2014年アジア競技大会

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第17回アジア競技大会
XVII Asian Games
開催都市 韓国の旗 韓国 仁川広域市
参加国・地域数 45
競技種目数 38競技439種目[1]
開会式 2014年9月19日
閉会式 2014年10月4日
開会宣言 朴槿恵大統領
選手宣誓 呉真爀南賢喜
最終聖火ランナー イ・ヨンエ
主競技場 仁川アシアド主競技場
オリンピックの旗 Portal:オリンピック
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2014年アジア競技大会(2014ねんアジアきょうぎたいかい、The 17th Asian Games XVII Asiad)は、2014年に開催された第17回アジア競技大会である。2014年9月19日から10月4日までの日程で大韓民国(韓国)仁川広域市で開催された。

実施競技[編集]

実施競技に関しては2011年に東京で行われたOCA総会で決定され、オリンピック競技28競技(ゴルフ・ラグビー含む)、独自競技8の合計36競技で行われる。

  • 五輪種目:水泳、アーチェリー、陸上競技、バドミントンバスケットボール、ボクシング、カヌー、自転車競技、馬術、フェンシング、サッカー、ゴルフ、体操、ハンドボール、ホッケー、柔道、近代五種、ボート、ラグビー、セーリング、射撃、卓球、テコンドー、テニス、トライアスロン、バレーボール、重量挙げ、レスリング
  • 非五輪種目:野球、ソフトテニス、ボウリング、クリケット、カバディ、空手、セパタクロー、スカッシュ、武術太極拳

競技ハイライト[編集]

世界新記録[編集]

重量挙げで世界新記録が多数生まれた。

  • 男子56kg級 - オム・ユンチョル(北朝鮮) ジャーク170kg[2]
  • 男子62kg級 - キム・ウングク(北朝鮮) スナッチ154kg、トータル332kg[3]
  • 女子53kg級 - 許淑浄(台湾) トータル233kg[4]
  • 女子75kg級 - キム・ウンジュ(北朝鮮) ジャーク164kg[5]
  • 女子75kg超級 - 周璐璐(中国) トータル333kg[6]

大会MVP[編集]

大会組織委員会は大会最優秀選手候補に次の8名の金メダリストを選出した[7]。この中からメディアの投票により萩野公介(日本)がMVPに選出された。日本人選手のMVP受賞は2002年釜山アジア大会北島康介以来[8]

  • 南賢喜(韓国) - フェンシング女子フルーレ団体金メダル
  • 金宰範(韓国) - 柔道男子2冠(81kg級、団体)
  • 萩野公介(日本) - 競泳男子4冠(200m自由形、200m個人メドレー、400m個人メドレー、4x200m自由形リレー)
  • 姚金男(中国) - 体操女子4冠(団体総合、個人総合、段違い平行棒ゆか
  • ピチャン・スリヤン(タイ) - セパタクロー男子団体金メダル
  • 曹逸飛(中国) - 射撃男子3冠(10mエアライフル団体、50mライフル個人、50mライフル団体)
  • 金恩国(北朝鮮) - 重量挙げ男子62kg級金メダル
  • ニコル・デービッド(マレーシア) - スカッシュ女子2冠(シングルス、チーム)

競技施設・会場[編集]

仁川では39会場のうち21会場を新設した[9] 。2014年5月、仁川広域市西区連喜洞に仁川アシアド主競技場が完成。この、予算4億USドルのスタジアムは設計事務所POPULOUSが設計を担当。70,000人収容予定で、大会終了後は30,000席減らして活用する[10]文鶴競技場など既存の施設も活用し、南区崇義洞には新たに仁川サッカー競技場が作られた。また近隣の京畿道ソウル特別市で競技を分散開催する予定。大会開催のために仁川市が投じた資金は、2兆5000億ウォン(約2600億)となっている[11]

日程[編集]

国別受賞メダル数[編集]

大会マスコット[編集]

仁川アジア大会のマスコットは、北朝鮮に近い黄海上の白翎島(ペンニョンド)の頭武津(ドゥムジン、奇岩群)に住むゴマフアザラシの「ピチュオン」、「パラメ」、「チュムロ」(すべて仮名)の3匹。韓国語でそれぞれ大会テーマの「光、風、舞」にちなんでいる。

スローガン[編集]

2010年9月に「Diversity Shines Here(多様性がここで輝く)」で決定した。アジアではそれぞれの歴史・文化・伝統・宗教の多様性を認めた上で、アジア全体で真の統一感・潜在力を築くことを目標としている。

大会招致まで[編集]

2007年4月にクウェートで行われたアジアオリンピック評議会総会で、下記の2都市のうちから開催地が仁川に決まった。

低予算での大会実施[編集]

仁川アジア大会はこれまでにない「質素な」イベントとなっている[13]。仁川の大会組織委員会は、五輪のようなけばけばしい大会ではなく他国がお手本にできるような、低予算で斬新な大会作りを目指していると語っている[13]。わずか20億ドル(約2130億円)という低予算で計画された仁川大会は、2010年に広州で開催された前回大会の約10分の1の費用と算出されており、北京五輪の400億ドル(約4兆2500万円)、ソチ冬季五輪の500億ドル(約5兆3000万円)とは比べものにならない[13]。金栄秀(キム・ヨンス)組織委員長は、「これまでよりも経済的で効率的なアジア競技大会になるだろう。仁川でのアジア競技大会が、今後の開催国のロールモデルになればいいと思う」とし、「質素な準備ができたことを誇りに思う」と話した[13]。仁川のように予算を削った開催国は少ない[14]。仁川の大会組織委は、質素なアジア大会が成功に転じると証明されることを期待しており、「アジア大会は、非常に効率的かつ経済的に行わなければならない。われわれは、アジア大会の開催を模索しているほかの国に対して、このメッセージを伝えたい」としている[14]。一方で大会を開催する仁川市長は、総額20億ドル(約2130億円)が費やされた今大会で市が赤字を抱えることを懸念しているという[14]

大会協賛社[編集]

テレビ放送[編集]

  • 本大会の国際映像はKBSMBCSBSなどによる仁川アジア大会放送機構によって組織され、アジア45カ国に配信される。
  • 日本国内ではTBSNHKの共同制作にて放送。TBS系列局での生中継を中心に、NHK(BS1総合[15])、BS-TBS[16]にて放送される。

大会に対する評価[編集]

閉会前日の10月3日、大会広報担当は大会は「失敗」しておらず、限られた予算の中で最善を尽くしたものと述べた[17]。また、「限られた予算の中では、既存施設の利用や多少の不便が避けられないことは、われわれにとって当たり前のことです」、「私自身の考えでは、より予算の多い大会と今大会を比較することは現実的ではありません」とも表明している[17]

アジアオリンピック評議会のアハマド会長は、ヒジャブ着用でのプレーが認められなかった点について「非常に残念だ。どの競技にも、ヒジャブを拒否する理由はない」としつつも、大会については「細かい問題もあったが、成功に終わった。全員が満足する大会になった」と述べた[18]。日本の時事通信では、大会について「街の中、会場はハングルばかり。会場の中には案内表示がほぼハングルだけのところもあり、トイレを見つけるのもひと苦労ということがあった。もう少し英語表記を増やしてくれた方が、国際総合大会にふさわしい。」「移動には苦労させられた。カヌー会場はメディアセンターから60キロ。メディアバスでは約1時間の所要時間となっていたが、渋滞で2時間以上かかったこともあった。メディアバスの本数が知らないうちに減らされたこともあった。」などを挙げた[19]

脚注[編集]

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  1. ^ 日本オリンピック委員会「仁川アジア大会2014  実施競技・種目比較」
  2. ^ 北朝鮮選手、男子重量挙げ56キロ級世界新で金 アジア大会”. AFPBBニュース (2014年9月21日). 2014年9月26日閲覧。
  3. ^ <アジア大会>北朝鮮重量挙げ、世界記録で金2個”. 中央日報 (2014年9月22日). 2014年9月26日閲覧。
  4. ^ 仁川アジア大会 女子重量挙げで台湾選手が世界新で金メダル”. フォーカス台湾 (2014年9月21日). 2014年9月26日閲覧。
  5. ^ <アジア大会>北朝鮮重量挙げ、世界記録で金2個”. 聯合ニュース (2014年9月25日). 2014年9月26日閲覧。
  6. ^ 重量挙げ女子75キロ超級、中国・周選手が世界新で金”. 人民日報 (2014年9月26日). 2014年9月26日閲覧。
  7. ^ 仁川ア大会:MVP候補に南賢喜・金宰範・萩野公介ら”. 朝鮮日報 (2014年10月1日). 2014年10月3日閲覧。
  8. ^ 競泳の萩野、アジア大会MVP 北島以来3大会ぶり”. 日本経済新聞 (2014年10月4日). 2014年10月4日閲覧。
  9. ^ Stadiums and Athletic Facilities”. IAGOC. 2010年7月4日閲覧。
  10. ^ “2014 premiere in Korea for Populous”. World Architecture News. (2009年5月6日). http://www.worldarchitecturenews.com/index.php?fuseaction=wanappln.projectview&upload_id=11565 2010年7月4日閲覧。 
  11. ^ “【取材日記】チケットが売れない仁川アジア競技大会”. 中央日報. (2014年9月19日). http://japanese.joins.com/article/256/190256.html 2014年9月20日閲覧。 
  12. ^ [1]
  13. ^ a b c d 仁川アジア大会、これまでにない「質素な」イベントに 10月1日閲覧
  14. ^ a b c 空席が目立つアジア大会、仁川市は「低予算でアジアの模範に」 10月1日閲覧
  15. ^ サッカー男子予選リーグの1試合は生中継だが、その他種目はハイライト版にて放送
  16. ^ TBS系列局で放送された一部種目を再編集して放送
  17. ^ a b 仁川アジア大会は「失敗」していない、広報担当AFP 2014年10月3日閲覧
  18. ^ OCA会長がヒジャブ拒否で見解 デイリースポーツ 2014年10月4日
  19. ^ 空席多く、熱戦に水=20年東京へ教訓も-仁川アジア大会・記者座談会時事通信 2014年10月5日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]