ビリオン

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ビリオンの基本構造
(上)エンベロープを持たないビリオン
(下)エンベロープを持つビリオン

ビリオン (ヴィリオン、英: virion) は、細胞外におけるウイルス (virus)の状態であり、完全な粒子構造を持ち、感染性を有するウイルス粒子のことをいう。ビリオンはその種によって様々な大きさと形があり、その大きさは20ナノメートル (nm, 2.0*10-8 m)から300ナノメートル (3.0*10-7 m)程度である。ビリオンにはその種により、核酸デオキシリボ核酸 (DNA)あるいはリボ核酸 (RNA)の一方)とカプシドからなるものと、その外側がさらにエンベロープと呼ばれる外被に覆われるものとがある。エンベロープを持たないビリオンは、裸のウイルスと呼ばれる場合もあり、ヌクレオカプシドと同義である。エンベロープを持つビリオンはエンベロープ保有粒子あるいは被膜粒子と呼ばれる場合もある。一般にエンベロープを持つビリオンは持たないビリオンに比べて消毒薬に対する抵抗力が弱い。ウイルスの分類にはビリオンの性状が用いられることが多い。

参考文献

  • Michael T. Madigan他著 室伏きみ子他監訳 『Brock微生物学』 オーム社、2003年。ISBN 4-274-02488-1
  • 東匡伸、小熊惠二編集 『シンプル微生物学 改訂第3版』 南江堂、2000年。ISBN 4-524-22057-7
  • 大里外誉郎編集 『医科ウイルス学 改訂第2版』 南江堂、2000年。ISBN 4-524-21448-8
  • 鹿江雅光、新城敏晴、高橋英司、田淵清、原澤亮編集 『最新家畜微生物学』 南江堂、1998年。ISBN 4-254-46019-8
  • 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版、1991年。ISBN 4-88500-610-4

関連項目