オタワ

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オタワ市
City of Ottawa
Ville d’Ottawa
カナダの旗
オタワ市の市旗 オタワ市の市章
市旗 市章
愛称 : Bytown
標語 : "Advance Ottawa/Ottawa en avant"
位置
オタワ市の位置(カナダ)の位置図
オタワ市の位置(カナダ)
位置
オタワの位置(カナダ内)
オタワ
オタワ (カナダ)
オタワの位置(オンタリオ州内)
オタワ
オタワ (オンタリオ州)
オタワの位置(南オンタリオ内)
オタワ
オタワ (南オンタリオ)
オタワ市の位置(オンタリオ州)の位置図
オタワ市の位置(オンタリオ州)
地図
座標 : 北緯45度25分1.2秒 西経75度42分00秒 / 北緯45.417000度 西経75.70000度 / 45.417000; -75.70000
歴史
建設 1850年
行政
カナダの旗 カナダ
   オンタリオ州
 市 オタワ市
市長 ジム・ワトソン英語版
地理
面積  
  市域 2,790km² km2
  都市圏 5,716.00 km2
標高 70 m (230 ft)
人口
人口 2006年[1][2]現在)
  市域 94.7万人
    人口密度   292.3人/km2
  都市圏 1,130,761人
  備考 カナダ国内4位
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
郵便番号 K0A、K1A-K4C
市外局番 +1-613
公式ウェブサイト : ottawa.ca
国会議事堂
ナショナル・ギャラリー
カナダ戦争博物館
オタワ・セネターズのホームであるスコシアバンク・ プレイス

オタワ英語: フランス語: Ottawa 英語発音: [ˈɒtəwə] Ottawa.ogg 聞く[ヘルプ/ファイル])は、カナダ首都オンタリオ州東部に位置する地方行政区オタワ川を挟んで隣接するガティノーを含め連邦政府の行政機関が集中する行政都市である。

カナダにはアメリカの首都ワシントンD.C.とは違い、連邦政府の特別地区(Capital District)が存在せず、オタワはオンタリオ州内の一都市となっている。行政レベルはトロントなどと同じ単一層自治体に位置づけられる。

オタワはケベック州の都市ガティノーを含めた周辺都市とでオタワ首都圏(NCR、National Capital Region)を形成している。

2006年の市域人口はおよそ81万人でカナダ国内ではトロントモントリオールカルガリーに次ぐ4番目。広域圏の人口は113万人を数えるが、カナダの中ではトロント等のような大都会というわけではない。

歴史

1826年1831年に軍事的目的でオタワ川とオンタリオ湖を結ぶリドー運河が建設されたが、この時測量を担当した軍人の名にちなんでバイタウンBytown)の小村が生まれ、これが今日のオタワの母体となった。

1854年に市街再編、川の名からオタワに改名された。当時首都の決定を巡ってケベックモントリオールキングストントロントの4都市が激しく競い合ったが、1858年ビクトリア女王の独断で英仏両勢力のほぼ境界に位置するオタワ(当時人口は約2万人)が選定された。

第二次世界大戦中、オランダユリアナ王女はカナダへ亡命し、オタワに身をよせていた。ユリアナ王女はオタワ滞在中に出産を迎えたが、カナダは出生地主義であり、カナダ領内で生まれた子供には自動的にカナダ国籍が与えられるため、二重国籍を認めていないオランダの法律下では生まれた子供がオランダ国籍を喪失する恐れがあった。そのため、カナダ政府は病室を一時的にカナダ領から外す特別措置をとった。この時に生まれたのが、ユリアナ王女の三女(ベアトリクス前女王の妹)マルフリート王女である。オランダ王室はこの恩義の返礼と感謝の意を込めて、毎年チューリップの球根を贈っている。オランダとの友好をも意味するチューリップが毎年5月にチューリップ・フェスティバルの会場いっぱいに咲くことから、オタワは「チューリップ・シティ」とも呼ばれる。その数は10万本以上で世界最大規模のチューリップ・フェスティバルとなっている。同会場のインターナショナルパビリオンには、日本のパビリオンもあり、地元の日系人関係者が日本パビリオンを主催している。

主な建造物

1916年の大火で古い建物の多くは焼失しているが、連邦政府の議事堂は丘の上にあるため「パーラメント・ヒル(Parliament Hill)」と呼ばれ、そのゴシック様式の建物は観光の目玉になっている。他にも首相官邸(24 Sussex Drive)、カナダ総督の公邸リドーホール、ノートルダム聖堂がある。

また数々の美術館や博物館があり、ガラス張りのナショナル・ギャラリーカナダ現代写真美術館 (Canadian Museum of Contemporary Photographyカナダ戦争博物館 (Canadian War Museumカナダ科学技術博物館 (Canada Science and Technology Museumカナダ自然博物館 (Canadian Museum of Natureカナダ農業博物館 (Canada Agriculture Museum及びカナダ航空博物館 (Canada Aviation Museumなどがこれに含まれる。さらに、カナダ文明博物館 (Canadian Museum of Civilizationがオタワ川対岸のケベック州ガティノーにある。

教育

大学

産業

行政官庁が多くあり、研究機関も多い。ハイテク産業も盛ん。オタワ郊外ではこの町の発祥の基礎となった林業が依然として重要な産業であり、さらにパルプセメントの生産も行われている。また、北西160kmのディープリバーの近くに、原子炉の研究で世界的に知られるチョーク・リバー研究所がある。

交通

空港

鉄道

市内交通

オタワ・カールトン地域交通公社(OC Transpo)によってオタワ市内や隣のケベック州ガティノーなど各地へバス路線が運行されている他、以下の市内交通が運行されている。

人口動勢

2006年国勢調査によるとケベック州ガティノーなどを含むオタワ都市圏の人口は148万8,800人でトロントモントリオールバンクーバーに次ぐカナダ第4の都市である。周辺部を含まないオタワ市の人口は 81万2,129人である。 そのうち、外国生まれが22.3%を占める。

人種別構成は2006年調査時点では下記の通り。

市内にはイタリア人街や中華街、ユダヤ人街が点在し、ソマリアからの難民が多いのが特徴である。インドシナ難民の受け入れをオタワが積極的に行ったため、ベトナム、カンボジアからの難民も多い。レバノン人コミュニティはモントリオールに次ぐ規模である。

言語

ケベック州に隣接するため、フランス語系住民の数は12万人に上り、ケベック州以外の都市では最大である。市民の62.6%が英語を、 14.9%がフランス語を使用し、多くの市民は英語とフランス語のバイリンガルである。他には、中国語 (3.1%)、アラビア語 (3.0%)、イタリア語(1.3%)、スペイン語(1.2%)などが話されている。

気候

冬のリドー運河

首都としては、モンゴルウランバートルカザフスタンアスタナに次いで、寒さの厳しい都市である。ケッペンの気候区分によれば、亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属し、冬季は1月の平均気温は-10.3℃。北極寒波に覆われると-30℃以下まで下がり、日中でも氷点下20℃以下までしか上がらないことも珍しくない。年間降雪量は223.5cmと北米の中では最も多い部類に入るが、日本の豪雪都市と比べると少ない。冬季には完全に凍りついたリドー運河がスケートリンクに変身し、通勤・通学する市民で賑わう姿はオタワの風物詩になっている。夏季は比較的気温が高くなり、好天ならば昼は30℃を超える真夏日となる。

オタワ(オタワ空港) (1981–2010年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 12.9
(55.2)
12.4
(54.3)
26.7
(80.1)
31.1
(88)
35.8
(96.4)
36.1
(97)
36.7
(98.1)
37.8
(100)
35.1
(95.2)
27.8
(82)
23.9
(75)
16.3
(61.3)
37.8
(100)
平均最高気温 °C°F −5.8
(21.6)
−3.4
(25.9)
2.5
(36.5)
11.6
(52.9)
19.0
(66.2)
24.1
(75.4)
26.5
(79.7)
25.3
(77.5)
20.4
(68.7)
12.7
(54.9)
5.4
(41.7)
−2.3
(27.9)
11.3
(52.3)
日平均気温 °C°F −10.3
(13.5)
−8.1
(17.4)
−2.3
(27.9)
6.3
(43.3)
13.3
(55.9)
18.5
(65.3)
21.0
(69.8)
19.8
(67.6)
15.0
(59)
8.0
(46.4)
1.5
(34.7)
−6.2
(20.8)
6.4
(43.5)
平均最低気温 °C°F −14.8
(5.4)
−12.7
(9.1)
−7.0
(19.4)
1.0
(33.8)
7.5
(45.5)
12.9
(55.2)
15.5
(59.9)
14.3
(57.7)
9.6
(49.3)
3.3
(37.9)
−2.4
(27.7)
−10.1
(13.8)
1.4
(34.5)
最低気温記録 °C°F −35.6
(−32.1)
−36.1
(−33)
−30.6
(−23.1)
−16.7
(1.9)
−5.6
(21.9)
−0.1
(31.8)
5.0
(41)
2.6
(36.7)
−3.0
(26.6)
−7.8
(18)
−21.7
(−7.1)
−34.4
(−29.9)
−36.1
(−33)
降水量 mm (inch) 65.4
(2.575)
54.3
(2.138)
64.4
(2.535)
74.5
(2.933)
80.3
(3.161)
92.8
(3.654)
91.9
(3.618)
85.5
(3.366)
90.1
(3.547)
86.1
(3.39)
81.9
(3.224)
76.4
(3.008)
943.4
(37.142)
降雪量 cm (inch) 53.9
(21.22)
43.3
(17.05)
38.3
(15.08)
11.3
(4.45)
0.2
(0.08)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
3.7
(1.46)
20.2
(7.95)
52.5
(20.67)
223.5
(87.99)
平均降雨日数 (≥0.2 mm) 4.4 3.9 6.7 10.9 13.4 13.2 11.9 11.0 12.3 13.7 11.0 6.0 118.4
平均降雪日数 (≥0.2 cm) 16.1 12.1 8.8 3.5 0.17 0.0 0.0 0.0 0.0 1.1 6.8 14.7 63.3
湿度 76.5 74.9 73.7 73.5 76.1 81.1 84.4 87.9 89.6 86.1 83.5 81.8 80.8
平均月間日照時間 122.4 114.1 168.5 187.5 210.5 274.0 301.4 231.9 211.5 148.8 92.4 68.8 2,131.7
出典:[3]

行政

2010年12月1日以降の市長ジム・ワトソン英語版。2014年に再選、2018年に3選を果たしている。

姉妹都市

スポーツ

オタワを本拠地とするプロスポーツチームは以下の通りである。

チーム名 所属リーグ スポーツ Venue 設立年 優勝回数
オタワ・セネターズ ナショナルホッケーリーグ (NHL) アイスホッケー カナディアン・タイヤ・センター 1990 0[4]
オタワ・レッドブラックス カナディアン・フットボール・リーグ (CFL) カナディアンフットボール TDプレイス・スタジアム 2010 1
オタワ・ブラックジャックス英語版 カナダ・エリート・バスケットボール・リーグ英語版 (CEBL) バスケットボール TDプレイス・アリーナ英語版 2019 0
アトレティコ・オタワ カナダ・プレミアリーグ (CPL) サッカー TDプレイス・スタジアム 2020 0
オタワ・タイタンズ英語版 フロンティアリーグ (FL) 野球 レイモンド・シャボット・グラント・ソーントン・パーク 2020 0
オタワ・エーシズ英語版 ラグビー・フットボール・リーグ (RFL) ラグビー TDプレイス・スタジアム 2021* 0

オタワ出身の著名人

脚注

  1. ^ 2006 Community Profiles | Community Highlights for Ottawa (City)”. 2008年5月15日閲覧。
  2. ^ 2006 Community Profiles | Community Highlights for Ottawa - Gatineau (Census metropolitan area)”. 2008年5月15日閲覧。
  3. ^ 1981 to 2010 Canadian Climate Normals station data OTTAWA MACDONALD-CARTIER INT'L A カナダ環境省”. 2014年8月6日閲覧。
  4. ^ 1901年から1934年までオタワに存在したセネターズ(旧セネターズ。en:Ottawa Senators (original)参照)はスタンレーカップを11獲得した伝説的な名門チームだが、現セネターズは記録上は1990年設立・1992年リーグ参加の新しいチームであるとされている

関連項目

外部リンク

公式
日本政府
観光