高野史緒

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高野 史緒(たかの ふみお、女性、1966年 - )は、日本小説家。本名・井上久美子[1]茨城県土浦市出身。茨城大学人文学部卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程(フランス近世史専攻)修了。日本SF作家クラブ会員。日本・ロシア協会普通会員。日本文藝家協会会員。

1988年ニジンスキーをテーマとしたバレエ入り演劇脚本『エレヴァシオン』で第2回青山円形劇場脚本コンクールに佳作受賞(優秀作無しの年)。1994年、第6回日本ファンタジーノベル大賞に応募。『ムジカ・マキーナ』で最終選考を通過し、翌1995年、同作品で新潮社からデビューした。2012年「カラマーゾフの妹」で第58回江戸川乱歩賞受賞。

ヨーロッパを舞台とした、芸術と歴史、ことに音楽をテーマとしたSF的歴史改変小説を得意とする。イギリスのミュージシャン、音楽プロデューサーのトレヴァー・ホーンのファン知られ、作品のいくつかの「元ネタ」としていることを認めている。夫はロシア映画研究者の井上徹。2008年の長編『赤い星』以来、ロシア文化への傾斜を強くしている。2016年度から日本SF大賞選考委

作品リスト[編集]

単行本 (長編)[編集]

  • 『ムジカ・マキーナ』(1995年 新潮社 / 2002年 ハヤカワ文庫
  • 『カント・アンジェリコ』(1996年 講談社 / 2013年 講談社文庫
  • 『架空の王国』(1997年 中央公論社 / 2006年 ブッキング
  • 『ヴァスラフ』(1998年 中央公論社)
  • ウィーン薔薇の騎士物語シリーズ
    1. 『仮面の暗殺者』(2000年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
    2. 『血の婚礼』(2000年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
    3. 『虚王の歌劇』(2000年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
    4. 『奏楽の妖精』(2001年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
    5. 『幸福の未亡人』(2001年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
  • 『アイオーン』(2002年 早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション)
  • 『ラー』(2004年 早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション)
  • 『赤い星』(2008年 早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション)
    • 2010年2月現在、ペテルブルクのテラ・ファンタスチカ(Terra Fanatastica)社にて、ロシア語版作成中。翻訳者ニコライ・コノヴァレンコ(Nikolai Konovalenko)。監修はガリーナ・ドゥトキナ(Galina Dutkina)
  • 『カラマーゾフの妹』(2012年 講談社)

単行本 (短篇集)[編集]

  • 『ヴェネツィアの恋人』(2013年 河出書房新社)
    • ガスパリーニ(1996年、早川書房 ハヤカワ・ミステリ・マガジン 1996年4月号)
    • 錠前屋(2000年、光文社文庫 異形コレクション17『ロボットの夜』、2001年、講談社 日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ 2001』 、2004年、講談社文庫 日本推理作家協会編『殺人作法』 )
    • スズダリの鐘つき男(2002年、光文社文庫 異形コレクション21『マスカレード』)
    • 空忘の鉢(2003年、光文社文庫 異形コレクション28『アジアン怪綺(ゴシック)』)
    • ヴェネツィアの恋人(2005年、光文社文庫 異形コレクション34『アート偏愛(フィリア)』)
    • 白鳥の騎士(2005年、早川書房 SFマガジン 前編:2005年10月号、後編:2005年11月号)
    • ひな菊(2009年、早川書房 SFマガジン 2009年4月号)

短篇(雑誌・アンソロジー収録作品、単行本未収録)[編集]

  • G線上のアリア (1997年、早川書房 SFマガジン 1997年2月号)
  • 未来ニ愛ノ楽園 (1997年、早川書房 SFマガジン 1997年9月号)
  • ラー (1998年、早川書房 SFマガジン 1998年2月号)
  • ツァラトゥストラはかく歌いき (1998年、アトリエOCTA 幻想文学 第53号)
  • パリアッチョ (1999年、光文社文庫 異形コレクション14『世紀末サーカス』)
  • 私のように美しい…… (2002年、光文社文庫 異形コレクション23『キネマ・キネマ』)
  • ヴィデオ・スターの悲劇 (2002年、早川書房 SFマガジン 2003年1月号『ことのはの海 カタシロノ庭』)
  • ミューズ (2003年、光文社文庫 異形コレクション26『夏のグランドホテル』)
  • イスタンブール(ノット コンスタンティノープル) (2005年、光文社文庫 異形コレクション32『魔地図』)
  • レニングラードの昼 ペテルブルクの夜 (2009年、光文社文庫 異形コレクション42『幻想探偵』)
  • アントンと清姫  (2010年、早川書房SFマガジン2010年9月号「東京SF化計画」)
  • 百万本の薔薇  (2012年、講談社 小説現代2012年12月号) (2013年、創元SF文庫 『極光星群 年刊日本SF傑作選』収録)
  • 悪魔的暗示  (2013年12月 講談社 江戸川乱歩賞作家アンソロジー『デッド・オア・アライヴ』収録)
  • 小ねずみと童貞と復活した女 (2015年、『屍者たちの帝国』河出書房新社    再録:2016年、年刊日本SF傑作集『アステロイド・ツリーの彼方へ』創元SF文庫)
  • 舟歌 (2015年、人工知能学会誌「人工知能」Vol.30)(2017年、文春文庫 『人工知能の見る夢は AIショートショート集』収録)
  • ハンノキのある島で (2017年、小説現代4月号)

外国語翻訳[編集]

"La ciotola della vuota dimenticanza" (「空忘の鉢」イタリア語訳)2011年、”La ciotola della vuota dimenticanza”『Alia Storie』翻訳:マッシモ・スマレ(Massimo Soumare'

”Lest You Remember” (「空忘の鉢」英語訳)『Speculative Japan 3』Kurodahan Press、翻訳:ジム・ヒューバート(Jim Hubbert)

"Anton and Kiyohime" (「アントンと清姫」英語訳) (2012年、Tomo: Friendship Through Fiction?An Anthology of Japan TeenStories (Edited by Holly Thompson),Stone Bridge Press収録。翻訳:ハート・ララビー(Hart Larrabee) )。 2011年3月11日の東北・東日本大震災チャリティのための出版。

翻訳[編集]

『ビックバンとインフレーション 世界一短い最新宇宙論入門』(翻訳、原文英語)

ジョン・グリビン・著、高野史緒・訳、2016年、Amazon Single

アンソロジー編纂[編集]

  • 『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(2011年9月 東京創元社)ISBN:978-4-488-01339-4

冷戦終結後、ほとんど紹介されなかった東欧幻想文学を21世紀に書かれた作品で構成するアンソロジー。東欧文学史上初、十カ国十言語を重訳なし、オリジナル言語からの直訳を実現。

論文[編集]

『ミステリとしての「カラマーゾフの兄弟」 スメルジャコフは犯人か?』 2013年5月 東洋書店 ISBN 4864591105    大著『カラマーゾフの兄弟』の瑕疵に見える二か所は瑕疵ではなく、フョードル殺しの真犯人につながる証拠かもしれないとして、原著を精読。事件当日のタイムテーブル完全版を作成する等、精緻に名作を掘り起こして光を当てる。

CD解説[編集]

アート・オブ・ノイズ 『ドビュッシーの誘惑』

2009年、ZTTアーカイブス、デラックス・エディション

ランキング(長編のみ。2017年の時点でデータ不完全)[編集]

『ムジカ・マキーナ』 SFマガジン ベストSF1995 国内長編部門第4位

『カント・アンジェリコ』 SFマガジン ベストSF1996 国内長編部門7位

『架空の王国』 SFマガジン ベストSF1997 国内長編部門7位

『アイオーン』 SFが読みたい! 2002年国内部門13位

『赤い星』 SFが読みたい! 2008年国内部門5位

『時間は誰も待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』 SFが読みたい! 2008年海外部門 8位

『カラマーゾフの妹』 SFが読みたい! 2012年国内長編部門10位

           本格ミステリベスト10 2012年国内部門11位

           このミステリーがすごい!2013 2012年国内部門第7位

           週刊文春ミステリーベスト10 2012国内部門第3位

[編集]

  1. ^ 『文藝家協会ニュース』2013年4月号

外部リンク[編集]