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バー付きC大文字: 小文字: )は、ラテンアルファベットC横棒を追加した文字である。

使用法[編集]

1932年に承認された統一北方アルファベット英語版の最終版では、サーミ語セリクプ語ハンティ語エヴェンキ語ナナイ語ウデヘ語チュクチ語コリャーク語ニヴフ語の表記のために用いられ[1]t͡ʃという音を表した。また、シュグニー語のラテン文字表記において、この文字がt͡sという音の表現のための用いられた[2][3][4]

アメリカ合衆国の連邦地理データ委員会英語版では、この文字をカンブリア紀の意味で用いている[5]

発音表記英語版、この文字が無声硬口蓋摩擦音([ç])の表現に用いられることがある。1963年にウィリアム・A・スモーリー英語版無声後部歯茎摩擦音([ɻ̊˔])に対する記号としてこの文字の使用を提唱した[6]

ノア・ウェブスターウィリアム・ホームズ・マクガフィー英語版などの19世紀のアメリカの英語辞書編纂者は、cの発音が/k/であることを示すのにこの文字を使用した[7]

ノア・ウェブスターによる1828年の"American dictionary of the English language"(アメリカ英語辞典)の一部。"c"を"k"と発音することを示すのに"Ꞓ"が用いられている。

符号位置[編集]

文字
Unicode名 LATIN CAPITAL LETTER C WITH BAR LATIN SMALL LETTER C WITH BAR
エンコード 十進法 十六進法 十進法 十六進法
Unicode 42898 U+A792 42899 U+A793
UTF-8 234 158 146 EA 9E 92 234 158 147 EA 9E 93
数字文字参照 Ꞓ Ꞓ ꞓ ꞓ

脚注[編集]

  1. ^ Материалы I всероссийской конференции по развитию языков и письменности народов Севера (3000 экз ed.). М.-Л.: Учпедгиз. (1932) 
  2. ^ SHUGHNI: Phonology—consonant/vowel inventories; syllable structure
  3. ^ Луқо Инҷӣл = Luqo Inǰīl. ИПБ. (2001). ISBN 5-93943-018-X. https://ibt.org.ru/ru/media?id=SHG 
  4. ^ Р. Додихудоева (2005年). “Из истории письменности шугнанского языка. Вводные замечания”. Языки и этнография «Крыши мира» (СПб.: Петербургское Востоковедение): pp. 30–37 
  5. ^ Federal Geographic Data Committee, ed (August 2006). FGDC Digital Cartographic Standard for Geologic Map Symbolization FGDC-STD-013-2006. U.S. Geological Survey for the Federal Geographic Data Committee. p. A-32-1. http://ngmdb.usgs.gov/fgdc_gds/geolsymstd/fgdc-geolsym-all.pdf 
  6. ^ Pullum, Geoffrey K.; Ladusaw, William A. (1996). Phonetic Symbol Guide. University of Chicago Press. pp. 28–9. ISBN 0-226-68536-5 
  7. ^ Proposal to encode C WITH BAR”. Unicode.org (2010年10月14日). 2018年2月23日閲覧。

関連項目[編集]

  • Є - ウクライナ語で用いられるキリル文字。"Ꞓ"に似た文字であることから代用される。