高橋健

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高橋 健(たかはし けん、1930年7月25日[1] - 2007年3月1日[2])は、日本編集者児童文学作家動物文学作家、翻訳家。本名は高橋健(タカハシ タケシ)[1]。俳号は草風子[1]

来歴[編集]

岐阜県関市に生まれる[3]大阪府大阪市で育つ[1]

15歳で終戦を迎えるまでの5年間を、父の勤務地である上海で過ごす[1]。1954年、早稲田大学教育学部英語英文学科卒業[4]早大在学中は早大童話会に所属、坪田譲治に師事[1]。1955年平凡社に入社[1]

20年間の編集者生活ののち、1975年に退社し、以後作家生活に入る[1]。この間、1973年動物雑誌「アニマ」を企画・創刊、初代編集長を務めた。また、1961年、コピー部門で朝日広告賞を受賞[5]

映画「キタキツネ物語」企画・原案を担当[3]。また、1975年頃より山梨県日野原一帯の雑木林に生息するオオムラサキ(蝶)の調査を小・中学生参加によって毎年実施、その自然環境の保護を訴え、1979年オオムラサキを守る会を設立[1]。1985年には、サンリオ制作によるドキュメンタリー映画『風のファンタジー・オオムラサキの詩』(監督:川名満雄後藤雅毅)が公開された。

1993年から浅間山系の高層湿原の保護運動をはじめ、湿原をそのまま野外博物館にする会を創設し[1]、「池ノ平湿原保護調査委員会」委員長[6]

1988年6月4日には、手塚治虫矢島稔田中栄治らと「日本昆虫倶楽部」を創設してもいた(初代会長手塚治虫、二代目会長弘世徳太郎日本生命副社長)、三代目会長矢島稔[7]

日本文芸家協会会員[1]

びわの実学校」(坪田譲治が 1963年に創刊し1997年に廃刊した児童文学同人誌)編集同人[8]。「びわの実ノート」(松谷みよ子主宰。「びわの実学校」の後継誌。)編集同人[6]。2003年、赤い鳥文学賞新美南吉児童文学賞選考委員[9]

受賞歴[編集]

  • 1980年 - サンケイ児童出版文化賞(第27回)「しまふくろうのまんと」[1]
  • 1981年 - サンケイ児童出版文化賞(第28回)「自然のなかの動物たち」(全10巻)[10]
  • 1985年 - 動物映画コンクール総理大臣賞(「オオムラサキの詩」)[6]
  • 2001年 - サンケイ児童出版文化賞 (第48回)「未来へ残したい日本の自然」シリーズ(全5巻)[9]

著書[編集]

「ポプラ社しゃしんえほん」[編集]

「たかはし・けん」名義

  • 『こっちゃんときたきつね』(竹田津実しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1977
  • 『ゆういちとくまたか』(宮崎学しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1977
  • 『まさきくんとえぞしか』(窪田正克しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978
  • 『みよとたんちょうづる』(林田恒夫しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978
  • 『さぶちゃんとうぐい』(桜井淳史しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978
  • 『そうちゃんとえぞりす』(鈴木泰司しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978
  • 『たかしとくろおおあり』(栗林慧しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978
  • 『ひろしとおおむらさき』(海野和男しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978
  • 『かつよしとにほんざる』(吉野信しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978
  • 『あやちゃんとふくろう』(嶋田忠しゃしん、ポプラ社、ポプラ社しゃしんえほん) 1978

「自然観察ものがたり」[編集]

  • 『ふるさとの川の番人カワセミ』(たかはしきよし絵、講談社、自然観察ものがたり1) 1979
  • 『エゾシカの足あとを追って』(清水勝絵、窪田正克写真、講談社、自然観察ものがたり2) 1979
  • 『湿原に生きるタンチョウ』(林田恒夫写真、講談社、自然観察ものがたり3) 1979
  • 『ニホンザルの群れを追う』(清水勝絵、吉野信写真、講談社、自然観察ものがたり4) 1980
  • 『雑木林のなかを飛ぶオオムラサキ』(海野和男写真、講談社、自然観察ものがたり5) 1980
  • 『断崖にすむニホンカモシカ』(岩瀬純二, 細田倖市写真、講談社、自然観察ものがたり6) 1980
  • 『北海に生きるゼニガタアザラシ』(窪田正克写真、講談社、自然観察ものがたり7) 1980
  • 『清流におどるイワナ』(桜井淳史写真、講談社、自然観察ものがたり8) 1981
  • 『丹沢に飛ぶクマタカ』(中村道也写真、講談社、自然観察ものがたり9) 1981
  • 『キタキツネの原野をいく』(竹田津実写真、講談社、自然観察ものがたり10) 1981

「どうして絵本動物シリーズ」[編集]

  • らくだはどうしてこぶがあるの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • きりんのくびはどうしてながいの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • しかはどうしてつのがあるの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • だちょうはどうしてとべないの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • しろくまはどうしてまっしろなの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • ぞうのはなはどうしてながいの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • かんがるーはどうしてふくろがあるの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • かばのくちはどうしておおきいの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • てながざるのてはどうしてながいの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982
  • らいおんはどうしてたてがみがあるの』(長野博一絵、佼成出版社、どうして絵本動物シリーズ) 1982

「キタキツネチロンとなかまたち」[編集]

「たかはしけん」名義

  • 『キタキツネのチロン』(井口文秀絵、小峰書店、こみね創作童話) 1978、のちてのり文庫 1988
  • 『さんぽのすきなノウサギチムニ』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1984
  • 『なきむしのフクロウウルペ』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1984
  • 『おひとよしのヨシキリヨックル』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1984
  • 『ぼうけんをしたシマリスプル』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1984
  • 『とべなくなったハクチョウレタ』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1984
  • 『ひとりぼっちのエゾシカニクル』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1985
  • 『キタキツネのおか』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1985
  • 『おてんばなノネズミエルム』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1985
  • 『ひっこしずきのエゾリスピッタ』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1985
  • 『もぐりのへたなアカガエルケプル』(かみやしんえ、小峰書店、キタキツネチロンとなかまたち) 1985

「サンリオのキタキツネ絵本」[編集]

「たかはしけん」名義

  • 『泣きむしチプ』(かみやしんえ、サンリオ、サンリオのキタキツネ絵本) 1986
  • 『ルーラとのめぐりあい』(かみやしん絵、サンリオ、サンリオのキタキツネ絵本) 1986
  • 『シリカのひとりだち』(かみやしんえ、サンリオ、サンリオのキタキツネ絵本) 1986

「未来へ残したい日本の自然」[編集]

翻訳[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 日外アソシエーツ現代人物情報より
  2. ^ 動物作家の高橋健さん死去 雑誌「アニマ」初代編集長
  3. ^ a b 『生きるかたち - 高橋健小説集』著者紹介
  4. ^ 朝日新聞人物データベースより
  5. ^ 『キネマ旬報』1978年7月下旬号・『キタキツネ物語関係者』座談会のプロフィールより
  6. ^ a b c 朝日新聞人物データベース
  7. ^ 日本昆虫倶楽部ご案内
  8. ^ 『キタキツネのチロン』(小峰書店)著者紹介
  9. ^ a b 読売人物データベース
  10. ^ 読売人物データベースより