これが青春だ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。58.189.233.113 (会話) による 2020年11月14日 (土) 05:40個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎スタッフ)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

これが青春だ( - せいしゅん - )は、東宝制作、テアトル・プロ共同制作によって1966年から1967年にかけて日本テレビ系で放送された竜雷太主演の学園ドラマ。「青春とはなんだ」に次ぐ、東宝青春学園シリーズの第2弾作品である。


内容

本作の主人公である大岩雷太は、乗っていたヨットが転覆した所を漁師の青年・彰に助けられたのち、田舎町・南海市にやってくる。ロンドンでの留学経験を活かして南海高校の英語教師に就任、劣等生ばかりのクラス・D組の担任を務める。そしてサッカーを通じて生徒たちに人間教育を説き、心と心のふれあいを図っていく。

当初、本作においても前作『青春とはなんだ』の夏木陽介の主演で企画が進められていた。夏木本人もこれに乗り気だったとのことだったが、クランクイン1か月前になって夏木が木下恵介から主演に指名されて木下監督作品の東宝映画『なつかしき笛や太鼓』に急遽出演することになり(当時はまだテレビ界は映画界より一段低い扱いで、テレビより映画を優先するような風潮があった)[1]、軌道修正を余儀なくされた結果、当時無名の新人だった竜雷太(役名の大岩雷太にちなんで芸名が付けられた)が起用された。結果的にこれが成功を収め、竜は後継番組『でっかい青春』でも引き続き主演を務める事となる。半ば偶然の産物として生まれた「新人をドラマと共に育てる」というこの手法は同じ岡田晋吉プロデューサーが手掛けた刑事ドラマ太陽にほえろ!』や、村野武範の出世作となった『飛び出せ!青春』、さらに中村雅俊の出世作となった『われら青春!』などにおいても受け継がれている。

放送データ

出演者

スタッフ

主題歌・挿入歌

  • 「これが青春だ」 (1966年12月10日発売、キングレコード BS-567)歌:布施明 作詞:岩谷時子 作・編曲:いずみたく
2003年のテレビドラマ『ビギナー』では、北村総一朗の出演場面に流れる。
1991年にサンプラザ中野(後のサンプラザ中野くん)とパッパラー河合によるユニット「The 花びら」によってカバーされ、エースコック「スーパーカップ」のCMソングに起用された。
  • 「貴様と俺」(1966年12月10日発売、キングレコード BS-567)歌:布施明 作詞:岩谷時子 作・編曲:いずみたく
  • 「あの娘と暮らしたい」 歌:竜雷太 作詞:岩谷時子 作・編曲:いずみたく
  • LPアルバム『これが青春だ』 (1966年12月、キングレコード SKK-355)
布施明、竜雷太、岡田可愛、松本めぐみ、矢野間啓治らの歌う主題歌、挿入歌など10曲(インストゥルメンタル2曲を含む)が収録されている。このアルバム収録曲全曲が、2007年12月25日発売のCD『これが青春だ~青春ドラマテーマソング大全』(キングレコード KICS1351)に収録されている。

サブタイトル

放映日 各話 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト
1966年
11.20
第 1話 海から来た男 須崎勝彌 高瀬昌弘 田中明夫大辻伺郎北村総一郎
11.27 第 2話 僕も私も劣等生 須崎勝彌 高瀬昌弘
12.4 第 3話 明日への序奏 須崎勝彌 高瀬昌弘 西条康彦、堀越節子
12.11 第 4話 サッカー部誕生 須崎勝弥 松森健 寺島信子
12.18 第 5話 君が必要だ! 倉本聡 松森健  田中春男
12.25 第 6話 どろんこ勇者 倉本聡 高瀬昌弘 蟹江敬三山本紀彦
1967年
1.1
第 7話 赤ちゃん騒動 井手俊郎 高瀬昌弘 五月女マリ、三谷昇沢村いき雄

東京太東京二有島一郎

1.8 第 8話 18人の新主将 須崎勝弥 松森健 柳谷寛
1.15 第 9話 ラブレター旋風 須崎勝弥 高瀬昌弘 楠田薫中村是好
1.22 第10話 あゝ友情 須崎勝彌 高瀬昌弘 田中春男
1.29 第11話 男性飼育法 井手俊郎 小松幹雄 岩井良介、平井道子小林幸子、野々浩介、佐田豊
2.5 第12話 ホラ吹き大将故郷に帰る 倉本聡 高瀬昌弘 西沢利明北あけみ
2.12 第13話 勝利に近道はない 桜井康裕 高瀬昌弘
2.19 第14話 とんだ拾い物 井手俊郎 竹林進
2.26 第15話 試験騎士道 桜井康裕
浅野正雄
竹林進
3.5 第16話 ぽんこつ拳法 須崎勝彌 高瀬昌弘 加東大介
3.12 第17話 くたばれ進学コース!! 田波靖男 高瀬昌弘 林隆三
3.19 第18話 さらば故郷 須崎勝弥 竹林進 有川博
3.26 第19話 明日の星 桜井康裕 竹林進 北川めぐみ見明凡太朗
4.2 第20話 誇り高き対決 須崎勝弥 高瀬昌弘 高田直久
4.9 第21話 初恋よこんにちは 井手俊郎 高瀬昌弘 永井譲滋
4.16 第22話 後輩に脱帽! 倉本聡 小松幹雄 中沢治夫伊藤久哉
4.30 第23話 その右手を出せ 上條逸雄 小松幹雄
5.7 第24話 縁の下の力持ち 桜井康裕 高瀬昌弘 藤田みどり
5.14 第25話 落語息子 井手俊郎 高瀬昌弘 那須ますみ
5.28 第26話 走れ!キャップテン 上條逸雄 小松幹雄 瀬能礼子、柳谷寛
6.11 第27話 カミナリ先生音無しの構え 桜井康裕 小松幹雄 松本染升木田三千雄、宝生あや子
6.25 第28話 サッカーばあちゃん 井手俊郎 高瀬昌弘 堺駿二、島田多恵子、内田朝雄
7.2 第29話 おかしな十七才 上條逸雄 高瀬昌弘 高橋厚子、寺島信子、福島純子
7.9 第30話 美人投票 須崎勝彌 小松幹雄 児玉清柳生博藤原釜足
7.30 第31話 メリーさんがやってきた 倉本聡 小松幹雄 北村総一郎、リンダ・ハーディスディ、西条康彦
8.6 第32話 只今特訓中 桜井康裕 児玉進 関みどり
8.27 第33話 紅い霧黒い霧 須崎勝彌 高瀬昌弘
9.10 第34話 これがケチだ 上條逸雄 高瀬昌弘 藤田進
9.24 第35話 淑女落第生 桜井康裕 児玉進
10.1 第36話 須崎勝彌 児玉進
10.8 第37話 一触即発 井手俊郎 土屋統吾郎
10.15 第38話 全校突撃せよ 須崎勝彌 高瀬昌弘 浦辺粂子
10.22 第39話 青春号出帆 須崎勝彌 高瀬昌弘 音無美紀子

書籍

  • 須崎勝彌著『これが青春だ 正編』(ルック社、昭和42年5月25日)のち第1巻
  • 須崎勝彌著『続これが青春だ』(ルック社、昭和42年10月14日)のち第2巻
  • 須崎勝彌著『これが青春だ 完結編』(ルック社 昭和42年11月14日初版)のち第3巻
須崎勝彌著となっているがメインライターとして脚本家代表としての表記である。実際は、各話のシナリオを基にした小説化(湯沢司、佐々木宏)であり、須崎の他に田波、桜井、倉本、井手、上條らもクレジットされている。なお、正編の巻末に学生出演者のコメントが掲載されている。のちに第1巻から第3巻表記の新装版として刊行されたが、一部の章が削除された。

メディア

  • これが青春だミュージックファイル(1993年8月1日、vap発売 VPCD-81012)
思い出の青春ドラマ音楽全集CDとしてドラマのBGM等74曲(音楽:いずみたく)を収録しており、ビデオ化されていないこのドラマを音で再現している。

ロケ地

  • 下田市・須崎、爪木崎、大浜海岸、東京都立町田高校

関連項目

参考文献

  • 岡田可愛著『失敗なんて怖くない』(KSS出版、1998年10月) ISBN 4-87709-289-7
  • 岡田晋吉著『青春ドラマ夢伝説-あるプロデューサーのテレビ青春日記』(日本テレビ放送網、2003年9月) ISBN 4-8203-9863-6
  • 高瀬昌弘著『昭和千本のドラマたち』(廣済堂出版、2007年11月15日)ISBN 978-4-331-51242-5
  • 轟夕紀夫編著『好き勝手 夏木陽介 スタアの時代』(講談社 2010年10月15日)ISBN 978-4-06-216511-2
  1. ^ COSMIC MOOK『60~80年代超人気学園ドラマ 俺たちの先生!』(2017年12月8日発行、コスミック出版)36 - 37頁
日本テレビ 日曜20:00枠
前番組 番組名 次番組
青春とはなんだ
(1965.10.24~1966.11.13)
これが青春だ
(1966.11.20~1967.10.22)
でっかい青春
(1967.10.29~1968.10.13)