食い逃げ用心棒 / 花火がポーン!
45 9月13日 嘘つきキヨちゃん / とんだプレゼント
46 9月20日 こんにちはご先祖様 / 十五夜のウサギだい
47 9月27日 泣いたえらい先生 / ぼくだれ似かな
48 10月11日 モテモテお巡りさん / ぼくはカメラマン
49 10月18日 ぼく応援団長だい / じっとガマンの子
50 10月25日 ぼく発明家だーい / 幼稚園きらいな子
51 11月1日 シチ公はよわむし / みたい夢見たい
52 11月8日 似顔絵で犯人捜し / 負けてくやしいよ
53 11月15日 お人形はどこだ? / お見舞来ないで
54 11月22日 ママたちはみえっぱり / 手袋なんかいらないや
55 11月29日 悩みごと何でもこい! / 男の子色 女の子色
56 12月6日 どじなお巡りさん / いじわる大工さん
57 12月13日 スパイから逃げろ / ぬいぐるみの秘密
58 12月20日 ガン太一家の陰謀 / X’マス大パーティー
59 12月27日 寒さを吹きとばせ / カラスつかまえた
60 1984年
1月10日
あの夢この夢ぼくの夢 / クミちゃん大変身
61 1月17日 お巡りさんは親不孝? / 注射のおつきあい
62 1月24日 わんぱくスキー場 / おさわがせ偉い賞
63 1月31日 ごまかして損しちゃった / 留守番イヤーン!
64 2月7日 お母さんの学校?! / ちびっこ事件記者
65 2月14日 ライバルはキヨちゃん / オウムといじわるな子
66 2月21日 悪ガキ隊をやっつけろ / 常識をぶっとばせ!
67 2月28日 お巡りさんは出前持ち / かわいい顔ですぐゴツン
68 3月6日 悪ガキ隊の逆襲 / 天才教育イヤーン
69 3月13日 そっくりは喧嘩のもと / なんでも一番のり
70 3月20日 スッポンポン大作戦 / ようちえん大脱走
71 3月27日 言いっこなしだよ / 一番すきなのだあれ

ネット局

放送日時は個別に出典が掲示されているものを除き、1984年2月中旬 - 3月上旬時点のものとする[11]

日本国内 テレビ / 放送期間および放送時間
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [12] 備考
1982年11月2日 - 1984年3月27日 火曜 19:00 - 19:30 テレビ朝日 関東広域圏 制作局
北海道テレビ 北海道
東日本放送 宮城県
福島放送 福島県
静岡けんみんテレビ 静岡県 現・静岡朝日テレビ
名古屋テレビ 中京広域圏
朝日放送 近畿広域圏 現・朝日放送テレビ
瀬戸内海放送 香川県・岡山県
広島ホームテレビ 広島県
九州朝日放送 福岡県
鹿児島放送 鹿児島県
山形放送 山形県 放送当時日本テレビ系列とテレビ朝日系列のクロスネット
テレビ信州 長野県 放送当時日本テレビ系列とテレビ朝日系列のクロスネット
1982年11月2日 - 1983年9月27日 新潟総合テレビ 新潟県 放送当時フジテレビ系列とテレビ朝日系列のクロスネット
現・NST新潟総合テレビ
新潟テレビ21開局まで放送
1983年10月11日 - 1984年3月27日 新潟テレビ21 新潟県 新潟総合テレビから放映権移動
遅れネット 火曜 16:45 - 17:15 青森放送 青森県 放送当時日本テレビ系列テレビ朝日系列クロスネット
月曜 - 木曜 16:07 - 16:35[13] 岩手放送 岩手県 TBS系列
現・IBC岩手放送
本放送終了後の1986年に放送
月曜 19:00 - 19:30 秋田放送 秋田県 日本テレビ系列[14]
木曜 17:20 - 17:50 テレビ山梨 山梨県 TBS系列
土曜 8:00 - 8:30(1983年9月頃)[15]
木曜 6:27 - 6:54(1984年2月時点)[16]
石川テレビ 石川県 フジテレビ系列
土曜 18:00 - 18:30 福井テレビ 福井県 フジテレビ系列
土曜 7:00 - 7:30 山陰放送 鳥取県島根県 TBS系列
金曜 16:45 - 17:15 山口放送 山口県 放送当時日本テレビ系列とテレビ朝日系列のクロスネット
日曜 10:00 - 10:30 四国放送 徳島県 日本テレビ系列
金曜 16:55 - 17:25 南海放送 愛媛県 日本テレビ系列
土曜 17:00 - 17:30 高知放送 高知県 日本テレビ系列
日曜 16:30 - 17:00 長崎放送 長崎県 TBS系列
金曜 17:30 - 18:00 テレビ熊本 熊本県 放送当時フジテレビ系列とテレビ朝日系列のクロスネット
水曜 17:30 - 18:00 テレビ大分 大分県 放送当時日本テレビ系列・フジテレビ系列・テレビ朝日系列のトリプルネット
火曜 17:25 - 17:55 宮崎放送 宮崎県 TBS系列[17]
木曜 19:00 - 19:30 琉球放送 沖縄県 TBS系列

キャラクター展開

レコード

映画『フクチャンの潜水艦』に関連するもの
テレビアニメ版に関連するもの

全て日本コロムビアから発売されたEPレコード

  • ぼく、フクちゃんだい!/明日天気になあれ(CK-667)
  • フクちゃんのゲタ音頭/フクちゃんポルカ(CK-686)
  • フクちゃん体操/フクちゃんの応援歌(CK-895)

広告

1962年(昭和37年)から1988年(昭和63年)まで石川県金沢市の酒蔵、福光屋の日本酒「福正宗」の広告キャラクターとして「フクちゃんフクマサもってきて」のコピーとともに新聞広告、テレビCM(モノクロアニメ)や販促商品に使用された。フクちゃん本編や横山自身は、石川県および金沢市、福光屋にゆかりはなく、単に名前の「フク」が同じである事からの起用。現在でも、石川県や富山県の各地に、フクちゃんをあしらったホーロー看板が残っている[2]

タイアップ商品

テレビアニメ版が放映されていた1983年(昭和58年)頃に、以下の商品が発売されている。

  • 東海漬物から、「フクちゃん」という福神漬が発売されている。パッケージにはフクちゃんの姿も描かれており、アニメCMも放映された。
  • エポック社より以下のキャラクター玩具が発売されている。
    • フクちゃん ジャラポンゲーム - いわゆるポンジャンのテーブルゲーム。
    • フクちゃん わんぱく大行進ゲーム - ひこうきとばしやおつかいレース、パチンコまとあて等、4種類のミニゲームをプレイしながら、獲得したおかしチップ‪(得点)の数を競うボードゲーム。木製の小さなゲタ型サイコロが付属していた。
    • フクちゃんのおばけなんかこわくない - 電子ゲーム。同社より発売されていた電子ゲーム「モンスターパニック」をベースに、主人公をフクちゃんにしてアレンジしたもの。

エピソード

ジャワ島バンドンにて鹵獲したB-17Eの機首にフクちゃんを描く横山隆一
  • 手塚治虫は、少年時代、通学に使う電車の窓が湿気で曇った際、その車両の窓ガラス一面に指でフクちゃんの似顔絵を描き、「フクちゃん列車」に仕立てて級友を沸かせたことがある。後年、手塚が横山の家を表敬訪問した際、横山の子供たちは有名な漫画家である手塚が自分の父に丁寧に接しているのを見て、横山の漫画家としての偉業を実感したという[18]
  • 太平洋戦争中、日本陸軍飛行第二四四戦隊明野教導飛行師団ジャワ島に展開していた鹵獲機調査班などの所属機には、報道班員を務めていた横山の手によってフクちゃんのノーズアートが描かれ、それらの機体は隊内で人気を博したという[19]
  • かつてフクちゃんは、早稲田大学の応援マスコットとしてさかんに使用されていた(六大学野球早慶戦など)。1950年頃に、使用を横山が承諾したことで実現したという[1]
  • 1945年に米軍マニラ司令部が発行した宣伝ビラ落下傘ニュース』(18号分)に「フクチャン」が無断転載されていた[20][21]。マニラで入手した朝日新聞から転載したものだという[21]。横山は終戦直前の1945年夏、友人の大佛次郎から届けられたビラを見て、初めて自身の作品が無断転載されていることを知った[21]1946年秋、横山が友人と共に東京のGHQ事務所を訪ね、冗談半分で掲載料を要求したところ「戦争中は著作権が通用しない」と退けられたという[21]。その後、1995年には横山の文化功労者祝賀会を開催するにあたり、横山と共に漫画集団のメンバーである岩本久則らが、アメリカ大使館宛にジョークとして「アメリカ大統領に対して当時の原稿料10円×掲載18号分の180円を要求する」手紙を出した[21]

小惑星「フクちゃん」

横山と同じ高知市出身の天文家関勉は、1997年平成9年)に発見した小惑星(仮符号:1997 WB30)に、この漫画にちなみ「フクちゃん(Fukuchan)」(39809)と命名。2004年(平成16年)5月16日までに国際天文学連合小惑星センターアメリカ)に登録された。

脚注

  1. ^ a b c 昭和に元気を振りまいた国民的マンガ 横山隆一『フクちゃん』 電子化記念特集 eBookJapan
  2. ^ a b c d e 『昭和新聞漫画史 笑いと風刺でつづる世相100年』毎日新聞社「別冊一億人の昭和史」、1981年 pp.32-39
  3. ^ 清水勲編『戦後漫画のトップランナー 横井福次郎 -手塚治虫もひれ伏した天才漫画家の軌跡-』臨川書店、2007年 ISBN 978-4653040156 197頁
  4. ^ 『江戸っ子健ちゃん』には、横井に由来するフクちゃんの他にも、清水崑に由来するコンちゃん、近藤日出造に由来するヒデちゃん、杉浦幸雄に由来するユキちゃんが登場していた(『昭和新聞漫画史』)。
  5. ^ JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A03032295800、防衛新聞(国立公文書館)
  6. ^ 横山隆一 allcinema
  7. ^ 店内で流れていたラジオを福太郎が相撲の中継に変えたため大音量に驚いた床屋の手元が狂い、坊主にするしかなくなってしまった。
  8. ^ a b 第3回より改名。
  9. ^ 赤いバラが散った」の略だと、連載後期で明かされている[1]
  10. ^ ただし原作では、ガラ子はドシャ子の親友という設定。
  11. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1984年3月号、徳間書店、116 - 117頁。 
  12. ^ テレビ放送対象地域の出典:
  13. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1986年3月号、徳間書店、133頁。 
  14. ^ 秋田県では当時テレビ朝日系列に加盟していた秋田テレビの編成上の都合により秋田放送に移譲された。
  15. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1983年10月号、徳間書店、99頁。 
  16. ^ 『北國新聞』1984年2月9日付朝刊、テレビ欄。
  17. ^ 宮崎県ではテレビ朝日系列に加盟しているテレビ宮崎の編成上の都合により宮崎放送に移譲された。
  18. ^ 『手塚治虫物語』(全2冊)伴俊男+手塚プロダクション・著、朝日新聞社
  19. ^ 押尾一彦野原茂『日本軍鹵獲機秘録』光人社、2002年、84頁。ISBN 978-4769810476 
  20. ^ 『落下傘ニュース』に掲載された『フクちゃん』は次のサイトにて公開されている。
    連合国軍(国立国会図書館所蔵) (2012年11月22日). “憲政資料室収集文書1235 米軍投下ビラ”. マニラ米軍司令部. 2015年5月1日閲覧。
  21. ^ a b c d e 「米大統領殿 50年前のフクチャン無断転載 稿料180円が未払いですぞ 横山隆一さんの漫画仲間が冗談請求書」『朝日新聞』1995年3月18日付東京夕刊、15頁。

外部リンク

先代
朝日新聞夕刊連載漫画
1936 - 1937
1944
次代
先代
朝日新聞朝刊連載漫画
1937 - 1944
次代
テレビ朝日 火曜19時台前半枠
前番組 番組名 次番組
フクちゃん
(テレビアニメ版)