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2024年パリオリンピックの飛込競技

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2024年パリオリンピック
飛込競技
会場アクアティクス・センター(Paris Aquatic Centre
開催日2024年7月27日-8月10日
参加選手数32か国 136人
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2024年パリオリンピック飛込競技[1](2024ねんパリオリンピックのとびこみきょうぎ)は、世界水泳連盟(旧称国際水連)が管轄し、2024年7月27日から8月10日まで男女計8種目で行われた。

概要

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1か国からは男女それぞれ8人まで(1種目あたりでは個人種目は2人まで、シンクロ種目は1組のみ)出場できる[2]。全出場者数は男女それぞれ68人で136人。

開催国フランスは、開催国枠としてシンクロ種目全種目の出場枠(男女4人ずつ保障されている。選考期間中に出場枠の上限に到達した国は以後の選考プロセスから除外され、代わりに下位の上限未達国が出場枠を得る(中国が2023年世界水泳選手権だけで男女とも8人ずつの出場枠を獲得したため、以降は除外される)。

コロナウイルス感染症流行の影響でスポーツ大会の日程も大幅な影響を受けたため、出場枠決定方法も従前とは大きく異なるものとなった[3]

出場枠決定方法と割当
選考大会等 個人種目出場枠 シンクロ種目出場枠 備考
割当て 割当て
開催国枠 (設定無し) 1組2人×4種目 フランス フランス
2023年世界選手権福岡大会 上位12人×4種目 開催国以外の上位3か国6人×4種目
大陸予選優勝など 上位1人×4種目×5大陸 (対象外) 出場枠獲得済みの選手、上限到達国の選手優勝の場合、2位以下に繰り下げしない。
2024年世界選手権ドーハ大会 上位12人×4種目 未獲得国中上位4か国8人×4種目 (個人種目)出場枠獲得済みの選手、上限到達国の選手を除くが、13位以下には繰り下げしない。
合計 72人 64人

出場枠確定までのプロセスは以下の通り。

  1. 上記、世界水泳ドーハ大会上位12人を対象とした割り当てまでを反映した各国の出場枠数が世界水泳連盟からNOCに通知され、NOCは実際に使用する出場枠数を世界水泳連盟に連絡する。この際、個人・シンクロに重複して出場を予定する選手がいるNOCは当該選手について「1枠」として回答する。例えば、シンクロ種目の出場枠を1つ(2人)、個人種目の出場枠を2つ(2人)持つNOCがシンクロ種目に出場する選手2人を個人種目にも出場させる場合は、(4枠ではなく)2枠として回答する。
  2. 世界水泳連盟は、NOCの回答を集計した結果生じた定員136人に対する「空き枠」について、世界水泳ドーハ大会での成績を基に、出場枠獲得済みの選手、上限到達国の選手を除く上位の選手から各国上限に到達するまで男女計が136人に達するように割当する。

大陸予選は以下の通り。

なお、出場枠は出場枠獲得に貢献した選手本人ではなく、その選手が所属するオリンピック委員会(NOC)に与えられる。NOCがそれぞれの内規によって代表選手を決定する[5]

参加国

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2024年2月時点(世界水泳ドーハ大会終了)で一旦、個人種目とシンクロ種目に出場する選手が別と仮定して出場枠が与えられるが、両方の種目に出場する選手は1枠(シンクロ種目の出場枠)としてカウントされるため、余った枠を総計人数(男女合わせて136名)の範囲内で世界選手権ドーハ大会上位から出場枠未獲得者の追加出場分に割り当てた[3]。(下表内のカッコ内の数字、及びマイナス表記はシンクロと個人種目に重複して出場する選手による出場枠返上、プラス表記は追加割当を表す。)

即ち、シンクロ種目の参加選手は男女各32人、合計64人の固定であり、個人種目の参加選手は男女それぞれ個人単独出場枠男女各36人+個人・シンクロ重複出場選手ということになる。

NOC シンクロ種目 個人種目 合計
男子3m板飛込 男子10m高飛込 女子3m板飛込 女子10m高飛込 男子3m板飛込 男子10m高飛込 女子3m板飛込 女子10m高飛込 枠数 選手数
オーストラリア オーストラリア Yes Yes 1 2(1) 2(1) 2 9 11-2
オーストリア オーストリア +1 +1 +1
ブラジル ブラジル 1 1 2 2
カナダ カナダ Yes Yes 2(2) 1 1+1(2) 6+1 8-4+1
中国 中国 Yes Yes Yes Yes 2(1) 2(1) 2(2) 2(2) 12 16[注 1]-6
コロンビア コロンビア 2 +1 2+1 2+1
キューバ キューバ +2 +1 +3 +2[注 2]
ドミニカ共和国 ドミニカ共和国 +2 +1 +3 +3
エジプト エジプト 1 1 1 1 4 4
フランス フランス Yes Yes Yes Yes 2(1) 6 10-1
ドイツ ドイツ Yes Yes 2 1(1) 1+1(1) 2 8+1 10-2+1
イギリス イギリス Yes Yes Yes Yes 2(1) 2(1) 2(1) 2(2) 12 16-5
アイルランド アイルランド +1 +1 +2 +2
イタリア イタリア Yes Yes 2(2) +2 2(2) 1+1 7+3 9-4+3
ジャマイカ ジャマイカ +1 +1 +1
日本 日本 1[6] 1[5] 2[7] 1[8][注 3] 5 5
ラトビア ラトビア +1 +1 +1
マレーシア マレーシア 1 +1 1+1 1+1
メキシコ メキシコ Yes Yes Yes 2(1) 2(2) 1+1 2(2) 10+1 13-5+1
オランダ オランダ 1 1 1
ニュージーランド ニュージーランド +1 +1 +1
北朝鮮 北朝鮮 Yes +1 1(1) 2+1 3-1+1
ノルウェー ノルウェー +1 +1 +1
ポーランド ポーランド 1 1 1
プエルトリコ プエルトリコ +1 +1 +1
南アフリカ 南アフリカ 1 1 1
韓国 韓国 1+1 1+1 1 +1 3+3 3+3
スペイン スペイン Yes +1 1 2+1 3+1
スウェーデン スウェーデン 1 1 1
ウクライナ ウクライナ Yes Yes Yes Yes 1 1(1) +1(1) 6+1 10-2+1
アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 Yes[注 4] Yes Yes 2 1 2(1) 1+1(1) 9+1 12-2[注 5]
ウズベキスタン ウズベキスタン 1 1 1
計: 32 NOC 8 8 8 8 20+5 20+6 20+8 19+10 111+29 143-34+27

競技形式

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男子は6回、女子は5回の演技を行い合計得点を競う。個人種目では予選の上位18名が準決勝へ、準決勝の上位12名が決勝に進出する。予選と準決勝の得点は次のラウンドには持ち越されない。

競技日程

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[9]

予選 準決勝 決勝
種目\日時 7月27日 7月28日 7月29日 7月30日 7月31日 8月1日 8月2日 8月3日 8月4日 8月5日 8月6日 8月7日 8月8日 8月9日 8月10日
男子3m板飛込














男子10m高飛込













男子3mシンクロ板飛込













男子10mシンクロ高飛込













女子3m板飛込














女子10m高飛込













女子3mシンクロ板飛込













女子10mシンクロ高飛込













メダリスト

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種目
男子3m板飛込[10] 中国 謝思埸
中国 (CHN)
543.60 中国 王宗源
中国 (CHN)
530.20 メキシコ オスマル・オルベラ・イバラ
メキシコ (MEX)
500.40
男子10m高飛込[11] 中国 曹縁
中国 (CHN)
547.50 日本 玉井陸斗
日本 (JPN)
507.65 イギリス ノア・ウィリアムズ
イギリス (GBR)
497.35
男子3mシンクロ板飛込[12] 中国 中国 (CHN)
龍道一
王宗源
446.10 メキシコ メキシコ (MEX)
フアン・マヌエル・セラヤ・エルナンデス
オスマル・オルベラ・イバラ
444.03 イギリス イギリス (GBR)
アンソニー・ハーディング
ジャック・ロー
438.15
男子10mシンクロ高飛込[13] 中国 中国 (CHN)
練俊傑
楊昊
490.35 イギリス イギリス (GBR)
トーマス・デーリー
ノア・ウィリアムズ
463.44 カナダ カナダ (CAN)
ライラン・ウィーンズ
ネイサン・ソンボル=マレー
422.13
女子3m板飛込[14] 中国 陳芸文
中国 (CHN)
376.00 オーストラリア キーニー・マディソン
オーストラリア (AUS)
343.10 中国 昌雅妮
中国 (CHN)
318.75
女子10m高飛込[15] 中国 全紅嬋
中国 (CHN)
425.60 中国 陳芋汐
中国 (CHN)
420.70 北朝鮮 キム・ミレ
北朝鮮 (PRK)
372.10
女子3mシンクロ板飛込[16] 中国 中国 (CHN)
昌雅妮
陳芸文
337.68 アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 (USA)
サラ・ベーコン
キャシディ・クック
314.64 イギリス イギリス (GBR)
ヤスミン・ハーパー
スカーレット・ミュー・ジェンセン
302.28
女子10mシンクロ高飛込[17] 中国 中国 (CHN)
陳芋汐
全紅嬋
359.10 北朝鮮 北朝鮮 (PRK)
チョ・ジンミ
キム・ミレ
315.90 イギリス イギリス (GBR)
アンドレア・スペンドリーニ=シリエイクス
ロイス・トゥールソン
304.38

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 世界選手権福岡大会だけで上限到達。
  2. ^ Anisley Garcíaが女子3m板飛込と女子10m高飛込の個人2種目に出場した。
  3. ^ 金戸凜は世界選手権ドーハ大会の成績による追加出場枠獲得圏内であったが、日本水連の選考基準を満たさず、代表に選出されなかった。
  4. ^ 世界水泳福岡大会銅メダル🥉のフランスに代わって、繰上げで出場権を得た。
  5. ^ Carson Tylerが男子3m板飛込と男子10m高飛込の個人2種目に出場した。

出典

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  1. ^ Diving” (英語). Paris 2024. 2022年9月23日閲覧。
  2. ^ Paris 2024 - Diving Info” (英語). FINA - Fédération Internationale De Natation. 2022年9月23日閲覧。
  3. ^ a b 【パリ2024への道】飛込、出場資格取得プロセスを解説”. olympics.com (2023年3月31日). 2023年6月11日閲覧。
  4. ^ アーティスティックスイミングと飛び込み、杭州アジア大会が五輪予選に」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社(共同通信社配信記事)、2023年9月10日。2023年10月7日閲覧。
  5. ^ a b 水泳 男子高飛び込み 玉井陸斗 途中棄権もパリ五輪の代表内定」『NHK NEWS WEB』日本放送協会、2023年7月22日。2023年10月6日閲覧。
  6. ^ 板飛び込み、坂井丞がパリ五輪へ 世界水泳で9位”. 日本経済新聞 (2024年2月8日). 2024年2月10日閲覧。
  7. ^ 日本放送協会 (2024年2月10日). “女子板飛び込み 榎本遼香がパリ五輪内定 世界選手権で11位 | NHK”. NHKニュース. 2024年2月10日閲覧。
  8. ^ 日本放送協会 (2023年7月18日). “水泳 荒井祭里 パリ五輪内定確実に 世界選手権 女子高飛び込み | NHK”. NHKニュース. 2024年2月10日閲覧。
  9. ^ Paris 2024 Olympic Competition Schedule” (英語). 2024年パリオリンピック・パラリンピック組織委員会 (2023年6月1日). 2023年6月11日閲覧。
  10. ^ MEN'S 3M SPRINGBOARD FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年8月8日閲覧。
  11. ^ MEN'S 10M PLATFORM FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年8月10日閲覧。
  12. ^ MEN'S SYNCHRONISED 3M SPRINGBOARD FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年8月2日閲覧。
  13. ^ MEN'S SYNCHRONISED 10M PLATFORM FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年7月29日閲覧。
  14. ^ WOMEN'S 3M SPRINGBOARD FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年8月9日閲覧。
  15. ^ WOMEN'S 10M PLATFORM FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年8月6日閲覧。
  16. ^ WOMEN'S SYNCHRONISED 3M SPRINGBOARD FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年7月27日閲覧。
  17. ^ WOMEN'S SYNCHRONISED 10M PLATFORM FINAL RESULTS” (英語). olympics.com. 2024年7月31日閲覧。

外部リンク

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