2024年パリオリンピックのアーチェリー競技
2024年パリオリンピック アーチェリー | |
アンヴァリッド | |
会場 | アンヴァリッド |
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開催日 | 2024年7月25日 - 8月4日[1] |
参加選手数 | 男女各64人 |
« 2020 | 2028 » |
2024年パリオリンピックのアーチェリー競技(2024ねんパリオリンピックのアーチェリーきょうぎ)は、2024年7月25日から8月4日に開催されたオリンピックアーチェリー競技である。世界アーチェリー連盟 (WA) が管轄する。
概要
[編集]男女個人戦・団体戦及び混合団体の計5種目を実施。個人戦は男女64名ずつが出場、1カ国からは、団体戦に出場する国は男女それぞれ最大3名まで、その他の国は男女それぞれ最大1名まで出場可能。男女団体戦には男女12カ国ずつが出場する。また、混合団体戦には、本大会のランキングラウンドの成績(国ごとに最も良い成績の男女1名ずつの合計)上位16カ国が出場する。参加選手の総数は前回(東京大会)と同じ128名[2][3]。
参加国
[編集]団体戦には開催国のフランス、2023年アーチェリー世界選手権(ドイツ・ベルリン)の上位3カ国のほか、地域別(アジア、ヨーロッパ、アメリカ)の予選(3カ国)や世界最終予選(3カ国[注釈 1])、世界ランキング[4](2カ国)を通じて出場権を得た国が出場する。団体戦の出場権を得た国は、団体戦に出場する3名の選手を個人戦にも出場させることができる。それ以外の国は個人戦に男女それぞれ1名まで出場させることができる[2][3]。
団体戦の出場国を除く国の個人戦の出場枠(男女28名ずつ)は世界選手権の個人戦上位3カ国、地域別の予選(アジア、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、アフリカ)の混合団体上位1カ国(男女1名ずつの出場権を得る)のほか、大陸別の予選や世界最終予選、招待などにより決定する[3]。
出場権はNOCに与えられるため、NOCは出場枠を獲得した選手以外を派遣することもできるが、標準記録(Minimum Qualification Score)を達成している選手に限られる[2][3]。
NOC | 男子 | 女子 | 混合 | 合計 | ||
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個人 | 団体 | 個人 | 団体 | 団体 | 選手数 | |
アルゼンチン | 1 | 1 | ||||
オーストラリア | 1 | 1 | 2 | |||
オーストリア | 1 | 1 | ||||
アゼルバイジャン | 1 | 1 | ||||
バングラデシュ | 1 | 1 | ||||
ブータン | 1 | 1 | ||||
ブラジル | 1 | 1 | 2 | |||
カナダ | 1 | 1 | 2 | |||
チャド | 1 | 1 | ||||
チリ | 1 | 1 | ||||
中国 | 3 | 3 | 6 | |||
コロンビア | 3 | 1 | 4 | |||
キューバ | 1 | 1 | ||||
チェコ | 1 | 1 | 2 | |||
デンマーク | 1 | 1 | ||||
エジプト | 1 | 1 | 2 | |||
エルサルバドル | 1 | 1 | ||||
エストニア | 1 | 1 | ||||
フィンランド | 1 | 1 | ||||
フランス | 3 | 3 | 6 | |||
ドイツ | 1 | 3 | 4 | |||
イギリス | 3 | 3 | 6 | |||
ギニア | 1 | 1 | ||||
インド | 3 | 3 | 6 | |||
インドネシア | 1 | 3 | 4 | |||
イラン | 1 | 1 | ||||
イスラエル | 1 | 1 | 2 | |||
イタリア | 3 | 1 | 4 | |||
日本 | 3 | 1 | 4 | |||
カザフスタン | 3 | 3 | ||||
ルクセンブルク | 1 | 1 | ||||
マレーシア | 3 | 3 | ||||
メキシコ | 3 | 3 | 6 | |||
モルドバ | 1 | 1 | 2 | |||
モンゴル | 1 | 1 | ||||
オランダ | 1 | 3 | 4 | |||
ポーランド | 1 | 1 | ||||
プエルトリコ | 1 | 1 | ||||
ルーマニア | 1 | 1 | ||||
サンマリノ | 1 | 1 | ||||
スロバキア | 1 | 1 | ||||
スロベニア | 1 | 1 | 2 | |||
南アフリカ | 1 | 1 | ||||
韓国 | 3 | 3 | 6 | |||
スペイン | 1 | 1 | 2 | |||
チャイニーズタイペイ | 3 | 3 | 6 | |||
チュニジア | 1 | 1 | ||||
トルコ | 3 | 1 | 4 | |||
ウクライナ | 1 | 1 | 2 | |||
アメリカ合衆国 | 1 | 3 | 4 | |||
ウズベキスタン | 1 | 1 | 2 | |||
ベトナム | 1 | 1 | 2 | |||
アメリカ領ヴァージン諸島 | 1 | 1 | ||||
Total: 53 NOCs | 64 | 12 | 64 | 12 | 27 | 128 |
団体戦出場国
出場資格 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
開催国 | フランス | フランス |
世界選手権 | 韓国 トルコ 日本 |
ドイツ メキシコ |
アジア選手権 | カザフスタン | 韓国 |
パンアメリカン選手権 | コロンビア | アメリカ合衆国 |
ヨーロッパ選手権 | イタリア | オランダ |
世界最終予選 | メキシコ チャイニーズタイペイ イギリス |
中国 マレーシア イギリス チャイニーズタイペイ |
オリンピックランキング | インド 中国 |
インド インドネシア |
団体戦非出場国の個人戦出場枠獲得状況
出場資格 | 男子 | 女子 | ||
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世界選手権 | 3 | カナダ (2位) ブラジル (3位) インドネシア (4位) |
3→2 | チェコ (1位) 日本 (3位) |
アジア競技大会(混合) | 1→0 | 1→0 | ||
ヨーロッパ競技大会(混合) | 1 | スペイン (1位) | 1 | スペイン (1位) |
パシフィックゲームズ[5](混合) | 1 | オーストラリア (1位) | 1 | オーストラリア (1位) |
パンアメリカン大会(混合) | 1 | アメリカ合衆国 (1位) | 1→0 | |
アフリカ選手権[6](混合) | 1 | チャド (1位) | 1 | |
アジア競技大会 | 2→1 | モンゴル (1位) |
2→0 | |
アジア予選 | 2→0 | 2→1 | ウズベキスタン | |
ヨーロッパ競技大会 | 2 | ドイツ (1位) モルドバ (4位) |
2→1 | イタリア (3位) |
ヨーロッパ予選 | 3 | オランダ スロベニア ウクライナ |
3 | オーストリア エストニア トルコ |
オセアニア予選 | 1→0 | ― [注釈 14] | 1→0 | ― [注釈 15] |
パンアメリカン大会 | 2→1 | チリ (3位) |
2 | ブラジル (2位) コロンビア (4位) |
パンアメリカン予選 | 2 | アメリカ領ヴァージン諸島 アルゼンチン |
2 | カナダ プエルトリコ |
アフリカ予選 | 2 | エジプト 南アフリカ |
2 | エジプト チュニジア |
世界最終予選 | 2→5 [注釈 17] |
ウズベキスタン バングラデシュ キューバ ベトナム チェコ |
2→8→6 [注釈 18] |
イラン ウクライナ モルドバ スロベニア ポーランド アゼルバイジャン |
招待 | 2 | ブータン エルサルバドル |
2 | ギニア サンマリノ |
再配分(世界ランキング) | 3 | イスラエル ルクセンブルク フィンランド |
1→3→5 | ルーマニア イスラエル デンマーク スロベニア ベトナム |
合計 | 28 | 28 |
競技日程
[編集]日付は中央ヨーロッパ夏時間(UTC+2)[7]。
日程 | 種目 |
---|---|
7/25 | ランキングラウンド(男女) |
7/28 | 女子団体戦 |
7/29 | 男子団体戦 |
7/30 | 男女個人戦(1・2回戦) |
7/31 | 男女個人戦(1・2回戦) |
8/1 | 男女個人戦(1・2回戦) |
8/2 | 混合団体戦 |
8/3 | 女子個人戦(3回戦~決勝) |
8/4 | 男子個人戦(3回戦~決勝) |
競技形式
[編集]いずれの種目もリカーブボウを用いる。中心の円に当たれば10点。以下、得点となる円の帯が並んでいて、9点、8点…1点と外側に向かって点数が小さくなる。競技はランキングラウンド(個人戦・団体戦共通の予選)とトーナメント形式(3位決定戦あり)による本戦の2部構成で開催される。
個人戦(男子・女子)
[編集]ランキングラウンドでは1人が72射し、合計得点で1位から64位までの順位を決定する。トーナメントの組み合わせは1位対64位、2位対63位...と決定される。トーナメントでは、1射ずつ交互に放つ。1セット3射30点満点で得点の高い選手に2ポイント、同点の場合は両者に1ポイントが与えられる。6ポイント先取で試合に勝利する。両者が5ポイントで並んだ場合はシュートオフ(タイブレーク)を行う。シュートオフは1人1射ずつ行い、より中央に近い矢を放った方が勝利する。
男子・女子団体戦
[編集]ランキングラウンドの成績でトーナメントの組み合わせが決まる(上位4カ国は準々決勝にシードされる)。トーナメントでは、1セットに3選手が各2射し計6射60点満点で得点の高いチームに2ポイント、同点の場合は両チームに1ポイントが与えられる。5ポイント先取で試合に勝利する。両チームが4ポイントで並んだ場合はシュートオフを行う。シュートオフは1人1射ずつ行い、合計得点により勝者を決定する。合計得点が並んだ場合は、最も中央に近い矢を放ったチームが勝者となる。
混合団体戦
[編集]ランキングラウンドで国ごとに最も成績が良かった男女1人ずつのペアにより競われる。ランキングラウンドの成績でトーナメントの組み合わせが決まる(上位16カ国がトーナメントに進出する)。トーナメントでは、1セットに2選手が各2射し計4射40点満点で得点の高いチームに2ポイント、同点の場合は両チームに1ポイントが与えられる。5ポイント先取で試合に勝利する。両チームが4ポイントで並んだ場合は男女団体戦と同様のシュートオフを行い勝者を決定する。
メダリスト
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 |
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男子個人[8] | キム・ウジン 韓国 (KOR) |
ブレイディ・エリソン アメリカ合衆国 (USA) |
イ・ウソク 韓国 (KOR) |
女子個人[9] | イム・シヒョン 韓国 (KOR) |
ナム・スヒョン 韓国 (KOR) |
リザ・バルベラン フランス (FRA) |
男子団体[10] | 韓国 (KOR) キム・ジェドク キム・ウジン イ・ウソク |
フランス (FRA) バプティスト・アディ トマ・シロール ジャン=シャルル・ヴァラドン |
トルコ (TUR) メテ・ガゾズ ウラシュ・テュメル アブドゥラ・ユルドゥルムシュ |
女子団体[11] | 韓国 (KOR) チョン・フニョン イム・シヒョン ナム・スヒョン |
中国 (CHN) 安琦軒 李佳蔓 楊暁蕾 |
メキシコ (MEX) アンヘラ・ルイス アレハンドラ・バレンシア アナ・バスケス |
混合団体[12] | 韓国 (KOR) イム・シヒョン キム・ウジン |
ドイツ (GER) ミヒェレ・クロッペン フロリアン・ウンルー |
アメリカ合衆国 (USA) ケイシー・コーフホールド ブレイディ・エリソン |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ オリンピック開催国のフランスが世界選手権の女子団体戦で2位となったため、世界最終予選では4カ国が女子団体戦の出場権を得る。
- ^ アメリカ合衆国はパンアメリカン選手権で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ インドネシアは世界選手権で個人戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ インドネシアはオリンピックランキングで団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界ランキングにより再配分される。
- ^ アメリカ合衆国は世界選手権で個人戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ 標準記録を満たした選手がいないため、不使用となった出場枠は世界ランキングにより再配分される。
- ^ 中国はオリンピックランキングで団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界ランキングにより再配分される。
- ^ 中国は世界最終予選で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ チャイニーズタイペイは世界最終予選で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ チャイニーズタイペイは世界最終予選で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ インドは世界最終予選で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界ランキングにより再配分される。
- ^ マレーシアは世界最終予選で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ イギリスは世界最終予選で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ ニュージーランドが出場枠を得たが出場を辞退した。また、次点のフィジーは標準記録を満たした選手がいないため、不使用となった出場枠は世界ランキングにより再配分される。
- ^ ニュージーランドが出場枠を得たが出場を辞退した。また、次点のトンガは標準記録を満たした選手がいないため、不使用となった出場枠は世界ランキングにより再配分される。
- ^ メキシコは世界最終予選で団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界最終予選に加算される。
- ^ 不使用となった出場枠が加算された。
- ^ 不使用となった出場枠が加算された。上位8名のうち2名をインドの選手が占めたが、インドはオリンピックランキングで団体戦の出場枠を得たため、不使用となった出場枠は世界ランキングにより再配分される。
出典
[編集]- ^ “The competition schedule for the Paris 2024 Olympic Games has been finalised” (英語). Paris 2024 (2022年7月26日). 2022年10月22日閲覧。
- ^ a b c “Qualification system”. 世界アーチェリー連盟. 2022年9月9日閲覧。
- ^ a b c d “【パリ2024への道】アーチェリー、出場資格取得プロセスを解説”. olympics.com. 2023年7月23日閲覧。
- ^ “Sanlida World Rankings” (英語). World Archery. 2022年10月22日閲覧。
- ^ “Australia adds first Olympic archery quotas at Pacific Games | World Archery” (英語). www.worldarchery.sport (2023年11月22日). 2024年1月8日閲覧。
- ^ “Chad wins tickets to Paris 2024 Olympics at African Championships | World Archery” (英語). www.worldarchery.sport (2023年11月12日). 2024年1月8日閲覧。
- ^ “Paris 2024 Olympic Competition Schedule” (PDF) (英語). Paris 2024. 2023年7月26日閲覧。
- ^ “MEN'S INDIVIDUAL GOLD MEDAL MATCH MATCH 176 RESULTS”. olympics.com. 2024年8月4日閲覧。
- ^ “WOMEN'S INDIVIDUAL GOLD MEDAL MATCH MATCH 160 RESULTS”. olympics.com. 2024年8月3日閲覧。
- ^ “MEN'S TEAM GOLD MEDAL MATCH MATCH 32 RESULTS”. olympics.com. 2024年7月29日閲覧。
- ^ “WOMEN'S TEAM GOLD MEDAL MATCH MATCH 16 RESULTS”. olympics.com. 2024年7月28日閲覧。
- ^ “MIXED TEAM GOLD MEDAL MATCH MATCH 144 RESULTS”. olympics.com. 2024年8月2日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- アーチェリー 競技紹介 - paris2024.org