1974-75 ABAシーズン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1974-75 ABAシーズン英語: 1974–75 ABA season)は、アメリカン・バスケットボール・アソシエーション (ABA) の8シーズン目である。1975年のABAチャンピオンシップは、イースタン・ディビジョンをケンタッキー・カーネルズが、ウェスタン・ディビジョンをデンバー・ナゲッツが制した。リーグMVPはジュリアス・アービングジョージ・マクギニスの2人が同時受賞した。

1973-74シーズン - 1974-75シーズン - 1975-76シーズン

プレシーズン[編集]

シーズン開始前にイースタン・ディビジョンが変わり、メンフィス・タムズがメンフィス・サウンズに、カロライナ・クーガーズオジーとダニエル・シルナ英語版に買収されて移転し、スピリッツ・オブ・セントルイスとなった。ウェスタン・ディビジョンは、デンバー・ロケッツがデンバー・ナゲッツに改称した以外は特に変更なし。

今シーズンはABAとNBAのプレシーズン・エキシビションゲームが行われた。23試合のうちABAは16勝、NBAは7勝を記録[1]。その中でも、マーケット・スクエア・アリーナ英語版で行われたペイサーズ対ミルウォーキー・バックスの最初の試合は、17,287人の観客が押し寄せる中、ペイサーズが118対115で勝利したのである。この試合で、ボブ・ダンドリッジが46点、カリーム・アブドゥル=ジャバーが26点を挙げた[1]

レギュラーシーズン[編集]

1975年2月14日、ニューヨーク・ネッツジュリアス・アービングは、サンディエゴ・コンキスタドアーズとの4回の延長戦の末、チーム記録の63得点を記録した[2]

1975年1月28日、テキサス州サンアントニオで第8回ABAオールスターゲームが行われた。来場者は10,449人が集まり、イーストからはニューヨーク・ネッツケビン・ローアリー、ウェスタンからはデンバー・ナゲッツラリー・ブラウンがヘッドコーチを務め、イーストが151-124で勝利した。また、スピリッツ・オブ・セントルイスフレディ・ルイスが26得点を挙げてオールスターゲームMVPに輝いた[3]

デンバー・ナゲッツは、65勝19敗(.774)で西地区を制し、ABAの最高成績を収めた。この記録は、1971-72シーズンケンタッキー・カーネルズが記録した68勝16敗(.810)に次ぐ、ABA史上2番目の成績だった[4]。また、1974-75シーズンのナゲッツは、1試合あたりの平均得点差で、1971-72シーズンのカーネルズの8.98点に対して8.40点と相手を上回り、チーム得点差でカーネルズに次ぐABA史上2位となった[4]

東部地区では、ケンタッキー・カーネルズがレギュラーシーズン最後の25試合で22勝し、58勝26敗(.690)を記録して、ニューヨーク・ネッツと同率1位となった。

順位[編集]

イースタン・ディビジョン[編集]

チーム 勝率
ケンタッキー・カーネルズ C 58 26 .690 -
ニューヨーク・ネッツ 58 26 .690 -
スピリッツ・オブ・セントルイス 32 52 .381 26
メンフィス・サウンズ 27 57 .321 31
バージニア・スクワイアーズ 15 69 .179 43

ウェスタン・ディビジョン[編集]

チーム 勝率
デンバー・ナゲッツ 65 19 .774 -
サンアントニオ・スパーズ 51 33 .607 14
インディアナ・ペイサーズ 45 39 .536 20
ユタ・スターズ 38 46 .452 27
サンディエゴ・コンキスタドアーズ 31 53 .369 34

C - ABAチャンピオン

プレーオフ[編集]

1975年のABAプレーオフは、東地区1位を争うケンタッキー・カーネルズニューヨーク・ネッツの1ゲーム・シリーズで始まった。試合は1975年4月4日、ケンタッキー州ルイビルフリーダム・ホールで行われた。試合はカーネルズが108-99で勝利した。

その後、カーネルズは東部地区準決勝でメンフィス・サウンズをシリーズ4勝1敗で破り、ネッツはもう1つの東部地区準決勝でスピリッツ・オブ・セントルイスにシリーズ4勝1敗で敗れた。そして、カーネルズは東部地区決勝でスピリッツをシリーズ4勝1敗で破ったのである。

ウェスタン・ディビジョンでは、1位のデンバー・ナゲッツが準決勝でユタ・スターズに4勝2敗で勝利し、3位のインディアナ・ペイサーズが2位のサンアントニオ・スパーズに4勝2敗で勝利した。ウェスタン・ディビジョン準決勝のもう1試合は、第2シードのインディアナ・ペイサーズに4勝2敗で勝ち、ウェスタン・ディビジョン優勝を決めた。 ペイサーズは、ウェスタン・ディビジョン決勝でもナゲッツをシリーズ4勝3敗で破り、逆転勝利を収めた。

1975年のABAファイナルでは、カーネルズがペイサーズを4勝1敗で破り、リーグ優勝を果たした。

  ディビジョン セミファイナル ディビジョン ファイナル ABAファイナル
                           
  1  ナゲッツ 4  
4  スターズ 2  
  1  ナゲッツ 3  
ウェストン・ディビジョン
    3  ペイサーズ 4  
3  ペイサーズ 4
  2  スパーズ 2  
    W3  ペイサーズ 1
  E1  カーネルズ 4
  1  カーネルズ 4  
4  サウンズ 1  
1  カーネルズ 4
イースタン・ディビジョン
    3  セントルイス 1  
3  セントルイス 4
  2  ネッツ 1  

表彰[編集]

シーズンMVPにはニューヨーク・ネッツジュリアス・アービングインディアナ・ペイサーズジョージ・マクギニスが共同受賞した[5]

マクギニスは1試合あたり平均29.78点(79試合出場で合計2353点)でリーグ得点王にもなった[4]。 アービングは1試合あたり平均27.89点で2位である[4]

サンアントニオ・スパーズスウェン・ネイターは1試合平均16.40リバウンドでリーグトップだった。ケンタッキー・カーネルズアーティス・ギルモアは1試合平均16.20リバウンドで、前シーズンの18.31から減少し2位となった[4]

デンバー・ナゲッツマック・カルヴィンは、フリースローを530本を試投し、475本を成功させ、平均89.622%の成功率を達成して、ABAの歴代記録を樹立した[4]

アーティス・ギルモアは1975年のABAプレーオフで最優秀選手に選ばれ、ファイナル最終戦では28得点、31リバウンドを記録し、インディアナポリスでの第3戦では41得点、28リバウンドを記録した[5]

脚注[編集]

外部リンク[編集]