魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO
魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO | |
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監督 | 山口恭平 |
脚本 |
荒川稔久 下亜友美 |
原作 | 八手三郎 |
製作 |
塚田英明 望月卓(東映) 井上千尋 島川博篤(テレビ朝日) 山田真行(東映ビデオ) 矢田晃一 深田明宏(東映エージェンシー) |
ナレーター | 杉田智和 |
出演者 |
小宮璃央 木原瑠生 新條由芽 水石亜飛夢 工藤美桜 古坂大魔王 |
撮影 | 松村文雄 |
編集 | 若松広大 |
制作会社 | 東映テレビ・プロダクション |
製作会社 | スーパー戦隊MOVIEパーティー |
配給 | 東映[注釈 1] |
公開 | 2020年2月8日 |
上映時間 | 28分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
前作 | 騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!! |
次作 | 魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE(仮) |
『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』(マシンセンタイキラメイジャー エピソードゼロ)は、2020年2月8日公開より東映系で公開された日本の映画作品[1]。
同時上映は『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』。
キャッチコピーは「スーパー戦隊MOVIE
概要[編集]
『魔進戦隊キラメイジャー』テレビシリーズの本放送開始に先駆けて公開された劇場作品で、スーパー戦隊シリーズ映画『スーパー戦隊MOVIEパーティー』の一篇でもある。テレビシリーズ第1話に繋がる前日譚として位置づけられており、発端となるクリスタリアの滅亡とレッドを除く4人の戦士の誕生経緯が描かれる。ラストシーンでは先行販売特典の『赤いスポーツカー魔進』がイメージ映像として登場する[3]。
ムビチケ前売券購入特典として動画配信サービス『ミレール』で視聴できる『魔進戦隊キラメイジャー スペシャル映像』を配信[2]。2020年2月29日より東映特撮ファンクラブで映画本編を会員限定最速配信[4]。
新型コロナウイルス感染拡大によるテレビシリーズの撮影延滞に伴い、2020年5月17日[注釈 2]にテレビシリーズの第10話の翌週以降の代替放送として本作品がテレビ初放送された[5]。山口は、本作品が放送されたことはテレビシリーズをより深く理解するためプラスになったと述べている[6]。
制作[編集]
監督の山口恭平は、本作品とテレビシリーズ第1・2話も含めたパイロット監督も務める[7][6]。撮影も両話とほぼ同時に進行したが、仕上げの都合から本作品が先行している[8][6]。
ストーリーは、元々テレビシリーズ第1話の内容として予定されていたが、尺の都合で収まりきらなかったためカットが検討されていたものを、映画化に際し本作品に転用している[9]。荒川のアイデアをベースに大まかな流れを作り、充瑠以外のメンバーを中心にストーリーを組み直している[10]。最初の顔見せのため、リーダー感の為朝やデキる医者の小夜、足が速い瀬奈など一目で分かるキャラクターの方向性を打ち出している[10]。本作品がなかった場合、作中におけるクリスタリアのシーンは後の話数で回想として描かれる予定であった[9]。山口は自身がテレビシリーズに参加した段階で本作品の制作は決まっていなかったことを証言している[6]。従来のスーパー戦隊の多くは、第1話で早く形を完成させるため、第1話の時点で主人公のレッド以外のメンバーが既に揃っており、そこにレッドが加わることでチームが完成する流れだったが、前日譚の劇場版でレッド以外の4人をスカウトしてレッドに先行してキラメイジャーになるものとなった[11]。ただし、映画を観ない人はいるため、本作品を観なくても第1話は分かるものとなっている[11]。ちなみに、レッド以外の4人をスカウトするシーンは、『ジャッカー電撃隊』の第1話のオマージュとなっている[11]。『キラメイジャー』は異文化との遭遇を描いているため、本作品ではマブシーナとオラディン、ガルザなどクリスタリアのシーンを多めに描いている[11]。
本来は第1話でヨドン軍が襲来するため存在しないが、アクションシーンを作るために、今時の設定としてMRでベチャットを再現させるものとなった[10]。
ストーリー[編集]
オラディンが王として治めていた美しき宝石の国クリスタリア。だが、オラディンの弟・ガルザの手引きによって作戦参謀クランチュラ率いる闇の軍団ヨドンヘイムが侵攻し王は討たれ国は滅亡してしまう。1人生き残ったクリスタリアの姫・マブシーナはクリスタリアの秘宝・キラメイストーンたちと共に、オラディンの友人でもあった博多南無鈴を頼り次にヨドン軍が侵攻するであろう地球へと向かった。CARATのスーパーバイザーであった博多南はヨドン軍の地球襲来に備えキラメイジャーの変身アイテム・キラメイチェンジャーを開発、マブシーナは迷いつつもキラメイストーンと惹かれ合う輝く精神の源である強いキラメンタルを持つ戦士たちを探すことにする。
シューティング部門で賞金ランキング1位に君臨するeスポーツ界のスター・射水為朝、陸上競技会でその名を轟かせている日本記録を持つ陸上選手・速見瀬奈、剣道五段の腕前で人気アクションスター・押切時雨、合気道の達人で美人過ぎる女医として知られる天才外科医・大治小夜。キラメイストーンの導きと共に彼らをスカウトするマブシーナではあったが自身の不安と一見争いとは無縁の彼らを戦いに巻き込むことに悩む。だが初戦にも関わらずキラメイジャー4人のその戦いぶりに勇気をもらったのであった。一方、レッドキラメイストーンが凄まじいキラメンタルの気配を感じた光ヶ峰高等学校の生徒・熱田充瑠は、クラスメイトに似顔絵を頼まれるのであったが。
登場人物[編集]
- 柿原瑞希
- 充瑠のクラスメイト。充瑠を小馬鹿にした態度をとり、からかいで自分の絵を描くように頼むが、充瑠の描いた自分の絵を見て激怒した。
- テレビシリーズでは、第20話に登場。裏表の激しい性格で、先生の前では優等生ぶっているが、本性はズル賢い(充瑠曰くズルパワフル)。兄が為朝のファン。セッチャクザイ邪面の騒動からキラメイジャーたちの正体を知り、自分の性格を受け入れてからは優等生ぶることと充瑠を小馬鹿にすることをやめることにした。
- 演者の西葉瑞希と下の名前が一緒であり、公式サイトではオーディションの際にスタッフが彼女と会った時にそのイメージを盛り込んでキャラを作り上げたためと記述されている[12]。
- 無我夢中で絵を描いているため、学校生活で少し浮いている充瑠の性格を表現するために作られ、意地悪な絡み方をするが[注釈 3]、充瑠はあまり気にしていないため、そのキャラを引き立たせるものとなった[10]。
- テレビシリーズの第20話は充瑠の学園の話を描くため、柿原を再登場させるものとなったが、本作品を観ていないと初めて観る人が多いという想定だったが、同話の構想中に緊急事態宣言が出た影響によってテレビで本作品を放送することになったため、柿原を知っている前提で話を作り直すこととなった[10]。
キャスト[編集]
- 熱田充瑠 / キラメイレッド[注釈 4] - 小宮璃央[13]
- 射水為朝 / キラメイイエロー - 木原瑠生[13]
- 速見瀬奈 / キラメイグリーン - 新條由芽[13]
- 押切時雨 / キラメイブルー - 水石亜飛夢[13]
- 大治小夜 / キラメイピンク - 工藤美桜[13]
- 柿原瑞希 - 西葉瑞希[13]
- 同級生 - 水野花梨[13]
- 隊長 - 岡野友紀[13]
- 映画監督 - 荒川大三朗[13]
- 医師 - 高橋宏典[13]
- 博多南無鈴 - 古坂大魔王[13]
声の出演[編集]
- レッドキラメイストーン - 鈴村健一[13]
- イエローキラメイストーン - 岩田光央[13]
- グリーンキラメイストーン - 赤羽根健治[13]
- ブルーキラメイストーン - 大河元気[13]
- ピンクキラメイストーン - 長久友紀[13]
- マブシーナ - 水瀬いのり[13]
- ガルザ - 中村悠一[13]
- クランチュラ - 高戸靖広[13]
- オラディン / ナレーション - 杉田智和[13]
スーツアクター[編集]
一部出典元はジャパンアクションエンタープライズ出演情報より[14]。
- 伊藤茂騎
- 蔦宗正人
- 五味涼子
- 竹内康博
- キラメイピンク[15] - 下園愛弓
- マブシーナ[16] - 野川瑞穂
- 矢部敬三
- 神尾直子
- 藤田洋平
- 渡辺実
- 今井靖彦
- 村岡弘之
- 高橋光
- 高田将司
- 神前元
- 榮男樹
- 寺本翔悟
- 鍜治洸太朗
- 坂梨由芽
- 竹中凌大
- 豊田泰史
- 佐渡山貴仁
- 酒井和真
- 松原凛
- 清水麟太郎
- 林本奈々
- 岡田ひかる
- 宇佐見紗風
- 米岡孝弘
- 村上歩夢
- 上平田結花
- 齊藤謙也
- 小森拓真
- 菊地雄人
ノンクレジット[編集]
スタッフ[編集]
- 製作 - 手塚治(東映)、西新(テレビ朝日)、與田尚志(東映ビデオ)、垰義孝(バンダイ)、相原晃(東映エージエンシー)、北條真(日本コロムビア)
- 企画 - 白倉伸一郎(東映)、赤津一彦(テレビ朝日)、加藤和夫(東映ビデオ)、金木勲(バンダイ)、清水啓司(東映エージエンシー)、八木仁(日本コロムビア)
- 原作 - 八手三郎[13]
- 脚本 - 荒川稔久[13]、下亜友美[13]
- 音楽 - 松本淳一[13]
- 撮影 - 松村文雄[13]
- 照明 - 堀直之
- 美術 - 岡村匡一
- 録音 - 伝田直樹
- 編集 - 若松広大
- 整音 - 山口満大
- スクリプター - 髙山秀子
- 助監督 - 塩川純平[13]
- 制作担当 - 田中耕作、石切山義貴
- ラインプロデューサー - 青柳夕子
- 絵コンテ - 伊藤康洋
- プロデューサー補 - 瀧島南美
- キャラクターデザイン - K-SuKe
- 製作プロダクション - 東映テレビ・プロダクション[13]
- 制作 - スーパー戦隊MOVIEパーティー(東映、テレビ朝日、東映ビデオ、バンダイ、東映エージエンシー、日本コロムビア)[13]
- プロデューサー - 塚田英明・望月卓(東映)、井上千尋・島川博篤(テレビ朝日)、山田真行(東映ビデオ)、矢田晃一・深田明宏(東映エージェンシー)
- アクション監督 - 福沢博文[13]
- 特撮監督 - 佛田洋[13]
- 監督 - 山口恭平[13]
スペシャルエンディング[編集]
エンディングでは3Dのスター☆トゥインクルプリキュアと共演、ダンスでは4大戦隊とプリキュア3作品がケボーンダンスを踊る。TTFC最速バージョンでは収録されず、および尺の都合もありテレビ放送でもカットされている。
- エンディング曲
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- 「教えて...!トゥインクル☆」
- 作詞・作曲 - MUTEKI DEAD SNAKE / 編曲 - 生田真心 / 歌 - 吉武千颯
- 「ケボーン!リュウソウジャー」
- 作詞 - KOCHO / 作曲 - 奥井康介 / 編曲 - 中塚武 / 歌 - Sister MAYO
- ダンス出演
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- 『魔進戦隊キラメイジャー』より5人
- 『スター☆トゥインクルプリキュア』より5人
- 『騎士竜戦隊リュウソウジャー』より6人
- 『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』より7人
- 『HUGっと!プリキュア』よりキュアエール
- 『ヒーリングっど♥プリキュア』よりキュアグレース
- スタッフ
ネット動画[編集]
『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO ヒーローインタビュー』は、東映特撮ファンクラブ限定配信の動画。キラメイジャーにスカウトされた時の様子を語るインタビューという形式で構成されており、台本なしでインタビューに答えるという形で、各エピソードに1カットを映画とは異なるカットで撮影されている。監督は山口恭平[17]。
- Vol.1 速見瀬奈編 2020年2月 8日配信
- Vol.2 押切時雨編 2020年2月15日配信
- Vol.3 射水為朝編 2020年2月22日配信
- Vol.4 大治小夜編 2020年2月29日配信
Blu-ray/DVD[編集]
『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー』と2作セットの『スーパー戦隊MOVIEパーティー VS&エピソードZEROスペシャル版』Blu-ray・DVDが2020年6月24日に発売。東映特撮ファンクラブ(TTFC)会員購入特典ではメイキングDVDが特典として付く[18]。
備考[編集]
- 射水為朝がプレイするeスポーツの映像で『GOD EATER 3』を使用している[12]。
- 速見瀬奈編に登場するウェアやシューズのメーカーは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』に登場する企業スクラッチ社製となっている[12]。
- 押切時雨編で、時雨の演じる侍が繰り出した技名は映画『GOZEN-純恋の剣-』からのオマージュである[12]。
- 劇中終盤に、博多南無鈴の背後に、ペン・りんご・パイナップルが映るシーンがある。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO 初のテレビシリーズ開始前の劇場版“始まりの物語”毎日新聞 2020年2月7日
- ^ a b c 公式ウェブサイト
- ^ “「魔進合体 DXキラメイジンセット」&「赤いスポーツカー魔進」先行抽選販売決定!”. 東映 (2020年1月31日). 2020年1月31日閲覧。
- ^ “映画『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』がTTFC最速バージョンで早くも見放題配信決定!”. 東映 (2020年2月8日). 2020年2月8日閲覧。
- ^ Inc, Natasha. “「ゼロワン」「キラメイジャー」新作エピソード放送延期に、特別編や劇場版をOA” (日本語). 映画ナタリー. 2020年5月10日閲覧。
- ^ a b c d 宇宙船169 2020, pp. 52-53, 「[インタビュー]山口恭平」
- ^ パンフレット p23
- ^ 東映HM61 2020, pp. 31-32, 取材・構成 トヨタトモヒサ「KIRAMAGER MAIN STAFF INTERVIEW_02 山口恭平」
- ^ a b 東映HM61 2020, pp. 28-30, 取材・構成 トヨタトモヒサ「KIRAMAGER MAIN STAFF INTERVIEW_01 荒川稔久×塚田英明」
- ^ a b c d e f 東映HMS 2021, pp. 108-111, 「KIRAMAGER FEMALE WRITER INTERVIEW 01 下亜友美」
- ^ a b c d 東映HM62 2020, pp. 75-77, 「KIRAMAGER PRODUCER INTERVIEW 塚田英明[プロデューサー]」
- ^ a b c d “「魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO」劇場版・現場レポート”. 東映 (2020年2月8日). 2020年2月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al パンフレット p21
- ^ a b c d e f “ジャパンアクションエンタープライズ|出演情報|魔進戦隊キラメイジャーエピソードZERO”. ジャパンアクションエンタープライズ (2020年1月20日). 2020年2月19日閲覧。
- ^ 東映HMS 2021, p. 51, 「HEROINE'S CAST×SUIT ACTRESS CROSS TALK [SIDE:PINK] 工藤美桜×下園愛弓」.
- ^ 東映HMS 2021, p. 42, 「マブシーナVOICE×SUIT ACTRESS対談 水瀬いのり×野川瑞穂」.
- ^ “映画「魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO」連動企画!“ヒーローインタビュー”を2月8日(土)正午より東映特撮ファンクラブ(TTFC)にて配信開始!”. 東映 (2020年2月6日). 2020年2月6日閲覧。
- ^ “ここでしか見られない!『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO』メイキングDVDの特典付き!! 『スーパー戦隊MOVIEパーティー VS&エピソードZEROスペシャル版』Blu-ray&DVDをTTFCで予約受付開始!”. 東映 (2020年3月16日). 2020年3月16日閲覧。
参考文献[編集]
- 『東映ヒーローMAX』VOLUME61(2020 SPRING)、辰巳出版、2020年4月10日、 ISBN 978-4-7778-2496-0。
- 『東映ヒーローMAX』VOLUME 62(2018 AUTUMN)、辰巳出版、2020年11月10日、 ISBN 978-4-7778-2630-8。
- 『宇宙船』vol.169(SUMMER 2020.夏)、ホビージャパン、2020年8月3日、 ISBN 978-4-7986-2243-9。
- 『東映ヒロインMAX SUPREME』、辰巳出版、2020年1月10日、 ISBN 978-4-7778-2712-1。
外部リンク[編集]
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