高木美帆

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高木美帆
高木美帆
2013年世界距離別選手権
基本情報
国籍 日本の旗 日本
所属 日本体育大学
誕生日 (1994-05-22) 1994年5月22日(24歳)
出身地 北海道中川郡幕別町
身長 164cm
体重 58kg[1]
血縁者 高木菜那
 
獲得メダル
女子スピードスケート
オリンピック
Olympic rings with transparent rims.svg
2018 平昌 団体パシュート
2018 平昌 1500m
2018 平昌 1000m
世界オールラウンド選手権
2017 ハーマル 総合
2018 アムステルダム 総合
世界距離別選手権
2015 ヘーレンフェイン 団体パシュート
2016 コロムナ 団体パシュート
2016 コロムナ マススタート
2017 江陵 団体パシュート
2017 江陵 1500m
ISUワールドカップ
2015-16 団体パシュート
2016-17 団体パシュート
2017-18 団体パシュート
2017-18 1500m
2017-18 総合

高木 美帆(たかぎ みほ、1994年5月22日 - )は、日本スピードスケート選手。日本体育大学体育学部体育学科卒。日本体育大学助手。血液型O型[2]。1500mおよび3000mの日本記録保持者。

500mから3000mまでこなすオールラウンダーである。バンクーバーおよび平昌オリンピック日本代表選手。2018年世界オールラウンド選手権優勝者。また世界オールラウンド選手権と世界距離別選手権で計6つのメダルを獲得している。

2018年平昌オリンピック団体パシュートで金メダルを獲得した。これは2010年バンクーバー大会の同種目銀メダルを上回る初の快挙であり、オリンピックレコード(2分53秒89)を記録してのメダル獲得であった。同五輪個人種目では1500mで銀メダル、1000mで銅メダルを獲得し、夏冬五輪通じて日本人女子として初めて同一大会で金・銀・銅のメダルを獲得した。

2017/18シーズンのワールドカップでは、1500m総合優勝と、全種目での総合優勝、また、日本チームの一員として団体パシュートでの全勝を成し遂げた。

姉もスピードスケーターでオリンピック2大会(ソチ、平昌)日本代表選手の高木菜那。団体パシュートメンバーとして二人は夏を含め日本初の姉妹金メダリストである。

経歴[編集]

北海道中川郡幕別町出身。幕別町立札内中学校北海道帯広南商業高等学校日本体育大学体育学部体育学科卒業。

両親と兄・姉(高木菜那)の5人家族で、兄・姉もスピードスケート選手である。兄や姉の影響で5歳からスケートを始める。

7歳からはサッカーにも打ち込み、中学ではとかち帯広フットボールクラブでプレー。男子に混じりフォワードでレギュラーを獲得。北海道選抜としてJヴィレッジでのナショナルトレセン女子U-15合宿にも参加した[3]。ちなみにこの時、美帆と共にトレセン合宿に参加したメンバーには高木ひかり大矢歩猶本光など、2018年度に日本女子代表に選出されている選手がいた[3]

2009年1月の全日本ジュニアスピードスケート選手権で総合優勝。2月ポーランドザコパネで開催された世界ジュニア選手権で総合4位。同月にオランダフローニンゲンで開催されたジュニアワールドカップ500m、1000m優勝。2×500m合計タイム80秒61は中学新記録。

2009年12月長野エムウェーブで開催されたバンクーバー五輪代表選考会で1500mを1分59秒47の中学新記録で優勝。1000mも中学新記録になる1分17秒77の3位、3000mは4分13秒09の3位となり、1000m、1500m、チームパシュート(団体追い抜き)で五輪代表に選出される(3000mは体力面を考慮して補欠)。中学生での五輪代表は、1980年レークプラシッド五輪日本選手団加藤美善1992年アルベールビルオリンピック日本選手団糸川敏彦の17歳を抜いて日本スピードスケート史上最年少[4]

2010年2月のバンクーバー五輪では、1000mは完走できなかった1人を除いて最下位の35位、1500m23位と振るわなかった。3月にモスクワで行われた世界ジュニア選手権では姉の菜那、押切美沙紀とともに出場したチームパシュートで銀メダルを獲得[5]

2010年、帯広南商業高校へ進学。2012年1月21日、ワールドカップ・ソルトレイクシティー大会の1000mで1分15秒40の世界ジュニア新記録を樹立[6]。3月、帯広市の明治北海道十勝オーバルで開催された世界ジュニア選手権で、日本人選手としては2004年の石野枝里子以来となる総合優勝を達成[7]イタリアコラルボで行われた翌年の大会でも総合優勝し、日本人初の連覇を果たした[8]

大学進学と代表落選まで[編集]

2012年12月19日日本体育大学にスポーツ推薦で合格[9]。2013年4月、同大学へ進学。

2013年12月、イタリアのトレントで行われた冬季ユニバーシアード1000mで金メダルを獲得[10]

2013年12月に行われたソチオリンピック代表選考会は不振で全ての種目で5位に終わった。そのため、日本代表から落選し、悔しい思いをした。大学に進学せずに実業団に所属していた姉の高木菜那はソチ五輪日本代表として選ばれた[11]。ソチ五輪への強い思いをしきりに口にしていた姉の菜那を「そんなにガツガツしなくても…」と美帆は一歩引いて見ていた。しかし、落選後に「そういう気持ちの差は、練習に対しての思いとか行動に表れる」と悟ったと述べている。この挫折が姉と同じ闘争心を芽生えさせた[12]

世界制覇への道[編集]

2015年から日本のナショナルチームのヘッドコーチに就任したヨハン・デ・ヴィットの元で計画的な筋力トレーニングなどを行った[13]。2015年2月にオランダ・ヘーレンフェインで開催された世界距離別スピードスケート選手権の団体パシュートに菊池彩花、姉の高木菜那と出場し、決勝でオランダチームに100分の2秒差で上回り、団体パシュートで日本初の金メダルを獲得[14]

2016年12月3日、カザフスタンアスタナで開催されたワールドカップ第3戦英語版1000mで初優勝。12月21日、全日本選手権で全4種目で優勝の完全優勝で、田畑真紀以来14年ぶり史上7人目の快挙を達成した[15]

2017年2月21日、札幌冬季アジア大会スピードスケート、1500メートルでは1位。2位が押切美沙紀、3位は高木菜那[16]。23日、マススタートで、金メダルを獲得した。佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が銀[17]

2017年3月3日から5日にかけてノルウェーのハーマルで開催された世界オールラウンドスピードスケート選手権大会において銅メダルを獲得。日本勢のメダル獲得は田畑真紀以来17年ぶり。

2017年3月11日、ノルウェースタバンゲルで行われた、スピードスケートのワールドカップ(W杯)同季最終戦、団体パシュートで日本(押切美沙紀、高木美帆、高木菜那)は3分0秒60で、2季連続の種目別総合優勝を決めた[18]

2017年3月に日本体育大学を卒業し、日本体育大学野外スポーツ系運動学群氷上スポーツ研究室助手に採用された(任期は3年間、指導教員は青柳徹[19]

2017/18シーズン、11月10日から12日に行われたワールドカップ・ヘーレンフェイン大会の初日、団体パシュートで日本(美帆、高木菜那、佐藤綾乃)は2分55秒77の世界新記録で優勝。このタイムは2009年にカナダがオリンピックオーバルで出した記録を0秒02上回り、また、同走で2位に入ったオランダに3秒29の大差をつける圧勝だった[20][21]。二日目、1500mを1分54秒68のタイムで優勝[22]

2017年11月17日から19日に行われたワールドカップ・スタバンゲル大会の初日の1500mで1分55秒30のタイムで優勝[23]

2017年12月1日から3日に行われたワールドカップ・カルガリー大会の初日の3000mで3分57秒09の日本新記録で優勝[24][25]

ワールドカップ・ソルトレイクシティ大会で、2017年12月8日、団体パシュートで菜那・佐藤と共に2分50秒87の世界新記録で優勝。日本人として初の更新からの3度の世界記録更新を1シーズンで果たすこととなった。

2018年2月12日 平昌オリンピックのスピードスケート1500mにて銀メダル獲得[26]。(スピードスケート日本女子選手個人としては初)

2018年2月14日 平昌オリンピックのスピードスケート1000mにて銅メダル獲得[27]

2018年2月21日 平昌オリンピックのスピードスケート団体パシュートに高木菜那、佐藤綾乃、菊池彩花と出場してオリンピックレコードとなる2分53秒89で金メダル獲得[28]。会場の江陵は「高速リンク」と呼ばれることはあるものの、低地世界記録でもある。日本人で金を含む3つ以上のメダルを同一大会で獲得するのは、冬季オリンピックでは長野大会の船木和喜以来20年ぶり2人目の快挙である。夏季と冬季のオリンピックを通じて日本人女子で初めて1大会で金銀銅すべてのメダルを獲得した[29]

2018年3月10日 オランダアムステルダムで行われた世界オールラウンドスピードスケート選手権大会にて、男女を通じて日本選手としてのみならず、欧米以外の選手としても史上初となる大会総合優勝を飾った[30]

2017/18シーズンのワールドカップ最終戦で、3月17日の団体パシュートで菊池・佐藤と共に優勝した。また、翌日の18日には、同大会の1500mで優勝し、同シーズンのワールドカップの団体パシュート全勝 (日本人初・3季連続同種目総合優勝)・1500m総合優勝 (日本女子初)・全種目での総合優勝 (日本人初)を果たす。

2018年春の褒章で紫綬褒章を受章[31]

人物・エピソード[編集]

  • バンクーバー五輪代表選考会1000mは岡崎朋美を上回る3位(岡崎は4位)で代表選出。代表枠4だったので岡崎も代表選出されたが、岡崎は高木の23歳年上であったため「親子みたい」とコメント[32]
  • 進学希望だった帯広南商業高等学校は推薦入試の予定だったが、推薦面接予定日とオリンピック開幕日が重なり、一般入試当日も世界ジュニア選手権と日程が重なるため、高木の両親や日本スケート連盟の申し入れで北海道教育委員会が検討し、前例のない「入学試験の前倒し受験」を行った。
  • 高校の卒業式も海外遠征で参加できなかったため、後日、高木一人だけのために卒業式を行った[33]
  • 座右の銘は「一球入魂」である。
  • ヒップホップダンスを習っている。
  • 家入レオのファンであり、2016年に故郷の幕別町で開催されたライブを姉の菜那らと観覧し楽屋訪問。以降LINEや手紙で交流がある[34]
  • GLAYのHIGHCOMMUNICATIONS TOUR2007-2008帯広市民文化ホール公演において、当ツアー恒例の、アンコール時に客席から1名ないし1グループをステージ上に上げ、やってほしい曲をリクエストするコーナーで選ばれた。後のGLAY LIVE TOUR2010-2011 ROCK AROUND THE WORLDの同会場公演にも参加し、TERUのMCで紹介された。
  • 2010年3月22日北海道日本ハムファイターズ vs 福岡ソフトバンクホークス戦(札幌ドーム)にて、5回裏終了時にインターバルショーを務めた。
  • 2012年8月7日の北海道日本ハムファイターズvs福岡ソフトバンクホークス戦(帯広の森野球場)にて始球式を務めた。
  • 高木菜那、美帆共に平昌五輪で新たな記録を叩き出しており、姉菜那は夏冬通じて女子選手として初めて同一大会で二個の金メダルを獲得し、妹美帆は夏冬通じて女子選手として初めて同一大会で金、銀、銅の全ての色のメダルを獲得した。
  • 前述の通り平昌オリンピックでは3つのメダルを獲得したが、この大会では姉の菜那も金メダル2つを獲得しており、姉妹の獲得数を合算すると国別メダルランキングの13位に相当するとネット上で話題になった (本来は15位)[35][36]
  • 長野五輪金・銅メダリストで同じ北海道出身の清水宏保が結婚した関係で遠い親戚になっていたことがVS嵐の放送でわかった[37]

脚注[編集]

  1. ^ 高木 美帆 (スピードスケート) - 平昌オリンピック2018 - JOC
  2. ^ 強化選手 日本スケート連盟
  3. ^ a b “「2008ナショナルトレセン女子U-15」を開催” (日本語) (HTML) (プレスリリース), 日本サッカー協会, (2008年12月17日), https://www.jfa.or.jp/training/topics/2008/d20081217_1.html 2017年10月20日閲覧。 
  4. ^ 五輪全体での最年少は1936年ガルミッシュパルテンキルヒェンオリンピックフィギュアスケート稲田悦子(12歳)。
  5. ^ 団体追い抜き女子は世界ジュニアも銀 Archived 2014年2月20日, at the Wayback Machine.苫小牧民報社2010年3月15日
  6. ^ 長島が今季初勝利 小平は日本新で2位 高木世界ジュニア記録樹立日本スケート連盟
  7. ^ スケート:高木美帆総合V…日本人8年ぶり 世界ジュニア - 毎日新聞[リンク切れ]
  8. ^ 高木美帆2年連続総合優勝/Sスケート-ニッカンスポーツ2013年2月23日
  9. ^ 「スケートも学業も頑張る」 高木美帆が日体大に合格 Archived 2013年2月5日, at the Wayback Machine. - MSN産経ニュース 2012年12月20日
  10. ^ スケート高木美帆が1000m金 冬季ユニバJOC 2013年12月19日
  11. ^ [1]「限界に挑み続ける」高木美帆 成長の軌跡
  12. ^ [2]姉と妹、目指した栄冠=ライバルから戦友へ〔五輪・スピードスケート〕
  13. ^ [3]「限界に挑み続ける」高木美帆 成長の軌跡
  14. ^ 日本 女王オランダ破りチームパシュートで初優勝 Archived 2015年2月15日, at the Wayback Machine. スポーツニッポン 2015年2月14日閲覧
  15. ^ 高木美帆が完全優勝 田畑以来14年ぶり”. 東京新聞 (2016年12月22日). 2016年12月25日閲覧。
  16. ^ 高木菜那、3位なのに銅メダルなし なぜ?(アジア大会スピードスケート)The Huffington Post(2017年2月22日), 2017年02月22日閲覧。
  17. ^ スピードスケートの高木美が3冠=アルペン長谷川ら金-冬季アジア大会ライブドアニュース(2017年2月23日), 2017年2月23日閲覧。
  18. ^ 小平奈緒、W杯2度目の種目別優勝…7戦全勝で[リンク切れ]読売新聞(2017年3月11日), 2017年3月11日閲覧。
  19. ^ “高木美帆が日体大助手に「平昌に向かっていくだけ」/スピード”. サンケイスポーツ. 産業経済新聞社. (2017年4月1日). http://www.sanspo.com/sports/news/20170401/ska17040111500001-n1.html 2017年10月20日閲覧。 
  20. ^ 女子団体追い抜き、日本が世界新で優勝…W杯 MSN読売新聞2017年11月10日閲覧
  21. ^ 日本女子団体追い抜き、大胆新作戦で世界新の快挙「3つの要因」を記者が解説スポーツ報知2017年11月12日閲覧
  22. ^ スピードスケートW杯 女子1500mで高木が優勝 Archived 2017年11月17日, at the Wayback Machine.NHK NEWS WEB2017年11月12日閲覧
  23. ^ 小平奈緒、500mで20連勝 W杯、高木美帆も1500m優勝上毛新聞2017年11月18日閲覧
  24. ^ Result 3000m Ladies Division A国際スケート連盟2018年2月11日閲覧
  25. ^ 高木美、女子3000で優勝=日本記録も更新-W杯スケート時事通信2018年2月11日閲覧
  26. ^ “高木美帆、1500で銀メダル!小平6位 菊池16位/スピード”. サンケイスポーツ. (2018年2月12日). http://www.sanspo.com/pyeongchang2018/news/20180212/pye18021222470081-n1.html 2018年2月22日閲覧。 
  27. ^ “高木美は晴れやか銅メダル「1500メートル以上にすがすがしい」”. 産経新聞. (2018年2月15日). http://www.sankei.com/pyeongchang2018/news/180215/pye1802150001-n1.html 2018年2月15日閲覧。 
  28. ^ “日本が金メダル スピードスケート女子団体追い抜き”. 産経新聞. (2018年2月21日). http://www.sankei.com/pyeongchang2018/news/180221/pye1802210075-n1.html 2018年2月22日閲覧。 
  29. ^ “高木美帆、女子初の金銀銅全メダル!夏季は男子8人”. 日刊スポーツ. (2018年2月21日). https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/speedskate/news/201802210000626.html 2018年2月22日閲覧。 
  30. ^ 高木美帆、日本勢初の総合優勝 スピードスケート世界選手権 スポーツニッポン2018年3月11日閲覧
  31. ^ 紫綬褒章受章者 時事ドットコム、2018年4月28日
  32. ^ 高木美帆、V締め!3種目で代表/スケート - iza(サンケイスポーツ) 2009年12月31日(2010年2月12日時点のアーカイブ
  33. ^ 「高木美帆1人だけの卒業式、日体大に進学」 - ニッカンスポーツ・コム 2013年3月29日
  34. ^ 家入レオ、パシュート高木姉妹の『金』に感激「本当にかっこよかった」 - サンケイスポーツ 2018年2月22日
  35. ^ なお、この計算ではチームパシュートのメダルを別々に数えているが、国別メダルランキングではチームスポーツや団体競技のメダルは人数にかかわらず1つとして数える。それを踏まえても高木姉妹の獲得数は15位に相当する
  36. ^ 驚異の姉妹 高木家が国別メダルランキングで13位!?ネットで話題にデイリースポーツ 2018年2月25日 同年2月27日閲覧
  37. ^ “5月10日VS嵐より” 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]