久高寛之

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久高 寛之
基本情報
本名 久高 寛之
通称 Sexy Soldier
階級 スーパーフライ級
身長 163cm
リーチ 162cm
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1985-04-02) 1985年4月2日(39歳)
出身地 大阪府大阪市大正区
スタイルボクサーファイター
プロボクシング戦績
総試合数 51
勝ち 28
KO勝ち 11
敗け 19
引き分け 4
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久高 寛之(くだか ひろゆき/ひさたか ひろゆき、男性、1985年4月2日 - )は、日本の元プロボクサー大阪府大阪市大正区出身。
初代WBCインターナショナルフライ級シルバー王者。第40代日本スーパーフライ級王者。グリーンツダボクシングクラブ所属選手としてプロデビュー。2008年5月1日より仲里・ATSUMIボクシングジム所属。2012年12月の仲里・ATSUMIボクシングジムの分裂により仲里義竜ボクシングジム所属。大阪府立港高等学校卒業。

本名の名字の読み方は「ひさたか」で、デビュー当時からリングネームにも本名の「ひさたか」を使っていたが、2017年8月の井上拓真戦以降はリングネームを沖縄の一般的な読みである「くだか」に変更している[1]

来歴[編集]

2002年9月15日、白岩洋文(姫路木下)と対戦し、初回2分19秒KO負けを喫しデビュー戦を白星で飾れなかった。

2002年12月23日、近江恵太(倉敷守安)と対戦し、2連敗となる4回0-2(37-39、38-39、38-38)の判定負けを喫した。

2003年3月9日、西正隼(鍵本エディ)と対戦し、プロ初勝利となる2回2分7秒KO勝ちを収めた。

2004年9月4日、本田猛(尼崎)に6回3-0(3者共に58-57)の判定勝ちを収め西日本フライ級新人王を獲得し、西日本新人王決定戦のMVPに選出された。

2004年11月21日、萬田千晴(筑豊)に6回3-0(2者が59-57、58-57)の判定勝ちを収め全日本フライ級新人王決定戦西軍代表の座を獲得した。

2004年12月19日、全日本フライ級新人王決定戦東軍代表の佐藤常二郎(角海老宝石)と対戦し、6回3-0(2者が59-55、58-57)の判定勝ちを収め全日本フライ級新人王を獲得し、技能賞に選出された。

2005年10月19日、後のWBA世界スーパーフライ級王者の清水智信金子)と対戦し、8回0-3(74-80、75-79、76-79)の判定負けを喫した。

2005年12月3日、WBA世界ライトフライ級7位のバート・バタワン(フィリピン)と対戦し、2回に右ストレートでバタワンからダウンを奪い、追撃に出たところでレフェリーがストップ。2回44秒TKO勝ちを収めた。後に、このダウンシーンは、スカイAのボクシング中継番組のオープニング映像に使用された。

2006年10月8日、フェデリコ・カツバイ(フィリピン)に10回判定勝ち[2]

日本王座挑戦[編集]

2007年4月1日、吉田健司(笹崎)と日本フライ級暫定王座決定戦を行い、10回0-3(93-99、95-99、93-97)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した。

2007年5月25日、バンコクバーンナー区スクムウィット通りのソイ・ウドムスックにあるポー・クン・パオにて、WBC世界フライ級1位のWBC世界フライ級ユース王者パノムルンレック・クラティンデーンジムタイ)と対戦し、10回0-3(2者が93-97、94-96)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[3]

2007年8月25日、パサイモール・オブ・アジア・アリーナにてウィンデル・ハニオラ(フィリピン)と対戦し、優勢な試合運びを見せたが10回1-2(2者が94-96、97-93)の判定負けを喫した[4]

2007年12月24日、アゼリア大正ホールにて元OPBF東洋太平洋フライ級王者のフセイン・フセインオーストラリア)と対戦し、10回3-0(98-92、97-94、97-95)の判定勝ちを収め世界前哨戦を勝利で飾ると共に再起に成功した。

2008年5月1日、グリーンツダから、ジムOBで元日本ランカーの仲里義竜が会長を務める仲里・ATSUMIボクシングジムへ移籍。

世界王座挑戦[編集]

2008年7月30日、国立代々木第一体育館にて、WBA世界フライ級王者坂田健史協栄)と対戦し、12回0-3(111-118、112-116、111-117)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[5]

2008年12月13日、大阪・阿倍野区民センターで、2007年西日本フライ級新人王(敢闘賞受賞)の高橋優紀(倉敷守安)とノンタイトル8回戦を行い、2R3分7秒でKO勝ちで復帰した。

2009年5月26日、タイ・ウッタラディット県でWBA世界フライ級王者デンカオセーン・カオウィチット(タイ)に挑戦。前日計量では王者の測定値が公開されないなどの不審点があり、陣営はJBCを通じてWBAに抗議したが受け入れられなかった[6]。試合は序盤から王者がラビットパンチを繰り返す中、5回に久高のカウンターで王者が倒れたがレフェリーの裁定はスリップダウン。後半からの王者はクリンチの連続でリング外に久高を押し出すなど荒れた展開となり、終盤にかけては王者に2ポイントの減点があった。スタミナ切れの王者に攻勢を仕掛けるも12回1-2(115-113、112-115、112-114)の判定で敗れて王座獲得に失敗した[7]

2010年5月4日、WBCフライ級19位として、タイ・スラートターニー県において、WBC世界同級1位で28戦無敗のパノムルンレック・ガイヤーンハーダオジムと日本未公認のWBCインターナショナルフライ級シルバー王座決定戦で対戦し、8回1分26秒逆転TKO勝ちを収め、約3年越しのリベンジと共に王座獲得に成功した[8][9]

2010年12月23日、大阪府立体育会館にてスーパーフライ級に階級を上げての3度目の世界挑戦。WBA世界スーパーフライ級王者ウーゴ・カサレスメキシコ)に挑戦し、得意のカウンターでカサレスを窮地に追い込む場面もあったが、全体的には手数と有効打で下回る展開となった末に12回判定負けを喫して王座奪取に失敗した[10]

再起[編集]

2012年4月13日、大阪府立体育会館にてノンタイトル10回戦を行い1年4カ月ぶりの復帰戦をKO勝利で飾った[11]

2012年7月21日、大阪府立体育会館にて日本ライトフライ級4位の久田哲也ハラダ)とスーパーフライ級10回戦を行い4回TKO勝ちを収めた。

2012年11月12日、井岡一翔と対戦経験がある元WBC世界ミニマム級王者のオーレイドン・シスサマーチャイ(タイ)と戦い0-3の判定負け[12]

2012年12月、仲里・ATSUMIボクシングジムの分裂により仲里義竜が会長を務める仲里義竜ボクシングジム所属となった。

2013年4月7日、亀田興毅の前座で元WBC世界フライ級王者のソニー・ボーイ・ハロ(フィリピン)と対戦し、10回3-0(96-94、2者が98-94)の判定勝ちを収めた[13]

2013年8月24日、アルゼンチンチュブ州トレレウのヒムナシオ・ムニシパル N°1でWBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエスと自身4度目の世界王座挑戦で対戦したが、10回1分26秒TKO負けを喫し王座獲得に失敗した[14][15][16][17]

2014年4月6日、大田区総合体育館松本亮大橋)と対戦し、7年ぶりの2連敗となる8回0-3(73-79、74-78、75-77)の判定負けを喫した[18]

2014年10月10日、後楽園ホール粉川拓也宮田)と対戦し、8回0-3(74-78、74-77、75-77)の判定負けを喫した[19]

2015年4月3日、大阪府立体育会館第2競技場にて中山佳祐(久留米櫛間)とスーパーフライ級8回戦で対戦し、3-0(78-73、80-73、80-71)で判定勝ちを収めた[20]

2017年8月30日、後楽園ホール井上尚弥の実弟である井上拓真大橋)と53.5キロ契約10回戦で対戦し、0-3(94-97、93-98、92-98)の判定負けを喫した[21]

2017年12月11日、後楽園ホールで翁長吾央大橋)と日本スーパーフライ級最強挑戦者決定戦で対戦し、3回負傷引き分けだったが3人のジャッジの優勢点により日本王座挑戦権を獲得した[22]

2018年4月14日、大阪府立体育会館で翁長吾央大橋)と再戦で日本スーパーフライ級王座決定戦で対戦し、10回2-0(95-95、97-95、97-94)で判定勝ちを収めて日本王座を獲得した[23]

しかし、2018年8月13日に初防衛戦で奥本貴之グリーンツダ)に敗北し、王座から陥落した。

2019年12月22日、大阪府立体育会館第二競技場で日本スーパーフライ級王座挑戦者決定戦として、日本同級2位のユータ松尾ワールドスポーツ)と対戦するも、10回1-1(76-76、76-75、75-76)の引き分けで、優勢点を松尾に付けたため、挑戦権獲得とはならなかった[24]

2020年12月19日、大阪府立体育会館第二競技場で大橋哲朗真正)とバンタム級8回戦を行い、8回2-1(76-75×2、75-76)の判定勝ちを収めた[25]

その後、日本スーパーフライ級1位までランクアップし、2022年4月23日、同級2位の中川健太三迫)を相手に同級王者決定戦に出場したが、大差判定で敗れて試合後に引退を表明した[26]

獲得タイトル[編集]

  • 2004年西日本フライ級新人王(MVP)
  • 第51回全日本フライ級新人王(技能賞)
  • WBCインターナショナルフライ級シルバー王座(防衛0=返上)
  • 第40代日本スーパーフライ級王座(防衛0)

脚注[編集]

  1. ^ 井上拓真があす1年ぶりリング、久高寛之と対戦 Boxing News(ボクシングニュース)2017年8月29日
  2. ^ 久高判定勝ち Gツダ-比国に2勝4敗 ボクシング総合ポータル「Box-on!」 2006年10月8日
  3. ^ 久高、タイでユース王座獲得ならず ボクシング総合ポータル「Box-on!」 2007年5月27日
  4. ^ スイコOPBF王座防衛 マニラの日比対抗、わが国は2敗2分 ボクシング総合ポータル「Box-on!」 2007年8月26日
  5. ^ 内藤逆転KO、坂田は大差判定 ダブル世界戦 ボクシング総合ポータル「Box-on!」 2008年7月30日
  6. ^ 久高、インチキ王者倒す…WBA世界フライ級 スポーツ報知 2009年5月26日
  7. ^ 久高、敵地タイで価値ある1―2判定負け スポーツニッポン 2009年5月27日
  8. ^ 久高、タイで逆転勝ち! 8回1分26秒TKO ボクシングニュース「Box-on!」 2010年5月4日閲覧
  9. ^ 世界19位久高が1位をKO 日刊スポーツ 2010年5月5日閲覧
  10. ^ 変幻自在の王者に完敗…久高“3度目の正直”ならず」 スポーツニッポン 2010年12月24日
  11. ^ 久高1年4カ月ぶり復帰戦KO勝ち「3分で感覚つかめた」 スポーツニッポン 2012年4月14日
  12. ^ 久高、WBCインター挑戦判定負け-タイ ボクシングニュース「Box-on!」2012年11月12日
  13. ^ 久高、前王者ハロ下す ボクシングニュース「Box-on!」 2013年4月7日
  14. ^ Omar Narvaez Routs Hiroyuki Hisataka In Ten Rounds Boxingscene.com 2013年8月25日
  15. ^ 久高、敵地でTKO負け=4度目挑戦も失敗-WBO・Sフライ級 時事通信 2013年8月25日
  16. ^ 【BOX】久高、引退も 4度目世界挑戦TKO負け スポーツ報知 2013年8月26日
  17. ^ 詳報 ナルバエスV8 久高10回TKO負け ボクシングニュース「Box-on!」 2013年8月26日
  18. ^ 井上拓が2戦目で世界4位下す 松本は久高に勝利 Boxing News(ボクシングニュース) 2014年4月6日
  19. ^ 粉川拓也が久高寛之に3-0判定勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2014年10月10日
  20. ^ 女子の小澤瑶生がOPBFタイトル獲得 Boxing News(ボクシングニュース)2015年4月4日
  21. ^ 井上拓真が1年ぶり復帰戦判定勝ち、久高寛之は及ばず Boxing News(ボクシングニュース)2017年8月30日
  22. ^ 船井龍一が2回TKOでV2、久高が日本王座挑戦権獲得 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年12月11日
  23. ^ 久田哲也が辛勝V3 久高寛之は初の日本王座獲得 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年4月15日
  24. ^ ユータ松尾が日本SF級挑戦者に 久高ドローに泣く Boxing News(ボクシングニュース)2019年12月22日
  25. ^ 元王者の久高寛之 新鋭大橋哲朗に2-1勝ち 大森将平は敗れる、3戦目の西田凌佑が殊勲 Boxing News(ボクシングニュース) 2020年12月19日
  26. ^ 37歳の久高寛之が大差判定負け「これで引退します。決めていたんで」潔く表明 今回が51戦目 - ボクシング 日刊スポーツ 2022年4月23日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

前王者
2010年
創設
初代WBCインターナショナルフライ級シルバー王者

2010年5月4日 - 2010年(返上)

空位
次タイトル獲得者
パノムルンレック・ガイヤーンハーダオジム
空位
前タイトル保持者
船井龍一
第40代日本スーパーフライ級王者

2018年4月14日 - 2018年8月9日

次王者
奥本貴之