風の谷のナウシカの登場人物

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風の谷のナウシカ > 風の谷のナウシカの登場人物

風の谷のナウシカの登場人物(かぜのたにのナウシカのとうじょうじんぶつ)では、宮崎駿漫画風の谷のナウシカ』、および、これを原作とするアニメーション映画ゲーム作品に登場する架空の人物について説明する。

はじめに[編集]

主に原作版(漫画版)の設定を記述し、映画版の設定についても併記する。原作漫画のみに登場する場合は「」、映画版のみに登場する場合は「」と表記する。

英語名は特定できるキャラクターに限って表記する(英:〇〇と表示する)。英語名は日本語名の対訳名ではなく、あくまで英語版における当該キャラクター名[1]を示している。ラステルのように複数の綴りがある例もある。

風の谷[編集]

主人公ナウシカの故郷である小国「風の谷」の住人と出身者。

ナウシカ英:Nausicaä[注 1]

声 - 島本須美(ナウシカ)
本作の主人公。16歳[2]。風の谷の族長ジルの末娘で、母や10人の兄姉達は腐海の毒 (瘴気 (しょうき) (毒ガス) ) による病気で亡くなっている。父には深く愛されていたが、母からは愛情を受けずに育った。谷の子供からは「姫姉様」、大人からは「姫様」と呼ばれ、原作・映画共に苗字は無く「風の谷の (ジルの子) (原) ナウシカ」と名乗っている。原作の彼女のイヤリングは、 (恐らくユパが母にくれた物) 腐海を貫くタリア川の石[3]でできた母の形見[4] (映画も (原作ワイド判第6巻表紙絵等と映画は赤い) イヤリングをつけているが、母の形見かどうかは不明) 。原作は、他国の人から「魔女」、「女神」、「白い翼の使徒[5]」、「鳥の人[6]」等と様々な呼称で呼ばれる。
愛と優しさで子供達や人々を惹きつけ、強いリーダーシップで人々を導くカリスマ性を持つ少女。
「風使い[7]」として大気の流れを読み、凧(メーヴェ)を自在に乗りこなす。「腐海一の剣士」と評されるユパ・ミラルダに師事した事で、自身も原作でトルメキアの精鋭装甲兵 (親衛隊) や土鬼(ドルク)の僧兵を、一騎討ちで倒す程の剣術の腕前を持ち、身体能力にも優れている。原作・映画共に飛行機の大きな残骸を持ち上げる腕力もある。トリウマのカイに乗り (原) 、キツネリスのテトを連れている。
彼女からすれば腐海の生き物も等しく愛しい存在である。密かに腐海の植物を城の地下で育て、植物が出す毒は大地と水の (表層の) 毒を吸っているからだという事に気付いている。原作・映画共に生き物の心を理解し、原作は超常の力として、テレパシー(念話)の能力や念動力も持ち、幽体離脱もでき、原作・映画共にイメージ映像を人に見せる能力もある。
原作・映画共に彼女は丈の長い平服[8] (丈の長い女服[9]) の時に、宝石のついた帽子状の冠を被る。
原作ワイド判第2巻見返しイラスト等の出陣時、丈の短い腐海装束の上着 (原作ワイド判第1巻表紙絵は映画の丈の短い腐海装束の上着と同様に水色) の下に、王蟲 (オーム) の甲皮の胴ヨロイと、袖の下に同じ材料でできた手甲 (てこう) と、飛行帽の上に恐らく同じ材料でできた額当て (風の谷の紋章のレリーフ付き[10]) をつける[11][10]
原作の風の谷はトルメキアの属領の為[12]、トルメキアから出兵要請を受けて、病床の父ジルに代わり風の谷の代表となり、クシャナ率いるトルメキア軍の作戦に、城オジ達と共に従軍、土鬼の戦場に向かう。僧侶の話す神聖語と呼ばれる特別な言葉を除く、挨拶程度の土鬼語は話せる[13]。敵対する土鬼の人々とも手を取り、持ち前の行動力とまっすぐな心で多くの困難に立ち向かい、世界の秘密に迫っていく。母性的な性格で、覚醒した巨神兵 (きょしんへい) をいさめる為に「オーマ」と名付け息子とした。土鬼の聖都シュワの墓所において、墓所の主から世界再生のシナリオを知らされるが、協力を拒み、汚れた大地に生きてゆく決意を示す。その後は土鬼で暮らし、チククの成人後風の谷に戻った、あるいは森の人の元へ去ったとも伝えられる。映画は土鬼は登場せず、戦争も起こっていない。クシャナ率いるトルメキア軍の捕虜として、城オジ達と共にペジテに連れて行かれる。映画中盤の腐海の中でメーヴェで飛行中に後ろから翅蟲 (はむし) の体当たりを受け、ヘルメット (恐らく原作の飛行帽[10]と同じ物) が取れ地面に落ち、誰も気づかない内に流砂によりヘルメットは腐海の底に落ちた為、それ以後ヘルメットは被らない[14]。中盤の腐海からの脱出後に会ったペジテの身代わりの少女と交換した腐海装束の上着と手袋とスパッツ[10]とポケット (ポシェットの事) は、エンディングで元に戻っているが、終盤の出来事によりエンディングの長ズボンと靴は新しい物の様子。腐海からの脱出後に会ったペジテ市民に取り上げられたと思われるセラミック刀とメーヴェに収納していた武器も、エンディングで元に戻っている。エンディングで風の谷とペジテ市の子供達にエンジンのないメーヴェに似た (布と木と思われる) 凧の乗り方を教えている。その後旅立つユパとアスベルをメーヴェに乗り見送った。映画序盤でユパが谷に入った時はミトと共に谷の小さな風車の1枚の羽根を直していた[15]。原作でミトと共にガンシップで腐海上空を飛行中に遭遇したラステルの乗ったペジテのブリッグ (大型貨物飛行艇) の墜落後、墜落地近くにラステルの墓 (恐らく他の人のも) を作るが、後にその墓はラステルの持つ巨神兵の秘石を探す為クシャナや親衛隊と共にいる蟲使いがあばき[16]、クシャナ達が谷に来た時蟲使いがラステルの冠 (下記のラステルの項を参照) を持っているのを見てその事を知って怒り[17]、親衛隊と戦う事になった。映画もラステルが乗せられていたトルメキアの大型船 (超大型輸送機) の炎上後、谷の大人達と共にラステル達の墓 (トルメキア兵のも) を、 (谷の隅の) 谷の入り口が見下ろせる丘の上の林の中の墓地に作る[18]。原作で土鬼のシュワの庭園の中に入り、庭園の主の精神操作により死んだ母以外の外の世界の記憶を失くすが、彼女と共に庭園の中に入ったトルメキアの皇子達の楽器演奏を聴いている内に記憶を取り戻し庭園を一人で出ようとするが、中にいる動物達と主に邪魔された後主から冷酷な言葉を投げかけられ、心が折れかけた時テレパシーでセルムを呼び、幽体離脱をしたセルムの支えで立ち直った後主との会話で世界の真実を知り、主に名前を告げ庭園を出て行く[19]。原作の腐海の底で、メーヴェで飛行中に翅蟲達に襲われ腐海装束の上着が破れ、片方の二の腕が傷つき気絶し着地後[20]、腐海の底で会ったアスベルが、包帯代わりに細長く裂いた彼の (上着の) シャツ (の裾) を下着の袖の上から腕に巻いた[21]。後に会った土鬼の老婆の死んだ娘の青くない丈の長い上着をもらい、包帯代わりのシャツの上に着る[22]。その上着が王蟲の血で青く染まり[23]、傷が治り、その青い上着を丈の短い腐海装束に仕立て直した後、包帯代わりのシャツを上着の袖の上から腕に巻いた[24]。上着を仕立て直した後、余った布で飛行帽を作った[25]。原作でクシャナ軍と共に土鬼での戦闘時、自分を銃撃した (銃弾は額当てに当たった為無傷だったが、気絶しそうになった) 土鬼の少年兵を見て、アスベルに似ていると思った[26]
作中では強調されていないが胸が大きいという設定である。監督の宮崎駿はロマンアルバム『風の谷のナウシカ』[27]のインタビュー内で「城オジやお婆さんたちなど、死んでいく人をその胸の上で抱きとめてあげるために大きい」と語っている。
ルパン三世』のテレビアニメ第2シリーズ第155話(最終話)には、ナウシカに酷似しているキャラクター「小山田真希」が登場している。声優も同じ。

ジル英:JihlKing Jihl

声 - 辻村真人
風の谷の族長でナウシカの父。50歳[28]。谷の人は彼を「ジル様」と呼ぶ。妻とナウシカ以外の10人の子に先立たれている。原作・映画共に、かつては風使いとして名を馳せたが、現在は腐海の毒に侵され病にかかり、床に伏せている[29]。原作でナウシカが男だったら良かったと言っていた[30]。原作はナウシカに谷の行く末を託して病死するが、映画は谷に侵攻したトルメキアのコマンドによって銃殺される。
原作・映画共に宝石が1個ついた飛行帽状の冠を被る。

ユパ・ミラルダ英:Yupa

声 - 納谷悟朗
ジルの旧友でナウシカの師。45歳[28]。腐海一と称される剣豪[注 2]ながら争いや殺生を好まない人格者で、風の谷ではジルやナウシカと並ぶ尊敬を受ける等人望も厚い。腐海の謎を解く為、トリウマのカイとクイを連れて旅を続けており、各国の文化や歴史、自然科学、神聖語を除く土鬼語の深い知識もある教養人。原作・映画共に風の谷に来るのはナウシカの台詞によると1年半ぶりである。映画の大ババの台詞によると、彼が旅をしている理由はもう一つあり、定めにより風の谷の伝説の「青き衣の者」を探す為だという[31]
原作・映画共に風の谷に久々に帰還する途中、翅蟲にさらわれたキツネリスを人間の子供と見間違え救助の為に発砲、それに怒った王蟲に追われていた所をナウシカに助け出された。原作でナウシカがクシャナと共に土鬼へ出陣すると彼女を追って旅立ち、アスベルらと行動を共にし、土鬼に行った。原作で彼は若い頃、一度だけ腐海の底に迷い込み、その地の無毒の砂を持ち帰り、ナウシカの出陣後にジルに見せた[32] (ナウシカの台詞によるとこの砂を前に彼女に見せたという[33]) 。映画のエンディングで、今まで行った事がなかった腐海の底に、アスベルと共に向かった。原作で手袋 (上着の袖とも言える) の下に王蟲の甲皮でできた手甲をつけている[34]。原作で彼は硬貨を持たず、硬貨の代わりにタリア川の石を使う[35]
漫画は、大海嘯 (だいかいしょう) (過去に起きたものは下記の大ババの項を参照) の後トルメキアと土鬼の生き残り同士の争いを止める為に仲介に入り、トルメキアへの復讐に燃える土鬼の女性が放った手投げ弾で左腕を失う。直後に土鬼の戦士の刃からクシャナを庇って壮絶な最期を遂げ、命を持って両者和解のきっかけを作る。チククの台詞によると離れた所にいるナウシカが、チククにテレパシーで土鬼で埋葬して欲しいと伝えたという。


城オジ(しろおじ)

原作・映画共に、腐海の毒に侵され病気にかかった事による四肢硬化で農作業ができなくなり、城で働いている、年配の男性達[36]。ミトを除いてゴル以下の4人は見た目も言動もくたびれた爺さんのそれ。ミト以外の城オジは原作には固有名称がない。ちなみに、原作は「城ババ」と呼ばれる固有名称のない年配の女性達もいて (恐らく城オジ同様に腐海の毒による病気で農作業ができなくなっていると思われる) 、城で家事をしたり、薬草で (赤子用の) 薬 (ユパから薬草を渡される[3]) を作ったり、出陣前のナウシカの髪を切ったり、王蟲の甲皮の小札 (こざね) に一枚ずつ敵の弾から守るまじないをかけて胴ヨロイを作り、手甲と共にナウシカに着せたりした[37]
ミト英:Mito
声 - 永井一郎(ミト)
右眼に眼帯をした厳つい風貌の男。40歳[28]。城オジのリーダー格で、ナウシカの忠臣。漫画はジルの遺言でユパとナウシカを探して土鬼へ行き、聖都シュワに向かうナウシカを追った。神聖語を除く片言の土鬼語を話せるものの上手くは無く、ムズと思われる男性からは「毛長牛が唸っているのかと思った」と言われている。映画は状況に応じてナウシカやユパと行動を共にし、主に風の谷のガンシップ (小型戦闘機) の砲手や操縦を担当した。漫画は残された寿命の長くない事を示唆する場面があるが、映画はミトではなくゴルがそのような境遇に立たされている。
ゴル映|英:GoruGol
声 - 宮内幸平(ゴル)
漫画でギックリ、ニガ、ムズ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行していると思われる。上述の通り漫画と違って映画は寿命が残り少ない。映画は人質として彼と、ギックリ、ニガ、ムズ、ミトの5人が同行する。トルメキア軍の混乱に乗じて風の谷へ帰還した5人は、ミトとムズを除く3人でトルメキア軍の自走砲 (戦車) を奪い反乱を起こす。映画は城の大風車が1つずつ付いた2つの巨塔の手前に中庭を挟んで風見の小塔 (頂上にナウシカのメーヴェが設置されメーヴェの発射装置もある) があり、一度だけこの塔からナウシカが、メーヴェで飛び立つ時「ゴル (メーヴェを) 上げて」と言って、彼に発射装置を操作させている[38]。この塔で彼は、風の向きや風力を見る風見[39] (彼は風使いではないので (恐らく後述の風見の男性も) 、原作のナウシカ[40]や下記のテパのように、風を線の状態で目で見る事はできない様子) の仕事をしている。城の見張りもしていると思われる。原作の風の谷の城の塔の側面にも風見の小塔があり、頂上にエンジンのないメーヴェに似た、ワイヤー付きの凧の発射装置がある。原作のメーヴェは発射装置を使わない。原作の風見の塔にも風見の男性がいて見張りもしている。一度だけ腐海から帰って来たナウシカが、この塔のそばを城に向かって走りながら彼に「風見のじい、見張りを固めて」と言った[41]。テパが前述の凧で飛び立つ時、前述の発射装置を操作している様子。下記のテパの項にある土鬼の飛行船の墜落後、風見の男性と思われる男性が、土鬼のナレ族の僧正に神聖語ではない土鬼語で話しかけた (ちなみに僧正は片言のエフタル語で返事をした) 。
ギックリ映|英:Gikkuri
声 - 八奈見乗児(ギックリ)
漫画でゴル、ニガ、ムズ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行していると思われる。城オジの中で一番長身。映画は腰痛持ち。
ニガ英:Niga
声 - 矢田稔(ニガ)
漫画でゴル、ギックリ、ムズ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行していると思われる。土鬼へ行った時にはニガと思われる男性がミトに同行した。映画でバージ (小型貨物グライダー) の操縦をした。自走砲も操縦した。
ムズ英:Muzu
声 - 無し
漫画でゴル、ギックリ、ニガ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行していると思われる。ジルの遺言でユパの捜索をしていた時はムズと思われる男性がミトに同行した。映画で谷の人を酸の湖の近くの廃船に誘導したが、その後は姿が見えなくなる。

大ババ(おおばば、英:Oh-BabaGram

声 - 京田尚子(大ババ)
100歳を超える辺境一の年寄り。固有名称がない。映画は盲目だが歩いて谷の近くの廃船まで行く場面がある。原作は目が見えるがほとんど立ち上がる場面が無い。原作の過去に起きた「大海嘯[42]」 (映画の過去に起きたものは王蟲の群れが大きな波となって押し寄せてきたと表現した[43]) や映画の「青き衣の者」の伝承を語る。村一番の知恵者であり、村民から敬愛を受けている。映画ではトルメキア兵やクシャナの前でも毅然とした態度を取り、腐海を焼く事の愚かさを警鐘する等剛毅さを持ち合わせている。ジル・ナウシカ・ユパを呼び捨てで呼べる程立場の高い人物。映画はジルの部屋で薬草から薬を作っている。映画は王蟲の心を感じ取る事ができる[44]

トエト

声 - 吉田理保子(トエト)
映画は母親になったばかりの若い女性で、ユパに自分の子供の名付け親になってくれるよう頼む。映画の「風の谷」に住む一般人の中では劇中で唯一、名前が登場する人物である。原作は、彼女とネカリ (原作のみ) は、成人したばかりの未婚の女性で[3]、前述の二人にユパが、花嫁衣裳の飾りにする為に、タリア川の石をくれて、二人はお礼を言った[3]

テパ

ナウシカの次の風使いとなるナウシカより年下の少女。ナウシカを慕っている。幼い頃に、ナウシカとメーヴェの二人乗りをしながら、風を目で見る方法を教わった[45]
命の危機にも動じない豪胆な面を持ち (一人の男性が「豪胆な子だ」と言い、そばにいた別の男性が「まるで姫様のようだ」と言った[46]) 村民からも大切にされる一方、彼女の成長はナウシカが谷に戻らない予兆と村民を不安がらせる事になった。ナウシカが出陣しジルの死亡後、嵐 (風が砂漠、つまり腐海や土鬼のある方向から吹いていて、谷の人は陸風 (おかかぜ) と呼んだ[47]) の夜、彼女は風に乗り飛んでくる翅蟲を見張る為、発射装置にワイヤーで繋がれエンジンのないメーヴェに似た、布と木の凧で飛行中、外国の飛行船が蟲に襲われ、風の谷近辺の砂漠に墜落したのを発見直後[48]、凧に蟲が接触し、片方の翼がちぎれ畑に墜落しかけ、恐怖で目を閉じた時に上記のメーヴェの二人乗りを回想し、目を開けた時に初めて風を目で見た[49]。外で小さな風車に上り作業をしながら男性達が、彼女を見守っていて、彼女が畑の上で凧を立て直し着陸したのを見て[46]、彼女が風を目で見た事に気づき、その後一人の男性が「テパが初めて風を見た」と言い、そばにいた別の男性が「まるで姫様の再来のようだ」と言った[50]。墜落したのは土鬼から避難してきたナレ族の船で、その後彼らは谷に移住した[51]。彼女が大ババを含む大人達に外国の船の墜落の事を報告した時、大ババが「土鬼の船ではないかと思う」と言った[52]。その後一人の男性が彼女に「メーヴェに乗る日も近い」と言い、そばにいた別の男性が彼女に「ジル様の (メーヴェの) エンジンでいい凧 (メーヴェ) を作ってあげるからな」と言った[53]

テト英:Teto

声 - 吉田理保子[1](テト)
小獣キツネリスの一個体。原作・映画共にナウシカにだけなついており、常に行動を共にしている。

ペジテ市[編集]

都市国家ペジテの住人・出身者。原作ではアスベルとラステルの2人だけが登場。

アスベル英:Asbel

声 - 松田洋治(アスベル)
ペジテ市の王子。ペジテ市長の息子[54]。16歳[28]。原作・映画共に「ペジテのアスベル」と名乗る[55]。自国を滅ぼしたトルメキアへの復讐心に駆られ、ペジテのガンシップに乗りクシャナの艦隊を襲撃する。しかし、腐海上空で撃墜され、その後腐海の底でナウシカと出会い、その意思に賛同して世界を救う為にユパらと行動する。最後はケチャと一緒に土鬼で暮らすようだ。工房都市国家の王族とあって飛行機の操縦や機械整備に長けており、劇中でナウシカのメーヴェ[56]や風の谷のガンシップ[57]の応急修理を手掛けている。映画も腐海の底でメーヴェの応急修理をしている[58]。妹ラステルから預かった秘石をナウシカから渡され、腐海に捨てたと告げながら隠し持ち、巨神兵の復活に際して再びナウシカに託した。映画は自国を攻撃しラステルを捕虜にしたトルメキアに復讐する為、ガンシップに乗りクシャナの艦隊を襲撃する。しかし、腐海上空で撃墜され、その後腐海の中でナウシカと出会い、協力するようになる。
映画は巨神兵による腐海の排除に賛同しており、ナウシカから「クシャナと同じことを言う」と指摘されても考えを変える事は無かったが、目的(トルメキア兵排除と巨神兵奪取)の為に自国を滅ぼし、また罪も無い人々(風の谷の民)までも殺そうとする仲間に失望し考えを改め、ペジテのブリッグに閉じ込められたナウシカの脱出を助ける。一連の事件が解決した後 (移住し井戸を作った後) は、ユパと共に (絵コンテ全集によると[59]ペジテの廃墟の近くを通っている) 腐海の底に向かう旅に出た。
映画の帽子に宝石はついていない為不明だが、原作は映画の父の市長と同様に、額部分に宝石が1個ついた帽子状の冠を被る。映画と違い、原作はイヤリングをつけている。マニ族のようななまりのひどい言葉や神聖語を除く、土鬼語で会話ができる[60]。映画は (恐らく原作も) 彼が腐海の中で使う銃は、トルメキアの突撃銃[61] (連射できる長銃[62]) 。
原作は腐海の底で会ったナウシカが、メーヴェで飛行中に翅蟲達に襲われ、マスクを失い気絶し着地後[20]、彼女に自分のマスクをつけた後、空気が清浄なのに気づきマスクを外し、顔を間近に見た時に「ラステルに似ている」と言った[63]
当初のプロットでは、ナウシカのお相手になるはずだったが宮崎駿が「くっつきそうだからあえて外した」との旨の発言をしている。

ラステル英:RastelLastelle

声 - 冨永みーな(ラステル)
アスベルの双子の妹で、ペジテの王女。16歳[28]。原作は「ペジテの長の娘ラステル[64]」と名乗り、映画は「ペジテのラステル[65]」と名乗った。トルメキア侵攻によりペジテ市を脱出するが、女性や子供と共に乗っていたブリッグが、トルメキアの追撃をかわす為腐海に侵入した結果、蟲に襲われ風の谷近辺の腐海の縁で墜落する[66]。墜落した機体の残骸の下から瀕死の彼女を発見したナウシカに看取られて、息を引き取った[67]。この時、ナウシカに兄へ渡すようにと巨神兵の秘石を託す[68](映画にこの場面は存在しない)。
原作・映画共に宝石のついた帽子状の冠を被る[64]。原作・映画共にイヤリングをつけている。
映画は、ペジテ市を制圧したトルメキアの大型船に、捕虜として乗せられていた。大型船が一緒に積んでいた巨神兵の卵の重さに耐えられず、腐海へ侵入し蟲を殺してしまった為、蟲に襲われ風の谷周辺の岩壁に激突、爆発炎上する。炎上した機体の残骸の下から瀕死の彼女を発見したナウシカに看取られ、積荷の巨神兵を燃やすよう頼んで息を引き取る。
映画のナウシカはラステルを介抱しようと服の胸元を広げるが、その中を見て驚き、服を元に戻す。この場面はロマンアルバムでも、何があったのか分かりにくい場面と述懐されており、残酷な描写として直接描けなかったが、胸が押し潰されて助からない状態であったと説明されている。
映画のペジテの飛行ガメ (小型浮揚装置) のパイロットの男性がナウシカを撃てと言った時、同乗していた若者がペジテの赤い服 (ロマンアルバムのナウシカの服の絵の解説にラステルの服と記載[69]) を着た彼女を見て「ラステルさん」と言い、撃てなかった。絵コンテ全集等に、若者は「ラステルさんの服だ[70]」と言ったという記述がある。

ペジテ市長映|英:Mayor of Pejite

声 - 寺田誠
ペジテ市の最高責任者。族長でもあり、アスベルとラステルの父でもある[62]。固有名称がない。大国トルメキアに蹂躙された事から、その報復として蟲を利用して壊滅を図る。理性的な人物であるが、目的の為には犠牲もやむ得ないという立場をとっており、風の谷の住人を作戦の巻き添えにする非情な手段を用い、ナウシカを窮地に追いやる。トルメキアに対しては憎悪の念を抱いているが、巨神兵による腐海の排除を画策する等考え方はクシャナと共通している。トルメキア兵にブリッグを襲われ、市民達と船室へ追い詰められた際には、爆薬による集団自決を試みた[注 3]。エンディングで彼とその家族を含む市民全員が、風の谷に移住した。移住後、ペジテの工房の技術と谷の風車作りの技術により風車を使った井戸を、両方の大人達 (ナウシカとアスベルも含む) が協力して作り上げた。その後、両方の子供達が植林をした。
原作のアスベルと同様に、額部分に宝石が1個ついた帽子状の冠を被る。

ラステルの母映|英:Rastel's MotherLastelle's Mother

声 - 坪井章子
ペジテ市の王妃。ペジテ市長の妻[62]。アスベルの母でもある。固有名称がない。ナウシカの心情を理解し、風の谷の住人を救うべくナウシカの救出に手を貸す。娘ラステルがトルメキアに捕らえられ死亡してはいるが、風の谷を巻き込んだ報復行為には懴悔の念を抱いている。初対面のナウシカに「母様」と慕われる程慈愛に満ちた人物。ナウシカは、彼女が自分の母に似ていた為[71]、「母様」と呼んだ。なお、ナウシカに「あなたは?」と問われた時に「アスベルとラステルの母です」と答えずに「ラステルの母です」と答えたのは、ナウシカがラステルを看取った人物である事をアスベルから聴き知り、その礼を兼ねて「ラステルの母です」と答えたものである。
宝石のついた頭巾状の冠を被る。

ペジテ市の少女映|英:Pejite GirlPejite Peasant Girl

声 - 太田貴子
ラステルの母と共にナウシカが閉じ込められていた部屋に現れ、ナウシカと背格好が近い上に、同年代である事から、ナウシカの身代わりを買って出た少女。固有名称がない。ペジテ王族かどうかは不明。ナウシカの所へ来た時、ラステルの服 (上記のラステルの項を参照) を着ていた理由は不明。映画のナウシカと同様に赤いイヤリングをつけている。他の市民達と共に船室に追い詰められるも、窓際にいた為ガンシップの接近にいち早く気づいている[72]

トルメキア[編集]

トルメキア王国に属する人々。

クシャナ英:Kushana

声 - 榊原良子(クシャナ)
トルメキアのヴ王の第4皇女。25歳[28]。原作においてはもう一人の主人公と言える。容姿端麗かつ優れた武人であり、ヴ王の親衛隊である第3軍の最高指揮官として、兵から絶大な信頼と忠誠を得ている。卓越した戦術的能力と部隊全体を鼓舞するカリスマ性から、原作の土鬼軍勢からは「トルメキアの白い魔女」と呼ばれ恐れられている。 (この呼称の理由の一つは原作の甲冑が銀色だからだと思われる) 思慮深く聡明だが冷徹な態度を貫き、喜怒哀楽等の個人的な感情を表に出す事は少ない。しかし母親への侮辱だけは許さず、土鬼のカボの基地での3番目の兄の発言に対して逆上し怒りをあらわにする事もある[73]。前述の基地で蟲の群れに襲われた際には、死を覚悟した空虚な心境ながら、部下を抱えつつ子守唄を歌う母性的な面も見せる。ナウシカからは、チククを通して「深く傷ついているが、本当は心の広い、大きな翼をもつ優しい鳥」と評される。原作は五体満足で男性を運べる腕力もある。
対土鬼侵攻作戦では自ら錬成した第3軍の本隊から引き離され、巨神兵の秘石奪取と腐海の南下を命じられる。戦乱の中、ナウシカやユパとの出会いを経て真の王道に目覚めていく。今際のヴ王から王位を譲られるも即位せずに「代王」となり、後世においてトルメキア中興の祖と呼ばれるようになる。原作はユパの死の直後にチククから友達になろうと言われ、握手をしようとしていたので友人になったようだ。
映画は過去に蟲に襲われ身体の一部を失っており、左腕が義手になっている。この直後の「我が夫となる者はさらにおぞましき物を見るだろう」と言う台詞から、蟲に襲われた際の傷は他にもあるものと思われる。巨神兵をトルメキア本国に引き渡す事を良しとせず、その力で腐海を焼き払い、トルメキアからも離反して辺境諸国を統合し、トルメキア本国に抗しようとしていた。
戦陣を指揮する際はセラミックの鱗状の甲冑 (原作ワイド判第3巻表紙絵等は、映画の装甲兵 (親衛隊) 同様銀色、映画は金色。ちなみに、原作の前述の絵のマントは、赤系統または紫系統、映画は白) に身を包んでいるが、宝石のついた髪飾り (映画も同じ物をつけている。恐らく原作・映画共に王族の証) とイヤリングも身に着けている。原作は前述の髪飾りの中に、映画は鎧の踵に隠し武器を仕込んでいる。原作は戦死した兵達への手向けとして自ら髪を切るが、映画は終始ロングヘアを編んだ髪型となっている。

ヴ王原|英:Vai Emperor

トルメキア国王。3皇子とクシャナの父。本作は彼が起こした戦争「トルメキア戦役」の物語でもある。首が胴体にめり込んだ樽のような肥満体の持ち主で、一人称は「朕(ちん)」。王族間の血みどろの継承争いを征し、正統な王家の血を引く王妃(クシャナの母)と結婚する事でこの地位にあった。一方で母を通じ先王の血を引くクシャナを嫌い、謀殺を図っていた。
第1皇子・第2皇子からは「暴君」、クシャナからも「玉座にしがみ付く老いぼれ」と評されているが、戦利品は全兵士に公平に分配し、巨神兵に対しても恐れる事なく堂々と接し、戦闘においては自ら先陣を切る等王に相応しい度量を持つ人物でもある。宝石のついたセラミックの兜を被る (恐らく王族の証) 。
トルメキアで減少し続ける労働力を手に入れる為、また聖都シュワの科学力を手に入れる為、土鬼への侵攻作戦を命じる。当初、戦は王子達に任せていたが、第1、第2皇子の失態に際し、自ら軍を再編してシュワへ急襲を仕掛ける。巨神兵の介入に遭い、墓所の攻撃も受けて全兵力を失うも (墓所が攻撃した時彼自身は巨神兵の右手の中にいた為無事だった) 、墓所の主の元へ案内され、ナウシカと共に墓所の秘密を知る。墓所の主が語った「音楽と詩を愛する穏やかな人間」を否定する言葉も口にする等、聡明な所もあり墓所の主による誘惑には徹底して応じなかった。墓所の主の断末魔の光からナウシカを庇って虫の息となり、ナウシカによって駆けつけてきたクシャナに引き合わされる。墓所の光を浴びた為か憑き物が落ちたかのように野心や悪心は失せており、クシャナに王位の譲位と王国再建を託し、自分のようにならぬよう一人たりとも殺すなと忠告の末に落命。遺骸はクシャナの命によりその場へ埋葬された。

3皇子原|英:Three princes

ヴ王の連れ子でクシャナの異母兄である3人の皇子の総称 (クロトワが「(クシャナの)血を分けた兄達」と発言[74]) 。固有名称がない。ヴ王の命で第2軍を率いて土鬼に侵攻する。3人とも父王に容貌がそっくりで、体型も皆同じ肥満体。映画に登場しないが、クシャナが「本国のバカ共」と存在を示唆する発言をしている。3人共宝石が1個ついた輪状の冠を被る。
第3皇子
3人の皇子の末子。賢い女 (クシャナの母[75]) と生意気な女 (クシャナ[76]) を嫌う。カボに船の奪取に来たクシャナと遭遇。これを妨害し、彼女を抹殺しようと試みるもクロトワの機転により失敗。そのまま逃げようとするが、船ごと蟲に襲われ死亡した。イヤリングをつけている。
第1皇子第2皇子
ヴ王の長男と次男。絶えず2人で行動しており、外見では区別がつかない。戦況が不利になった為、兵を見捨てて先に本国へ逃げ帰ったが、理由をヴ王に問われた際、虚偽の報告や言い訳をした為叱責され、国境の死守を命じられた。
その後、ヴ王とは別行動でシュワへ向かう際、土鬼でナウシカと巨神兵に接触した。クシャナからは暗愚な小心者と言われているが、本人達はナウシカに対し、「愚者を演じていなければ、殺されていた」と述べている。ナウシカと共に庭園の主に捕らわれ、彼の精神操作によって以後庭に留まり続ける事となり、初めて穏やかで安らいだ表情を見せた。音楽と詩の深い知識があり楽器演奏の技術を持ち、庭に保管されていた旧世界の楽器(ピアノに似ているが、2人の台詞からすると、弦楽器と管楽器もついている。1人が鍵盤を担当し、もう1人が弦と管を担当する)を演奏する[77]。その腕前は庭園の主も「仲々の腕だ」と評価している[78]

王妃

クシャナの母。固有名称がない。王妃自身が正統な王家の血を引く為 (恐らく先王の娘) 、娘のクシャナのみが正統な王家血統者とされる。クシャナが幼い頃、3皇子の支持者に「心を狂わす恐ろしい毒」を飲まされそうになった際、身代わりにこれを飲み精神に異常をきたしてしまう[79]。以来、人形をクシャナだと思い込み、本物のクシャナの事を我が子とは認識できなくなった[79]。これが元で、クシャナは父と兄達への復讐を誓う事になる。

クロトワ英:Kurotowa

声 - 家弓家正(クロトワ)
クシャナ配下の軍参謀。腹心の側近でもある。27歳[2][28]。軍大学院の修了者。平民出身で、16歳の頃から船 (飛行機) 乗りだった為操船術 (操縦) に長けており、原作で彼の操る装甲コルベット (大型戦闘機) よりも機動力で勝るアスベルの操るガンシップと対等に空戦を行う程の腕前である。反面、乗馬は苦手としている。一兵卒から出世した士官として、兵からの人望も厚い。
原作の彼の台詞によると、彼が額につけている宝石が1個ついた飾りは、軍参謀の印である[80] (映画も同じ物をつけている。恐らく原作と同じ理由) 。映画と違い、原作はイヤリングをつけている。ちなみに映画と違い、原作は親衛隊 (小支隊[81]) (恐らく若い貴族) もイヤリングをつけている。
庶民的な振る舞いが目立ち、実際、生い立ちからくる野心やしぶとさを身上としている。当然口も悪く、皮肉屋である。また、長い戦場経験から、人の死や不幸を自明のものとして気にかけない。
一方でどこかとぼけた男であり、数少ないコメディリリーフとしての役割も与えられている。
原作で、表向きは補佐役として辺境作戦に派遣された事になっているが、実際はヴ王から「秘石」の入手とクシャナの監視・抹殺を命じられていた[82]。クシャナが兄達の企みを見破っていた為[83]、ペジテ視察中や第2軍との合流を勧めた際には殺されかかっている。トルメキアの王都に戻っても、目的の成否に関わらず暗殺される可能性が高く、また事態がもはや王族の争いどころではなくなりつつあった事から、最終的にはクシャナに寝返った。以後は有能な右腕として行動を共にしている。時にはクシャナを蟲の急襲や第3皇子から救い、また自身が重傷を負った際には、逆にクシャナに庇われ一命を取り留める等、結果としてクシャナとは一種の相互補完的な関係になった。一度だけクシャナに対する下心を見せる場面があった[84]
劇場版も同様にクシャナの側近として登場。飄々とした言動で付き従う様子を「」と評される。クシャナの命を狙う描写こそなかったが、孵化が進む巨神兵を目の当たりにした際や、その直後に彼女の艦が撃墜されたとの報を受け事実上の最高司令官となった際には、秘めていた野心を仄めかす独白をする。その後クシャナが生還した事で、その野心を「短い夢だった」と自嘲し、改めてクシャナの配下となる。

道化

ヴ王のそばに常に寄り添う、小柄な宮廷道化師。固有名称がない。ヴ王の言動に対しシニカルあるいは不敬ともとれる言葉を投げる。トルメキアの飛行機内の荷物箱の中に隠れていた為、墓所の攻撃によって飛行機ごと兵が焼け死んだ中唯一生き残る。墓所の主の所までヴ王に随伴し、墓所の主の依り代 (よりしろ) にされるが生還する。今際の際のヴ王より、クシャナへの王位譲渡の証人に指名される。

おじさん

第3軍士官。固有名称は無くナウシカから「おじさん」と呼ばれていた。初老の男性で、主に炊事や身の回りの世話をする非戦闘員。子供の頃に母親をなくし、妹を自らの手で育て上げた。その経験を生かし、ナウシカの保護した土鬼の子供2人[85]の世話を、快く引き受けていた。しかし、飛行機が消失し、2,000人の大所帯となった事で子供2人の世話が困難になり、小麦1袋で乳飲み子を失ったという土鬼のサジュ族の女性に2人の子を託した。ちなみに、子供を託された直後の女性に、ナウシカが自分のイヤリングを渡し、子供の世話を頼んだ[86] (下記のチヤルカの項を参照) 。
第3軍から離れ、一人旅立つ事を決めたナウシカに焼きしめたパンを作って渡し、会話して見送った唯一の人物である[87]。メーヴェで飛び立った後ナウシカは振り返らなかった為気づかなかったが、実は下からクシャナとクロトワと数人のトルメキア兵も彼女を見送った[88]

セネイ原|英:Senaye

第3軍士官。クシャナの忠臣。土鬼にあるトルメキア軍の最南端拠点サパタに派遣されていた。指揮官としても優秀で、司令部が状況を把握していない事を指摘し、全滅回避と第3軍再建の基礎を残す為に、将軍に撤退を進言した。クシャナの生存を知った時は感極まって涙を流していた。
攻城砲破壊後カボへ向かったクシャナを、本隊撤退後も待っていたが、数匹のヒドラ (不死の人造人間) の襲撃を受け無念の死を遂げた。

第3軍

クシャナ直属の部下。セラミックの重装甲と高い機動力を誇るトルメキア屈指の精鋭部隊で忠誠心も篤い。
原作ではクシャナの下を離れた途端不向きな拠点防衛にあてられる等、様々な災厄に襲われた為、当初6000人程いた第三軍は最後は200人程にまでその数を減らしていた。

将軍

固有の名称は無し。将軍の証と思われる宝石の1個ついた頭飾りをつけている。3皇子率いる第2軍からサパタ駐留第3軍第1連隊の指揮官として送り込まれた人物。兵を捨て駒として扱い、兵を戦地に見捨てて自らは戦利品を持って逃げるような人物で、兵士からは「土鬼の出陣前の祈祷が終わる前に逃げ出す」「腰抜け」と陰口を叩かれ、クシャナの逮捕を命じた時は、誰も従おうとはしなかった。
クシャナと共にトリウマに乗って攻城砲破壊に出陣するが、攻城砲の零距離射撃を受け死亡した。

土鬼諸侯連合[編集]

土鬼(ドルク)諸侯国連合に属する人々。映画には登場しない。

ミラルパ原|英:Miralupa

神聖皇帝(皇弟)。常人の2倍はあろうかという身の丈の巨漢で、100歳を超える長寿ながら沐浴等の化学的処置で長寿と若い姿を保っている。長時間外気に触れると急激に老化が進む為[注 4]、普段は聖都シュワにある墓所にいる。その精神は熱く冷たい憎しみに覆われており、生きている闇と評される。神聖語を扱う事ができる。心を読み取り嘘を確実に見抜く事ができる他、念動により人を吹き飛ばしたり、幽体離脱を行い遥か彼方の標的の心臓を握りつぶす等、極めて強力な超常の力を持つ。実際にはその力によって皇兄ナムリスから実権を奪取している状態にあるが、名目上は兄弟で皇帝を名乗っている。やがて愚かな民衆に絶望し恐怖政治へと移行したが、100年前にはナウシカにそっくりな人物だったとされ、帝位について初めの20年は実権を奪われたナムリスさえも名君と認める慈悲深い皇帝だった。圧政を布いていたが統治者としては有能で、才能のある者を貴賎を問わずに登用し、僧会を効率の良い官僚機構として扱っていた。本来墓所の主に仕える博士でさえ、ミラルパへの忠義の為にナムリス暗殺を謀る等 (ナムリス暗殺に失敗したこの博士はその後暗殺に使おうとした毒を飲み自殺) 、配下からの忠誠は厚い。
マニ族僧正から、土王信仰に出てくる伝承の「青き衣の者」と重なるナウシカの存在を聞かされ、危機感を抱き抹殺しようと試みた。トルメキアの侵攻に対しては短期決戦を狙って蟲や瘴気を兵器として用いたが、その末に大海嘯が起こり、国土の大半を腐海に飲まれてしまう。老いと死を何より恐れており、幼少時のトラウマから肉体移植(ヒドラ化)を拒んだが、肉体が衰弱した所をナムリスにより謀殺された。死後は霊体となり、虚無に陥っていたナウシカの心の中に入り込む。最後はナウシカとセルムに導かれ、腐海の尽きる所 (青き清浄の地) で彼岸へと旅立っていった。

ナムリス原|英:NamulithNamulis

神聖皇帝(皇兄)。物語開始当初は強大な超常の力を持つ弟・ミラルパに実権を奪われている状態にあった。体が分解する恐怖を克服し、数度に渡る肉体移植により、若い姿を保ったまま不死に近いヒドラの体を得ている[注 5]。身体能力と剣術による戦闘力は高く、土鬼皇帝親衛兵を歯牙にもかけないナウシカとも互角に切り結ぶが、超常の力は持たない。
晩年のミラルパをも上回る冷酷な性格で、長年の虚無により狂気に支配されている。他人の命は元より自分の命にさえ執着を示しておらず、「その血をたぎらせず一生を終えること」だけを恐れる。巨神兵を最後の望みとしてトルメキアとの戦争を終わらせ、斜陽の人類の最後の砦を築こうとした。
ミラルパ存命中から実権はなかったものの、クシャナと面識があったり、土鬼の長老院の会合に出席する予定があったりする等、外交的・儀礼的な公務は行っていた。しかし、クシャナもナムリスが実権を有していない事は知っていた。クシャナとトルメキア語で会話している可能性がある。
ミラルパが戦争の為前線視察に赴いている間にシュワの墓所を制圧し、治療の為帰還した弟を謀殺して実権を取り戻す。その後数匹のヒドラを率いて自ら出陣し、クシャナを捕縛すると、クシャナのトルメキア王位継承権と第3軍精鋭を持参金として、土鬼=トルメキア二重帝国を目指して政略結婚を図った[89]。弟の手下である僧会の僧達を公開処刑し、巨神兵を引き連れてトルメキアへ侵攻しようとするが、ナウシカの説得で諸侯が離反、土鬼の戦艦 (大型飛行船) に乗り込んできた彼女と戦う。自らの苦悩や人間の虚無・矛盾についてナウシカに問い、ヒドラ達と共に追い詰めるが、その直後覚醒した巨神兵によって、体に重傷を負わされる。再反乱を起こしたクシャナに、墓所の主の存在を明かすも、生きたまま頭部だけをクシャナに引きちぎられる。それでもなお頭部だけの状態で生きていたが、共に墓所に向かう船上で、巨神兵が飛び立つ際の衝撃波 (全身から放たれた光) に飛ばされ、腐海へと転がり落ちていった (頭部はその後死亡した模様。後にクシャナが、彼の首から下の体を土鬼の人々に見せた) 。

初代神聖皇帝原|英:"First" Dorok Emperor

ナムリス、ミラルパの父。固有名称がない。超常の力を持っていたとされる。かつては民衆の救済を願う少年であり、200年程前、偶然に庭園の主と会い、庭に古代の音楽と詩と動植物が残されている事を知り、写本と音楽に秀でていて、主を師と仰いでいた[90]。後に庭園の主とナウシカが会った時に、主がナウシカに似た少年が200年前ここに来たが、ある日「人間を救いたい」と書き残し、主や動物達の隙をつき、数匹のヒドラを連れ、ここを去ったと言った[91]。どこからか降臨と称して土鬼に現れ[92]、ヒドラ達と共にクルバルカ家から王権を奪った[93]。肉体移植により長寿を保とうとしたが、何らかの異常により身体が分解して死亡した。ミラルパはその有様を目撃した事が、移植による延命を拒む理由になっている。

チヤルカ原|英:Charuka

軍司令官。平民出身の僧兵であったが、優秀な者は登用する皇弟ミラルパに取り立てられた為、彼への忠誠心は強い。トルメキア第3軍が立て籠るサパタ市の包囲戦を指揮していた。クシャナらの襲撃による攻城砲全滅の責任を負って、軍法に従い司令官を解任されるが、その後も重用された。軍司令官及び軍使の為、サパタ市のトルメキア陣営に行った時、トルメキア語で兵士と会話した。ナウシカやチククとの出会いにより国土や国民を大海嘯から救おうとする。積んでいた粘菌が突然変異し乗っていた戦艦 (下記のチククの項を参照) が飲み込まれそうになり、粘菌を船ごと燃やす為自爆装置をナウシカと共に起動させた。その後ナウシカとチククの乗るメーヴェに乗せてもらい燃える船から脱出後、不時着した際右腕を骨折した為、それ以後作中ではずっと添え木を当てた右腕を吊っている。死亡したと思われた際に僧会の幹部から「チヤルカを失ったのは皇弟様や我々にとって痛手となった」と言われ、ナムリスにも「(弟に忠誠心があり過ぎる為殺すのはやむを得ないものの)惜しい人物」と評されている。元々は僧兵上がりで超常の力を持たなかったが、前述の戦艦とは違う土鬼の飛行船に、ナウシカやチククと共に乗った後、その船に積んでいた粘菌まで変異しそうになるという緊急事態に陥った際、ナウシカと協力して対処する内に念話に開眼した。ミラルパに忠誠を誓いつつも、国と民の事を第一に考えミラルパに諫言 (かんげん) も行う良心的な人物で、あらゆる実務で有能だが、職業柄恨みを買う事もある。彼は土鬼の戦場で最初にナウシカと会った時に、彼女のタリア川の石のイヤリングを見た[94]。戦場でナウシカと別れた後[95]、ナウシカが保護しトルメキアの男性が世話をしていた土鬼の子供達を、男性から託された (上記のおじさんの項を参照) サジュ族の女性と会い、ナウシカからイヤリングをもらい子供の世話を頼まれたいきさつを聞き、女性からイヤリングを譲り受ける代わりに、大金と子供の為の名札を書いて渡した[86]。彼が念話に開眼する前にその船の室内で、ナウシカにイヤリングを返した[96]。この時、ナウシカは彼にお礼を言った後、イヤリングは母の形見だと告げた[97]

マニ族僧正原|英:Elder of the Mani tribe

マニ族の長で、神聖皇弟より北上作戦の先遣隊として派遣されていた。固有名称がない。宗教上の理由から光を捨てた盲官である。王蟲を使ってクシャナの艦隊を壊滅させたものの、王蟲を止めたナウシカが古き伝承にある「青き衣の者」であると感じて作戦を中断し帰還、神聖皇弟とマニ族に土鬼軍の作戦に自滅の危険性がある事を説いた。ユパ達を逃がす為に壮絶な最期を遂げるが、死後もナウシカを守った。その超常の力は神聖皇弟に並ぶ程だった。彼と同じく神聖語を扱う事ができる。ナウシカが敬愛する人物。

ケチャ原|英:KetchaKecha

マニ族のナウシカと同年代の娘でエフタル語(当初は片言の男言葉、後に流暢だが荒っぽい女言葉になる)を解する。気性は激しく、徒手武術でトルメキア人を打ち倒す場面がある。僧正の死後、アスベルやユパと行動を共にする。当初は僧正を死に追いやったユパ達と対立していたものの、徐々に打ち解けていった。トルメキア人の抹殺を訴える過激な者が多いマニ族の中で、ナウシカや僧正、ユパ達と接してきた為、トルメキア人を嫌っているものの、無益な争いは避けるべきとの考えを持っている。最後にアスベルと親しい仲になるようだ。

チクク原|英:Chikuku

先の土鬼王朝であるクルバルカ家の末裔の幼い少年。本名ルワ・チクク・クルバルカ[98]。土鬼の砂漠の中[99] (ナウシカが最初は沼と呼び[100]、後にオアシスと呼んだ[101]) で土着宗教の僧達と共に暮らしていた。粘菌を積んだ戦艦 (チヤルカが乗っていた) が瘴気をまき散らしたせいでオアシスに蟲が来襲、腐海に没する危険があった為、ナウシカと共にメーヴェに乗って脱出し、以降は彼女と行動を共にする。メーヴェに乗っていたナウシカを土着伝承の「白い翼の使徒」と確信し慕っている。非常に強力な超常(念話)の力を持っているが、幼さゆえに能力をもてあまし気味。人と接する機会が少なかった為、目上の人物に対しても敬語は使わず、安易に能力を用いてチヤルカを慌てさせる事も多い。吹き矢と短刀を武器として操る。成人後に土鬼の王になるようだ。ユパの死の直後に彼の方から友達になろうと言い、クシャナと友人になったようだ。ちなみに、フランス語でルワは「王」という意味である。

上人

ナウシカが敬愛する人物で、チククと共にオアシスに隠れ住んでいた土着宗教の僧達の唯一の生存者。固有名称がない。他の僧と共に、墓である祠 (ほこら) の奥に暮らしていた。マニ族の僧正と同じく宗教上の理由から盲となっている。超常 (念話) の力を持ち、最初にこの力を使いナウシカに話しかけた時は、チククの体を通して話した[102]。ナウシカに、神聖皇帝と僭称 (せんしょう) する者が土着宗教を邪教として、どこからか降臨と称してこの地 (土鬼) に現れ王権を奪い、土着宗教まで奪い多くの神像を破壊した事を話した[92]。土着宗教の古い教えも聞かせた。ナウシカに大海嘯を止める手段を問われると、「滅びは必然であり、世界が生まれ変わる試練」と答えた。「優しく、猛々しい風」が来たのを確信すると同時に老衰で死亡。この後、ナウシカの前に出現する「虚無」が彼と同じ姿を取ったが、それは諦めが強く出たナウシカの心が作り出した幻影であり、上人の本性ではない。

森の人[編集]

腐海の住人の一派である所の、「森の人(英:Forest People)」と呼ばれる人々。映画には登場しない。

セルム原|英:Selm

「森の人」の長の息子で、蟲使いの血筋も含まれている。父から腐海の異変を調べる為に土鬼に派遣された[103]。腐海に墜落したユパ達を救い、ナウシカを導く。超常の力も持ちあわせている。ユパは、彼のまなざしがナウシカに似ていると思った[104]。宝石が1個ついた首飾りをかけている。

セライネ原|英:Ceraine

セルムの妹。ユパ達を救った時にケチャと仲良くなっている。王蟲の群れを単独で追うナウシカと出会う。手先が器用で壊れていたナウシカのマスクを修繕した[105]。セライネの台詞によると、自身のマスクと交換し預かっていたケチャのマスクを改良していて、ケチャと別れる時に彼女にマスクを返した[106]。シンプルな髪飾りとイヤリングをつけている。ケチャとの会話によると、セライネのマスクは、とび蟲の背中から出る香料を使い、いい香りがするという[107]

その他[編集]

その他の、原作漫画にのみ登場するキャラクター。

オーマ原|英:Ohma

1,000年前に人類によって創造された、調停と裁定の神である巨人「巨神兵」の一個体。ペジテ市の地下で発見された骨格から、秘石を動かした事で肉体の生成が始まった為、途中で秘石を外し成長が止まった後、破壊しようとしたが失敗した[108]。後に土鬼軍が人工子宮を使って成長させた。ナウシカから「無垢」を意味する「オーマ」と名付けられる[109]。原作は[110]、超硬質セラミックの骨格と記載。食事を取らない。原作第1話の冒頭文の「火の七日間」と呼ばれる戦争によって、都市群は有毒物質をまき散らして崩壊したという記載から、口と[111]、額[112]から放つ光線は、有毒である事を示唆している。また、体が未完成の上[113]、腐敗しているオーマの掌中でしばらく過ごしたナウシカとテトも[114]、その体内から漏れ出る毒の光の影響で急激に体調を崩し[115]、テトは死んでしまう[116]。最初はテレパシーを使うが、後に話す。肩と背中に複数の突起を持ち、空を飛ぶ[117]

庭園の主原|英:Master of the Garden

土鬼のシュワから東に約20リーグ[注 6]離れた所にあり、外からは廃墟に見えるように偽装された集落[118]に住むヒドラ[119]。人工神。1,000年以上生きている。幽体離脱ができる[119]。古代の詩や音楽[120]、古代の動植物等の[121]、科学文明が本格化する前の文化を伝える為、科学文明消滅期に人類によって作られた庭園を管理する。この庭園は他にもいくつか存在するとナウシカは推測しており、汚れた人類と腐海が消滅し、世界が清浄に戻った後、その庭園に伝えられる物を世界に戻す「種」の役割を担っている。穏やかな気質で命を奪う事はしないが、瞬時に人の心を探る能力を持ち、訪れた人の心に入り込み、悲しみや苦痛を忘れさせ呪縛してしまう[注 7][122]。反面で残酷さも兼ね備え、意見の異なる者に対しては冷徹な問題提起を行う。決まった容姿を持たず、ナウシカの前に現れた際、最初は端正な顔立ちの男性だったが[123]、次いで彼女の母親に似た女性の姿となった[124]。トルメキアの皇子達にトルメキア語で話しかけたようだし[125]、ナウシカとエフタル語で会話した[126]。庭園 (集落) の周囲に主の力による目に見えない結界が張られていて、入り口を壁に変化させ人が出られないようにする事が可能。また、入り口が壁の状態でも主の力により人が出られるようにする事も可能。結界の上空を飛ぶ飛行機を中にいる人は見る事は可能だが、音は聞こえない[127]。中にいる動物達は、主の言う通りに訪れた人の世話をしたりする。動物達は、入り口または壁を通って人が出ようとするのを敏感に感じ取り、主の意志に従い人が出られないように邪魔をしたりもする。動物達は、テレパシーで主と会話したり、ナウシカに話しかけたりした。庭園の端の大木の根元に、ナウシカがテトを埋めた[128]。庭園の周囲を含む庭園の端の空気は薄い[129]。庭園の中程の空気は、古代と同じ組成で甘く強い為、訪れた人が慣れるまでは時間がかかり[90]、主が訪れた人の体に何もしなければ、肺から血を噴き出して死ぬという[130]。庭園から出た後にナウシカと再会した城オジと蟲使い達 (彼女がオーマと会う前に彼女に会っていた) の台詞によると[131]、オーマに会う前から彼女は少し体調を崩していた上、上記の通りオーマの毒の光のせいでだいぶ弱っていたが、主が用意した薬湯浴と食事によりだいぶ良くなったという[132]。庭園の中程に訪れた人々の墓もある[90]。庭園の端に生えている植物は外からも見えるが、生命の気配が消されているという[133]。主の台詞によると、上記の通り昔庭園に来た初代神聖皇帝は、庭園で農夫として働くヒドラ[134]の内の数匹を連れ、庭園から出て行ったという[91]
ナウシカ (及び幽体離脱をしたセルム) との問答の末、現生人類及び腐海外の動植物が汚染された環境に適応できるよう人為的に改造された種であるという事実及び[135]、腐海の生物が人工生物である事実にナウシカが気づき[136]、真実を見極める為に墓所へ行く事を決意したナウシカから名前を告げられた後[137]、彼女を引き留めずに見送った[138]

墓所の主原|英:Master of the Crypt

浄化の神。1,000年前に人類によって多数創造された人工神の一つ。新たな人類の夜明けの為に世界の真実をひた隠し、現在の世界を司ってきた文字通り神たる存在。ヒドラと同じく不死。
その実態は土鬼のシュワの墓所の地下最深部に存在する球形の肉塊で、旧世界の高度な技術や腐海の秘密を守り続ける一種のバイオコンピュータ。腐海が消滅し世界が浄化されるまでの間、世界を司る役割を持つ。また、清浄になった世界で生きられる体を持ち、穏やかで賢く音楽と詩を愛す新人類の卵を内部に保存している。
人類の精神を読み取り・掌握する機能を持ち、会話が可能。ナウシカとヴ王が彼と会話している事から、様々な国の言葉で会話できる模様。一時的にヴ王と共にいた道化を依り代にして人と会話した。表面上は闖入 (ちんにゅう) 者にさえ穏やかな態度で接するが、浄化計画を絶対のものと規定する都合上、計画の妨げとなると判断した人物には容赦なく精神の破壊を狙う。
世界に対して積極的な干渉はしないが、夏至と冬至の年2回、1行ずつ表面に古代文字を表示する。この文字は世界の成り立ち、生命の秘密を記したものであり、教団はこの文字を解読する事で旧世界の技術を実現している。一方で文字の表示は腐海消滅までのリミットも示しており、全ての文字が出現した時、世界は浄化され腐海は滅びると語る。
庭園の主とは好対照を成すものであり、科学技術を含めた人類文明の全てを内に秘め、それに基づいた人類の再興を「希望」と位置付けている。一方で庭園の主からは「庭以外に価値あるものを残せなかった=墓所は後世に残す価値のないもの」と酷評されており[139]、世界再生に対する認識の違いが露呈している。
己の言葉に反発し計画を阻止しようとするナウシカを危険人物とみなし、問答の末に彼女を排除しようとするものの、彼女の呼びかけに応じたオーマの光線によって、墓所の外壁の一部を破壊され侵入された上に、本体を握りつぶされ、崩壊する墓所と共に崩れ落ちていった。

教団

シュワの墓所を守り、歴代の土鬼王朝に科学技術を提供してきた集団の総称。正体は体をヒドラに置き換えて、自ら延命措置を施した科学者達であり、頭巾を被って顔を隠している[注 8][注 9]。表舞台に出てくる博士達は、神聖皇帝との取り決めに従い僧会に提供された下人。彼らは自らを「墓所の主の下僕として中に住むことを許された選民」と語っている。選民思想が強く、墓所の主に従い、下人 (博士) を除いて世俗権力には上から物を言う傲慢な態度を取る。ナウシカやヴ王達と会話している事から、様々な国の言葉で会話ができる事が分かる。墓所が壊れかけた時に、蟲使いが墓所の中の科学者達に対して逃げるように促したが、彼らは墓所の主への忠誠心から、逃げる事を拒んで死んだ。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 語源としてのナウシカアー古代ギリシア叙事詩オデュッセイア』上の女性名の一つ)に由来する英語名には数種類の綴りがあるが、本作のナウシカの英語版での表記はここに示したものの一つ切り。
  2. ^ 剣は王蟲の皮で作られたもの。 (宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』スタジオジブリ絵コンテ全集181頁も同じ記載、徳間書店、64頁)
  3. ^ その後、ユパがブリッグに乗り込んできたトルメキア兵の隊長を降伏させたことから、集団自決は免れた。
  4. ^ 3巻の沐浴シーンと比べ、4巻は毛が抜け落ちるなど老化が進行しており、5巻で治療を行った博士達は「劣化が激しい」と述べている。
  5. ^ この技術も完全ではないらしく、頻繁にカプセル錠剤を服用している
  6. ^ 作中の単位。1リーグは約1.8キロメートル。 (宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第7巻』徳間書店、144頁)
  7. ^ 「苦痛を忘れさせる」とされている彼の精神操作だが、実際は「記憶の消去」ではなく「『庭園で穏やかに暮らしていた』と言う記憶を何重にも上書きし思い出せない様にしている」様であり、何らかの弾みで思い出すと次々に思い出し、思い出せなくても何かを忘れているという自覚がある(だが、庭園での生活に満足するので思い出そうとしない)。
  8. ^ その頭巾下は齢100を超えるミラルパとは比較にならない程の老人である。基本ヒドラは不老の存在である為、かなり初期の延命技術なのか、延命措置を行っても老化が隠せない程の時を生きているかは不明だが、「神聖皇帝の世より古く土王(クルバルカ朝)の世より古い」と述べている事から後者(あるいは両方)と思われる。
  9. ^ 病や老化で身体機能に障害が出た者は、ヒドラ化を行っても回復見込みのない場合、その部分は切断(最悪頭部だけに)され、墓所の燃料やヒドラの餌にされる

出典[編集]

  1. ^ a b IMDb.
  2. ^ a b 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ 61』 (1984), p. 166.
  3. ^ a b c d 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、27頁。 
  4. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第四巻』徳間書店、p.12,13,129,130頁。 
  5. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第4巻』徳間書店、90頁。
  6. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』スタジオジブリ作品関連資料集型録Ⅰの9頁と13頁も同じ記載、徳間書店、127頁。
  7. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』原作ワイド判第2巻69頁と「スタジオジブリ絵コンテ全集1」75頁と徳間書店のロマンアルバム16頁も同じ記載、徳間書店、136頁。
  8. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』徳間書店、166頁。
  9. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』ロマンアルバム18頁も同じ記載、スタジオジブリ、101頁。
  10. ^ a b c d 『スタジオジブリ作品関連資料集 型録Ⅰ』、宮崎駿著、原作ワイド判第2巻、徳間書店刊、見返しのイラストも同じ記載スタジオジブリ、47頁。 
  11. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』原作ワイド判第3巻112頁の絵も同じ姿、徳間書店、p.79,81。
  12. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』徳間書店、90頁。
  13. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第4巻』徳間書店、129頁。
  14. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』スタジオジブリ、p.300,550,559。
  15. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』徳間書店、18頁。 
  16. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、p.46,47。
  17. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、p.56,57。
  18. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』徳間書店、p.23,168頁。 
  19. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第7巻』徳間書店、p.95-137。
  20. ^ a b 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、p.125,126。
  21. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』原作ワイド判第2巻93頁と94頁に彼(アスベル)のシャツと記載、徳間書店、p.130,131。
  22. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』徳間書店、26頁。
  23. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』同書表紙絵もこの姿、徳間書店、p.63,64,66。
  24. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』原作ワイド判4巻と5巻の表紙絵もこの姿、徳間書店、95頁。
  25. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』徳間書店、p.93-95。
  26. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第3巻』徳間書店、138頁。
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  28. ^ a b c d e f g 『映画 風の谷のナウシカ GUIDE BOOK 復刻版』 (2010), pp. 34–35.
  29. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』絵コンテ全集85頁、ロマンアルバム17頁も同じ記載、徳間書店、p.26,49。
  30. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、28頁。 
  31. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』徳間書店のロマンアルバム18頁、19頁も同じ記載、スタジオジブリ、p.102-104。
  32. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、p.92,93。
  33. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、133頁。
  34. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、66頁。 
  35. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』徳間書店、99頁。
  36. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』絵コンテ全集449頁、ロマンアルバム49頁も同じ記載、徳間書店、80頁。
  37. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、79頁。
  38. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』スタジオジブリ、p.115-118。
  39. ^ 『スタジオジブリ作品関連資料集型録Ⅰ』徳間書店のロマンアルバム164頁にも同じ記載がある、スタジオジブリ、19頁。
  40. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』ナウシカが目で見ている風を線で描く絵がある。原作ワイド判第2巻72頁に風を線で描く絵はないが、ナウシカがトルメキアのコルベットから酸の湖と中州を見下ろし「水面上に重い空気(の流れ)が見える」と言う、徳間書店、p.110,111。
  41. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、49頁。
  42. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』徳間書店、p.87-90頁。 
  43. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』スタジオジブリ、190頁。
  44. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』徳間書店、161頁。
  45. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』同書の108頁で、土鬼の飛行船の墜落を見る直前、つまり彼女が風を目で見る前に、凧で嵐の夜空を飛びながら「姫姉様が言ってた。心で見るんだって。見たいってうんと思えば」とテパが言っているので、風を目で見るのも心で見ると思われる、徳間書店、p.110,111。
  46. ^ a b 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』徳間書店、112頁。
  47. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』徳間書店、106頁。
  48. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』徳間書店、p.108,109。
  49. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』テパが目で見ている風を線で描く絵がある、徳間書店、111頁。
  50. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』徳間書店、114頁。
  51. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』徳間書店、117頁。
  52. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』徳間書店、113頁。
  53. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第6巻』徳間書店、115頁。
  54. ^ 『スタジオジブリ作品関連資料集型録Ⅰ』同書の9頁と15頁にペジテの長の息子と記載、スタジオジブリ、19頁。
  55. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』「スタジオジブリ絵コンテ全集1」323頁も同じ記載、徳間書店、131頁。
  56. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第1巻』徳間書店、p.132-134頁。 
  57. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第4巻』徳間書店、p.45-48頁。 
  58. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』スタジオジブリ絵コンテ全集338頁も同じ記載、徳間書店、37頁。
  59. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』スタジオジブリ、徳間書店、2001年6月30日。 
  60. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第2巻』徳間書店、p.12,14。
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  63. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、128頁。 
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  69. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』徳間書店、166頁。
  70. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』ロマンアルバム・エクストラ54頁も同じ記載、スタジオジブリ、489頁。
  71. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』、ナウシカは彼女に一瞬自分の母の姿を見たという記述がある徳間書店、169頁。 
  72. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』スタジオジブリ、438頁。
  73. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第4巻』徳間書店、70頁。
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  75. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第4巻』徳間書店、p.69,70。
  76. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第4巻』徳間書店、69頁。
  77. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第7巻』徳間書店、p.107-109。
  78. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第7巻』徳間書店、109頁。
  79. ^ a b 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第4巻』徳間書店、82頁。
  80. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判第1巻』徳間書店、75頁。 
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  83. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第3巻』原作ワイド判第2巻44頁でクロトワが「(クシャナは)血を分けた兄達に裏切られているとはまだ知るまい」と発言、徳間書店、21頁。
  84. ^ 宮崎駿 『風の谷のナウシカ ワイド判 第二巻』徳間書店、61頁。 
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参考文献[編集]

  • 『風の谷のナウシカ』徳間書店〈ロマンアルバム・エクストラ 61〉、1984年。 
    • 『風の谷のナウシカ』徳間書店〈ジブリ・ロマンアルバム〉、2003年1月1日。 ISBN 、ISBN 978-4197201556
  • 宮崎駿(イラスト) 著、アニメージュ編集部編 編 『映画 風の谷のナウシカ GUIDE BOOK』(復刻版)徳間書店〈ロマンアルバム〉、2010年7月3日。OCLC 688581545 ISBN 4-19-720309-8ISBN 978-4-19-720309-3

外部リンク[編集]