黄鶴楼

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ライトアップされた黄鶴楼

黄鶴楼(こうかくろう、簡体字: 黄鹤楼拼音: Huáng Hè Lóu)は、現在の中華人民共和国武漢市武昌区にかつて存在した楼閣。現在はほぼ同位置に再建された楼閣がある。武漢随一の名勝地であり、中国の『江南三大名楼』のひとつである。

李白の代表的な漢詩「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」や崔顥の「黄鶴楼」にてその名を知られている。

歴史[編集]

1871年の黄鶴楼
明の安正文『黄鶴楼図』では大きく形が異なる

三国時代223年孫権によって軍事目的の物見櫓として建築されたが、後には主に観光目的の楼閣になった。永泰元年(765年)に書かれた閻伯瑾「黄鶴楼記」に楼閣の盛大な様子を記している[1]

黄鶴楼は幾度も焼失と再建が繰り返された。光緒10年(1884年)の火事で失われた後は、火の見櫓が建っていたらしいが、1955年に武漢長江大橋の建設のために取り壊された[2]

伝承[編集]

黄鶴楼には、以下のような伝承が残っている。

昔、辛氏という人の酒屋があった。そこにみすぼらしい身なりをした仙人がやってきて、酒を飲ませて欲しいという。辛氏は嫌な顔一つせず、ただで酒を飲ませ、それが半年くらい続いた。 ある日、道士は辛氏に向かって「酒代が溜まっているが、金がない」と言い、代わりに店の壁にみかんの皮で黄色いを描き、去っていった。 客が手拍子を打ち歌うと、それに合わせて壁の鶴が舞った。そのことが評判となって店が繁盛し、辛氏は巨万の富を築いた。

その後、再び店に仙人が現れ、笛を吹くと黄色い鶴が壁を抜け出してきた。仙人はその背にまたがり、白雲に乗って飛び去った。

辛氏はこれを記念して楼閣を築き、黄鶴楼と名付けたという。

黄鶴楼を詠んだ漢詩[編集]

崔颢(唐代) 「黄鹤楼」[3]

昔人已乘黄鹤去,此地空余黄鹤楼。
黄鹤一去不复返,白云千载空悠悠。
晴川历历汉阳树,芳草萋萋鹦鹉洲。
日暮乡关何处是?烟波江上使人愁。
(通釈)[4]
昔の仙人はすでに黄鶴に乗って飛び去り、 この地には黄鶴楼だけが空しく残された
黄鶴は飛び去ったきりかえって来ず、 白雲だけが千年もの間も悠々と流れ続けている
晴れわたった長江の対岸には漢陽の樹々くっきりと見え、 芳しい草が鸚鵡洲のあたりに青々と生い茂る
日の暮れゆく中、我が故郷はどの方角にあるのだろうか? やがて川の上には波や靄が立ち込め、私の心を深い悲しみに誘うのだ

李白(唐代) 「黄鹤楼送孟浩然之广陵」[5]

故人西辞黄鹤楼,烟花三月下扬州。
孤帆远影碧空尽,唯见长江天际流。
(通釈)[6]
昔からの友人(である孟浩然)が黄鶴楼に別れを告げようとしている、 霞だって花が咲いているこの三月に揚州へと下っていくのだ
船の帆がだんだんと青空に吸い込まれるように小さくなってゆき、 ただ長江が天の彼方に向かって流れているのが見えるだけになってしまった

李白(唐代)「与史郎中钦听黄鹤楼上吹笛」[7]

一为迁客去长沙,西望长安不见家。
黄鹤楼中吹玉笛,江城五月落梅花。
(通釈)[8]
このたび遠国に流される身となって長沙の地まで来た、 ここから西の方にある長安を望んでもわが家は見えない
この黄鶴楼で望郷の念にかられていると 誰かが楼中で吹く笛の音が聞こえてきた、 しかもそれは名曲「落梅花」ではないか。ああ、長江の流れに臨む武昌の町で、夏の五月に季節はずれの梅が散り落ちるとは

陸游(宋代)「黄鹤楼」[9]

手把仙人绿玉枝,吾行忽及早秋期。
苍龙阙角归何晚,黄鹤楼中醉不知。
江汉交流波渺渺,晋唐遗迹草离离。
平生最喜听长笛,裂石穿云何处吹?

毛沢東(近代)「菩萨蛮·黄鹤楼」[10]

茫茫九派流中国,沉沉一线穿南北。
烟雨莽苍苍,龟蛇锁大江。
黄鹤知何去?剩有游人处。
把酒酹滔滔,心潮逐浪高!

現在の黄鶴楼[編集]

先代の黄鶴楼は同治7年(1868年)に再建され光緒10年(1884年)に消失した。その後100年間再建されなかったが、この清同治楼を参考にして1985年6月に再建されたものが現在の黄鶴楼である。現在の黄鶴楼は高さは約51.4m、八角形の最上層の長辺は18mである[11]

黄鶴楼公園[編集]

黄鶴楼から西門・武漢長江大橋方向を望む

黄鶴楼は長江右岸の蛇山中国語版の山頂にあり、蛇山周辺一帯は「武漢黄鶴楼公園」として整備されている。黄鶴楼公園の敷地は解放路に面した西門(西端)から首義公園に面する東門(東端)まで、また北辺は京広鉄路で区切られていて、その面積は40.3haである[11]。公園は毎日8時から18時(冬季は17時)まで開いており、入場料は大人80元、子供及び学生は40元である(2018年1月現在)[12]

西門(西大門)から入場すると、胜像宝塔(元代の白塔)・三楚一楼の牌坊を通り過ぎ黄鶴楼のある山頂付近の広場に出る。黄鶴楼バス停や駐車場がある東門(東大門)から入ると、岳飛の銅像・紫薇苑・梅林・池(鹅池)・白雲閣などを経て黄鶴楼のある山上に達する。

黄鶴楼公園内の主な見どころは、公式webページの1.5時間観覧経路(1.5小時路線)[13]によれば次のようなものがある

  • 胜像宝塔(別名 元代白塔)- もともとは蛇山の西端付近にあったとされ、1984年に現在の場所に移設された。1343年、モンゴル帝国の皇族コンチェク・ブカ(寛徹普化)により造られた仏舎利塔とされる。形が灯篭に似ているため、三国時代諸葛亮関羽の水軍を導くため灯台として用いたとの伝説もある。円筒が重なったの五重塔のそれぞれの段を地・水・火・風・空の五大と見立てて『五輪塔』とも呼ばれる。高さ9.36m、座の部分の直径5.68m[13]
  • "三楚一楼"大牌坊 - 三楚の地域内で最も優れた塔であるという漢詩『搁笔题诗,两人千古;临江吞汗,三楚一楼』に因んだ碑坊[13]
  • 南軒・北軒
  • "黄鶴帰来"青銅彫像 - 亀・蛇・鶴の吉祥動物の組み合わせ像。黄鶴楼にまつわる鶴の伝承を造形化したもので、この公園に置かれているものは、1997年に湖北省から香港に贈られた彫像の製作時模型である[13]
  • 黄鶴楼
  • 費禕
  • 呂仙洞
  • 留雲亭
  • 石照亭
  • 仙棗亭
  • 百松園
  • ツツジ園(杜鹃園)
  • 抱膝亭
  • 梅園
  • 乖崖亭
  • 一覧亭
  • 奇章亭
  • 岳飛銅像(岳飞铜雕)- 身長6.3mの岳飛像[13]
  • 岳飛功徳坊
  • 四季牌坊
  • 白雲閣 - 海抜75.5mの蛇山山頂にある。建物の高さは41.7m。1992年1月に、消防署の火の見櫓の跡地に造られた建物[13]
  • 涌月台
  • 落梅軒
  • 紫薇苑
  • 鵞碑亭
  • 白龍池
  • "九九帰鶴図"浮雕
  • 毛沢東詞亭 - 1927年に毛沢東が詠んだ漢詩『菩萨蛮·黄鹤楼』と、1956年の『水调歌头·游泳』が刻まれている句碑が置かれている詞亭。1992年に造られた[13]
  • 南楼
  • 古碑廊
  • 奇石館
  • "崔顕台詩図"浮雕
  • 擱筆亭
  • 跨鹤亭
  • 紫竹苑
  • 池(鹅池)
  • 詩碑廊

隣接する著名な観光地[編集]

交通機関[編集]

  • 武漢地下鉄4号線 复兴路站の北北東 約1.5km または 同站から公交717路等に乗車し解放路后长街バス停下車すぐ
  • 黄鹤楼バス停下車すぐ
  • 武漢地下鉄5号線(建設中)司门口站 または 民主路司门口バス停の南西約500m

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 黄鶴楼記
  2. ^ 方琳; 王理略 古代黄鹤楼本是3层建筑 建国后重建为5层建筑 人民網2015年6月4日http://culture.people.com.cn/n/2015/0604/c22219-27101728.html 
  3. ^ 百度汉语 黄鹤楼 http://hanyu.baidu.com/shici/detail?pid=235461cee68f4bed9800582f42ea5641
  4. ^ Wikipedia 崔コウ 2017年8月10日 (木) 08:08版より通釈
  5. ^ 百度汉语 黄鹤楼送孟浩然之广陵 http://hanyu.baidu.com/shici/detail?pid=de766f4429a9433e94130e133fd3668e
  6. ^ マナペディア 『黄鶴楼送孟浩然之広陵(黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る)』 現代語訳と解説 http://manapedia.jp/text/1802
  7. ^ 百度汉语 与史郎中钦听黄鹤楼上吹笛 / 黄鹤楼闻笛 http://hanyu.baidu.com/shici/detail?pid=4205b0a46e4747659ebb8bc2c32dd772
  8. ^ 大紀元 漢詩の楽しみ】 与史郎中欽聴黄鶴楼上吹笛 http://www.epochtimes.jp/jp/2012/05/print/prt_d87372.html
  9. ^ 百度汉语 黄鹤楼 http://hanyu.baidu.com/shici/detail?pid=c2f1e5fb1aab8c7c6d0413ddd67d274e
  10. ^ 百度汉语 菩萨蛮·黄鹤楼 http://hanyu.baidu.com/shici/detail?pid=0894cd25fbfa18503ea2ea3d9561ef5f
  11. ^ a b 武汉市黄鹤楼公园 黄鹤楼介绍 http://www.cnhhl.com/index.php/index.php?m=Page&a=index&id=33
  12. ^ 武汉市黄鹤楼公园 门票政策 http://www.cnhhl.com/index.php/list-12.html
  13. ^ a b c d e f g 武汉市黄鹤楼公园 1.5小时路线 http://www.cnhhl.com/index.php/list-74.html

関連項目[編集]

座標: 北緯30度32分49秒 東経114度17分49秒 / 北緯30.54694度 東経114.29694度 / 30.54694; 114.29694