9-BBN

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9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
9-BBN 単量体
IUPAC名9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
別名9-BBN
分子式C8H15B
分子量122.02
CAS登録番号[280-64-8](単量体)
[21205-91-4](二量体)
形状白色固体(二量体)
密度0.894 g/cm3, 固体(二量体)
融点153−155 °C(二量体)

9-BBN とは、有機合成化学において用いられる試剤のひとつ。IUPAC命名法による正式名称は 9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン (9-borabicyclo[3.3.1]nonane) 。ボランの誘導体としてアルケンヒドロホウ素化反応に用いられる。一般に「ナインビービーエヌ」と読まれる。

9-BBN は 1,5-シクロオクタジエンへのボラン付加反応により得られる。ボランをジメチルスルフィド錯体 (H3B•S(CH3)2) の形で用い、ジメトキシエタン (DME) を溶媒とする手法がハーバート・C・ブラウンらにより報告されている[1][2]。またボランのテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、THF中で反応させる方法も知られる[3]

9-BBN の合成

9-BBN の二量体

他のボラン誘導体に比べ、9-BBN は純粋な状態でも比較的安定である。その安定性は 9-BBN が B-H-B 架橋による二量体を作ることによる。市販品としては、この固体状態の二量体、または THF溶液の形で入手可能である。

9-BBN によるヒドロホウ素化反応は、一般に非常に高い立体選択性により anti-マルコフニコフ付加体を与える。これは、9-BBN が持つかさ高さのためである[4][5]

また、9-BBN 付加体を鈴木・宮浦カップリング反応の基質とし、sp2炭素ハロゲン化物とカップリングさせることもできる[5]

参考文献[編集]

  1. ^ Soderquist, J. A.; Brown, H. C. J. Org. Chem. 1981, 46, 4599-4600. DOI: 10.1021/jo00335a067
  2. ^ Soderquist, J. A.; Negron, A. Organic Syntheses, Coll. Vol. 9, p. 95 (1998); Vol. 70, p. 169 (1992). オンライン版
  3. ^ 鈴木章宮浦憲夫「9-Borabicyclo [3.3.1] nonane (9-BBN)」『有機合成化学協会誌』第30巻第4号、有機合成化学協会、1972年、 406頁、 doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.30.406
  4. ^ Pelter, A.; Smith, K.; Brown, H. C. Borane Reagents; Academic Press: London, 1988.
  5. ^ a b Ishiyama, T.; Miyaura, M.; Suzuki, A. Organic Syntheses, Coll. Vol. 9, p. 107 (1998); Vol. 71, p. 89 (1993). オンライン版