クラミドモナス

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クラミドモナス
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分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 植物界 Plantae もしくは

アーケプラスチダ Archaeplastida

亜界 : 緑色植物亜界 Viridiplantae
: 緑藻植物門 Chlorophyta
: 緑藻綱 Chlorophyceae
: ボルボックス目 Volvocales
: クラミドモナス科 Chlamydomonadaceae
: クラミドモナス属 Chlamydomonas
Edwards[1], 1833
学名
Chlamydomonas
和名
コナミドリムシ、コナヒゲムシ
下位分類
  • C. reinhardtii
  • C. moewusii
  • C. nivalis

ほか500種以上

クラミドモナスChlamydomonas)は緑藻綱クラミドモナス目(もしくはオオヒゲマワリ目)に属する単細胞鞭毛虫からなるである。500種以上が知られているが、単にクラミドモナスと言えば、モデル生物として盛んに利用されているコナミドリムシChlamydomonas reinhardtii)を指すことが多い。

C. reinhardtii分子生物学、特に鞭毛の運動や葉緑体の動力学、発生生物学遺伝学の研究のモデル生物である。チャンネルロドプシンのような、光感受性のイオンチャネルを持っていることは、クラミドモナスの特筆すべき性質の一つである。

ウォーターメロン・スノー」として知られる、雪山がピンク色(あるいは赤色)に染まる現象は、同属のC. nivalis のしわざである。

生態と特徴

湖沼の水辺など淡水域の湿地に多い。

単細胞性(群体にならず、1つの細胞で生活する)で、細胞の外観は、球形或いはなめらかな楕円形。長さは、10ないし30µm。 細胞体の前方に、昆虫の触角のようなほぼ同じ長さの2つの鞭毛を持つ。これを鳥の翼のようにはばたかせるように用いて、ひょこひょこと進む。硬い細胞壁があり、変形運動はしない。葉緑体は1個のものと、2個のものがあり、形は杯(さかずき)状、袋状、帯状などがある。葉緑体を2個持つものには、左右に2個持つものと、上下に2個持つものがある。

分子系統分類

分子系統学的な成果から、従来のクラミドモナス属という分類は、多系統的であることが分かってきている。従来的な分類は、いわゆる形態的な分類であって、クラミドモナス属というのは、すなわち「クラミドモナス様生物の総称」とでも言える。人為分類的とも言えるが、このような形態による言葉は便利な側面もあるので今後も使われ続けていくことと思われる。

分子系統学的な分類では、クラミドモナス類は緑藻綱ボルボックス目内の各科に散り散りとなっている。各科についてはボルボックス目を参照のこと。

外部リンク

出典

  • 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 一瀬諭 若林徹哉 監修 滋賀の理科教材研究委員会 編『普及版 やさしい日本の淡水プランクトン 図解ハンドブック 改訂版』 合同出版 2005年2月25日第1刷発行(2008年10月10日改訂版第1刷発行)ISBN 9784772604383 C0645 NDC465
  1. ^ William Henry Edwards or シデナム・エドワーズ