飯高寺

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飯高寺

講堂
所在地 千葉県匝瑳市飯高1789番地
位置 北緯35度44分39.8秒 東経140度31分45.3秒 / 北緯35.744389度 東経140.529250度 / 35.744389; 140.529250
山号 妙雲山
宗派 日蓮宗
寺格 檀林
本尊 三宝尊
創建年 1580年(天正8年)
開山 日尊
開基 平山刑部常時
正式名 妙雲山飯高寺
別称 飯高檀林
文化財 講堂(重要文化財)ほか
法人番号 2040005011821 ウィキデータを編集
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飯高寺(はんこうじ)は、千葉県匝瑳市飯高にある日蓮宗寺院山号は妙雲山。関東における日蓮宗の主要な檀林(僧侶の学問所)の一で、飯高檀林(いいだかだんりん)と称された。檀林の機能は19世紀に入ってから立正大学に受け継がれている。

概要[編集]

匝瑳市の中心部から北方へ約8kmの台地上に造られた、関東で最初の日蓮宗檀林(飯高檀林)である。 徳川家康養珠院徳川頼房徳川頼宣などの外護を受け、格式の高い檀林へ発展した。 他の檀林から編入した学徒は下の学部へ落とされるなど、諸檀林のなかでも優位性ははっきりと示されており、日蓮宗最高かつ最大の学問機関に位置づけることができる。

天正5年(1573年)に、日統が匝瑳市飯塚・光福寺に学室を開いたことが檀林の前身とされる。 後に京都から日生を招き、土地の有力者で刑部少輔平山常時や妙福寺・日円などの後援を得て、学室を飯高・妙見山妙福寺に移した。これが飯高檀林の発祥である。

就学課程は8課程で、名目部から入学して、四教学部、集解部、観心部、玄義部、文句部、止観部、御書科を36年間の期間をかけて修了する。

明治5年(1872年)に学制発布のため廃檀となり、294年間の歴史を閉じた。その名跡を継いだのが立正大学で、境内に「立正大学発祥之地」の碑が建てられている。 講堂・鐘楼・鼓楼・総門が国指定の重要文化財、檀林跡としては境内全体が千葉県指定の史跡になっており、歴史的建造物を保存するため、本堂の改修工事が行われた。

近年、講堂の裏庭には520株の牡丹が植えられて、名所として人気を集めている。また、秋には講堂を舞台に飯高壇林コンサートが開催される。

歴史[編集]

[1][2]

立正大学発祥之地碑

文化財[編集]

重要文化財(国指定)[編集]

  • 講堂 - 慶安4年(1651年)の建立。桁行26.7m、梁間18.2m、一重、入母屋造、とち葺。昭和55年(1980年)05月31日指定。
  • 鐘楼 - 承応3年(1654年)以前の建立。桁行一間、梁間一間、一重、入母屋造、こけら葺。昭和55年(1980年)05月31日指定。
  • 鼓楼 - 享保5年(1720年)の建立。桁行一間、梁間一間、袴腰付、入母屋造、茅葺。昭和55年(1980年)05月31日指定。
  • 総門 - 延宝8年(1680年)の建立。高麗門、銅板葺。昭和55年(1980年)05月31日指定。

千葉県指定史跡[編集]

  • 飯高檀林跡 附:経蔵、題目堂、庫裡

匝瑳市指定文化財[編集]

  • 飯高寺の天蓋(匝瑳市指定有形文化財)
  • 黄門桜(匝瑳市指定天然記念物)千葉県匝瑳市飯高2088-4

脚注[編集]

  1. ^ [ふるさとの歴史(飯高地区のむかしより]
  2. ^ [八日市場の村々]

参考文献[編集]

  • ふるさとの歴史(飯高地区のむかし)編:石渡治雄 発行:飯高地区の歴史を守る会 飯高教育振興会
  • 八日市場の村々 編:八日市場市史編さん委員会

交通アクセス[編集]

外部リンク[編集]