黒薔薇アリス

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黒薔薇アリス』(くろばらアリス、Black Rose ALICE)は、水城せとなによる日本漫画作品。

月刊プリンセス』(秋田書店)にて2008年4月号から連載されており、2011年9月号の第1部完以降2012年7月号発売現在まで連載再開の情報はない。2011年11月現在既刊6巻。

2017年に舞台化作品が上演予定[1]

あらすじ[編集]

1908年ウィーン。人気テノール歌手のディミトリは、事故に遭うが奇跡的に命は取り留める。だがその日以来、身体にどこか違和感を覚え始める。まもなく、公演のリハーサルの翌日、劇場長や恋人、他の出演者らの集団自殺が起こる。不審がるディミトリのもとをマクシミリアンと名乗る男が訪れ、「貴方はヴァンパイアになった」と告げる。当初、ディミトリはその事実を否定していたがやがて自覚を持ち始め、得た力でずっと欲していた友人の恋人・アニエスカを手に入れようとする。しかし、その直前でアニエスカは自ら命を絶つ。アニエスカを失いたくないディミトリはマクシミリアンに頼み、アニエスカは肉体だけは朽ちずに残ることになるが、魂のない人形同然となってしまう。

100年後の2008年、東京高校国語教師・菊川梓は教え子・光哉に言い寄られ、戸惑いながらも彼に傾きつつある心を感じていた。しかし、梓は光哉に思春期の男子の迷い言だと、もうやめてほしいと告げ、逃げるようにタクシーに乗り込む。その理由に納得できない光哉は、追いかけるように同じタクシーに乗り込む。そのタクシーに居眠り運転のトラックが突っ込み、梓は幸いにも怪我だけで済むが、光哉は死の淵をさ迷う。そんな梓のもとにディミトリが現れ、光哉は医者が手を尽くしているが、助からないだろうと告げる。ディミトリの意図を瞬時に理解した梓は、ディミトリの望むとおりに自分の魂を捧げ、光哉を助ける。ディミトリに差し出された梓の魂は、あれからずっと眠り続けていたアニエスカの中に放たれる。

3か月ほどを要して覚醒した梓は新たにアリスと名付けられ、ディミトリに「吸血樹の繁殖」への協力を求められる。オスの候補はディミトリを含め4人、アリスは未来に残すべきより優秀な要素を持つ吸血樹をじっくり時間をかけて選ぶことになる。

登場人物[編集]

声優はドラマCD版のもの。演は舞台キャスト。

吸血樹[編集]

ディミトリ・レヴァンドフスキ
声 - 中村悠一 / 演 - 石黒英雄[2]
人気テノール歌手。ロマ出身で、ハンガリーで歌っていた時にマイアー侯爵に気に入られ、侯爵に売られた。初めて会った時にアニエスカに恋をするが身分が違うため、その恋心を秘めていた。
ヴァンパイアとなり、かつてブラッドレイが持っていた“c(ツェー)の音程で出す声には、人間の心を操り、ヴァンパイアにその身を捧げることを強要する作用があり、それを聞いた人間は24時間以内にヴァンパイアに命を差し出す力”も引き継いだ。
ウィーンを離れ、オカルト好きだった日本人の伯爵の養子となり、和泉小路ディミトリ・レヴァンドフスキとなった。
マクシミリアン
声 - 諏訪部順一
ヴァンパイア。ヴァンパイアになったディミトリを迎えに来て、彼の身に起こったことの説明をする。
レオ
声 - 近藤隆 / 演 - 秋元龍太朗[3]
本名は楠瀬太一郎(くすのせ たいちろう)、歴とした日本人。生前、少しだけモデルをしていたことがあり、“レオ”はその時の芸名。寿命が尽きる前夜にアリスに繁殖を願い出るが断られ死去。
櫂(かい)
演 - 杉江大志[3]
玲二(れいじ)
演 - 柏木佑介[3]
マクシミリアンの種を直接引き継いでいる双子の兄弟。左目の下に泣きぼくろがある方が櫂。櫂は食事全般を、玲二はデザート全般を作るのが得意。玲二は死んだ時の記憶がないらしい。「ニートは嫌」というアリスの言葉で、カフェ「静寂館」(しじまかん)を本格的にオープンさせる。

その他[編集]

アリス
声 - ゆかな / 演 - 入来茉里[3]
外見はアニエスカ、中身は梓。吸血樹の繁殖のために、ディミトリ、レオ、櫂、玲二の中からより優れた個体を選別する使命を負わされる。繁殖を終えたら死んでしまう。
アニエスカ・フォン・ローゼンフェルト
金髪の美人。16歳。婚約者がいるが、どこかディミトリに惹かれていた。ディミトリに襲われそうになり自ら命を絶つ。
菊川 梓(きくかわ あずさ)
高校の国語教師。28歳。光哉の母親がやっている音楽教室でピアノを習っていた。一回り年下の光哉に翻弄される。
テオドール
声 - 寺島拓篤
アニエスカの婚約者。マイアー侯爵の息子。
ブラッドレイ
ディミトリに憑いたヴァンパイアの元。繁殖を終えて亡くなった。
生島 光哉(いくしま こうや)
声 - 下野紘 / 演 - 野嵜豊(劇団番町ボーイズ☆[3]
16歳。高校1年生。梓のことが好き。事故で死にかけるが、梓とディミトリの取引のおかげで命は取り留める。
「静寂館」から聞こえるアリスが弾くピアノの音から梓だと直感で気付き通い詰めるようになり、アリスも感情を抑えられずに肉体関係を持ってしまうが、ディミトリらへの罪悪感から関係を絶つ。
鳴沢瞳子
演 - 名塚佳織[3]
菊川梓
演 - 蜂谷晏海[3]
あかね
演 - 藤原亜紀乃[3]

用語[編集]

吸血樹(きゅうけつき《ヴァンパイア》)
人間の死体に寄生し、人の血や死肉から養分を吸って生きる。虫の姿をした遣い魔で養分を運んだり、その他の用事をこなす。繁殖を終えたら死んでしまうため、たった一度の繁殖に命を懸ける。血液は“樹液”と呼ばれる。
吸血樹になると、首の後ろに黒い薔薇とその蔓を象った印が浮かび上がり、カフェ「静寂館」は我知らず吸血樹になった人々が集まるようにと、そのマークが看板に描かれている。
日向ぼっこをしながら寝るのが好きで、十字架も恐れないが、昼夜逆転の生活を送る。
遣い魔(つかいま)
蜘蛛など虫の姿をしている。吸血樹の口から出入りする。蜘蛛の形をした遣い魔は大量の養力を蓄えており、モノを修復する作業に長けている。語学の習得なども簡単にこなせる。

書誌情報[編集]

水城せとな 『黒薔薇アリス』 秋田書店〈プリンセスコミックス〉 既刊6巻(2011年11月現在)

  1. 2008年11月14日発売、ISBN 978-4-253-19191-3
  2. 2009年05月15日発売、ISBN 978-4-253-19192-0
  3. 2009年12月16日発売、ISBN 978-4-253-19193-7
  4. 2010年09月16日発売、ISBN 978-4-253-19194-4
  5. 2011年01月14日発売、ISBN 978-4-253-19195-1
  6. 2011年10月15日発売、ISBN 978-4-253-19196-8

舞台[編集]

同名タイトルで、2017年5月にZeppブルーシアター六本木で上演予定。主演は石黒英雄[2]

キャスト(舞台)[編集]

スタッフ(舞台)[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “水城せとなのヴァンパイアロマン「黒薔薇アリス」2017年初夏に舞台化”. ステージナタリー. (2016年6月28日). http://natalie.mu/stage/news/192470 2016年6月28日閲覧。 
  2. ^ a b c d e “舞台「黒薔薇アリス」主役のヴァンパイア・ディミトリ役は石黒英雄”. コミックナタリー. (2016年12月28日). http://natalie.mu/comic/news/214983 2016年12月28日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g h 舞台「黒薔薇アリス」ヒロイン役に入来茉里!秋元龍太朗や杉江大志、名塚佳織も”. コミックナタリー. 2017年1月24日閲覧。