5ジャン6キ

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平壌市内の外貨ショップ。6キの1つであるテレビやステレオが見える。

5ジャン6キ[1][2](5장6기、5チャン6キと読むこともある[3])は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で、一般家庭に必要とされる家財道具を指す言葉[1]。「ジャン(欌、장)」は器、入れ物[1]を、「キ(기、漢字表記では「機」)」は機械、転じて家電製品を意味する[3]

内容[編集]

生活に必要な耐久消費財を五臓六腑に例えたもので[1]、家具一式の総称として使われることもある[3]

もっとも、北朝鮮における消費財の供給は著しく少なく、また電化製品は高価でもある。そのため実際に5ジャン6キが家庭にあるのは、特権階級[1]や、出稼ぎ労働者など海外からの仕送りがある裕福層[3]、ごく一部の新婚家庭[2]などに過ぎない。一般家庭では、布団箪笥・食器棚とテレビ・ミシン・録音機の2ジャン3キ(2장3기)が普通で[1][3]、農村では貧困や食糧不足でこれらも売却する家庭があるという[1]

5ジャン[編集]

  • 布団箪笥(イブルジャン、이불장)
  • 洋服箪笥(ヤンボクジャン
  • 本棚(チェクジャン、冊欌、책장)または飾り棚[2]
  • 下駄箱(シンバルジャン、신발장)
  • 食器棚(チャンジャン、饌欌、찬장)

6キ[編集]

洗濯機を含めずにカメラを加えることもある[1]

参考資料[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i 石任生・撮影、安海龍・文、韓興鉄・訳『北朝鮮の日常風景』コモンズ 2007年 ISBN 978-4-86187-034-7 p.23
  2. ^ a b c d 1日14時間の重労働…稼いだドルは金正日の忠誠資金に - Daily NK
  3. ^ a b c d e f 鄭銀淑『図解 あっと驚く、北朝鮮!』 三笠書房 2004年 ISBN 4-8379-2091-8 p.20

関連項目[編集]