1977年のJSL

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1977年JSL(第13回日本サッカーリーグ1部および第6回日本サッカーリーグ2部)は、1部が1977年9月8日から1978年2月12日まで、2部が1977年8月20日から1978年2月26日まで行われた。

優勝は、1部がフジタ工業クラブサッカー部で、2部が読売サッカークラブであった。

JSL1部[編集]

日本サッカーリーグ(JSL)1部
シーズン 1977(第13回)
優勝 フジタ工業
降格 トヨタ自工JSL2部
試合数 90
ゴール数 315 (1試合平均3.5)
1試合平均
ゴール数
3.50[1]
得点王 カルバリオ(フジタ)
合計観客動員 159,650人
平均観客動員 1,773人[1]
1976
1978

このシーズンより90分を終えて同点の場合にはPK戦を実施するようになった[2]。勝ち点は90分での勝利に4、PK勝ちに2、PK負けに1、敗戦に0[2]。順位決定方法にも変更があり、これまで勝ち点と得失点差が同じ場合はゴールアベレージ(得点÷失点)で順位を決めていたが、それが総得点に変わった[2]

フジタが、64得点という圧倒的な攻撃力で独走し、2試合を残して第16節に優勝を決めた[2]。FWカルバリオとMFマリーニョのブラジル人コンビは2人で41ゴールを奪い[2]、得点王に輝いたカルバリオは23ゴールでJSLのシーズン最多得点記録を打ち立てた[2]

前年チャンピオンの古河電工は、奥寺康彦が10月にドイツへ移籍したこともあって6位に終わった[3][2]

このシーズンの観客動員は15万9,650人(前年23万2,400人)まで落ち込み、1試合平均動員数はJSL全シーズンを通じて最低の1,773人だった[2]

大会概要[編集]

  • 開催期間:1977年9月8日-1978年2月12日
  • 引き分けを廃し、PK戦を採用。
  • 勝ち点制度変更(勝4 PK勝2 PK敗1 敗0)。
  • 順位決定方式変更(勝ち点-得失点差-総得点)。

参加クラブ[編集]

チーム名 所在
都道府県
前年成績
古河電気工業サッカー部 神奈川県 JSL1部 01位優勝
三菱重工業サッカー部 東京都 JSL1部02位
フジタ工業クラブサッカー部 JSL1部03位
ヤンマーディーゼルサッカー部 大阪府 JSL1部04位
日立製作所サッカー部 東京都 JSL1部05位
日本鋼管サッカー部 神奈川県 JSL1部06位
東洋工業サッカー部 広島県 JSL1部08位
新日本製鐵サッカー部 福岡県 JSL1部09位
トヨタ自動車工業サッカー部 静岡県 JSL1部010位
富士通サッカー部 神奈川県 JSL2部 01位優勝

成績[編集]

年間順位[編集]

[2]

順位 クラブ 勝点 勝利 PK勝 PK敗 敗戦 得点 失点 得失差
1位 フジタ工業 60 14 1 2 1 64 15 +49
2位 三菱重工 47 9 4 3 2 34 21 +13
3位 日立製作所 46 9 4 2 3 36 25 +11
4位 東洋工業 42 9 2 2 5 38 20 +18
5位 ヤンマー 40 8 3 2 5 39 28 +11
6位 古河電工 36 8 2 0 8 33 31 +2
7位 新日本製鐵 22 3 2 6 7 14 29 -15
8位 日本鋼管 20 3 3 2 10 28 27 +1
9位 富士通 20 3 2 4 9 18 38 -20
10位 トヨタ自工 4 1 0 0 17 11 81 -70
優勝
JSL2部との入替戦

得点ランキング[編集]

[2]

順位 選手名 所属クラブ 得点数
1 ブラジルの旗 カルバリオ フジタ工業 23
2 日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー 20
3 ブラジルの旗 マリーニョ フジタ工業 18
4 日本の旗 永井良和 古河電工 14
5 日本の旗 小滝勇一 フジタ工業 11
6 日本の旗 山出実 東洋工業 10
7 日本の旗 碓井博行 日立製作所 8
日本の旗 高橋義貴 日本鋼管
日本の旗 大神田仁 富士通
10 日本の旗 安原真一 東洋工業 7
日本の旗 中野重富

アシストランキング[編集]

[2]

順位 選手名 所属クラブ アシスト数
1 ブラジルの旗 比嘉セイハン フジタ工業 7
日本の旗 古前田充
日本の旗 安原真一 東洋工業
日本の旗 永井良和 古河電工
5 日本の旗 足利道夫 三菱重工 6
日本の旗 高橋義貴 日本鋼管
7 ブラジルの旗 カルバリオ フジタ工業 5
8 日本の旗 脇裕司 4
日本の旗 松永章 日立製作所
日本の旗 田村誠 東洋工業
日本の旗 宮崎輝比古
日本の旗 今村博治 ヤンマー
日本の旗 上西一雄
日本の旗 吉村大志郎

表彰[編集]

[4]

選手名 所属クラブ 受賞回数
得点王 ブラジルの旗 カルバリオ フジタ工業
アシスト王 ブラジルの旗 比嘉セイハン
日本の旗 古前田充
日本の旗 安原真一 東洋工業
日本の旗 永井良和 古河電工 2
得点王 ゴールデンボール賞 ブラジルの旗 カルバリオ フジタ工業
アシスト王 シルバーボール賞 日本の旗 永井良和 古河電工 2
新人王 日本の旗 園部勉 フジタ工業 _
年間優秀11人賞 日本の旗 田口光久 三菱重工 2
日本の旗 脇裕司 フジタ工業
日本の旗 斉藤和夫 三菱重工 2
日本の旗 今井敬三 フジタ工業
日本の旗 落合弘 三菱重工 6
日本の旗 藤島信雄 日本鋼管 3
日本の旗 古前田充 フジタ工業 2
ブラジルの旗 マリーニョ
日本の旗 永井良和 古河電工 3
ブラジルの旗 カルバリオ フジタ工業
日本の旗 釜本邦茂 ヤンマー 10

JSL2部[編集]

日本サッカーリーグ(JSL)2部
シーズン 1977(第6回)
優勝 読売クラブ
昇格 読売クラブJSL1部
降格 古河電工千葉関東リーグ
試合数 90
ゴール数 265 (1試合平均2.94)
得点王 岡島俊樹(読売クラブ)
1976
1978

JSL2部大会概要[編集]

JSL2部参加クラブ[編集]

チーム名 所在
都道府県
前年成績
読売サッカークラブ 東京都 JSL2部02位
田辺製薬サッカー部 大阪府 JSL2部03位
本田技研工業サッカー部 静岡県 JSL2部04位
帝人松山サッカー部 愛媛県 JSL2部05位
ヤンマークラブ 兵庫県 JSL2部06位
住友金属工業蹴球団 茨城県 JSL2部07位
甲府サッカークラブ 山梨県 JSL2部08位
京都紫光サッカークラブ 京都府 JSL2部09位
古河電気工業千葉事業所サッカー部 千葉県 JSL2部010位
日産自動車サッカー部 神奈川県 関東 01位優勝

JSL2部成績[編集]

JSL2部年間順位[編集]

[5]

順位 クラブ 勝点 勝利 PK勝 PK敗 敗戦 得点 失点 得失差
1 読売クラブ 47 11 1 1 5 41 19 +22
2 日産自動車 43 8 4 3 3 23 18 +5
3 住友金属 35 6 4 3 5 33 32 +1
4 ヤンマークラブ 32 6 4 0 8 25 24 +1
5 甲府クラブ 32 6 2 4 6 28 28 ±0
6 京都紫光クラブ 31 5 4 3 6 26 37 -11
7 本田技研工業 29 5 3 3 7 25 24 +1
8 帝人松山 29 5 3 3 7 24 31 -7
9 古河電工千葉 28 5 2 4 7 19 28 -9
10 田辺製薬 27 6 0 3 9 21 24 -3
JSL1部との入替戦
社会人との入替戦

JSL2部表彰[編集]

[6]

選手名 所属クラブ 備考
得点王 岡島俊樹 読売クラブ 11得点
アシスト王 ジョージ与那城 10アシスト

JSL1部・2部入替戦[編集]

[2] 参加クラブ

  • 富士通(JSL1部9位)
  • トヨタ自動車工業(JSL1部10位)
  • 読売クラブ(JSL2部優勝)
  • 日産自動車(JSL2部準優勝)
JSL1部 第1戦 第2戦 JSL2部
富士通 3-1 3-0 日産自動車
トヨタ自工 0-2 0-2 読売クラブ
昇格
降格
  • 富士通はJSL1部残留。トヨタ自動車工業はJSL2部降格。
  • 読売クラブはJSL1部昇格。

JSL2部・地域リーグ入替戦[編集]

[5] 参加クラブ

JSL2部 第1戦 第2戦 地域リーグ
古河電工千葉 0-0(PK2-4) 1-3 東芝堀川町
田辺製薬  3-1 0-1 ヤマハ発動機
昇格
降格
  • 古河電工千葉は地域リーグ降格。田辺製薬はJSL2部残留。
  • 東芝堀川町はJSL2部昇格。

出典[編集]

  1. ^ a b 「観客動員数/総得点数」『日本サッカーリーグ全史』 259頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 「1977 第13回大会」『日本サッカーリーグ全史』 146-147頁。
  3. ^ 『日本サッカー全史』102頁。
  4. ^ 「歴代ベスト11」「歴代表彰選手」『日本サッカーリーグ全史』262-263頁。
  5. ^ a b 『日本サッカーリーグ全史』 218頁。
  6. ^ 『日本サッカーリーグ全史』 217頁。

参考文献[編集]

  • 『日本サッカーリーグ全史』日本サッカーリーグ、1993

関連項目[編集]