麻雀放浪記 凌ぎの哲

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麻雀放浪記 凌ぎの哲
ジャンル 麻雀漫画
劇画
ストーリー漫画
漫画
原作・原案など 阿佐田哲也
作画 原恵一郎
出版社 竹書房
掲載誌 近代麻雀
レーベル 近代麻雀コミックス
発表期間 2001年8月 - 2006年6月1日号
巻数 7巻(以降絶版)
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麻雀放浪記 凌ぎの哲』(マージャンほうろうき しのぎのてつ)は、原作:阿佐田哲也、作画:原恵一郎による日本漫画作品。『近代麻雀』(竹書房)にて連載され、単行本は7巻まで発売されたが、それ以降は絶版となった。2004年10月18日にコンビニ読み切り単行本が発売された後、2011年5月23日に未単行本化の作品が掲載されたコンビニコミック版が発売された。

概要[編集]

阿佐田哲也の小説シリーズ『麻雀放浪記』を基にした原恵一郎の作画による劇画であるが、内容は『牌の魔術師』など阿佐田の他作品の登場人物も交えながら原独自の物語が描かれる、完全オリジナルストーリーとなっている。

物語の構成は、序盤(『激闘編』にあたる)→上野(ノガミ)編→九州編→銀座編→バイニン復帰編→権々会編→バクチ列車編→雀荘争奪編(単行本・廉価版ともに未収録)の順番となっている。

あらすじ[編集]

昭和20年代前半。焦土と化した東京は敗戦のショックに引きずられながらも、後に訪れる高度経済成長に向かって助走し始めていた。そんな中でアウトローで生きる男たちも自らの才覚を活かしていた。そんな中、博打で凌ごうとする者、金の力でさらなる金を生もうとする者、玄人(ばいにん)と呼ばれるイカサマを駆使して金を巻き上げる世界、それはまさに生き馬の目を抜く無法地帯だった。

物語序盤[編集]

バイニン・坊や哲は、雀荘でオヒキとのコンビ打ちしている最中にタネ銭が底を尽く寸前にオヒキを裏切り、便所の窓から逃げ出す。麻雀の打ち過ぎで右腕の関節に支障をきたしたため、麻雀をぶつことがままならなくなっていた。その様な折、バスで中で哲を兄貴と慕う男・松と再会し、レートの高い麻雀の場を提供される。その話に乗った哲はその場に赴き、ビジネスマンを装ったバイニンたちを辛くも圧倒する。勝利を前後して、松が哲の名義で紹介したコウモト金融の社員・板倉勇が紹介料・場代・借金などを回収しに現れ、哲が麻雀での勝ち金だけでは足りず、哲はなんとか雀荘で稼ごうとするも何処もあらゆる理由で出禁・門前払いされるばかりであった。哲に付け馬をする板倉は、哲にある雀荘を紹介し、哲はそこに赴くが、そこでかつて哲を陥れたバイニン・ドサ健と不覚にも再会。事情を察知したドサ健は、ブー麻雀が主流の雀荘に連れて行く。雀荘のオーナー・陳に、ドサ健が哲を「雀荘の息子でブーに鞍替えしたい」という嘘でブー麻雀で交戦する。しかし、哲はドサ健がまた自身を裏切ることを察知して便所の窓から逃げ出そうとするもドサ健に止められ、果てには陳がイカサマをしたと言いがかりをつけ、陳に落とし前を付けさせられる。哲は逆恨みから雀荘を火事にしようとするも失敗。それを前後して板倉の手により雀荘が火事になる。哲は密かに陳の金庫から札束を盗み出して板倉にその行為を非難されるも「ドサ健よりマシだろ」と突っぱね、炎上した雀荘を後にする。

上野(ノガミ)編[編集]

ある日、ビルから1人の男が飛び降り自殺する事件が起こった。それを前後してドサ健は近頃自身が視線を感じる不穏な動きを察していた。麻雀を打っている最中に花沢という稲荷町のバイニンがドサ健に上野一帯の雀荘の風紀を見ると交渉してきたがドサ健はそれを拒否する。同時に上野を荒らしまわっている北海道のバイニン・ジンが現れる。ジンはドサ健に宣戦布告をしてその場を一度去る。その後、ドサ健の舎弟たちであるカズ、トシ、ギン公の3人は飯屋でジンに絡み口論となり麻雀を打つが、ギン公は敗北して両目をドスで潰されてしまう。これを知ったドサ健はギン公の敵討ちを目論み、ジンと対決。後に現れた花沢ら稲荷町グループと、途中で加わった坊や哲、女衒の達がドサ健と同盟を組んで激戦を起こす。終盤で花沢が右目の義眼に仕込んだ牌を取り出すイカサマをドサ健に抑えられて稲荷町グループは敗北と同時に解散し、ジンはギン公をやったときの落としを付けられそうになるが、花沢が「けじめは俺が取る」と言って自らの左目を潰したことにより上野玄人戦争に終止符を打った。

九州編[編集]

板倉に借金を返済するまで勤め人をする事になった坊や哲。会社員になっても相変わらず麻雀は続けていた。出張先の九州で雀荘で素人をカモに打ち続けていた哲は、雀マネとして働くバイニン・李億春と出会う。李は博打に対して異常な執着心を持ち、凄腕のバイニンと見た哲に勝負を挑むも敗北。李は負け分が払えず指を切り落とされそうになるも、すでに取りようが無かったため制裁される。その後も執拗に哲を追い続け雀荘から金を盗み、イカサマを駆使してまで勝負を挑み勝利。李はイカサマが発覚した後も支離滅裂にもチンピラと揉み合いになる。哲はその執着心に敬意を払って雀荘および博多を後にする。

銀座編[編集]

麻雀打ちとしては「銀座の番町」の異名を持つキャバクラのマネージャー・鎌田は春美とのトラブルから女衒の達に売ってしまう。一方、坊や哲は社員たちとキャバクラにきていたが、実際には鎌田に麻雀で勝ちすぎる哲を倒してくれと依頼するのが社長たちの本来の目的であった。鎌田と激戦を繰り広げる坊や哲は相変わらずのやり方で勝利を収める。その後、女衒の達に会いに来た坊や哲は、春美が相変わらずの売れっ子となり健在であることを達に教えられるところで物語は終わる。

バイニン復帰編[編集]

会社で居眠りをしていた坊や哲は、ドサ健に敗北して両目が潰れた花沢に掴まられる悪夢を見る。そこからバイニンとしての自分を見つめなおし、社員たちとの麻雀で荒れて仲違いを起こし退社する事にした。同時に居候していた板倉の下を離れた後、バイニンに戻るも物心ついたときからヒロポン中毒と化してしまう。ヒロポンの横流しをするヤクザ・小菅の下に来た坊や哲は、彼から竹房組のヤクザとの麻雀の代打ちを依頼されて引き受ける。ヒロポン中毒の病状は悪化するばかりでろくに打てない状態だったが、以前助けられたという元バイニンのヤクザ・タンクロウから以前自分に言った言葉を哲に返して、哲は一皮向けて再戦に臨む。その上でイカサマの演出をして小菅に指詰めを強要されるが、タンクロウが手形の指詰めを預かることで場は納まる。その後、哲はタンクロウに諭されて彼と暫く行動を共にし、大阪に遠征するところで物語りは途切れる。

権々会編[編集]

タンクロウと共に新天地・大阪に到着した坊や哲は、タンクロウが大阪に誘った理由を語り出す。それは、一ヵ月後に京都の大恩寺にて祭りと称した麻雀博打大会・権々会が開催され、そこで共闘することが狙いだった。一ヵ月後に再会するため、互いの健闘を祈りあいタンクロウと別れた坊や哲は、大阪の町を一回りした後に雀荘「白楼」に赴く。卓を囲った西村・岡田らを圧倒する坊や哲は、途中から「白楼」を仕切る狂犬・達磨と対峙する。最終的に坊や哲がリードしたものの、達磨は負け分を払わずに「権々会で毟ってやる」と捨て台詞を吐いて「白楼」を留守にする。その後、坊や哲は権々会にて達磨の仲間を陥れようと画策し、達磨の取り巻きである西村を騙そうと言葉巧みに種を植え付ける。

そして開催された権々会にて。白熱した麻雀博打の激戦にて大半がポイント切れとなり鐘突きの刑に処せられ、西村も坊や哲の悪魔の囁きにより達磨を裏切り運命が決まる。坊や哲をはじめとする生き残ったバイニンたち・タンクロウ、達磨、岡田、黒子政、飛び甚、ゲン。2日目にタンクロウ、黒子政が鐘送りにされ、3日目には坊や哲、達磨、岡田、父・飛び甚を裏切り二代目飛び甚を襲名したゲンで対決し、ついには主催である坊主・定恩も参加。最終的には坊や哲が勝利し、タンクロウの目論みであった権々会は壊滅した。

バクチ列車編[編集]

坊や哲は飛び甚(ゲン)が列車から飛び降りて死亡したことを知らされる。三井と名乗る男からバクチ列車の切符を受け取り、その列車に赴こうとする。一方、ドサ健は自身の舎弟であるギン公(『上野編』のギン公とは別人)が拉致されたことを知り、バクチ列車の切符を入手したドサ健は手がかりを探し出す。さらに、バクチ列車の噂を聞いた李億春はドサ健の切符を手に入れようと追い掛け回す。バクチ列車に辿り着いたドサ健は車掌から拉致されたギン公を差し出され、三井の伝言を聞きいれてギン公の敵討ちに臨む。また、李も切符が使えなかった事を逆恨みして車掌を暴行し、服を剥ぎ取り扮してバクチ列車に乗る。途中から参戦してきた坊や哲は李と再会。それを前後してドサ健との不覚の再会と、三井と、かつて全国に名を広めた伝説のバイニン・ブー大九郎と対決することになる。後に謎の男・ダンチも参戦し、勝負は混沌としていき、激しい勝負の最後は坊や哲が勝利したことでブー大九郎は列車から飛び降りる。東京に到着した坊や哲らは警察に連行されそうになるも、刑事だと明かしたダンチの一存によって見逃される。しかし、テラ銭を受け取った李はダンチにバクチ列車の事件の容疑者の1人として連行されてしまう。坊や哲は、ブー大九郎から聞かされた言葉に憂鬱になり、ただ脚を棒にして歩いていく姿を晒していくところで物語の幕は閉じる。

雀荘争奪編[編集]

登場人物[編集]

主要人物[編集]

坊や哲(ぼうやてつ)
本作の主人公。麻雀放浪するバイニン。
物語序盤から『激闘編』のくだりで肘関節内軟骨剥離の症状になっており、銀座の貸しビル業との麻雀に苦戦して辛くも勝利を収める。
ドサ健とは行く先で鉢合わせて組んでは裏切られることを何度も痛感する破目になっているが、『上野編』では一時的に同盟を組んだ。
よく危機に陥ると雀荘の便所の窓から逃げ出す行動をとるが、雀荘「白楼」で断罪されて以降やらなくなる。
バクチ列車編では広島で凌ぐ最中、三井と出会い、彼から「飛び甚はバクチ列車から自分の意思で飛び降り死亡した」事を教えられ、博多から東京行の片道切符を受け取り、バクチ列車の麻雀勝負に参戦する。
無精髭にボサボサの髪型とさえない外見ではあるが、物語序盤でのスーツを着て麻雀に臨んだときや、板倉に借金を返すために会社員になった際には髭をそって髪を整えている。なお、『雀荘争奪編』では原恵一郎の作風の変化に比例するかのように矯正な顔立ちになり、また白いスーツがトレードマークとなる。
ドサ健(ドサけん)
本作のもう1人の主人公。上野(ノガミ)を根城にするバイニン。パンチパーマが特徴。
バクチ列車編では、三井と鯰坊に拉致されたギン公を救うべく、広島に赴き、黒子政から三井からの切符を受け取り、バクチ列車の麻雀勝負に参戦する。
漫画作者の原は、描いていて楽しいキャラクターの1人にドサ健を挙げている[1]
李億春(り おくしゅん)
博多のバイニン。親指以外の指を失っており、常に黒い手袋をしている(原作では両手共に失っているが、劇中では左手しか描写されていない)。強敵を前にすると興奮して自慰行為に耽る習性がある。麻雀・博打に凄まじい執念を持っており、サマがばれて制裁を受けても生き残るほどの生命力を持つ。
バクチ列車編では、バクチ列車の車掌を暴行し服を剥ぎ取り、自身が車掌に扮装し麻雀勝負に参戦。その際に坊や哲と再会。終盤では正体を明かしたダンチにテラ銭を受け取ったことで管理賭博罪の被疑者として逮捕された。
女衒の達(ぜげんのたつ)
着流しの人買い。麻雀の腕は並みのバイニン以上。
『上野編』では哲、ドサ健と同盟を組み、花沢率いる「稲荷町グループ」を圧倒。『バクチ列車編』では片道切符を受け取るも拒否したことで自身が経営する女郎屋を放火された(死人は出ていない)。その後、哲らの帰還時に迎えに行った。
黒子政
九州のバイニン。大阪では達磨に毟られ文字通り丸裸にされた。権々会に参加するも鐘送りにされる。しかし、生き延びてバクチ列車編にて再登場し、手に鐘撞きの傷跡が残っていた。

序盤編[編集]

トーダイ
哲の知り合いの医者。ロイド眼鏡と長髪一本結びが特徴。哲の肘の痛みの症状を診察し、麻雀をやめれば治ると諭す。
哲を「兄貴」と呼び慕う男。哲に銀座の貸しビル業の麻雀勝負を斡旋して持ちかける。
山田
広告会社「近代広告」に勤める男。銀座の麻雀勝負に臨む。偽名を使っていた哲を「坊や哲」であることを見抜いていた。
板倉勇
辻野会を後ろ盾に持つ闇金融「コウモト金融」の社員。松を通して紹介した哲に借金等を取り立てに来た。足りない文の金に困った哲に別の雀荘を紹介する。
ブー麻雀専門の雀荘「極楽荘」の経営者。ガマガエルを髣髴させる形相と肥満体系が特徴。また、かなりの甘党で、ケーキを豪勢に食している描写がある。
ドサ健を厄介者扱いしており、再会時にそのそぶりを見せていたが、ドサ健の狂言により哲が雀荘の息子でブー専門に鞍替えしたいと指導を申請しにきたと聞くとすぐさま態度を変えて哲にブー専門店のビジネスの仕組みについて熱弁していた。
高峰
陳のオヒキを勤めるバイニン。

上野編[編集]

ジン
上野を荒らすバイニン。
花沢
義眼のバイニン。
カズ、トシ、ギン公
ドサ健の舎弟。ジンと対決するが、ギン公はジンに敗れその落とし前としてドスで両目を横一線に切られ重傷を負う。
なお、バクチ列車編では別の「ギン公」が登場している。

銀座〜バイニン復帰編[編集]

春美
風俗嬢。鎌田とトラブルになり、達に売られてしまう。
鎌田
銀座のキャバクラのマネージャー。春美を達に売る。麻雀打ちとしては「銀座の番町」の異名を持つ。冷酷非道な性格で、女を道具としか思っておらず、笑いながら平気で殴る外道。『雀荘争奪編』にも再登場。
宇佐美
勇のコネで勤め人になった哲の勤務先の社長。
小菅
ヒロポンの横流しを生業とするヤクザ。ポン中に陥った哲に組が主催する麻雀で勝てばヒロポンを渡すと約束する。

権々会編[編集]

タンクロウ
元バイニンのヤクザ。単騎待ちを得意とする。権々会の解体を目論むも、達磨、飛び甚らの謀略によって鐘送りにされる。
原作では老人だが、本作では青年の姿で描かれており、『麻雀放浪記 風雲編』に登場するステテコの役割を一部担っている。
達磨(だるま)
大阪の雀荘「白桜」を仕切るやくざをも恐れぬ狂犬。権々会では仲間を鐘送りにした哲を敵視しつつ、ゲンと結託し最終戦まで生き残る。
左腕に達磨の刺青を彫った筋骨隆々の巨漢で、哲に「達磨が転ぶような力の塊」と比喩される(原作では肥満体系であることから達磨と呼ばれているが、本作では性格ともども正反対の設定である)。
西村
達磨の取り巻きの1人。戦後、行くあてもなかった折に達磨に拾われ行動を共にするが、同時に度々達磨を畏怖し続け、いつしか付いていけなくなり、裏切るかどうか迷いが生じていた。それを前後して哲にその弱みに付け込まれ、権々会で哲に唆されて達磨を裏切った結果、哲に嵌められて鐘送りにされる。達磨はこのことに感づいてはいたが、タンクロウからは西村が裏切ろうが「信じたかった」と評されている。
岡田
達磨の取り巻きの1人。雀力は「達磨以外の誰にも負けたことがない」と語る。権々会に参戦し、準決勝戦でポイント切れとなり鐘送りされそうになるも、定恩が掲示した失点分の5倍を支払うことを承諾した達磨、飛び甚(ゲン)からポイントを折半して与えられて鐘送りを免れる。
飛び甚(とびじん)
かつて定恩の差し金により権々会で金持ち衆相手に荒稼ぎをしたバイニン。このために、主催者である和尚の恨みを買われて以降、権々会はバイニンを血祭りにすることを目的とする修羅場と化す。
息子のゲンに裏切られ鐘送りにされるが、生き延びて雀荘争奪編にて再登場を果たし、ガスや森サブと対戦する。
ゲン
飛び甚の息子。当初はリーゼント。卓越した観察力と洞察力に長けた博打の申し子。同盟を結んだ和尚、定恩、坊や哲と卓を囲み、1対3という不利な状況でも3人を蹴散らす程の実力者。達磨と結託し、父を裏切り2代目「飛び甚」を襲名する。バクチ列車編ではブー大九郎に敗れ非業の死を遂げる。
和尚
大恩寺の住職で博打好きの破戒坊主。権々会を主催する。最期は定恩に今までやった虐待同然の仕打ちが恨みを買い、定恩から暴行を受けて瀕死の重傷を負う。
定恩(じょうおん)
大恩寺の坊主。権々会の審判を勤める。昔から受け続けてきた和尚による修行と称した虐待により和尚を心底恨んでおり、権々会で行われる麻雀牌に仕掛けられたガン牌の秘密を飛び甚に密告する(これが飛び甚の権々会荒らしの引き金となった)。哲らが参加した権々会の終盤では自らも参戦し、哲らを追い詰めるも自身が素人だったことも手伝い一間の油断を達磨に突かれ敗北。直後、達磨に他の坊主たち共々粛清された。

バクチ列車編[編集]

三井(みつい)
出目徳の息子で、ブー大九郎の養子。実父の仇討ちをすべく、大九郎と共に坊や哲・ドサ健らを迎え撃つ。
バクチ列車中盤で、大九郎に利用されていただけに過ぎなかったという真実を知り、戦意喪失となり敗北の末に列車から飛び降りた。
鯰坊
ブー大九郎の配下の1人。鯰髭と坊主頭が特徴。三井と共にバクチ列車に誘導するバイニンたちを手配していたが、ドサ健に敗北して列車から飛び降りて死亡。
ブー大九郎(ブーだいくろう)
かつて最強と謳われ全国に名が知れ渡った盲目のバイニン。両目共に糸で縫いつけてある。三井とともに坊や哲・ドサ健をバクチ列車を誘導する。盲目ゆえに、人並みはずれた記憶力に加え、聴覚、触覚、嗅覚[2]に鋭敏であり、それを頼りに他者のイカサマを看破するほどの能力を持つ。さらに、物の出し入れが出来るほどに鍛えられた胃袋を持ち、麻雀牌や含み釘を貯蔵している。
バクチ列車終盤では、体力的な弱点を突かれた末に敗北。小説『牌の魔術師』に登場する人物だが、本作では名前と老人であるという設定しか借り受けていない。
ダンチ
バクチ列車に乗車した雀ゴロ。角刈りでサングラス、白いスーツが特徴。「ダンチ」はドサ健がつけたあだ名で、本名は最後まで不明。その正体はバクチ列車による相次ぐ不審死を捜査していた刑事。
小説『牌の魔術師』に登場する「ダンチ」の名前のみとられている。
出目徳(でめとく)
東京最強のバイニン。本作品中では回想として僅かに登場するのみである。
三井の実父で坊や哲にバイニンの技を教えた。原作同様、九蓮宝燈を自摸あがり事切れた。この際のドサ健、哲、達の対応に恨みを持つ三井が彼らをバクチ列車へ誘導した。

雀荘争奪編[編集]

森三郎
通称「森サブ」。伝説のバイニン・ヘビ虎の孫。チン六が雀荘を守るように依頼した哲の代わりに連れてこられた。
ガス
通称「白頭鷲のガス」。戦前生まれで、母親が日本人のハーフ。それゆえに凄惨な人生を送り、終戦を機に自分に対する人の態度の変わりようから、「聞きたくもない」人の心の声が聞こえるようになり、同時に成人するに連れて髪も黒から白へと染まっていった。英語が堪能であり、GHQの関係者と会話するシーンもある。麻雀ではその経歴を生かした心理戦を得意とする。
原作では純日本人で色白の好男子で関西弁を喋り、「ガス牌(偽牌)」の使い手であり、腕力も弱そうに見え、李億春と行動する設定になっていたが、本作ではこれらは踏襲され、色黒で標準語を喋り、ガス牌を使う役割も李に変えられ、腕力も強くナイフで刺そうとしたバイニンに椅子を投げ飛ばす描写もある。
チン六
雀荘「花」のマスター。ガスに雀荘を狙われており、哲に雀荘を守るように依頼する。しかし、その雀荘にはある秘密があった。
なお、原作小説ではドサ健に唆されて雀荘のマスターの気分にされて財産を失う、という設定である。

登場する麻雀博打の用語など[編集]

権々会(ごんごんえ)[編集]

京都・大恩寺で夏の終わりに開かれる祭りで、先祖・仏を祭るというごく普通の祭りであるが、劇中での10年前、現在の和尚に代わってからは彼の博打好きの趣味が高じて祭り自体の趣旨が変わり、祭りの夜に賭場を開帳し始めた。その当時は会社の社長や元華族などの裕福な「ダンベエ(カモ)」たちだけが参加でき、娯楽に興じる程度で盛況だったが、その噂を聞きつけた初代・飛び甚によるダンベエたちからの荒稼ぎを機に祭り自体が狂い、参加に制限をなくして一般人やバイニンも参加できるようになったが、これには和尚によるバイニンへの復讐を兼ねており、負ければその分の金額により鐘に逆さ釣りにされて結び付けられ、体の一部を鐘突きで血祭りにあげる狂宴と化し、それを金持ち集のダンベエの娯楽にもなっているという狂気の沙汰である。鐘突きにより今まで無傷で帰還したバイニンはほとんどいないとされているが、飛び甚や黒子政のような満身創痍な姿になって帰還したものもいる。最終的には哲の活躍により権々会は壊滅し、担保となった鐘は川沿いの住人たちの風呂桶となった。

権々会の麻雀のルール[編集]

  • 参加者が集まって締め切り次第、参加者はくじを引いてそのくじに書かれた文字(「いろはにほへと」のいずれかの一文字)の雀卓に座る。
  • なお、くじを引いたらゲームが終了するまで寺から出ることは出来ない。
  • 現金の支給はポイント制となり、勝ち金は1ポイントにつき1000円。
  • 精算方法は帳面に記入し、朝6時の勝負終了時点で原点より1ポイントでも浮いていれば次の日の対局に進出できる。逆に1ポイントでも沈んでいてば相応の罰(鐘突きの刑)が執行される。なお、ポイントは現金での売買も容認される。プラスマイナスゼロの場合でも進出できる。
  • ルール上、宿泊となるので寝床や食事が支給される。基本的に雑魚寝や質素な食事が支給されるが、金を払えばそれなりに厚遇される。
  • 雀卓の人数が足りない場合は、主催者側である坊主が参加することもある。
  • 理不尽な暴力行為は黙認される(手当てはされる)。
第一夜
  • 引いたくじの雀卓に座り、夜明けの朝6時まで最低でも半荘四回の対局をする。また、半荘四回以上打ったうえで対戦相手を変更したい場合は再度くじを引く。なお、これはコンビ打ち防止のため、くじの引きなおしは出来ない。
  • レートは1000点1000円(≒現在の貨幣価値で約2万円)。
第二夜
  • 半荘2回を3回、合計6回戦までの制限となる。2回ごとに対戦相手の組み合わせをくじ引きにより変える。
  • レートは1000点1000円。ただし、1回戦ごとに順次倍になっていく。オカ・ウマは第一夜と同じ。
第三夜
  • 第三夜終了までにポイントが残れば、相応の勝ち分が精算される。証文による引き換えとなるが、飛び甚の悪知恵により寺の家財全てを担保になる。
  • 第二夜終了時までのポイントを点棒に換算する。100ポイントを1000点に換算してそれぞれの持ち点とする。ゆえに、25000点持ちではなく、ポイントで換算した持ち点で対局し、半荘が終了してもその点数を引き継ぐ方式となる。
  • 第三夜に限り、特別ルールとして、トビとなれば即刻鐘送りとなる。
  • 組み合わせはくじ引きにより決まり、定恩や和尚も打ち手として参加。何時誰が負けるか予測不可能という建前により、雀卓は一卓のみの交代制となる。
  • 哲の提案により、ブー麻雀による最終戦が行われる。チップ1枚につき5000点。
  • 原点8000点持ち。
  • マルA(3人沈み)は負けた3人からチップ2枚ずつ貰う。
  • マルB(2人沈み)は負けた2人からチップ2枚ずつ貰う。
  • マルC(1人沈み)になるあがりはチョンボとなり、他家にチップ10枚ずつ払う。
  • ダブ権(前回のマルAが続けてマルAをとること)は貰うチップが倍になっていく。
  • 役満は無条件でマルAとなる。御祝儀は出あがり20枚、ツモあがり10枚。

書籍[編集]

※「雀荘争奪編」は未発売。

注釈・出典[編集]

  1. ^ 原恵一郎twitter 2015年8月29日閲覧
  2. ^ たばこの匂いでどの銘柄かが判別できる。
  3. ^ 竹書房『麻雀放浪記 凌ぎの哲』1巻紹介ページ
  4. ^ 竹書房『麻雀放浪記 凌ぎの哲』2巻紹介ページ
  5. ^ 竹書房『麻雀放浪記 凌ぎの哲』3巻紹介ページ
  6. ^ 竹書房『麻雀放浪記 凌ぎの哲』4巻紹介ページ
  7. ^ 竹書房『麻雀放浪記 凌ぎの哲』5巻紹介ページ
  8. ^ 竹書房『麻雀放浪記 凌ぎの哲』6巻紹介ページ
  9. ^ 竹書房『麻雀放浪記 凌ぎの哲』7巻紹介ページ
  10. ^ エルパカBOOKS 『麻雀放浪記 哲也 死闘!坊や哲』
  11. ^ エルパカBOOKS 『麻雀放浪記 哲也 上野玄人戦争』
  12. ^ 『麻雀放浪記 哲也 バイニン坊や哲』
  13. ^ 竹書房『麻雀バクチ列車!』上巻紹介ページ
  14. ^ 竹書房『麻雀バクチ列車!』下巻紹介ページ
  15. ^ 竹書房『バクチ麻雀地獄寺!』上巻紹介ページ
  16. ^ 竹書房『バクチ麻雀地獄寺!』下巻紹介ページ

関連項目[編集]

  • 麻雀放浪記
  • 次郎長放浪記 - 同じく原恵一郎による作画の漫画版作品が存在し、一部の人物が『凌ぎの哲』に登場する類似した人物がいる。

外部リンク[編集]