1-オクテン
| 物質名 | |
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Oct-1-ene | |
別名 Octene-1, octylene; 1-n-octene; hexylethylene; oct-1-ene; octene; caprylene | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol)
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| ChEBI | |
| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.003.540 |
PubChem CID
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| UNII | |
CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| C8H16 | |
| モル質量 | 112.24 g/mol |
| 密度 | 0.715 g/cm3 |
| 融点 | −101.7 °C (−151.1 °F; 171.5 K)[1] |
| 沸点 | 121 °C (250 °F; 394 K)[1] |
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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1-オクテン(英語: 1-octene)は、化学式がCH2CHC6H13で表される有機化合物である。このアルケンは、二重結合がα位(1位)にあるα-オレフィンに分類され、反応性が高いため、便利に用いられる。工業的に重要な直鎖状α-オレフィンの1つで、無色の液体である。
合成
[編集]工業的には、1-オクテンは、エチレンのオリゴ化かフィッシャー・トロプシュ法のどちらかで作られることが多い。小規模な工業生産で使われている他の方法としては、アルコールの脱水等もある。1970年代より前には、1-オクテンは、蝋の熱クラッキングで生産されていたが、その他のオクテンは直鎖状アルカンの塩素化/脱塩化水素化によっても生産された。
エチレンをオリゴ化して1-オクテンにする工業プロセスには、5通りある。そのうち4つは、幅広く作られる様々なα-オレフィンの一部として1-オクテンを生成する。通常の環境下では、全体に占める1-ヘキセンの割合は、エチルプロセスでの約25%から、ガルププロセス及び出光プロセスの約8%までになる。
C8炭化水素の混合物から1-オクテンを単離する唯一の工業的方法は、南アフリカの化石燃料企業であるサソールにより行われている。サソールはフィッシャー・トロプシュ法を用いて、石炭由来の合成ガスから燃料を製造し、これらの燃料流から1-オクテンを回収している。ここでの当初の1-オクテン濃度は60%で、残りはビニリデン、直鎖状または分岐状オレフィン及びパラフィン、アルコール、アルデヒド、カルボン酸、芳香族炭化水素等である。
近年、2つの1-オクテン製造技術が実用化された。ブタジエンの短鎖重合の工場がタラゴナのダウ・ケミカルの工場、フィッシャー・トロプシュ法による1-ヘプテンから1-オクテンへの変換の工場がセクンダのサソールの工場にできた。サソールは、エチレンの選択的四量化による1-オクテンの製造についても実用段階まで進めている。
応用
[編集]1-オクテンの主な用途は、ポリエチレンのコモノマーである。高密度ポリエチレンとリニアポリエチレンは、各々2-4%、8-10%のコモノマーを用いる。
その他の用途としては、ヒドロホルミル化により直鎖状C9アルデヒド(ノナナール)の合成に用いられる。このアルデヒドを酸化すると、短鎖脂肪酸のペラルゴン酸が生じる。同じアルデヒドを水素化すると、脂肪族アルコールであり可塑剤として用いられる1-ノナノールが生じる。

