3次元顔認識

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3次元顔認識英語: Three-dimensional face recognition)とは、人間の顔を3次元で認識する顔認識システムである。2次元の場合よりも劇的に正確さが向上し、指紋認証に匹敵するレベルになるとされている。

概要[編集]

3次元顔認識は、2次元の顔認識に比較して顔の特徴を正確に捉えることができ、精度が向上する可能性を持つ。2次元の顔認識アルゴリズムで問題となる照明の違い、表情の違い、化粧の有無、頭の向きの違いなどにも対応可能である。3次元モデルを使った別の手法として、頭の向きを既知の画像に合わせて変形させることで、従来の2次元のデータベースとの照合の精度を向上させる。さらに、多くのレンジスキャナは3次元メッシュとテクスチャの両方を取得する。これにより、既存の2次元顔認識アルゴリズムとも組み合わせやすくなり、同時に性能が向上する。(FRVT 2006参照)。

3次元顔認識の技術的問題点は、3次元画像の取得方法であり、レンジスキャナと呼ばれる機器を必要とする。そのため、3次元顔認識の実現(1980年代末)が2次元(1960年代)に比べてかなり遅れた。最近では商用のレンジスキャナが実用化されており、顔の画像と3次元グリッドを取得して3次元モデル化することができる。これにより、高精度で低価格の商用オフザシェルフ機器が登場した。

3次元顔認識は今も研究が続いているが、製品化している企業もある。世界初の3次元顔処理に特化した国際ワークショップ CVPR 2008 が開催予定となっている(外部リンク参照)。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Bronstein, A. M.; Bronstein, M.M, and Kimmel, R. (2005). “Three-dimensional face recognition”. International Journal of Computer Vision (IJCV) 64 (1): 5-30. 
  • Kakadiaris, I. A.; Passalis, G. and Toderici, G. and Murtuza, N. and Karampatziakis, N. and Theoharis, T. (2007). “3D face recognition in the presence of facial expressions: an annotated deformable model approach”. Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence (PAMI) 13 (12). 

外部リンク[編集]