1924年のメジャーリーグベースボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1924年の野球から転送)
移動先: 案内検索

以下は、メジャーリーグベースボール(MLB)における1924年のできごとを記す。1924年4月15日に開幕し10月10日に全日程を終え、ナショナルリーグニューヨーク・ジャイアンツが4年連続12度目の優勝を、アメリカンリーグワシントン・セネタースが1901年の球団創設以来初のリーグ優勝であった。ワールドシリーズはワシントン・セネタースがニューヨーク・ジャイアンツを4勝3敗で破り初制覇した。

できごと[編集]

アメリカンリーグは、前年の覇者ニューヨーク・ヤンキースを抑えてワシントン・セネタースが初優勝した。エースのウォルター・ジョンソンが23勝、防御率2.72、奪三振175で最多勝・最優秀防御率・最多奪三振のタイトルに輝き、リーグ最優秀選手となった。またこの年に二塁手バッキー・ハリス選手兼任監督となり、サム・ライスが打率.344を打ち、他にグース・ゴスリン(打率.344・打点129)、ジャッジ(打率.324)らが活躍した。ヤンキースのベーブ・ルースは打率.379、本塁打46本で首位打者と本塁打王の二冠を取ったが打点121でゴスリンに8足らず、三冠王を逃した。前年に生涯最高の.393を打ちながら首位打者を逃したルースはこの年に念願の首位打者となったが、結局首位打者を獲得したのはこの年だけとなった。

一方ナショナルリーグはニューヨーク・ジャイアンツが同じニューヨークのブルックリン・ロビンス(ドジャース)に1.5ゲーム差に迫られた。ロビンスの投手陣が充実していて特にダジー・ヴァンスが28勝、防御率2.16、奪三振262で最多勝・最優秀防御率・最多奪三振のタイトルに輝き、優勝チームでないにも関わらずリーグ最優秀選手となった。この他にバーリー・グライムスが22勝してジャイアンツを苦しめたが結局ジャイアンツがナショナルリーグ4連覇を果たした。しかし1880年代に2連覇、1900年代に2連覇、1910年代に3連覇を含む4回、1920年代に4連覇した名門のジャイアンツであったが、この後にスキャンダルもあって低迷期に入り、ジョン・マグロー監督の下では最後の優勝となった。

そしてワールドシリーズでは、事前の下馬評を覆して、ワシントン・セネタースが4勝3敗で初の世界一となった。3勝3敗の後の第7戦で延長12回裏にマクニーリーが幸運なヒットを打ってサヨナラ勝ちをおさめ、このシリーズで既に2敗していた大投手ウォルター・ジョンソンが初めてワールドシリーズの勝利投手となった。

  • 9月20日、ピート・アレクサンダーが史上11人目となる通算300勝を達成した。
  • ナショナルリーグの首位打者はロジャース・ホーンスビーで打率.424で5度目の獲得であった。この.424の数字は20世紀に入って以降の近代野球では最高の数字で現在まで史上最高の打率として残っている。

ジョンソン対ランディス[編集]

シーズン終盤にジャイアンツとブルックリン・ロビンスと激しく競り合っていたさなかに、コミッショナーのランディス判事がジャイアンツのコーチとジミー・オコーナー外野手がフィラデルフィア・フィリーズのサンド遊撃手に500ドルを渡したと指弾した。このことでジャイアンツが優勝したため、シーズン終了後に、ワールドシリーズの中止を求める動きが表面化して、これにアメリカンリーグのバン・ジョンソン会長が絡み、アメリカンリーグ優勝のワシントン・セネタースの相手はニューヨーク・ジャイアンツではなく、2位のブルックリン・ロビンスに代えるべきだと主張した。ジョンソン会長にとってはブラックスソックス事件でランディス判事に敗れた遺恨があった。しかしコミッショナーはアメリカンリーグ会長の主張を無視し、ジャイアンツのコーチと外野手の2名をシリーズ出場停止処分にしてジャイアンツ対セネタースのワールドシリーズ開催を認めた。そして逆にジョンソン会長の譴責と謝罪を要求し、これに対してアメリカンリーグの8球団のうちセントルイス・ブラウンズを除く7球団のオーナーが同意してジョンソン会長は再び敗れた。

4年前のブラックソックス事件でその対応を誤り、ランディス判事のコミッショナー就任を阻止しようとして球団オーナーの反対で挫折し、そして今回は7球団のオーナーからランディス支持の逆風で、すでにかつてのアメリカンリーグ創設者としての絶対的な力は失われていた。彼はこの2年後にタイ・カップとトリス・スピーカーの賭博行為に関する疑惑が浮上して再びランディスと対立するが、既にリーグ内に味方がいない状況で1927年に失意のうちに会長を辞任することとなる。

最終成績[編集]

レギュラーシーズン[編集]

アメリカンリーグ[編集]

チーム 勝利 敗戦 勝率 G差
1 ワシントン・セネタース 92 62 .597 --
2 ニューヨーク・ヤンキース 89 63 .586 2.0
3 デトロイト・タイガース 86 68 .558 6.0
4 セントルイス・ブラウンズ 74 78 .487 17.0
5 フィラデルフィア・アスレチックス 71 81 .467 20.0
6 クリーブランド・インディアンス 67 86 .438 24.5
7 ボストン・レッドソックス 67 87 .435 25.0
8 シカゴ・ホワイトソックス 66 87 .431 25.5

ナショナルリーグ[編集]

チーム 勝利 敗戦 勝率 G差
1 ニューヨーク・ジャイアンツ 93 60 .608 --
2 ブルックリン・ロビンス 92 62 .597 1.5
3 ピッツバーグ・パイレーツ 90 63 .588 3.0
4 シンシナティ・レッズ 83 70 .542 10.0
5 シカゴ・カブス 81 72 .529 12.0
6 セントルイス・カージナルス 65 89 .422 28.5
7 フィラデルフィア・フィリーズ 55 96 .364 37.0
8 ボストン・ブレーブス 53 100 .346 40.0

ワールドシリーズ[編集]

  • セネタース 4 - 3 ジャイアンツ
10/4 – ジャイアンツ 4 - 3 セネタース
10/5 – ジャイアンツ 3 - 4 セネタース
10/6 – セネタース 4 - 6 ジャイアンツ
10/7 – セネタース 7 - 4 ジャイアンツ
10/8 – セネタース 2 - 6 ジャイアンツ
10/9 – ジャイアンツ 1 - 2 セネタース
10/10 – ジャイアンツ 3 - 4 セネタース

個人タイトル[編集]

アメリカンリーグ[編集]

打者成績[編集]

項目 選手 記録
打率 ベーブ・ルース (NYY) .378
本塁打 ベーブ・ルース (NYY) 46
打点 グース・ゴスリン (WS1) 129
得点 ベーブ・ルース (NYY) 143
安打 サム・ライス (WS1) 216
盗塁 エディ・コリンズ (CWS) 42

投手成績[編集]

項目 選手 記録
勝利 ウォルター・ジョンソン (WS1) 23
敗戦 ハワード・アーンク (BOS) 17
アレックス・ファーガソン (BOS)
ジョー・シャウト (CLE)
防御率 ウォルター・ジョンソン (WS1) 2.72
奪三振 ウォルター・ジョンソン (WS1) 158
投球回 ハワード・アーンク (BOS) 315
セーブ フィルッポ・マーベリー (WS1) 15

ナショナルリーグ[編集]

打者成績[編集]

項目 選手 記録
打率 ロジャース・ホーンスビー (STL) .424
本塁打 ジャック・フォーニアー (BRO) 27
打点 ジョージ・ケリー (NYG) 136
得点 フランキー・フリッシュ (NYG) 121
ロジャース・ホーンスビー (STL)
安打 ロジャース・ホーンスビー (STL) 227
盗塁 マックス・キャリー (PIT) 49

投手成績[編集]

項目 選手 記録
勝利 ダジー・ヴァンス (BRO) 28
敗戦 ジェシー・バーンズ (BSN) 20
防御率 ダジー・ヴァンス (BRO) 2.16
奪三振 ダジー・ヴァンス (BRO) 262
投球回 バーリー・グライムス (BRO) 310⅔
セーブ ジャッキー・メイ (CIN) 6

表彰[編集]

シーズンMVP

関連項目[編集]

外部リンク[編集]