黒沢清

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
くろさわ きよし
黒沢 清
黒沢 清
生年月日 (1955-07-19) 1955年7月19日(63歳)
出生地 日本の旗 日本 兵庫県神戸市
職業 映画監督
脚本家
映画批評家
小説家
ジャンル 映画
オリジナルビデオ
テレビドラマ
活動期間 1983年 -
主な作品
CURE
回路
トウキョウソナタ

黒沢 清(くろさわ きよし、1955年7月19日[1] - )は、日本映画監督脚本家映画批評家小説家である。

経歴[編集]

1955年、兵庫県神戸市に生まれる[2][注 1]

立教大学では、自主映画製作集団「パロディアス・ユニティ」に所属した[4]。同サークルには森達也塩田明彦らがいた[5]蓮實重彦の授業を受講し、強い影響を受ける[6]。1981年、8ミリ映画『しがらみ学園』が第4回ぴあフィルムフェスティバルに入選した[7]

4年時に雑誌『GORO』の対談で出会い知遇を得た長谷川和彦から『太陽を盗んだ男』に制作助手として、1981年には相米慎二セーラー服と機関銃』に助監督として映画を学び、その流れからディレクターズ・カンパニー制作のピンク映画神田川淫乱戦争』で1983年に映画デビュー[8]

1997年の『CURE』によって国際的なブレイクを果たす[9]。2001年、『回路』が第54回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した[10]。その後、『アカルイミライ[11]、『ドッペルゲンガー[12]、『LOFT ロフト[13]、『』などの作品を監督する[14]

2008年、『トウキョウソナタ』が第61回カンヌ国際映画祭ある視点部門」審査員賞[15]、第3回アジア・フィルム・アワード作品賞を受賞した[16]

2012年、テレビドラマ『贖罪』を監督した[17]。2013年、劇場用映画としては5年ぶりとなる監督作品『リアル〜完全なる首長竜の日〜』が公開される[18]。同年、前田敦子主演の『Seventh Code』で第8回ローマ映画祭最優秀監督賞を受賞する[19]

2015年、浅野忠信深津絵里主演の『岸辺の旅』が第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞した[20][21]

2016年、初めて手掛けた海外作品『ダゲレオタイプの女』(原題:La Femme de la Plaque Argentique)が公開される[22]

同年、第33回川喜多賞[23]第29回東京国際映画祭・SAMURAI賞[24]、第58回毎日芸術賞を受賞した[25]

2018年、『散歩する侵略者』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。

監督作品[編集]

長編映画[編集]

短編映画[編集]

  • 2001 映画と旅(2001年)
  • 霊刑事(2003年、『刑事まつり』)
  • ココロ、オドル。(2004年)
  • 蟲たちの家(2005年、『楳図かずお恐怖劇場』)
  • ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト(2013年)

オリジナルビデオ[編集]

  • ヤクザタクシー(1994年)
  • 打鐘 男たちの激情(1994年)
  • 勝手にしやがれ!! 強奪計画(1995年)
  • 勝手にしやがれ!! 脱出計画(1995年)
  • 勝手にしやがれ!! 黄金計画(1996年)
  • 勝手にしやがれ!! 逆転計画(1996年)
  • 勝手にしやがれ!! 成金計画(1996年)
  • 勝手にしやがれ!! 英雄計画(1996年)
  • DOOR III(1996年)
  • 復讐 運命の訪問者(1997年)
  • 復讐 消えない傷痕(1997年)
  • 蛇の道(1998年)
  • 蜘蛛の瞳(1998年)

テレビ[編集]

  • 奴らは今夜もやってきた(1989年、『危ない話 夢幻物語』第2話)
  • もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵(1990年、関西テレビ『DRAMADAS』)
  • よろこびの渦巻(1992年、関西テレビ『DRAMADAS』)
  • 胸さわぎの15才(1993年、関西テレビ、第11・12話)
  • ワタナベ(1993年、関西テレビ、第1・2・11・12話)
  • 花子さん(1994年、関西テレビ『学校の怪談』第3回)
  • 音楽室の少女(1994年、関西テレビ『学校の怪談』第4回)
  • あの子はだあれ?(1994年、関西テレビ『学校の怪談』第11回)
  • 廃校奇譚(1997年、関西テレビ『学校の怪談f』)
  • 木霊(1998年、関西テレビ『学校の怪談G』)
  • 降霊(1999年、関西テレビ)
  • 花子さん(2001年、関西テレビ『学校の怪談 物の怪スペシャル』)
  • タイムスリップ(2002年、関西テレビ『愛と不思議と恐怖の物語 ウルチョラ・セブン』)
  • 風の又三郎(2003年、NHK-BShi『朗読紀行 にっぽんの名作』)
  • 贖罪(2012年、WOWOW連続ドラマW』)
  • 予兆 散歩する侵略者(2017年、WOWOW)[38]

ミュージック・ビデオ[編集]

  • マーキーズ「とんがり娘」(1991年)
  • 相対性理論「FLASHBACK」(2016年)[39]

出演作品[編集]

  • お葬式(1984年) - 助監督
  • 星くず兄弟の伝説(1985年) - サロン魚の目の客
  • 誘惑者(1989年) - 図書館員
  • 夜のストレンジャー 恐怖(1991年) - タクシーの客
  • ミカドロイド(1991年)
  • パチンカー奈美(1992年)
  • したくて、したくて、たまらない、女。(1995年) - ジャーナリスト
  • 亡霊学級(1996年)
  • WiLd LIFe(1997年)
  • ピエタ(1997年) - 地下酒場の警官
  • 血を吸う宇宙(2001年) - 新聞配達
  • 曖昧な未来、黒沢清(2002年) - 本人
  • 3on3 スリー・オン・スリー(2003年)
  • ピンクリボン(2004年) - 本人
  • 輪廻(2006年) - 大学教授
  • 映画監督って何だ!(2006年)
  • 殺しのはらわた(2007年)
  • Val Lewton: The Man in the Shadows(2008年) - 本人
  • オカルト(2008年) - 本人
  • ヒッチコック/トリュフォー(2015年) - 本人[40]
  • 星くず兄弟の新たな伝説(2018年) - 酒場で西部劇を語る客

著書[編集]

評論[編集]

  • 映像のカリスマ 黒沢清映画史(1992年、フィルムアート社) 増補改訂版(2006年、エクスナレッジ
  • 映画はおそろしい(2001年、青土社
  • 黒沢清の映画術(2006年、新潮社
  • 映画のこわい話 黒沢清対談集(2007年、青土社)
  • 恐怖の対談 映画のもっとこわい話(2008年、青土社)
  • 黒沢清、21世紀の映画を語る(2010年、Boid)

共編著[編集]

小説[編集]

  • キュア(1997年、徳間文庫
  • 回路(2001年、徳間書店)のち文庫 

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 黒澤明との血縁関係はない[3]

出典[編集]

  1. ^ Jacoby, Alexander (2008年). “KUROSAWA Kiyoshi”. A Critical Handbook of Japanese Film Directors: From the Silent Era to the Present Day. Stone Bridge Press. 
  2. ^ ロジェ, ジャン=フランソワ (2012年3月14日). “「恐怖の哲学、哲学の恐怖——黒沢清レトロスペクティヴによせて」”. Nobody. 2014年3月19日閲覧。
  3. ^ King, Susan (2009年3月22日). “Kiyoshi Kurosawa provides domestic chills in 'Tokyo Sonata'”. Los Angeles Times. 2014年3月19日閲覧。
  4. ^ 上映作品紹介”. 第34回ぴあフィルムフェスティバル (2012年). 2015年5月18日閲覧。
  5. ^ 森達也・安岡卓治 『A2』 現代書館、p.212、2002年4月10日。ISBN 978-4768476826
  6. ^ 立教大学”. 朝日新聞. 朝日新聞社 (2004年). 2015年5月18日閲覧。
  7. ^ 1981年:第4回ぴあフィルムフェスティバル一般公募部門入選作品”. ぴあフィルムフェスティバル. 2017年8月8日閲覧。
  8. ^ 黒沢, 清; 安井, 豊作; 大寺, 眞輔 (2006年). 黒沢清の映画術. 新潮社. pp. 51-69. 
  9. ^ Mes, Tom (2001年3月20日). “Midnight Eye review: Cure”. Midnight Eye. 2014年3月19日閲覧。
  10. ^ 黒沢清監督:幽霊には西洋型と日本型がある… ホラー映画の巨匠が語る「生と死」”. MANTANWEB (2016年10月29日). 2017年8月8日閲覧。
  11. ^ 蓮實, 重彦 (2010年6月16日). “黒沢清『アカルイミライ』”. あなたに映画を愛しているとは言わせない. 2013年7月9日閲覧。
  12. ^ 大場, 正明 (2012年5月31日). “『ドッペルゲンガー』 黒沢清”. Criss Cross. 2013年7月9日閲覧。
  13. ^ 藤井, 仁子 (2007年1月1日). “2006年ベストテン”. テアトル・オブリーク. 2013年7月9日閲覧。
  14. ^ 梅本, 洋一 (2006年8月17日). “『叫』黒沢清”. Nobody. 2013年7月9日閲覧。
  15. ^ 宮崎, 陽介 (2008年5月25日). “黒沢清監督「トウキョウソナタ」に審査員賞 カンヌ映画祭”. 朝日新聞. 2013年7月9日閲覧。
  16. ^ 石橋, 今日美 (2009年5月14日). “K編集長のCinema Days Vol. 3”. Flowerwild. 2013年7月9日閲覧。
  17. ^ 鶴谷, 真 (2012年8月4日). “ベネチア国際映画祭:WOWOWドラマ「贖罪」上映 異例の正式招待”. 毎日新聞. 2012年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月28日閲覧。
  18. ^ 田中, 竜輔; 増田, 景子 (2013年6月2日). “最新作『リアル〜完全なる首長竜の日〜』黒沢清 インタヴュー”. Nobody. 2013年7月9日閲覧。
  19. ^ Blair, Gavin J. (2013年11月18日). “Japanese Director Kiyoshi Kurosawa 'Very Surprised' About Two Wins at Rome Film Fest”. The Hollywood Reporter. 2014年3月19日閲覧。
  20. ^ 黒沢清監督 カンヌ「ある視点」部門で監督賞”. NHKニュース (2015年5月24日). 2015年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月28日閲覧。
  21. ^ 2015 Official Selection”. Cannes. 2015年5月24日閲覧。
  22. ^ a b 黒沢清によるフランス映画「ダゲレオタイプの女」、2016年秋に全国公開”. 映画ナタリー (2016年1月25日). 2016年1月25日閲覧。
  23. ^ 「第33回川喜多賞」黒沢清監督に贈賞決まる”. 映画.com (2015年7月16日). 2015年7月17日閲覧。
  24. ^ “マーティン・スコセッシと黒沢清が東京国際映画祭SAMURAI賞に決定”. 映画ナタリー. (2016年10月12日). http://natalie.mu/eiga/news/205114 2016年10月13日閲覧。 
  25. ^ 第58回(2016年度)毎日芸術賞の受賞者”. 毎日新聞社. 2017年8月8日閲覧。
  26. ^ “美しいミイラがモチーフ。「LOFT/ロフト」黒沢清監督”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2006年9月5日). http://eiga.com/news/20060905/12/ 2018年4月3日閲覧。 
  27. ^ “黒沢清×役所広司『叫(さけび)』ヴェネチア国際映画祭正式招待決定”. シネマカフェ (イード). (2006年7月29日). https://www.cinemacafe.net/article/2006/07/29/294.html 2018年4月3日閲覧。 
  28. ^ “黒沢清監督「トウキョウソナタ」がカンヌ映画祭ある視点部門審査員賞!”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2006年5月27日). http://eiga.com/news/20080527/9/ 2018年4月3日閲覧。 
  29. ^ “綾瀬はるか、佐藤健と本格恋愛映画でW主演「ワクワクして、ヒャーッ!」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2012年7月18日). https://www.oricon.co.jp/news/2014480/full/ 2018年4月3日閲覧。 
  30. ^ “トニー・レオン、日本映画初出演!松田翔太&前田敦子と黒沢清監督作でタッグ”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2012年9月10日). http://eiga.com/news/20120910/1/ 2018年4月3日閲覧。 
  31. ^ 前田敦子ら出演予定映画が製作中止に”. デイリースポーツ (2013年2月25日). 2014年3月19日閲覧。
  32. ^ “前田敦子&黒沢清監督新作、ローマ映画祭で初お披露目”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2013年10月15日). http://eiga.com/news/20131015/9/ 2018年4月3日閲覧。 
  33. ^ “深津絵里×浅野忠信、黒沢清監督「岸辺の旅」W主演で初の夫婦役!早くも仏公開決定”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2014年6月19日). http://eiga.com/news/20140619/1/ 2018年4月3日閲覧。 
  34. ^ “西島秀俊×黒沢清監督、映画「クリーピー」で4度目のタッグ!”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2015年7月29日). http://eiga.com/news/20150729/1/ 2018年4月3日閲覧。 
  35. ^ “イキウメ「散歩する侵略者」黒沢清が映画化、長澤まさみ×松田龍平×長谷川博己で”. ステージナタリー. (2016年12月6日). http://natalie.mu/stage/news/212032 2016年12月6日閲覧。 
  36. ^ 東出昌大の“怪演”が夏帆&染谷将太を襲う!「散歩する侵略者」スピンオフ本編映像入手”. 映画.com (2017年11月10日). 2018年2月14日閲覧。
  37. ^ “黒沢清、日本・ウズベキスタン共同製作作品を監督「いくつかの夢が同時に叶った」”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年4月3日). https://natalie.mu/eiga/news/276272 2018年4月3日閲覧。 
  38. ^ 「散歩する侵略者」夏帆ら出演のスピンオフドラマのポスタービジュアル&場面写真公開”. マイナビニュース (2017年8月7日). 2017年8月8日閲覧。
  39. ^ 相対性理論やくしまるが“何か”に立ち向かう、黒沢清監督「FLASHBACK」MV”. 音楽ナタリー (2016年4月25日). 2016年4月28日閲覧。
  40. ^ 名だたる監督の証言でひも解くヒッチコック、カンヌでドキュメンタリー上映”. 映画ナタリー (2015年5月21日). 2017年8月8日閲覧。

関連文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]