サハリンプロジェクト

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サハリンプロジェクトロシア語: Сахалинские шельфовые проекты)とは、ロシア連邦サハリン州で行われている油田、天然ガス田の開発プロジェクト。鉱区は樺太島全域に1から8に分かれて存在し、1、2については、それぞれサハリン1プロジェクトサハリン2プロジェクトとして、ネフチェゴルスク地震が起きた1990年代から生産プラント、パイプラインなどの建設が進められている。

概要

  • 樺太の大陸棚に眠る膨大な量の石油資源は20世紀前半からその存在が知られていたが、過酷な自然条件、運搬手段の欠如などの理由により、ソビエト連邦時代までは単発的な開発に留まっていた。
  • ソ連邦が解体され、経済的な混乱期を迎えていた1990年代初頭、ロシア政府は外国資本の導入により、樺太の石油開発を進める決断を行いサハリン1、サハリン2プロジェクトが進行した。
  • 1999年からサハリン2の一部が稼働開始、原油生産が始まった。
  • 2006年、国際的な環境問題の提起、ロシア政府によるプロジェクト関与の見直しの意向などが重なり、開発の中断が余儀なくされている。
    • ロシア政府に開発許可を取り消され、事業会社サハリン・エナジー社の株式過半数を国営企業ガスプロムに売却することで決着をみた。
  • 2008年、サハリン3について、サハリンエナジー社が2008年中に埋蔵量の基本調査を行うことを表明しており、2014年から供給を開始する計画を立てている。
  • 2009年現在、サハリン4とサハリン5について、エクソンモービル社が中心となって試掘が行っているが、具体的成果の発表がないまま現地の拠点を撤収している。

契約

  • ロシア政府は日本商社、石油メジャーなどと契約する際に、将来的にプロジェクトに一定の関与ができるよう、各種資材の調達や労働条件、生産される原油等の分与についての詳細な条件を定めている。この条件は非公開とされており、参画企業のリスクマネジメントを難しいものとさせるほか、コスト計算を難解にさせるなど、プロジェクトを不透明にさせる原因の一つとされている。

関連項目