コンテンツにスキップ

2010 AFC女子アジアカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2010 AFC女子アジアカップ
大会概要
開催国 中華人民共和国の旗 中国
日程 2010年5月19日 - 5月30日
チーム数(1連盟)
開催地数(1都市)
大会結果
優勝  オーストラリア (1回目)
準優勝  北朝鮮
3位  日本
4位  中華人民共和国
大会統計
試合数 16試合
ゴール数 45点
(1試合平均 2.81点)
総入場者数 59,910人
(1試合平均 3,744人)
得点王 日本の旗 安藤梢(3点)
最優秀選手 朝鮮民主主義人民共和国の旗 趙潤美
 < 20082014

2010 AFC女子アジアカップ: AFC Women's Asian Cup 2010)は、2010年5月19日から5月30日にかけて、中国成都で開催された第17回目のAFC女子アジアカップである。オーストラリアが同大会史上初めて優勝した[1]他、準優勝した北朝鮮趙潤美が大会最優秀選手賞を[2]日本安藤梢が大会得点王を[3]、開催国の中国がフェアプレー賞を[3]それぞれ受賞した。この大会は2011 FIFA女子ワールドカップAFC地区予選を兼ねており、決勝戦に進出したオーストラリアと北朝鮮、および3位決定戦で勝利した日本の合計3ヶ国が出場権を獲得した。

予選

[編集]

本大会

[編集]

出場国

[編集]

会場一覧

[編集]

以下の競技場が会場として用いられた。

中国成都 台湾新営 タイバンコク ベトナムホーチミン マレーシア
クアラルンプール
成都市体育中心
収容人数: 42,000人
双流体育中心
収容人数: 不明
台南スタジアム
収容人数: 40,000人
ラジャマンガラ・スタジアム
収容人数: 49,749人
タンロン・スポーツセンター
収容人数: 不明
KLFAスタジアム
収容人数: 18,000人
本大会グループリーグ
決勝トーナメント
本大会グループリーグ 2次予選 1次予選

概要

[編集]

2010年5月19日より中国成都の2つのスタジアムにて、予選を突破した3カ国に、予選を免除された5カ国を加え、計8カ国で戦われた。出場国は4カ国ずつ2つのグループリーグに分けられ、総当り1回戦のリーグ戦を戦い、グループAでは3試合全てで勝利した日本[4]と、タイミャンマーに勝利した北朝鮮が決勝トーナメントに進出した[5]。タイは対ミャンマー戦で勝利して勝ち点3を獲得し3位となった[6]。ミャンマーは3試合全敗であったものの、対北朝鮮戦ではゴールキーパーのメイ・キン・ヤー・ミンがシュートを何度もセーブし、2失点に抑えるという活躍を見せた[5]

グループBでは東アジア女子サッカー選手権時の代表選手のひとり馬暁旭が怪我で欠場[7]しながら、グループリーグの3試合で2勝1分の中国[8]と、韓国ベトナム戦で勝利して2位につけたオーストラリアが決勝トーナメントに進出した。韓国は東アジア選手権で得点王となった[9]柳英雅(ユ・ヨンア)がベトナム戦でハットトリックを達成する[10]活躍があったものの、総勝ち点数4にとどまりグループリーグ敗退となった。ベトナムは対オーストラリア戦では得点機会がありながら決めきれず[11]、また対韓国、対中国戦では大量失点の末敗北し、勝ち点の獲得はならなかった。

5月27日に行われた準決勝では、第1試合で前半ロスタイムのキャスリン・ジルが挙げた得点を守りきり日本に勝利したオーストラリアが[12]、第2試合では延長戦にもつれ込んだ末、109分に得点を挙げた[13]北朝鮮が、それぞれ決勝戦に進出してワールドカップ出場権を獲得した。

5月30日に3位決定戦および決勝戦が開催された。3位決定戦では開催国の中国日本が2対0で勝利してワールドカップ出場権を獲得した(日本とともに第1回大会から連続出場記録を保有していた中国は、この出場記録が途絶えることとなった)[14]。決勝戦では前半にサム・カーが先制点を挙げたものの、後半での趙潤美のゴールで両チーム同点となった。延長戦でも決着が付かず、PK戦を行った結果、5人全員がPKを決めたオーストラリアが勝利し、同大会初優勝を飾った。

グループリーグ

[編集]

グループ A

[編集]
チーム
1  日本 3 3 0 0 14 1 +13 9
2  北朝鮮 3 2 0 1 6 2 +4 6
3  タイ 3 1 0 2 2 7 −5 3
4  ミャンマー 3 0 0 3 0 12 −12 0


北朝鮮  3 - 0  タイ
全明花 1分にゴール 1分
金英愛 2分にゴール 2分
趙潤美 73分にゴール 73分

日本  8 - 0  ミャンマー
岩清水梓 4分にゴール 4分
澤穂希 10分にゴール 10分71分
山口麻美 28分にゴール 28分 (PK)60分
鮫島彩 50分にゴール 50分
宮間あや 54分にゴール 54分
上尾野辺めぐみ 85分にゴール 85分
成都市体育中心
観客数: 360人
主審: 大韓民国の旗 洪銀雅


タイ  0 - 4  日本
高瀬愛実 28分にゴール 28分
中野真奈美 42分にゴール 42分
宇津木瑠美 45+3分にゴール 45+3分
安藤梢 55分にゴール 55分

ミャンマー  0 - 2  北朝鮮
尹誠美 17分にゴール 17分
趙潤美 84分にゴール 84分
成都市体育中心
観客数: 360人
主審: 中華人民共和国の旗 王佳


北朝鮮  1 - 2  日本
羅銀心 70分にゴール 70分 安藤梢 4分にゴール 4分 (PK)
永里優季 14分にゴール 14分
成都市体育中心
観客数: 400人
主審: 大韓民国の旗 洪銀雅

ミャンマー  0 - 2  タイ
セースラウム 15分にゴール 15分
チャイカントリー 89分にゴール 89分
双流体育中心
観客数: 180人
主審: 中華人民共和国の旗 王佳


グループ B

[編集]
チーム
1  中華人民共和国 3 2 1 0 6 0 +6 7
2  オーストラリア 3 2 0 1 5 2 +3 6
3  韓国 3 1 1 1 6 3 +3 4
4  ベトナム 3 0 0 3 0 12 −12 0


オーストラリア  2 - 0  ベトナム
カミス 29分にゴール 29分
レッドブルック 51分にゴール 51分 (PK)
成都市体育中心
観客数: 1,000人
主審: 朝鮮民主主義人民共和国の旗 李香玉

中華人民共和国  0 - 0  韓国


韓国  1 - 3  オーストラリア
姜善美 71分にゴール 71分 キャロル 53分にゴール 53分
デ・ヴァンナ 59分にゴール 59分
カー 66分にゴール 66分
成都市体育中心
観客数: 600人
主審: 日本の旗 山岸佐知子

ベトナム  0 - 5  中華人民共和国
李丹陽 8分にゴール 8分
袁帆 12分にゴール 12分
張睿 37分にゴール 37分
畢妍 45+1分にゴール 45+1分 (PK)
韓端 51分にゴール 51分


中華人民共和国  1 - 0  オーストラリア
張睿 9分にゴール 9分
成都市体育中心
観客数: 11,000人
主審: 日本の旗 山岸佐知子

ベトナム  0 - 5  韓国
柳英雅 20分にゴール 20分21分66分
車妍喜 28分にゴール 28分
鄭惠因 36分にゴール 36分
双流体育中心
観客数: 1,000人
主審: 朝鮮民主主義人民共和国の旗 李香玉


決勝トーナメント

[編集]
準決勝 決勝
           
5月27日 -    
  日本 0
  オーストラリア 1  
  5月30日 -
  オーストラリア (PK) 1 (5)
    北朝鮮 1 (4)
 
3位決定戦
5月27日 - 5月30日 -
  中華人民共和国 0   日本 2
  北朝鮮 (aet) 1     中華人民共和国 0

準決勝

[編集]

日本  0 - 1  オーストラリア
ジル 45+1分にゴール 45+1分

中華人民共和国  0 - 1
(延長)
 北朝鮮
金卿花 109分にゴール 109分

3位決定戦

[編集]

日本  2 - 0  中華人民共和国
安藤梢 18分にゴール 18分
澤穂希 62分にゴール 62分
成都市体育中心
観客数: 5,800人
主審: 大韓民国の旗 洪銀雅

決勝

[編集]


優勝国

[編集]
 2010 AFC女子アジアカップ優勝国 

オーストラリア
初優勝

表彰

[編集]
大会最優秀選手 大会得点王 フェアプレー賞
朝鮮民主主義人民共和国の旗 趙潤美 日本の旗 安藤梢 (3得点)  中華人民共和国

2011 FIFA女子ワールドカップ出場国

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ PK戦を制したオーストラリアが初のアジア女王に AFC公式サイト 2010.5.30付ニュースリリース
  2. ^ 北朝鮮の中盤を牽引するジョが大会MVPに AFC公式サイト 2010.5.30付ニュースリリース
  3. ^ a b 日本の安藤が大会得点王に”. AFC公式サイト (2010-05-30付ニュ). 2010年6月1日閲覧。[リンク切れ]。安藤以外に澤穂希(日本)、趙潤美、柳英雅韓国)が総得点数3点で並んだが、アシスト数で他の選手に勝る安藤が単独得点王となった。
  4. ^ 日本がタイに快勝、準決勝へ AFC公式サイト 2010.5.22付ニュースリリース
  5. ^ a b 北朝鮮、猛攻ながら2得点、しかし4強へ”. AFC公式サイト (2010年5月22日). 2010年5月30日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ タイが2-0でミャンマーを振り切る AFC公式サイト 2010.5.24付ニュースリリース
  7. ^ シャン監督、エキサイティングな開幕戦を約束 AFC公式サイト 2010.5.18付ニュースリリース
  8. ^ 唯一の得点で勝利した中国がB組を首位で突破 AFC公式サイト 2010.5.23付ニュースリリース
  9. ^ 東アジア女子サッカー選手権2010 決勝大会 試合結果 EAFF公式サイト 2010.5.30 21:35 (UTC) 閲覧
  10. ^ 韓国、大勝ながら姿を消す AFC公式サイト 2010.5.23付ニュースリリース
  11. ^ カミスとレッドブロークのゴールでマチルダスが白星発進 AFC公式サイト 2010.5.19付ニュースリリース
  12. ^ オーストラリアが日本に辛勝、決勝へ AFC公式サイト 2010.5.27付ニュースリリース
  13. ^ 延長戦の末、北朝鮮が決勝へ AFC公式サイト 2010.5.27付ニュースリリース
  14. ^ 日本が中国を下して3位に輝く AFC公式サイト 2010.5.30付ニュースリリース

外部リンク

[編集]