13日の金曜日 (フランチャイズ)

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13日の金曜日
Friday the 13th
Friday the 13th (1980) film logo.png
創作者 ヴィクター・ミラー
ショーン・S・カニンガム
初作品13日の金曜日』(1980年)
所有者
期間 1980年–現在
映画・テレビ
映画 映画の一覧
テレビシリーズ 『13日の金曜日』(1987年–1990年)

13日の金曜日」(Friday the 13th)は、12本のスラッシャー映画、テレビシリーズ、小説、コミック本、ビデオゲーム、タイアップ商品などで構成される、アメリカのホラーメディア・フランチャイズ。主人公のジェイソン・ボーヒーズは、少年時代にキャンプ・クリスタル・レイクでスタッフの過失により溺死したと考えられていた。数十年後、この湖は「呪われている」と噂され、一連の大量殺人の舞台となった。ジェイソンはすべての作品に、殺人者として、あるいは殺人の動機として登場する。オリジナル作品は、『ハロウィン』(1978年)の成功を受けて製作され、監督・製作はショーン・S・カニンガム、脚本はヴィクター・ミラーが務めた。全世界での興行収入は4億6800万ドルを超えており、『ハロウィン』(2018年)が公開され、「ハロウィン」フランチャイズがトップに立つまでは、世界で最も高い興行収入を記録したホラー・フランチャイズだった。

映画のプロデューサーであるフランク・マンキューソ・ジュニアは、パラマウント・ピクチャーズが『ジェイソンは生きていた!』を公開した後、テレビシリーズ『13日の金曜日』も開発した。このテレビシリーズは、キャラクターや設定でフランチャイズとつながっているわけではなく、映画シリーズが象徴する「不運と呪い」のアイデアに基づいて制作された[1]。フランチャイズがパラマウントに所有されていた間、4つの映画が小説化され、『13日の金曜日 PART3』は2人の別々の作家によって翻案された。フランチャイズがニュー・ライン・シネマに売却されると、カニンガムはプロデューサーとして2本の追加映画を監督し、さらに映画「エルム街の悪夢」シリーズのキャラクター、フレディ・クルーガーとのクロスオーバー映画も製作した。ニュー・ライン・シネマのもとでは、ジェイソンを主人公にした13の小説やさまざまなコミック・シリーズが出版された。

映画は批評家の間では不評だったが、「13日の金曜日」はアメリカで最も成功したメディア・フランチャイズのひとつと考えられている。これは映画の成功だけでなく、大規模な商品化や大衆文化におけるシリーズへの繰り返しの言及の影響でもある[2]。このフランチャイズの人気は、独自の「13日の金曜日」映画を作成したり、ジェイソン・ボーヒーズのレプリカ衣装を作ったり、「13日の金曜日」のアートワークを体に彫ったりするファンを生み出した。ジェイソンのホッケーマスクは、ホラーや大衆文化において最も認知度の高いイメージのひとつとなっている[3]

映画[編集]

映画 米国公開日 監督 脚本 原案 製作
13日の金曜日
Friday the 13th
1980年5月9日 (1980-05-09) ショーン・S・カニンガム ヴィクター・ミラー ショーン・S・カニンガム
13日の金曜日PART2
Friday the 13th Part 2
1981年5月1日 (1981-05-01) スティーヴ・マイナー ロン・クルツ スティーヴ・マイナー
13日の金曜日PART3
Friday the 13th Part III
1982年8月13日 (1982-08-13) マーティン・キトロッサー、キャロル・ワトソン フランク・マンキューソ・ジュニア
13日の金曜日 完結編
Friday the 13th: The Final Chapter
1984年4月13日 (1984-04-13) ジョセフ・ジト バーニー・コーエン ブルース・ヒデミ・サコウ
新・13日の金曜日
Friday the 13th: A New Beginning
1985年3月22日 (1985-03-22) ダニー・スタインマン マーティン・キトロッサー、デビッド・コーエン、ダニー・スタインマン マーティン・キトロッサー&デビッド・コーエン ティモシーシルバー
13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた!
Friday the 13th Part VIII: Jason Takes Manhattan
1986年8月1日 (1986-08-01) トム・マクローリン ドン・バーンズ
13日の金曜日 PART7/新しい恐怖
Friday the 13th Part VII: The New Blood
1988年5月13日 (1988-05-13) ジョン・カール・ビューラー マヌエル・フィデッロ、ダリル・ハネイ イアン・パターソン
13日の金曜日 PART8/ジェイソンN.Y.へ
Friday the 13th Part VIII: Jason Takes Manhattan
1989年7月28日 (1989-07-28) ロブ・ヘデン ランディー・シェヴェルデーブ
13日の金曜日/ジェイソンの命日
Jason Goes to Hell: The Final Friday
1993年8月13日 (1993-08-13) アダム・マーカス ジェイ・ユグリー、ディーン・ロレー ジェイ・ユグリー、アダム・マーカス、ディーン・ロレー ショーン・S・カニンガム、デビー・ヘイン・キャス
ジェイソンX 13日の金曜日
Jason X
2002年4月26日 (2002-04-26) ジェームズ・アイザック トッドファーマー ノエル・カニンガム、ショーン・S・カニンガム、ジェームズ・アイザック
フレディVSジェイソン
Freddy vs. Jason
2003年8月15日 (2003-08-15) ロニー・ユー ダミアン・シャノン、マーク・スウィフト ショーン・S・カニンガム
13日の金曜日
Friday the 13th
2009年2月13日 (2009-02-13) マーカス・ニスペル マーク・スウィフト、ダミアン・シャノン、マーク・ウィートン ショーン・S・カニンガム、マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッド・フラー

13日の金曜日(1980年)[編集]

1957年の13日の金曜日。ニュージャージー州ブレアーズタウンのクリスタルレイク付近のキャンプ場にて、一人の少年が溺れて消息不明になった。それから数年の間、クリスタルレイクのキャンプ場にて奇怪な事件が多発し、遂にはキャンプ指導員の男女二人が何者かに殺害された事件が発生。キャンプ場は閉鎖せざるを得なくなった。さらに数十年経った1980年。殺人事件の起こったクリスタルレイクのキャンプ場が再開され、数人の指導員候補生達がキャンプ場に訪れる。しかし、そのキャンプ場には一連の怪事件を起こした犯人が潜んでおり、指導員候補生達を次々に襲っていった。

13日の金曜日 PART2[編集]

1980年にて、クリスタル湖で起こった悲劇から2か月後。真犯人パメラが最後に引き起こした惨劇をただ一人生き延びた被害者アリスが、大量の血痕を残し、自宅から姿を消した。数年後の1985年、再びクリスタルレイクのキャンプ場に、指導員候補生の若者達が訪れた。キャンプ場に訪れたその夜、指導員のリーダーが、クリスタルレイクにまつわる怪奇伝説を物語る。しかし話が終わり解散になった後、怪奇伝説に出てきたジェイソンが本当に現れ、次々と指導員達を殺害し始める。

13日の金曜日 PART3[編集]

前回の惨劇の翌日。ジェイソンの引き起こした猟奇的殺人事件の全容がニュースで語られる中、ブレアーズタウンのクリスタル湖付近にあるカフェを営む夫妻が何者かによって殺害される。そのまた翌日、クリスタル湖付近の前回の惨劇の起きたキャンプ場とは異なる別のキャンプ場に、数人の高校生達が訪れる。メンバーの一人であるクリスは、以前クリスタル湖付近で自分を襲った異形の顔の人物の悪夢に苛まれていた。そして、高校生たちが向かったキャンプ場の納屋の中には、前回の惨劇より生き延びていたジェイソンが隠れ潜んでいた。

13日の金曜日 完結編[編集]

前回の惨劇が終わった日の夜。大規模な数のパトカーや救急車のランプが、クリスタル湖のキャンプ場の夜を照らしていた。警察と救急隊員によって、ジェイソンに殺された高校生やバイカー達の死体が回収され、その中には事件の首謀者であり、生き残ったクリスに頭部へ斧を叩き込まれたジェイソンの死体も含まれていた。だが、死体安置所に運ばれたジェイソンの死体が突如動き出し、検視員や看護婦を殺害。蘇生したジェイソンはクリスタル湖に戻り、ヒッチハイカーや別のキャンプ場に訪れていた若者達、そしてキャンプ場付近に暮らす特殊メイクの才能を持った少年、トミー・ジャーヴィスの一家に襲い掛かる。

新・13日の金曜日[編集]

約1週間で、3度にもわたって起こったジェイソン・ボーヒーズの連続殺人事件は、トミー・ジャーヴィス少年がジェイソンを葬ったことによって、ようやく幕が降ろされた。しかし数年後、母親をジェイソンに殺され、共に生き延びた姉・トリッシュとも引き離されたトミーは、ジェイソンに襲われた経験がトラウマとなり、18歳になってもその悪夢から逃れられずにおり、精神病院を転々としていた。そんな中、森の中にある精神病院で暮らすことになったトミーだが、病院にて、自分と同じく精神病院で暮らしていた者同士による殺人事件が発生。その翌日に病院付近にて、死んだはずのジェイソンの犯行と思われる猟奇的殺人事件が発生し始める。

正体は救急隊員である男性ロイ・バーンズ。無口で大人しい性格をしたロイが、ジェイソンに扮した連続殺人に走ってしまった動機は、事件前に精神病院で起こった生徒同士のトラブルにある。このトラブルにより、短気で攻撃的な性格をしたビクターに斧で後頭部や腕をえぐられて殺害された少年・ジョイはロイの実の息子であり、理由は不明だがロイはジョイに実の父親であることを名乗ろうとせず、病院に預けていた。ジョイが無残な死体姿となったのを目の当たりにしたロイは精神に異常をきたし、ジェイソンに扮して精神病院やその付近の人間たちを無差別に狙った連続殺人事件を起こすことになる。

13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた![編集]

未だにジェイソンの悪夢に苛まれていたトミーは、ある日、友人のハーズと共に『フォレストグリーン』へと名を変えたクリスタルレイクへと戻り、ジェイソンの埋まっている墓地に訪れる。悪夢と完全に決別すべく、トミーはジェイソンの遺体を掘り起こし、火葬にしようと考えていた。蛆がわき、もはや腐敗した状態となっているジェイソンの死体が入った棺桶を開けたトミーは、かつてジェイソンを葬った時をなぞるように壊れた鉄柵をその屍骸に幾度も突き刺す。ジェイソンを火葬すべくガソリンに手を掛けようとするが、突如落雷が起こり、ジェイソンに刺さった鉄の避雷針となって、ジェイソンの全身に大量の高圧電流が流れた結果、そのショックでジェイソンが蘇ってしまう。トミーの訴えにもかかわらず保安官は聞き入れてくれず、次々と周囲にいる人間を殺害し始める。

13日の金曜日 PART7/新しい恐怖[編集]

クリスタルレイク付近で暮らす少女・ティナは、生まれつき超能力を備えた少女であったが、両親が夫婦喧嘩をした日の夜、ティナは家を飛び出してしまい、追いかけて来た父親を誤って超能力で湖の底へと沈めてしまう。それから数年後、クリスタルレイクへ戻ってきたティナは、父親を生き返らせようと、父親の沈んだ湖に向かって念力を放つ。しかし出てきたのはティナの父親ではなく、トミーによって湖へと沈められた殺人鬼・ジェイソンであった。次々とキャンプ場に訪れた若者達を殺害していくジェイソンに、ティナは自らの超能力を駆使して立ち向かう。

13日の金曜日 PART8/ジェイソンN.Y.へ[編集]

前作の殺人事件から数年後。ティナの父親の手で再度クリスタルレイクの底へと沈められたジェイソンであったが、キャンプに訪れていたアベックのクルーザーの錨に切断された電気ケーブルが接触し、感電したジェイソンは三度目の復活を果たしてしまう。クルーザーの若者達を殺害して、ホッケーマスクを奪い取ったジェイソンはニューヨークへ向かおうとしている豪華客船に乗り込み、修学旅行を楽しむ学生を次々と殺害。生き残った数人の乗客達はボートで脱出し、ようやくニューヨークへとたどり着く。しかし、ジェイソンもまた彼らの後を追い、ニューヨークに乗り込んでいた。

13日の金曜日/ジェイソンの命日[編集]

クリスタルレイクに一人で訪れていた女性の泊まるコテージ内で停電が発生し、そこへ突如ジェイソンが現れ女性に襲い掛かる。しかしジェイソンが女性を追い詰めた時に突如に照明が一斉に照らされ、特殊部隊の兵士達が現れる。この女性は軍人であり、ジェイソンをおびき寄せるための罠であった。特殊部隊に集中砲火を受けたジェイソンは、とどめの迫撃砲によって遂に木っ端微塵に吹き飛ぶ。何度も蘇生するジェイソンの生態を調べるべく、研究所にジェイソンの肉塊が運ばれるが、なんとジェイソンの心臓だけはまだ活動を停止していなかったのであった。そして他人の体に入り一時的な復活を遂げ、無差別な殺人を繰り返す。ジェイソンを完全に復活させられるのは肉親の肉体だけであり、ジェイソンは腹違いの妹とその家族を狙う。

ジェイソンX 13日の金曜日[編集]

近未来、200人以上を殺害したジェイソンは捕獲され研究所に収容されていた。いかなる方法を用いても処刑できない不死身のジェイソンに対し、最後の手段として冷凍刑が実行されようとするが、拘束から脱出したジェイソンは研究所で殺戮を始めてしまう。生き残った女性科学者ローワンはジェイソンを冷凍保存容器に閉じ込めることに成功するが、ジェイソンの抵抗により自身も冷凍状態となってしまう。それから455年後、荒廃した地球にやってきた調査隊は、冷凍状態のローワンとジェイソンを発見し宇宙船に連れて行く。蘇生技術によって息を吹き返したローワンはジェイソンも船内に連れてこられたことを知り警告を与えるが、時すでに遅く蘇生したジェイソンは船の中で殺戮を開始するのであった。

フレディVSジェイソン[編集]

13日の金曜日(2009年)[編集]

製作[編集]

音楽[編集]

映像外部リンク
例:ブレンダが子供の声に誘われて射的場に行くまでのシーン(『13日の金曜日』より)

ハリー・マンフレディーニは第1作である『13日の金曜日』の楽曲制作に臨む際、殺人鬼が登場しないはずの場面で殺人鬼がいると観客が誤認するのを防ぐため、音楽は殺人鬼の存在に合わせて流すというルールを定めた[4]。マンフレディーニは、特定のシーンでBGMが欠かれていたことについて以下のように説明している。

少女たちのうちの一人が射的場を準備した後に少年たちの一人が的に矢を当て、その準備した少女を見失う場面がありますよね。あのシーンはすごく恐ろしいのですが、よく聞くと音楽がありません。あのシーンでは最高の場面を演出するために音楽を入れませんでした。
("There's a scene where one of the girls [...] is setting up the archery area [...] One of the guys shoots an arrow into the target and just misses her. It's a huge scare, but if you notice, there's no music. That was a choice.")[4]

また、マンフレディーニは何かが起きようとした場面では、音楽を急に止めて観客を一時的に安堵させることにより、そのあと起きる恐怖がより強大なものになると述べている。第1作である『13日の金曜日』では終盤になってから殺人鬼が姿を現すため、マンフレディーニは殺人鬼が姿を現さない場面については音楽という形で存在を示した[4]。彼がインスピレーションを受けた1975年の映画『ジョーズ』でも、メインキャラクターであるサメが直接姿を現す場面は少ないものの、サメの登場に合わせてジョン・ウィリアムズの作曲したモチーフが流れるため、姿が見えなくても観客にサメの存在が伝わる仕組みとなっている[5]。マンフレディーニは強く発音するようなコーラスが含まれるクシシュトフ・ペンデレツキの曲を聴き、『13日の金曜日』でも似たようなサウンドを作ろうと考え、終盤で殺人鬼が繰り返した "Kill her mommy!"(彼女を殺してよ、母さん)というセリフを基にして"ki ki ki, ma ma ma"という音声を作り上げた。この個性的な音声は、マンフレディーニが映画に使いたいと考えていたものであり、「荒々しく、はっきりとそしてリズミカルに」マイクに吹き込んだ二つの音声を加工し、残響を持たせたものであり[4]。マンフレディーニはこの音声が「チャチャチャ」と聞き間違えられることについてもDVD版のオーディオコメンタリーの中で言及している[6]

マンフレディーニは第1作の楽譜を書き上げた後、友人宅の地下室で録音した[5]。脚本を務めたヴィクター・ミラーとミラーの助手であるジェイ・キューパーはマンフレディーニの作った音楽が記憶に残るものだったと述べ、キューパーにいたっては聞いただけで姿が思い描かれるようだったと述べている。マンフレディーニは『PART2』でも続投することが決まっていたため、完璧な楽曲を作ることを目標とすること以外は前作よりも楽に楽曲制作にあたることができ[7]、「殺人鬼のためだけの曲を作っておく」という前作からの縛りを緩めた。彼は『PART2』が「殺人鬼が獲物を罠にはめて叩きのめしていく過程に重きを置いているため、マクガフィンやミスリードが多用される傾向にある」と考え、観客をひっかけるためにジェイソンのテーマ曲を流す必要があるという結論に達した。マンフレディーニは『第1作は悪い意味で近視眼的アプローチだったので、より伝統的な映画としての続編について考える必要がありました」と述べている[4]

『PART3』の制作の時点で、マンフレディーニはブロードウェイでの仕事が忙しかったため、最初と最後の場面の楽曲制作にとどまっている。彼の代わりにジャック・K・ティラーが第1作と第2作で使用された楽曲を組み合わせる形で編曲した。『チャンタで行こう!英語版』のヒットで知られる音楽家マイケル・ゼーガー英語版がオープニングテーマとエンディングテーマを作曲した。マンフレディーニとゼーガーは、ゼーガーのアパートで出会い、その場でゼーガーは第1作のテーマソングをディスコ調にアレンジした。マンフレディーニは『完結編』で完全復帰した際に従来と似たような要素の楽曲を制作したが、いずれも『完結編』に向けて書き下ろされたものである[8]

『新・13日の金曜日』において、マンフレディーニは新キャラクターであるトミー・ジャーヴィス専用のテーマ曲を制作した。この考えは「"歩く狂気"が存在し、様々なキャラクターに疑いがかかり、観客の予想だにしないことが起こるというほのめかし」を示すためのものである[9]

『PART6』では、監督のトム・マクローリンがマンフレディーニに「観客に対し今起きている(またはこれから起きようといている)出来事を知らせるのではなく、観客自身がその出来事を知る手がかりを与えてほしい」という指示を出した。この指示は、1978年の映画『ハロウィン』の演出からヒントを得たものであり、マクローリンはよりつかみどころのないゴシック的な残響が欲しいと考えていた[10]

『PART7』と『PART8』では契約の都合上マンフレディーニ自身は制作に参加していないが、彼が手掛けた過去作品の楽曲が流用されている[4]。『PART7』の音楽は、同名の別作品英語版の音楽を手掛けたフレッド・モリンがプロデューサーであるイアイン・ペイターソンからの依頼を引き受ける形で担当し、残りのシーンの楽曲はシリーズの過去作品から流用された[11]。モリンは『PART8』の音楽も手掛けたが、ロバート・プラント風のオープニングテーマはスティーブ・マイザーによるものである[12]

ハリー・マンフレディーニは『ジェイソンの命日』と『ジェイソンX』の音楽を手掛けた[13]

マンフレディーニは『フレディVSジェイソン』でも起用されるはずだったが、グレーム・レヴェルに交代というかたちで降板となった。ニュー・ライン・シネマの公式発表では「新しい方向性の一環」とされているが、マンフレディーニは「『フレディVSジェイソン』のファイナル・カットは今までと同じではないか」と不満を述べている[4]

キャスト[編集]

13日の金曜日
役名 俳優 日本語吹替
ボーヒーズ夫人 ベッツィ・パーマー 来宮良子
アリス エイドリアン・キング 小山茉美
ビル ハリー・クロスビー 曽我部和行
ジャック ケヴィン・ベーコン 村山明
マーシー ジャニーヌ・テイラー 横沢啓子
ネッド マーク・ネルソン 古川登志夫
ブレンダ ローリー・バートラム 高島雅羅
アニー ロビー・モーガン 鵜飼るみ子
スティーヴ ピーター・ブローワー 富山敬
ティアニー ロン・キャロル 石森達幸
ラルフ ウォルト・ゴーニー 千葉耕市
トラック運転手(エノス) レックス・エヴァーハート 藤本譲
ジェイソン アリ・レーマン
13日の金曜日 PART2
役名 俳優 日本語吹替
日本テレビ Netflix
ジニー エイミー・スティール 榊原良子 遠藤綾
ポール ジョン・ヒューリー 野島昭生 斉藤マサキ
アリス エイドリアン・キング 滝沢久美子 木村涼香
テッド ステュー・チャーノ 古川登志夫 三瓶雄樹
ジェフ ビル・ランドルフ 中尾隆聖 松浦義之
サンドラ マーター・コーバー 高島雅羅 芽衣
スコット ラッセル・トッド 村山明 横田大輔
テリー カーステン・ベイカー 横尾まり 高津はる菜
マーク トム・マクブライド 田中秀幸 江越彬紀
ヴィッキー ローレン=マリー・テイラー 伊東亜祐美
ラルフ ウォルト・ゴーニー 中野泰佑
ジェイソン ウォーリントン・ジレット(素顔)
スティーヴ・ダッシュ(演)
ボーヒーズ夫人 ベッツィ・パーマー 谷育子 田村聖子
13日の金曜日 PART3
役名 俳優 日本語吹替
クリス ダナ・キンメル 幸田直子
リック ポール・クラッカ 柴田侊彦
シェリー ラリー・ゼーナー 塩屋翼
ヴェラ キャスリン・パークス 戸田恵子
アンディ ジェフリー・ロジャース 井上和彦
デビー トレイシー・サヴェージ 高島雅羅
チャック デヴィッド・カティムス 屋良有作
チリ レイチェル・ハワード 吉田理保子
アリ ニック・サヴェージ 玄田哲章
ロコ ケヴィン・オブライエン 秋元羊介
フォックス グロリア・チャールズ
ハロルド スティーヴ・サスキンド 池田勝
エドナ シェリ・モーガンズ
ジェイソン リチャード・ブルッカー
13日の金曜日 完結編
役名 俳優 日本語吹替
トミー コリー・フェルドマン 浪川大輔
トリッシュ キンバリー・ベック 小山茉美
ジャーヴィス夫人 ジョーン・フリーマン 谷育子
ロブ エリック・アンダーソン 池田秀一
ジミー クリスピン・グローヴァー 鈴置洋孝
テッド ローレンス・モノソン 三ツ矢雄二
ダグ ピーター・バートン 塩沢兼人
ポール アラン・ヘイズ 井上和彦
サラ バーバラ・ハワード 安永沙都子
サマンサ ジュディ・アロンソン 深見理佳
ティナ カミラ・ムーア 潘恵子
テリー ケイリー・ムーア 玉川砂記子
アクセル ブルース・マーラー 玄田哲章
ロビー リサ・フリーマン 小宮和枝
ジェイソン テッド・ホワイト -
新・13日の金曜日
役名 俳優 日本語吹替
トミー ジョン・シェパード 塩沢兼人
トミー(少年) コリー・フェルドマン 浪川大輔
パム メラニー・キンナマン 土井美加
レジー シャヴァー・ロス 堀絢子
マット リチャード・ヤング 小川真司
ジョージ ヴァーノン・ワシントン 峰恵研
タッカー保安官 マルコ・セント・ジョン 中田浩二
ロイ ・バーンズ/ 偽ジェイソン(素顔) ディック・ウィアンド 池田勝
ジョーイ ドミニク・ブラスシア 安西正弘
ヴィクター マーク・ヴェンチュリニ 大友龍三郎
エディ ジョン・ロバート・ディクソン 大塚芳忠
ティナ デビ・スー・ボーヒーズ 鵜飼るみ子
ロビン ジュリエット・カミンズ 玉川紗己子
ヴァイオレット ティファニー・ヘルム 神代智恵
ジェイク ジェリー・パヴロン 三ツ矢雄二
ディモン ミゲル・A・ナネッツ・Jr. 堀秀行
アニタ ジェア・フィールズ 小宮和枝
エセル キャロル・ロカテル 此島愛子
ジュニア ロン・スローン 天地麦人
ビリー ボブ・デ・シモーネ 千田光男
ラナ レベッカ・ウッド=シャーキー 高島雅羅
ピート コリー・パーカー 鈴木清信
ヴィニー アンソニー・バリル 二又一成
デューク キャスキー・スウェイム 小島敏彦
偽ジェイソン(演)/ジェイソン・ボーヒーズ トム・モーガ -
13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた!
役名 俳優 日本語吹替
トミー トム・マシューズ 池田秀一
メーガン ジェニファー・クック 高島雅羅
ギャリス保安官 デヴィッド・ケーガン 樋浦勉
ポーラ ケリー・ヌーナン 玉川砂記子
シシー レネー・ジョーンズ 岡本麻弥
コート トム・フリドリー 三ツ矢雄二
ニッキー ダーシー・デモス
リック保安官補佐 ヴィンセント・ガスタフェッロ 沢木郁也
ダレン トニー・ゴールドウィン 島田敏
リズベス ナンシー・マクローリン 幸田直子
ハーズ ロン・パリロ 小室正幸
ナンシー コートニー・ビッケリー
ラリー アラン・ブルーメンフェルド 増岡弘
スタン マシュー・フェイソン
ケイティ アン・ライヤーソン 沢田敏子
ロイ ホイットニー・リュードベック 納谷六郎
バート ウォーレス・メルク
マーティン ボブ・ラーキン
パパス巡査 マイケル・スワン
ソーントン巡査 マイク・ノーマッド 大塚明夫
ジェイソン C・J・グラハム -
13日の金曜日 PART7/新しい恐怖
役名 俳優
ティナ ラー・パーク・リンカーン
ティナ(少女) ジェニファー・バンコ
ニック ケビン・ブレア
クルーズ テリー・カイザー
シェパード ジョン・オトゥリン
アマンダ スーザン・ブルー
メリッサ スーザン・ジェニファー・サリバン
エディー ジェフ・ベネット
ロビン エリザベス・カイタン
デービッド ジョン・レンフィールド
マディー ダイアナ・バロウズ
マイケル ウィリアム・バトラー
ジェイソン ケイン・ホッダー
  • 日本語吹替なし
13日の金曜日 PART8/ジェイソンN.Y.へ
役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 フジテレビ
レニー ジャンセン・ダジェット 深見梨加 水谷優子
レニー(少女) アンバー・ポーリック
ショーン スコット・リーヴス 関俊彦 松本保典
マカラロック先生 ピーター・マーク・リッチマン 穂積隆信 家弓家正
バン・デューゼン先生 バーバラ・ビンガム 谷育子
ジュリアス V・C・デュプリー 二又一成 小野健一
ロバートソン船長 ウォーレン・マンソン 藤本譲 富田耕生
タマラ シャーリーン・マーティン
エヴァ ケリー・ヒュー 井上喜久子
ウェイン マーティン・カミンズ 宮本充
J・J サフロン・ヘンダーソン 松本梨香
ジム トッド・カルデコット 古田信幸 矢尾一樹
スージー ティファニー・ポールセン
ジェイソン ケイン・ホッダー - -
ジェイソン(少年) ティモシー・バー・マーコヴィッチ
13日の金曜日/ジェイソンの命日
役名 俳優 日本語吹替
VHS版 テレビ東京
スティーヴン・フリーマン ジョン・D・ルメイ 荒川太朗 宮本充
ジェシカ・キンブル カリ・キーガン 久川綾 相沢恵子
ダイアナ・キンブル エリン・グレイ 滝沢ロコ 泉晶子
クレイトン・デューク スティーヴン・ウィリアムズ 大塚明夫
ロバート・キャンベル スティーヴン・カルプ 牛山茂
ヴィッキー アリソン・スミス 松丸智子 山像かおり
ランディ・パーカー巡査 キップ・マーカス
ジョーイ・B ラスティ・シュウィマー
ワード アダム・クランネル 桜井敏治
ジョシュ アンドリュー・ブロック 田原アルノ
フィル(検視官) リチャード・ガント
エド・ランディス保安官 ビリー・グリーン・ブッシュ 清川元夢
シェルビー レスリー・ジョーダン
ジェイソン・ボーヒーズ ケイン・ホッダー
フレディ・クルーガー -
ジェイソンX 13日の金曜日
役名 俳優 日本語吹替
ローワン レクサ・ドイグ 湯屋敦子
ツナロン チャック・キャンベル 小森創介
KM リサ・ライダー 唐沢潤
ブロッドスキー軍曹 ピーター・メンサー 楠大典
ロウ教授 ジョナサン・ポッツ 井上倫宏
ウェイランダー ダーウィン・ジョーダン 遊佐浩二
ジャネッサ メリッサ・エイド 杉本ゆう
クラッチ フィリップ・ウィリアムズ 岩崎ひろし
キンサ メロディ・ジョンソン 小池亜希子
ストーニー ヤニ・ゲルマン 保村真
アザレル ダヴ・ティフェンバック 山口隆行
ダラス トッド・ファーマー 松本大
キッカー バルナ・モリクス 江川大輔
ブリッグス ディラン・ビーグ 村竹あおい
エイドリアン クリスティ・アンガス 斎藤恵理
ファット・ルー ボイド・バンクス
コンドー スティーヴ・ルチェスク 伊井篤史
ウィマー博士 デヴィッド・クローネンバーグ
(カメオ出演)
ジェイソン・ボーヒーズ ケイン・ホッダー -
  • ギャガから発売された新盤DVDには日本語吹替は収録されていない。

コンピュータゲーム[編集]

1986年5月、Domarkは、『Friday the 13th』をAmstrad CPC, Commodore 64, and ZX Spectrum向けに発売した。 このゲームはプレイヤーが避難場所を探し出し、仲間にそこへ隠れるよう説得する内容であり、ジェイソンはプレイヤーに襲い掛かるまでは、仲間のようにふるまっている[14]

Domark版『Friday the 13th』の発売から3年後の1989年には、Nintendo Entertainment System用ゲームソフト『Friday the 13th』を開発し[15]アトラスが北米限定で発売した。

2007年、 Xendexから携帯電話用アプリゲーム『Friday the 13th』の配信が行われた。携帯電話アプリ版では、クリスタルレイクキャンプ場のキャンプ指導員の一人を操作し、仲間を殺す謎の不審者の正体を暴き、キャンプ場から生きて脱出・生存するという内容になっている[16]

2015年1月、Electronic Gaming Monthly は、『13日の金曜日』を題材にした、多人数向けの非対称型対戦アクションゲーム形式のサバイバルホラーゲームの制作が行われており、2015年10月に発売が仮決定していることを報じた[17]。このゲームは元々IllFonicSlasher Vol. 1: Summer Campとして開発していたものだが、Gun Mediaが開発を補助した結果、『13日の金曜日』を原作としたゲームとして開発が進められることになった。ゲームの開発資金はクラウドファンディングによって集められ、このうちBackerKitでは16,109人から271,439.20USドルが集まり、 Kickstarterでは28,237 人から1,095,143.40 USドルが集まった[18][19]

2016年1月に開かれたペニーアーケードエキスポでは、 Gun MediaとIllFonic の開発者パネルが出展され、アルファ版のフッテージとジェイソンの殺人アクションが公開された[20]。そして2017年5月26日、このゲームは『Friday the 13th: The Game』として発売された。

評価[編集]

興行成績[編集]

「13日の金曜日」は、「ハロウィン」などの他のスラッシャーとは対照的に、専門の批評家からは否定的な評価を受けていた。批評家たちは、このシリーズがプロットやキャラクター開発よりも死体の数を多くすることに重点を置いていることや、各作品が前作とほとんど区別がつかないことを嫌っていた。しかし、この映画は経済的に成功し、パラマウントは興行的に成功したことを条件に、さらに続編を製作した[21][22]。「13日の金曜日」を、他のアメリカのスラッシャー・フランチャイズの中で興行収入上位の「エルム街の悪夢」、「チャイルド・プレイ」、「ハロウィン」、「サイコ」、「ソウ」、「スクリーム」、「悪魔のいけにえ」と比較し、2018年のインフレーションを調整すると、「13日の金曜日」は約7億5560万ドルで、1位の「ハロウィン」の8億1300万ドルに次いで、アメリカで2番目に興行収入の高いスラッシャー・フランチャイズとなる[23]。3位は「エルム街の悪夢」で5億9,280万ドル。続いて、「ソウ」が4億5740万ドル、「スクリーム」が4億4290万ドル、「サイコ」が3億7630万ドル、「悪魔のいけにえ」が3億460万ドル、そして「チャイルド・プレイ」が約2億300万ドルとなっている[24][25]。興行的成功はホームメディアにも及び、2005年までに500万枚以上のDVDが販売された[26]

作品 米国公開日 興行収入 製作費 Ref.
米国 その他の地域 全世界
13日の金曜日 1980年5月9日 (1980-05-09) $39.76 million $20 million[27] $59.75 million $550K [28]
13日の金曜日PART2 1981年5月1日 (1981-05-01) $21.72 million $21.72 million $1.25 million [29]
13日の金曜日PART3 1982年8月13日 (1982-08-13)
1983年5月13日 (1983-05-13)(再公開)
$36.69 million $36.69 million $2.5 million [30]
13日の金曜日 完結編 1984年4月13日 (1984-04-13) $32.98 million $32.98 million $2.6 million [31]
新・13日の金曜日 1985年3月22日 (1985-03-22) $21.93 million $21.93 million $2.2 million [32]
13日の金曜日 PART6/ジェイソンは生きていた! 1986年8月1日 (1986-08-01) $19.47 million $19.47 million $3 million [33]
13日の金曜日 PART7/新しい恐怖 1988年5月13日 (1988-05-13) $19.17 million $19.17 million $2.8 million [34]
13日の金曜日 PART8/ジェイソンN.Y.へ 1989年7月28日 (1989-07-28) $14.34 million $14.34 million $5 million [35]
13日の金曜日/ジェイソンの命日 1993年8月13日 (1993-08-13) $15.94 million $15.94 million $3 million [36]
ジェイソンX 13日の金曜日 2002年4月26日 (2002-04-26) $13.12 million $3.83 million $16.96 million $14 million [37]
フレディVSジェイソン 2003年8月15日 (2003-08-15) $82.62 million $34.00 million $116.6 million $30 million [38]
13日の金曜日 2009年2月13日 (2009-02-13) $65 million $27.66 million $92.67 million $19 million [39][40]
合計 $383.3 million $83.78 million $468.24 million $80.9 million

影響[編集]

2006年12月、IGNの映画シリーズベスト25[注 1]に『13日の金曜日』シリーズが7位にランクインした。ランクインの理由について、審査員3名は「スラッシャー映画のはしりは『ハロウィン』シリーズだが、『13日の金曜日』は1980年代の映画シリーズの中では最も影響力の大きいシリーズの一つであり、11本の映画、ノベライズ、コミカライズそして様々な収集価値の高いグッズの生産が、伝説的なシリーズである証明となっている」という見解を示した[41]。ABCオンラインの芸術・芸能記者のゲイリー・ケンブルは、『13日の金曜日』シリーズの人気がポップカルチャー全体においても高いことについて触れている。ケンブルは、ジェイソンが第3作で初めて被ったホッケーマスクがポップカルチャーにおいて最も広く認識されているジェイソンのイメージであると述べている。

見ている人はみんなアメリカフクロウやハイエナのような声を出しました。映画の中で、別の少女が自分の部屋へ行き服を脱ぎだした時、映画館の中で座って見ていた5人の男たちは「おっぱいくれ!」と繰り返し叫び始めました。
( "Everybody in the audience imitated hoot‑owls and hyenas. Another girl [in the film] went to her room and started to undress. Five guys sitting together [in the theater] started a chant: 'We want boobs!'")
(カーニックは、『13日の金曜日 PART2』に対するイーバートの評価の引用が、いかに批評家たちが第1作の制作の意図を誤解しているかがよく表れていると信じている。)
(— Karnick believes that this excerpt from Ebert's review of Friday the 13th Part 2 shows how critics have misunderstood the point the Friday the 13th films have tried to make.)[42]

ケンブルはFridaythe13thfilms.comというウェブサイトの共同設立者であるブレンナ・オブライエンとの会話の中で、なぜ二次創作映画を制作したり、ジェイソンの容姿を模したゴムスーツを作ったり、さらには自らの身体にジェイソンの絵やFriday the 13th の文字を彫り込むほど、シリーズのファン層が熱狂的になったのかについて語り合った[43]American Cultureの編集者S.T.カーニックは、 National Reviewに寄せた記事の中で、「『13日の金曜日』という映画はスラッシャー映画というジャンルの醸成にかかわっており、批評家がなぜこのシリーズが大きな影響を持っているのかを残念に思うところがないのと同じ理由である」と述べている。カーニックは、「『13日の金曜日』の制作者は『ハロウィン』のように頭の切れる映画を作ろうとしたのではなく、『ハロウィン』のスタイルを体系化し、他の映画製作者が真似しやすいように『ハロウィン』に必要不可欠な要素を要約した。」と述べた。カーニックは記事の中で、「『13日の金曜日』は、キャラクターのバックストーリーをあえて観客に与えないようにすることにより、観客がキャラクターの死に気付いても奇妙なまでに心を動かされないという状況を作り出し、ホラー映画というジャンルを変えてしまった」と述べている。実際のところ『13日の金曜日』は殺人鬼の経歴と動機に焦点が当てられており、直接関係する者への復讐だけでなく、無関係の者まで殺そうとするという点についてカーニックは、『エルム街の悪夢』『チャイルド・プレイ』『スクリーム』『ラストサマー』および『ハロウィン』の続編群にも通ずるとしており、「これらの映画のストーリーは犯罪率の増加や社会的混乱の深刻化の恐怖にふれており、観客は心配事から離され、笑い飛ばすことにより暴力の恐怖を克服できる方法を与えられる形となる」と述べている[42]。カーニックは、現代の批評家たちが、なぜこの作品が観客を魅了したかということを理解できなかったがゆえに、この作品に「(観客が暴力に慣れてしまうという点において)『無責任』で、(性に対して奔放な10代の若者が殺されるという点において)『禁欲的な』な作品」というレッテルを貼ってしまったと考えている。カーニックはジョン・カーペンターの言葉を引用し、「10代の若者たちは、性的な行為に対する罰としてすぐに殺されてしまうのではなく、単純に殺人鬼の存在を気にしすぎているがためにすぐに殺されてしまう」と拡大解釈している。ロジャー・イーバートが「『13日の金曜日 PART2』が上映されたとき、犠牲者に対してかわいそうだと思う観客が一人もおらず、人が死ぬシーンで盛り上がる」と書いたことを引き合いにだし、カーニックはイーバートらの批評が『13日の金曜日』を観た人が情もなく人を殺したくなると思わせているとし、批評家たちがいかに『13日の金曜日』を誤解しているかについて述べた。カーニックは、『13日の金曜日』シリーズは禁欲的な作品ではなく、観客が登場人物に対して関心や同情を抱かない作品であると締めくくった[42]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2006年12月の時点で、3本以上の作品を内包しており、商業面ないしは芸術面での評価が高く、かつポップカルチャーにおいて何らかの影響を与えている映画のシリーズが対象であり、審査はIGNの編集長と副編集長、そしてエンターテインメント部門の主筆の3名が行う。

出典[編集]

  1. ^ Grove, David, pp. 189–196
  2. ^ IGN:Top 25 Movie Franchises of All Time: #7”. IGN (2006年12月18日). 2008年1月26日閲覧。
  3. ^ Gary Kemble (2006年1月13日). “Movie Minutiae: the Friday the 13th series (1980-?)”. ABC. https://www.abc.net.au/news/arts/articulate/200601/s1546063.htm?nw=0 2007年5月21日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g Slasherama interview with Harry Manfredini”. Slasherama. 2006年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月28日閲覧。
  5. ^ a b Bracke, Peter, pg. 39
  6. ^ Victor Miller, Jay Keuper, Harry Manfredini (1980年). "Return to Crystal Lake: Making of Friday the 13th" Friday the 13th DVD (Special Features) (DVD (Region 2)). United States: WB. 
  7. ^ Bracke, Peter, pg. 70
  8. ^ Bracke, Peter, pg. 118
  9. ^ Bracke, Peter, pg. 142
  10. ^ Bracke, Peter, pg. 165
  11. ^ Bracke, Peter, pg. 189
  12. ^ Bracke, Peter, pg. 211
  13. ^ Harry Manfredini's filmography”. HarryManfredini.com. 2007年10月30日閲覧。
  14. ^ Friday the 13th - 1986 game”. Your Sinclair Rock 'n' Roll Years (World of Spectrum) (5): 37. https://live.worldofspectrum.org/infoseek/magazines/your-sinclair/5#37 2007年10月24日閲覧。. 
  15. ^ Friday the 13th for the NES by LJN”. AtariGuide.com. 2009年5月2日閲覧。
  16. ^ Friday the 13th (mobile phone game)”. Xendex.com. 2009年4月3日閲覧。
  17. ^ Michael Briers (2015年11月11日). “Friday the 13th: The Game Reaches Funding Goal, Licensed Horror Will Hit PS4 in 2016”. 2015年11月11日閲覧。
  18. ^ Friday the 13th: The Game - BackerKit”. BackerKit. 2016年8月13日閲覧。[リンク切れ]
  19. ^ Greenback, Randy. “Friday the 13th: The Game by Randy Greenback - Gun Media - Kickstarter”. Kickstarter. 2016年8月13日閲覧。
  20. ^ Mozuch, Mo (2016年1月29日). “'Friday the 13th: The Game' Panel At Pax South Reveals New Kill Animations For Jason Voorhees”. iDigitalTimes. 2016年8月13日閲覧。
  21. ^ Joseph Lee (2007年11月8日). “A Bloody Good Time 11.08.07: Horror History Lessons, Part 8”. 411mania. https://411mania.com/movies/columns/62966/A-Bloody-Good-Time-11.08.07:-Horror-History-Lessons,-Part-8.htm 2007年11月13日閲覧。 
  22. ^ A Nightmare on Elm Street box office rankings”. Box Office Mojo. 2008年1月17日閲覧。
  23. ^ Friday the 13th box office ranking”. Box Office Mojo. 2008年1月17日閲覧。
  24. ^ The Texas Chainsaw Massacre box office rankings”. Box Office Mojo. 2008年1月17日閲覧。
  25. ^ Child's Play box office rankings”. Box Office Mojo. 2008年1月17日閲覧。
  26. ^ Cinematic Icon Jason Voorhees Slashes His Way into Bookstores With Crystal Lake Memories: The Complete History of Friday the 13th”. PR Web (2005年10月14日). 2007年10月22日閲覧。
  27. ^ Friday the 13th (1980) foreign box office”. The-Numbers. 2008年11月24日閲覧。
  28. ^ Friday the 13th (1980)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  29. ^ Friday the 13th Part 2 (1981)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  30. ^ Friday the 13th Part III (1982)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  31. ^ Friday the 13th: The Final Chapter (1984)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  32. ^ Friday the 13th: A New Beginning (1985)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
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  34. ^ Friday the 13th Part VII: The New Blood (1988)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  35. ^ Friday the 13th Part VIII: Jason Takes Manhattan (1989)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  36. ^ Jason Goes to Hell: The Final Friday (1993)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  37. ^ Jason X (2002)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  38. ^ Freddy vs. Jason (2003)”. Box Office Mojo. 2007年6月12日閲覧。
  39. ^ Friday the 13th (2009)”. Box Office Mojo. 2009年4月9日閲覧。
  40. ^ Friday the 13th (2009)”. The Numbers. 2017年7月20日閲覧。
  41. ^ IGN:Top 25 Movie Franchises of All Time: #7”. IGN (2006年12月18日). 2016年1月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年7月8日閲覧。
  42. ^ a b c S. T. Karnick (2009年2月13日). “Babes in the Woods: A franchise of fear.”. National Review. 2009年2月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年7月8日閲覧。
  43. ^ Gary Kemble (2006年1月13日). “Movie Minutiae: the Friday the 13th series (1980-?)”. ABC. オリジナルの2010年3月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100311030052/http://www.abc.net.au/news/arts/articulate/200601/s1546063.htm 2007年5月21日閲覧。 

外部リンク[編集]

第1作
続編など