フェブキソスタット

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フェブキソスタット
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
ライセンス EMA:リンクUS FDA:リンク
胎児危険度分類
  • C
法的規制
投与経路 経口
薬物動態データ
生物学的利用能49%
血漿タンパク結合99%
代謝CYP 1A2, 2C8, 2C9 および UGT 1A1, 1A3, 1A9, 2B7
半減期5~8 時間
排泄尿中(原薬3%、代謝物46%); 糞中(原薬12%、代謝物33%)
識別
CAS番号
144060-53-7
ATCコード M04AA03 (WHO)
PubChem CID: 134018
KEGG D01206
化学的データ
化学式C16H16N2O3S
分子量316.374 g/mol
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フェブキソスタット(Febuxostat、開発コードTMX-67)は、非プリン型のキサンチンオキシダーゼ阻害薬である。痛風高尿酸血症、またはがん化学療法に伴う高尿酸血症の治療薬として帝人ファーマが開発した。欧州、米国[1]などに続いて、日本でもフェブリクとして2011年1月に承認された。尿酸産生を抑制し、痛風発作を予防する。

作用機序

キサンチンオキシダーゼは体内で尿酸を生成する酵素の一つであり、この働きを阻害することで尿酸値を低下させる。先行薬であるアロプリノールとの比較臨床試験の結果、フェブキソスタットはアロプリノールより強い尿酸値低下作用を示した。痛風発作と痛風結節面積に対する抑制作用は同程度であった[2]

禁忌

メルカプトプリンまたはアザチオプリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼを阻害して骨髄抑制等の副作用を増強する可能性があるので、併用は禁忌である[3]

副作用

重大な副作用として添付文書に記載されているものは、AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害と全身性皮疹、発疹等の過敏症である。発現頻度はいずれも不明である。

評価

フェブキソスタットでは、ステージ3のCKDを伴う高尿酸血症患者を対象に、腎機能低下抑制効果の検証を目的とした2年間の薬剤投与によるプラセボ対照二重盲検比較試験(FEATHER study)が実施されており、主要評価項目である推算糸球体濾過量(eGFR)の1年あたりの変化量に、プラセボと比較して有意差がみられなかったことが学会で発表されている[4]

販売

  • 日本:帝人ファーマが販売(商品名フェブリク)。
  • 米国:武田薬品工業子会社が販売(商品名:Uloric)。
  • 欧州:イプセン社が販売(商品名:Adenuric)。
  • 台湾:アステラス製薬が販売。

出典

  1. ^ Stamp LK, O'Donnell JL, Chapman PT (2007). “Emerging therapies in the long-term management of hyperuricaemia and gout”. Internal medicine journal 37 (4): 258–66. doi:10.1111/j.1445-5994.2007.01315.x. PMID 17388867. 
  2. ^ Uloric Approved for Gout”. U.S. News and World Report. 2009年2月16日閲覧。
  3. ^ フェブリク錠10mg/フェブリク錠20mg/フェブリク錠40mg 添付文書” (2016年5月). 2016年6月27日閲覧。
  4. ^ 第60回日本腎臓学会学術集会抄録集、演題番号O-250: 日腎会誌59(3): 267, 2017

関連項目

外部リンク