風の谷のナウシカの登場人物

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風の谷のナウシカ > 風の谷のナウシカの登場人物

風の谷のナウシカの登場人物(かぜのたにのナウシカのとうじょうじんぶつ)では、宮崎駿漫画風の谷のナウシカ』、および、これを原作とするアニメーション映画ゲーム作品に登場する架空の人物について説明する。

はじめに[編集]

主に原作版(漫画版)の設定を記述し、映画版の設定についても併記する。原作漫画のみに登場する場合は「」、映画版のみに登場する場合は「」と表記する。

英語名は特定できるキャラクターに限って表記する(英:〇〇と表示する)。英語名は日本語名の対訳名ではなく、あくまで英語版における当該キャラクター名[1]を示している。ラステルのように複数の綴りがある例もある。

風の谷[編集]

主人公ナウシカの故郷である小国「風の谷」の住人と出身者。

ナウシカ英:Nausicaä[注 1]

声 - 島本須美(ナウシカ)
本作の主人公。16歳[2]。風の谷の族長ジルの末娘で、母や10人の兄姉たちは腐海の毒で亡くなっている。父には深く愛されていたが、母からは愛情を受けずに育った。谷の少女達を妹のように可愛がり、「姫ねえさま」と慕われている。谷の大人達 (大ババ以外) は彼女を「姫様」と呼ぶ。原作・映画共に苗字は無く自身を「風の谷の(ジルの子)(原) ナウシカ」と名乗っている。原作では彼女のイヤリングはタリア川の石 (作中では高価な石とされている。タリア川は後述のトエトの項を参照) で出来た母の形見[3]。原作では、トルメキア人から「魔女」と呼ばれたことがあるが、蟲使いからは「女神」と呼ばれたことがある。
愛と優しさで子どもたちや人々を引き付け、強いリーダーシップで人々を導くカリスマ性を持つ少女。
「風使い」として大気の流れを読み、凧(メーヴェ)を自在に乗りこなす。原作・映画共に、風使いとは大気の流れを読み、風により運ばれる瘴気や砂ぼこりから人々を守る職業である[4]。原作の風使い (ナウシカとテパ (原) ) は、風を線の状態で目で見ることができる。「腐海辺境一の剣士」と評されるユパ・ミラルダに師事したことで、自身もトルメキアの精鋭装甲兵や土鬼の僧兵(原作のみ)を一騎討ちで倒すほどの剣術の腕前をもち、身体能力にも優れている。原作・映画共に飛行機の大きな残骸を持ち上げる腕力もある。トリウマのカイに乗り (原) 、キツネリスのテトを連れている。
彼女からすれば腐海にある生命も等しく愛しい存在である。密かに腐海の植物を城の地下で育て、腐海から出る毒は大地と水の毒を吸っているからだということに気付いている。生き物の心を理解し、テレパシー(念話)の能力も持つようになる。念動力も持つ。幽体離脱もできる。イメージ映像を人に見せる。 (原)(映画でもアスベルがガンシップに乗ってクシャナの艦隊を襲撃した空中戦の1場面だけアスベルにイメージを見せる場面が映る) 原作では、出陣する時には長袖の上着 (腐海に行く時の上着) の下に王蟲の甲皮を綴った胴ヨロイ (城ババがまじないをかけて作った) と袖の下 (手袋の下とも言える) に同じ材料でできた手甲と飛行帽の上に同じ材料でできた額当て (風の谷の紋章のレリーフ付き) を付ける[5][6][7]
同盟国トルメキアから出兵要請を受けて、病床の父ジルに代わり風の谷の代表となり、クシャナ率いるトルメキア軍の作戦に従軍する。敵対する土鬼(ドルク)の人々とも手を取り、持ち前の行動力とまっすぐな心で多くの困難に立ち向かい、世界の秘密に迫っていく。母性的な性格で、覚醒した巨神兵を諌めるために「オーマ」の名を授け息子とした。土鬼の聖都シュワの墓所において、墓所の主から世界再生のシナリオを知らされるが、協力を拒み、汚れた大地に生きてゆく決意を示す。その後は土鬼の地で暮らし、チククの成人後風の谷に戻った、あるいは森の人の元へ去ったとも伝えられる。映画では土鬼は出てこないし、戦争も起こっていない。ナウシカはクシャナ率いるトルメキア軍の人質として城オジ達と共にペジテに連れて行かれる。映画のエンディングで、ナウシカは腐海に行く時の水色の上着とスパッツに戻っている。また、長ズボンと靴は新しい物になっている様子。映画のエンディングで、ナウシカが谷の大人達や移住したアスベルとペジテの大人達と共に井戸を作り、両方の子供達が植林した後、彼女が谷とペジテの子供達にエンジンのないメーヴェに似た凧 (ワイヤーなし) の乗り方を教えている。その後、旅立つユパとアスベルをメーヴェに乗って見送った。ちなみに、映画ではユパが谷に入った時、彼女はミトと共に谷の小さな風車の1枚の羽根を直していた[8]。映画のトルメキアの大型船の墜落後、彼女が谷の大人達と共にラステル達 (トルメキア兵も含む) の墓を、谷の片隅の森の中に作る場面がある[9]。原作でもナウシカが、ペジテの避難民の乗った飛行機の墜落地点の近くにラステルの墓を作ったが、後にクシャナと共に来た蟲使いが秘石を探す為にこの墓をあばいてしまい、その事を知ったナウシカが怒りトルメキア兵と戦う事になった。原作では、シュワの庭園で主の精神操作により、いったんは死んだ母以外の外の世界の記憶を失くすが、トルメキアの皇子達の楽器演奏を聴いている内に記憶を取り戻して庭園を出ようとするが、中に住む動物達と主に邪魔された後、主から冷酷な言葉を投げかけられ心が折れそうになるが、彼女がテレパシーでセルムを呼び幽体離脱をしたセルムの支えで立ち直り、その後の主との会話で世界の真実を知り、主に名前を告げた後、庭園を出て行く。
作中では強調されていないが胸が大きいという設定である。監督の宮崎駿はロマンアルバム『風の谷のナウシカ』[10]のインタビュー内で「城オジやお婆さんたちなど、死んでいく人をその胸の上で抱きとめてあげるために大きい」と語っている。
ルパン三世』のテレビアニメ第2シリーズ第155話(最終話)には、ナウシカに酷似しているキャラクター「小山田真希」が登場している。声優も同じ。

ジル英:JihlKing Jihl

声 - 辻村真人
風の谷の族長でナウシカの父。50歳[11]。谷の人は彼を「ジルさま」と呼ぶ。妻とナウシカ以外の10人の子に先立たれている。かつては風使いとして名を馳せたが、現在は腐海の毒に侵され病の床に伏せている。原作では、ナウシカが男だったら良かったと発言していた[12]。原作ではナウシカに谷の行く末を託して病死するが、映画では谷に侵攻したトルメキア兵によって銃殺される。

ユパ・ミラルダ英:Yupa

声 - 納谷悟朗
ジルの旧友でナウシカの師。45歳[11]。腐海辺境一と称される剣豪[注 2]ながら争いや殺生を好まない人格者で、風の谷ではジルやナウシカと並ぶ尊敬を受けるなど人望も厚い。腐海の謎を解くためトリウマのカイとクイを連れて旅を続けており、各国の文化や歴史、自然科学にも造詣が深い教養人。原作・映画共に風の谷に来るのは、ナウシカの台詞から分かるが、1年半ぶりである。
風の谷に久々に帰還する途中、翅蟲にさらわれたキツネリスを人間の子供と見間違え救助のために発砲、それに怒った王蟲に追われていたところをナウシカに助け出された。ナウシカがクシャナと共に南方へ向かうと彼女を追って旅立ち、アスベルらと行動を共にする。映画のエンディングで、今まで行ったことがなかった腐海の底にアスベルと共に向かった。原作では、手袋 (長袖の上着の袖とも言える) の下に王蟲の甲皮でできた手甲を付けている[13]。原作では、彼はお金を持たず、お金の代わりにタリア川の石を使う。
漫画版では、大海嘯の後、トルメキアへの復讐に燃える土鬼の女性が放った手投げ弾で左腕を失い、直後に土鬼の戦士の刃からクシャナを庇って壮絶な最期を遂げる。チククの台詞によると、離れた場所にいるナウシカが、チククにテレパシーで土鬼で埋葬して欲しいと伝えた。


城オジ(しろおじ)

腐海の毒に冒されたことによる四肢硬化で農作業ができなくなり、城の守りに就いている、年配の男性達。ミトを除いて、ゴル以下の4人は見た目も言動もくたびれた爺さんのそれ。ミト以外の城オジは原作には名前がない。ちなみに、原作には城で家事をしたり、薬草で薬 (ユパから薬草を渡される場面がある) を作ったり、出陣前のナウシカの髪を切ったり、胴ヨロイや手甲を着せたりする「城ババ」と呼ばれる年配の女性達もいる。
ミト英:Mito
声 - 永井一郎(ミト)
右眼に眼帯をした厳つい風貌の男。40歳[11]。城オジのリーダー格で、ナウシカの忠臣。漫画版ではジルの遺言でユパとナウシカを探して土鬼の領地へ入り、聖地シュワに向かうナウシカを追った。土鬼語を話せるものの上手くは無く、ムズからは「毛長牛が唸っているのかと思った」と言われている。映画版では状況に応じてナウシカやユパと行動を共にし、主にガンシップの砲手や操縦を担当した。漫画版では残された寿命の長くないことを示唆する場面があるが、映画版ではミトではなくゴルがそのような境遇に立たされている。
ゴル映|英:GoruGol
声 - 宮内幸平(ゴル)
ギックリ、ニガ、ムズ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行する。上述のとおり、漫画版と違って映画版では寿命が残り少ない。映画版では人質として彼と、ギックリ、ニガ、ムズ、ミトの5人が同行する。トルメキア軍の混乱に乗じて風の谷へ帰還した5人は、ミトとムズを除いて3人でトルメキア軍の自走砲を奪って反乱を起こす。映画では、城の大風車付きの巨大な2つの塔の手前に中庭を挟んで小塔 (風見の塔。頂上にナウシカのメーヴェが置かれているし、メーヴェの発射装置もあり、彼が発射装置を動かす) があるが、この塔で彼は風見 (風の向きや風力を見る (後述の風見の男性も恐らくそうだろうが、彼は風使いではないので原作のナウシカやテパのように、風を線の状態で目で見る事はできない様子) 、また、風見は城の見張りもしている模様) の仕事をしている。原作でも風見の男性がいて、その人が発射装置を動かすし、城の塔の側面に小さな風見の塔があり、頂上にエンジンのないメーヴェに似たワイヤー付きの凧の発射装置がある。原作のメーヴェは発射装置を使わない。
ギックリ映|英:Gikkuri
声 - 八奈見乗児(ギックリ)
ゴル、ニガ、ムズ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行する。城オジの中で一番長身。映画では、腰痛持ち。
ニガ英:Niga
声 - 矢田稔(ニガ)
ゴル、ギックリ、ムズ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行する。漫画版で土鬼の地へ入った時にはニガが同行した。映画では、バージの操縦をした。自走砲も操縦した。
ムズ英:Muzu
声 - 無し
ゴル、ギックリ、ニガ、ミトと共に、ナウシカの初陣に同行する。ジルの遺言でユパの捜索をしていた時はムズが同行した。映画版では谷の人を酸の湖の廃船に誘導したが、その後は姿が見えなくなる。

大ババ(おおばば、英:Oh-BabaGram

声 - 京田尚子(大ババ)
100歳を超える腐海辺境一の年寄り。映画版では盲目で、原作ではほとんど立ち上がる場面が無い。「大海嘯」や「青き衣の者」の伝承を語る。村一番の知恵者であり、村民から敬愛を受けている。トルメキア兵やクシャナの前でも毅然とした態度を取り、腐海を焼くことの愚かさを警鐘するなど剛毅さを持ち合わせている。(映) ジル・ナウシカ・ユパを呼び捨てで呼べるほど立場の高い人物であるが、ジルやナウシカの親族ではない。映画ではジルの部屋で薬草から薬を作っている。映画では王蟲の心を感じ取る事ができる。

トエト

声 - 吉田理保子(トエト)
母親になったばかりの若い女性で、ユパに自分の子供の名付け親になってくれるよう頼む。「風の谷」の集落に住む一般人の中では劇中で唯一、名前が登場する人物である。(映) 原作では、彼女とネカリ (原作のみ) は、成人したばかりの未婚の女性[14]。原作では、前述の二人にユパが、花嫁衣裳の飾りにする為に、腐海を貫くタリア川の石を渡す。

テパ

ナウシカの次代となる風使いの少女。ナウシカを慕っている。幼い頃に、ナウシカと二人乗りをしながらメーヴェの乗り方を教わった。
命の危機にも動じない豪胆な面を持ち村民からも大切にされる一方、彼女の成長はナウシカが谷に戻らない予兆と村民を不安がらせることになった。ナウシカが出陣しジルの死亡後、嵐 (風が砂漠 (つまり腐海 (土鬼) のある方向) から吹いていた) の夜に、彼女は風に乗って飛んでくる蟲を見張るために、エンジンのないメーヴェに似た発射装置に繋がれたワイヤー付きの凧で飛行中に初めて風を目で見た。その時に、彼女が蟲に追われて風の谷の近くに船が墜落したのを発見。土鬼から避難してきたナレ族の船で、その後彼らは谷に移住した。

テト英:Teto

声 - 吉田理保子[1](テト)
小獣キツネリスの一個体。ナウシカに懐いており、常に行動を共にしている。

ペジテ市[編集]

都市国家ペジテの住人・出身者。

アスベル英:Asbel

声 - 松田洋治(アスベル)
ペジテ市の王子。ペジテ市長の息子[4]。16歳[11]。自国を滅ぼしたトルメキアへの復讐心に駆られ、ガンシップに乗りクシャナの艦隊を襲撃する。しかし、墜落した腐海でナウシカと出会い、その意思に賛同して世界を救うためにユパらと行動する。最後は、ケチャと一緒に土鬼で暮らすようだ。工房都市の王族とあって操船術や機械整備に長けており、劇中でナウシカのメーヴェや風の谷のガンシップの応急修理を手掛けている。映画でも腐海の底でメーヴェの応急修理をしている。妹ラステルから預かった秘石をナウシカから渡され、腐海に捨てたと告げながら隠し持ち、巨神兵の復活に際して再びナウシカに託した。映画では、自国を攻撃しラステルを捕虜にしたトルメキアに復讐する為、ガンシップに乗りクシャナの艦隊を襲撃する。しかし撃墜された後、腐海でナウシカと出会い、協力するようになる。
映画版では、巨神兵による腐海の排除に賛同しており、ナウシカから「トルメキアと同じことを言う」と指摘されても考えを変えることは無かったが、目的(トルメキア兵排除と巨神兵奪取)のために自らの国を滅ぼし、また罪も無い人々(風の谷の民)までも殺そうとする仲間に失望し考えを改め、ペジテの船に捕えられたナウシカの脱出を助ける。一連の事件が解決した後 (移住しナウシカや両方の大人達と共に井戸を作った後) は、ユパと共に (絵コンテ全集[15]によると、ペジテの廃墟の近くを通っている) 腐海の底に向かう旅に出た。
原作では、アスベルが腐海の底でマスクが外れた状態の気絶したナウシカの顔を間近に見た時に「ラステルに似ている」と言っている[16]
当初のプロットでは、ナウシカのお相手になるはずだったが宮崎駿が「くっつきそうだからあえて外した」との旨の発言をしている。

ラステル英:RastelLastelle

声 - 冨永みーな(ラステル)
アスベルの双子の妹で、ペジテの王女。16歳[11]。原作では、自身を「ペジテの長の娘ラステル[17]」と名乗った。トルメキア侵攻によりペジテ市を脱出するが、乗っていた難民船が追撃をかわすために腐海に侵入した結果、蟲に襲われ風の谷の近辺で墜落する。墜落した船体の残骸の下から瀕死のラステルを発見したナウシカに看取られて息を引き取った。この時、ナウシカに、兄へ渡すようにと巨神兵の秘石を託す(映画ではこのシーンは存在しない)。
映画版では、ペジテ市を制圧したトルメキアの大型輸送船に人質として乗せられていた。輸送船が、一緒に積んでいた巨神兵の卵の重さに耐えられずに腐海へ侵入して蟲を殺してしまったため、蟲の追撃を受け風の谷周辺の岩壁に激突、墜落してしまう。ナウシカに看取られ、積荷の巨神兵を燃やすよう頼んで息を引き取る。
映画版のナウシカはラステルを介抱しようと服の胸元を拡げるが、その中を見て驚き、洋服を元に戻す。この場面はロマンアルバムでも、何があったのかわかりにくいシーンと述懐されており、残酷な描写として直接描けなかったが、胸が押し潰されて助からない状態であったと説明されている。映画版で、飛行ガメに乗るペジテの中年男性がナウシカを攻撃しろと言った時、ペジテの赤い服を着た彼女を見た同乗していた若者が「ラステルさん」と言い、攻撃できなかった。ロマンアルバム[18][19]では若者は「ラステルさんの服だ」と言っているという記述がある。

ペジテ市長映|英:Mayor of Pejite

声 - 寺田誠
ペジテ市の最高責任者。族長でもあり、アスベルとラステルの父でもある[4]。大国トルメキアに蹂躙されたことから、その報復として蟲を利用してその壊滅を図る。理性的な人物であるが、目的のためには犠牲もやむ得ないという立場をとっており、風の谷の住人を作戦の巻き添えにする非情な手段を用い、ナウシカを窮地に追いやる。トルメキアに対しては憎悪の念を抱いているが、巨神兵による腐海の排除を画策するなど考え方はクシャナと共通している。トルメキア兵に貨物船を襲われ、住民たちと船室へ追い詰められた際には、爆薬による集団自決を試みた[注 3]。映画のエンディングで、彼とその家族を含めたペジテ市民全員が、風の谷に移住した。移住後、ペジテの技術と谷の風車作りの技術によって、風車を使った井戸を、両方の大人達 (ナウシカとアスベルも含む) が協力して作り上げた。その後、両方の子供達が植林をした。

ラステルの母映|英:Rastel's MotherLastelle's Mother

声 - 坪井章子
ペジテ市の王妃。ペジテ市長の妻[4]。アスベルの母でもある。ナウシカの心情を理解し、風の谷の住人を救うべくナウシカの救出に手を貸す。娘ラステルをトルメキアに殺害されてはいるが、風の谷を巻き込んだ報復行為には懴悔の念を抱いている。初対面のナウシカに「母様」と慕われるほど慈愛に満ちた人物。ナウシカは彼女が自分の母に似ていた為[20]、「母様」と呼んだ。なお、ナウシカに「あなたは?」と問われた時に「アスベルとラステルの母です」と答えずに「ラステルの母です」と答えたのは、ナウシカがラステルを看取った人物であることをアスベルから聴き知り、その礼を兼ねて「ラステルの母です」と答えたものである。

ペジテ市の少女映|英:Pejite GirlPejite Peasant Girl

声 - 太田貴子
ラステルの母と共にナウシカが閉じ込められていた部屋に現れ、ナウシカと背格好が近い上に、同年配であることからナウシカの身代わりを買って出た少女。ペジテ王族かどうかは不明。他のペジテ住民たちと共に船室に追い詰められるも、窓際にいたためガンシップの接近にいち早く気づいている。

トルメキア[編集]

トルメキア王国に属する人々。

クシャナ英:Kushana

声 - 榊原良子(クシャナ)
トルメキアのヴ王の第4皇女。25歳[11]。原作においてはもう一人の主人公と言える。容姿端麗かつ優れた武人であり、ヴ王親衛隊である第3軍の最高指揮官として、兵から絶大な信頼と忠誠を得ている。卓越した戦術的能力と部隊全体を鼓舞するカリスマ性から、敵軍勢からは「トルメキアの白い魔女」と呼ばれ恐れられている。思慮深く聡明だが冷徹な態度を貫き、喜怒哀楽など個人的な感情を表に出すことは少ない。しかし母親への侮辱だけは許さず、3番目の兄に対して逆上し怒りをあらわにすることもある。またカボの基地で蟲の群れに襲われた際には、死を覚悟した空虚な心境ながら、部下を抱えつつ子守唄を歌うなど母性的な面も見せる。ナウシカからは、チククを通して「深く傷ついているが、本当は心の広い、大きな翼をもつ優しい鳥」と評される。原作では男性を運べる腕力もある。
対土鬼侵攻作戦では自ら錬成した第3軍の本隊から引き離され、巨神兵の奪取と腐海の南下を命じられる。戦乱の中、ナウシカやユパとの出会いを経て真の王道に目覚めていく。今際のヴ王から王位を譲られるも即位せずに「代王」となり、後世においてトルメキア中興の祖と呼ばれるようになる。原作では、ユパの死の直後に、チククから友達になろうと言われ、握手をしようとしていたので、友人になったようだ。
映画版では過去に蟲に襲われ身体の一部を失っており、左腕が義手になっている。この直後の「我が夫となる者はさらにおぞましき物を見るだろう」と言う台詞から、蟲に襲われた際の傷は他にもあるものと思われる。巨神兵をトルメキア本国に引き渡すことを良しとせず、その力で腐海を焼き払い、トルメキアからも離反して辺境諸国を統合し、トルメキア本国に抗しようとしていた。
戦陣を指揮する際は鎧に身を包んでいるが、アクセサリーを身に着けるなどの一面もある。原作では髪飾りの中に、映画版では鎧の踵に隠し武器を仕込んでいる。原作では戦死した兵達への手向けとして自ら髪を切るが、映画版では終始ロングヘアを編んだ髪型となっている。

ヴ王原|英:Vai Emperor

トルメキア国王。3皇子とクシャナの父。本作は彼が起こした戦争「トルメキア戦役」の物語でもある。首が胴体にめり込んだ樽のような肥満体の持ち主で、一人称は「朕(ちん)」。王族間の血みどろの継承争いを征し、正統な王家の血をひく王妃(クシャナの母)と結婚することでこの地位にあった。一方で母を通じ先王の血を引くクシャナを嫌い、謀殺を図っていた。
第1皇子・第2皇子からは「暴君」、クシャナからも「玉座にしがみ付く老い耄れ」と評されているが、戦利品は全兵士に公平に分配し、巨神兵に対しても恐れることなく堂々と接し、戦闘においては自ら先陣を切るなど王に相応しい度量を持つ人物でもある。
トルメキアで減少し続ける労働力を手に入れるため、また聖地シュワの科学力を手に入れるため、土鬼への侵攻作戦を命じる。当初、戦は王子達に任せていたが、第1、第2皇子の失態に際し、自ら軍を再編してシュワへ急襲を仕掛ける。オーマの介入に遭い全兵力を失うも、墓所の主の元へ案内され、ナウシカと共に墓所の秘密を知るが、墓所の主による誘惑には徹底して応じなかった。墓所の主の断末魔の光からナウシカを庇って虫の息となり、墓所の主の光によって悪心及び憎悪が消えた為、クシャナにトルメキアの王位を譲って息絶えた。クシャナが部下に命じて、土鬼で埋葬させた。

3皇子原|英:Three princes

ヴ王の連れ子でクシャナの異母兄である3人の皇子の総称。ヴ王の命で第2軍を率いて土鬼に侵攻する。3人とも父王に容貌がそっくりで、体型も皆同じ肥満体。映画版に登場しないが、クシャナが「本国のバカ共」と存在を示唆する発言をしている。
第3皇子
3人の皇子の末子。賢い女 (クシャナの母) と生意気な女 (クシャナ) を嫌う。カボに船の奪取に来たクシャナと遭遇。これを妨害し、彼女を抹殺しようと試みるもクロトワの機転により失敗。そのまま逃げようとするが、船ごと蟲に襲われ死亡した。
第1皇子第2皇子
ヴ王の長男と次男。絶えず2人で行動しており、外見では区別がつかない。戦況が不利になったため、兵を見捨てて先に本国へ逃げ帰ったが、理由をヴ王に問われた際、虚偽の報告や言い訳をしたため叱責され、国境の死守を命じられた。
その後、ヴ王とは別行動でシュワへ向かう際、ナウシカとオーマに接触した。クシャナからは暗愚な小心者と言われているが、本人達はナウシカに対し、「愚者を演じていなければ、殺されていた」と述べている。ナウシカと共に庭の主に捕らわれ、彼の精神操作によって以後庭に留まり続けることとなり、初めて穏やかで安らいだ表情を見せた。音楽と詩に深い造詣があり、シュワの庭に保管されていた旧世界の楽器(ピアノに似ているが、2人の台詞からすると弦楽器と管楽器もくっついていて、1人が鍵盤を担当し、もう1人が弦と管を担当する)を演奏する。その腕前は庭の主も「仲々の腕だ」と評価している。

王妃

クシャナの母。王妃自身が正統な王家の血統をひくため、娘のクシャナのみが正統な王家血統者とされる。クシャナが幼い頃、3皇子の支持者に「心を狂わす恐ろしい毒」を飲まされそうになった際、身代わりにこれを飲み精神に異常をきたしてしまう。以来、人形をクシャナだと思い込み、クシャナのことを我が子とは認識できなくなった。これが元で、クシャナは父と兄達への復讐を誓うことになる。

クロトワ英:Kurotowa

声 - 家弓家正(クロトワ)
クシャナ配下の軍参謀。腹心の側近でもある。27歳[2][11]。軍大学院の修了者。平民出身で、16歳の頃から船乗りだったため操船術に長けており、原作ではコルベットよりも機動力で勝るアスベルのガンシップと対等に空戦を行うほどの腕前である。反面、乗馬は苦手としている。一兵卒から出世した士官として、兵からの人望も厚い。
庶民的な振る舞いが目立ち、実際、生い立ちからくる野心やしぶとさを身上としている。当然口も悪く、皮肉屋である。また、長い戦場経験から、人の死や不幸を自明のものとして気にかけない。
一方でどこかとぼけた男であり、数少ないコメディリリーフとしての役割も与えられている。
原作では、表向きは補佐役として辺境作戦に派遣されたことになっているが、実際はヴ王から「秘石」の入手とクシャナの監視・抹殺を命じられていた。クシャナがヴ王の企みを見破っていたため、ペジテ視察中や第2軍との合流を勧めた際には殺されかかっている。王都に戻っても、目的の成否にかかわらず暗殺される可能性が高く、また事態がもはや王族の争いどころではなくなりつつあった事から、最終的にはクシャナに寝返った。以後は有能な右腕として行動を共にしている。時にはクシャナを蟲の急襲や第3皇子から救い、また自身が重傷を負った際には、逆にクシャナに庇われ一命をとりとめるなど、結果としてクシャナとは一種の相互補完的な関係になった。一度だけクシャナに対する下心を見せる場面があった[21]
劇場版でも同様にクシャナの側近として登場。飄々とした言動で付き従う様子を「」と評される。クシャナの命を狙う描写こそなかったが、孵化が進む巨神兵を目の当たりにした際や、その直後に彼女の艦が撃墜されたとの報を受け事実上の最高司令官となった際には、秘めていた野心を仄めかす独白をする。その後クシャナが生還した事で、その野心を「短い夢だった」と自嘲し、改めてクシャナの配下となる。

道化

ヴ王の傍らに常に寄り添う、小柄な宮廷道化師。ヴ王の言動に対しシニカルあるいは不敬ともとれる言葉を投げる。荷物に隠れていたため墓所の攻撃によって多くの兵が焼け死んだ中生き残る。墓所の主までヴ王に随伴し、墓所の主の依り代にされるが生還する。今際の際のヴ王より、クシャナへの王位譲渡の証人に指名される。

おじさん

第3軍士官。固有名称は無くナウシカから「おじさん」と呼ばれていた。初老の男性で、主に炊事や身の回りの世話をする非戦闘員。子供の頃に母親をなくし妹を自らの手で育て上げた。その経験を生かしナウシカの保護した土鬼の子供の世話を快く引き受けていた。しかし、船が消失し、2,000人の大所帯となったことで子供2人の世話が困難になり、小麦1袋で乳飲み子を失ったというサジュ族の女性に2人の子を託した。
第3軍から離れ、一人旅立つことを決めたナウシカを見送った唯一の人物である。

セネイ

第3軍士官。クシャナの忠臣。トルメキア軍の最南端拠点サパタに派遣されていた。指揮官としても優秀で、司令部が状況を把握していないことを指摘し、全滅回避と第3軍再建の基礎を残すために、将軍に撤退を進言した。クシャナの生存を知った時は感極まって涙を流していた。
攻城砲破壊後カボへ向かったクシャナを、本隊撤退後も待っていたが、ヒドラの襲撃を受け無念の死を遂げた。

第3軍

クシャナ直属の部下。重装甲と高い機動力を誇るトルメキア屈指の精鋭部隊で忠誠心も篤い。
原作ではクシャナの下を離れた途端不向きな拠点防衛にあてられるなど、様々な災厄に襲われたため、当初6000人ほどいた第三軍は最後は200人ほどにまでその数を減らしていた。

将軍

固有の名称は無し。3皇子率いる第2軍からサパタ駐留第3軍第1連隊の指揮官として送り込まれた人物。兵を捨て駒として扱い、兵を戦地に見捨てて自らは戦利品を持って逃げるような人物で、兵士からは「土鬼の出陣前の祈祷が終わる前に逃げ出す」「腰抜け」と陰口を叩かれ、クシャナの逮捕を命じた時は、誰も従おうとはしなかった。
クシャナと共にトリウマに乗って攻城砲破壊に出陣するが、攻城砲の零距離射撃を受け死亡した。

土鬼諸侯連合[編集]

土鬼(ドルク)諸侯国連合に属する人々。映画版には登場しない。

ミラルパ原|英:Miralupa

神聖皇帝(皇弟)。常人の2倍はあろうかという身の丈の巨漢で、100歳を超える長寿ながら沐浴などの化学的処置で長寿と若い姿を保っている。長時間外気に触れると急激に老化が進む為、普段は聖都シュワにある墓所にいる。その精神は熱く冷たい憎しみに覆われており、生きている闇と評される。神聖語を扱うことができる。心を読み取り嘘を確実に見抜くことができる他、念動により人を吹き飛ばしたり、幽体離脱を行い遥か彼方の標的の心臓を握りつぶすなど、極めて強力な超常の力を持つ。名目上は兄弟で皇帝を名乗っているが、実際にはその力によって皇兄ナムリスから実権を奪取している状態にある。100年前にはナウシカにそっくりな人物だったとされ、帝位について初めの20年は実権を奪われたナムリスさえも名君と認める慈悲深い皇帝だったが、やがて愚かな民衆に絶望し恐怖政治へと移行した。圧政を布いていたが統治者としては有能で、才能のある者を貴賎を問わずに登用し、僧会を効率の良い官僚機構として扱っていた。本来墓所の主に仕える博士でさえ、ミラルパへの忠義のためにナムリス暗殺を謀るなど、配下からの忠誠は厚い。
マニ族僧正から、土王信仰に出てくる伝承の青き衣の者と重なるナウシカの存在を聞かされ、危機感を抱き抹殺しようと試みた。トルメキアの侵攻に対しては短期決戦を狙って蟲や瘴気を兵器として用いたが、その末に大海嘯が起こり、国土の大半を腐海に呑まれてしまう。老いと死を何より恐れており、幼少時のトラウマから肉体移植(ヒドラ化)を拒んだが、肉体が衰弱したところをナムリスにより謀殺された。死後は霊体となり、虚無に陥っていたナウシカの中に入り込む。最後はナウシカとセルムに導かれ、腐海の尽きる所 (青き清浄の地) で彼岸へと旅立っていった。

ナムリス原|英:NamulithNamulis

神聖皇帝(皇兄)。物語開始当初は強大な弟・ミラルパに実権を奪われている状態にあった。体が分解する恐怖を克服し、数度に渡る肉体移植により、若いヒドラの体を得ている。超常の力は持たないが、身体能力と剣術による戦闘力は高く、土鬼皇帝親衛兵を歯牙にもかけないナウシカとも互角に切り結ぶ。
晩年のミラルパをも上回る冷酷な性格で、長年の虚無により狂気に支配されている。他人の命は元より自分の命にさえ執着を示しておらず、「その血をたぎらせず一生を終えること」だけを恐れる。巨神兵を最後の望みとしてトルメキアとの戦争を終わらせ、斜陽の人類の最後の砦を築こうとした。
ミラルパ存命中から実権はなかったものの、クシャナと面識があったり、土鬼の長老院の会合に出席する予定があったりするなど、外交的・儀礼的な公務は行っていた。しかし、クシャナもナムリスが実権を有していないことは知っていた。
ミラルパが戦争のため前線視察に赴いている間にシュワの墓所を制圧し、治療のため帰還した弟を謀殺して実権を取り戻す。その後ヒドラを率いて自ら出陣し、クシャナを捕縛すると、クシャナのトルメキア王位継承権と第3軍精鋭を持参金として、土鬼=トルメキア二重帝国を目指して政略結婚を図った。弟の手下である僧会の僧達を公開処刑し、巨神兵を引き連れてトルメキアへ侵攻しようとするが、ナウシカの説得で諸侯が離反、戦艦に乗り込んできた彼女と戦う。自らの苦悩や人間の虚無・矛盾についてナウシカに問い、ヒドラと共に追い詰めるが、その直後覚醒した巨神兵によって体に重傷を負わされる。再叛乱を起こしたクシャナに墓所の主の存在を明かし、頭部だけを生きたままクシャナに引きちぎられ共に墓所に向かう道中、巨神兵が飛び立つ際に、全身から放たれた光で腐海へ転がり落ちていった (その後、頭部は死亡した模様。後に、クシャナが彼の首から下の体を土鬼の人々に見せた) 。

初代神聖皇帝原|英:"First" Dorok Emperor

ナムリス、ミラルパの父。超常の力を持っていたとされる。かつては民衆の救済を願う少年であり、200年ほど前、偶然に庭の主の許を訪れ、そこに古代文明のすべてが残されていることを知り、写本と音楽に秀でていて、庭の主を師と仰いでいた。後に庭の主とナウシカが会った時に、主がナウシカに似た少年が昔ここに来たが、出て行ったと彼の事を話した。ある日「人間を救いたい」と書き残して庭の主や動物達の隙をつき、庭の主の許から去り、共に連れ出した僅かな数のヒドラと共にクルバルカ家を滅ぼし、降臨と称して土鬼に君臨した。肉体移植により長寿を保とうとしたが、何らかの異常により身体が分解して死亡した。ミラルパはその有様を目撃したことが、移植による延命を拒む理由になっている。

チヤルカ原|英:Charuka

軍司令官。平民出身の僧兵であったが、優秀なものは登用する皇弟ミラルパに取り立てられたため、彼への忠誠心は強い。トルメキア第3軍が立て籠るサパタ市の包囲戦を指揮していた。クシャナらの襲撃による攻城砲全滅の責任を負って、軍法に従い司令官を解任されるが、その後も重用された。ナウシカやチククとの出会いにより国土や国民を大海嘯から救おうとする。ナウシカに救出された際、右腕を骨折したため、それ以後作中ではずっと固定している。死亡したと思われた際に僧会の幹部から「チヤルカを失ったのは皇弟様や我々にとって痛手となった」と言われ、ナムリスにも「(弟に忠誠心がありすぎるため殺すのはやむを得ないものの)惜しい人物」と評されている。元々は僧兵上がりで超常の力を持たなかったが、母艦墜落の危機という緊急事態に陥った際、ナウシカと協力して対処するうちに念話に開眼した。ミラルパに忠誠を誓いつつも、国と民のことを第一に考えミラルパに諫言も行う良心的な人物で、あらゆる実務で有能だが、職業柄恨みを買うこともある。

マニ族僧正原|英:Elder of the Mani tribe

マニ族の長で、神聖皇弟より北上作戦の先遣隊として派遣されていた。宗教上の理由から光を捨てた盲官である。王蟲を使ってクシャナの艦隊を壊滅させたものの、王蟲を止めたナウシカが古き伝承にある「青き衣の者」であると感じて作戦を中断し帰還、土鬼軍の作戦に自滅の危険性があることを説いた。ユパ達を逃がすために壮絶な最期を遂げるが、死後もナウシカを守った。その超常の力は神聖皇弟に並ぶほどだった。彼と同じく神聖語を扱うことができる。ナウシカが敬愛する人物。

ケチャ原|英:KetchaKecha

マニ族の娘でエフタル語(当初は片言の男言葉)を解する。気性は激しく、徒手武術でトルメキア人を打ち倒す場面がある。僧正の死後、アスベルやユパと行動を共にする。当初は僧正を死に追いやったユパ達と対立していたものの、徐々に打ち解けていった。トルメキア人の抹殺を訴える過激な者が多いマニ族の中で、ナウシカや僧正、ユパ達と接してきたため、トルメキア人を嫌っているものの、無益な争いは避けるべきとの考えを持っている。最後に、アスベルと親しい仲になるようだ。

チクク原|英:Chikuku

先の土鬼王朝であるクルバルカ家の末裔の少年。本名ルワ・チクク・クルバルカ。砂漠の中のオアシスで土着宗教の僧達とともに暮らしていた。粘菌を積んだ土鬼の戦艦が瘴気を撒き散らしたせいでオアシスに蟲が来襲、腐海に没する危険があったため、ナウシカとともに脱出し、以降は彼女と行動を共にする。メーヴェに乗っていたナウシカを土着伝承の「白き翼の使徒」と確信し慕っている。非常に強力な超常(念話)能力を持っているが、幼さゆえに能力をもてあまし気味。人と接する機会が少なかったため、目上の人物に対しても敬語は使わず、安易に能力を用いてチャルカを慌てさせることも多い。吹き矢を武器として操る。成人後に、土鬼の王になるようだ。ユパの死の直後に、彼の方から友達になろうと言い、クシャナと友人になったようだ。

上人

ナウシカが敬愛する人物で、チククと共にオアシスに隠れ住んでいた土着宗教の僧達の唯一の生存者。他の僧と共に、墓である祠の奥に暮らしていた。マニの僧正と同じく宗教上の理由から盲となっている。ナウシカに、神聖皇帝に追放されこの地に来たことや、土着宗教の古き教えを聞かせる。ナウシカに大海嘯を止める手段を問われると、「滅びは必然であり、世界が生まれ変わる試練」と答えた。「優しく、猛々しい風」が来たのを確信すると同時に老衰で死亡。この後、ナウシカの前に出現する「虚無」が彼と同じ姿を取ったが、それは諦めが強く出たナウシカの心が作り出した幻影であり、上人の本性ではない。

森の人[編集]

腐海の住人の一派であるところの、「森の人(英:Forest People)」と呼ばれる人々。映画版には登場しない。

セルム原|英:Selm

「森の人」の長の息子で、蟲使いの血筋も含まれている。腐海の異変を調べるために派遣された。腐海に墜落したユパ達を救い、ナウシカを導く。超常の力も持ちあわせている。ユパは、彼のまなざしがナウシカに似ていると言った。

セライネ原|英:Ceraine

セルムの妹。ユパ達を救った時にケチャと仲良くなっている。王蟲の群れを単独で追うナウシカと出会う。手先が器用で壊れていたナウシカのマスクを修繕した。セライネの台詞によるとケチャと別れる直前に、ケチャのマスクを改良した事が分かる。

その他[編集]

その他の、原作漫画にのみ登場するキャラクター。

オーマ原|英:Ohma

1,000年前に人類によって創造された調停と裁定の神「巨神兵」の一個体。ペジテ市の地下で発見された骨格から秘石により再生し、後に土鬼軍が人工子宮を使って成長させた。ナウシカから「無垢」を意味する「オーマ」の名を授けられる。原作[22]では超硬質セラミックの骨格、映画資料集[4]ではセラミックの骨格と合成タンパク質の肉体と書かれている。映画では秘石は出てこない。原作・映画共に食事は取らない。原作・映画共に「火の七日間」で世界に有毒物質をまき散らしたという原作第1話の冒頭の文章から、口や額 (原) から放つ光線は毒を含んでいる事を示唆している。最初は言葉を話さないが、後に話すようになる。

庭園の主原|英:Master of the Garden

シュワから20リーグ[注 4]ほど離れた所にあり、外からは廃墟に見えるように偽装された集落に住むヒドラ。1,000年以上生きている。古の詩や曲、古代の動植物などの、科学文明が本格化する前の文化を伝えるため、科学文明消滅期に人類によって作られた庭園を管理する。この庭園は他にもいくつか存在するとナウシカは推測しており、汚れた人類と腐海が消滅し、世界が清浄に戻った後、その庭園に伝えられる物を世界に戻す「種」の役割を担っている。穏やかな気質で命を奪うことはしないが、瞬時に人の心を探る能力を持ち、訪れた人の心に入り込み、悲しみや苦痛を忘れさせ呪縛してしまう。反面で残酷さも兼ね備え、意見の異なる者に対しては冷徹な問題提起を行う。決まった容姿を持たず、ナウシカの前に現れた際、最初は端正な顔立ちの男性だったが、次いで母親に似た女性の姿となった。庭園 (集落) の周囲には主の力による目に見えない結界が張られていて、アーチ状又はトンネル状の入り口を主の力で開いて人を入れたり、入り口を壁に変化させて人が外に出られないようにしたり出来る。又、入り口が壁の状態であっても、主の力により人が外に出られるようにする事も出来る。結界の上空を飛行機が飛んでいても、中にいる人には音は聞こえないが、見る事は出来る。中にいる動物達は、主の言う通りに外から来た人の世話をしたりもする。中にいる動物達は、入り口又は壁を通って人が出入りしようとするのを敏感に感じ取り、主の意志に従って中にいる人が外に出られないように邪魔をしたりする。中にいる動物達は、テレパシーで主と会話したり、ナウシカに話しかけたりした。庭園の中には、外から来た人々の墓もある。主の台詞によると、200年前にここに来た初代神聖皇帝は、主や動物達の隙をつき、数匹のヒドラを連れて、庭園から出て行ったという。

墓所の主原|英:Master of the Crypt

浄化の神。1,000年前に人類によって多数創造された人工神の一つ。新たな人類の夜明けの為に世界の真実をひた隠し、現在の世界を司ってきた文字通り神たる存在。
その実態はシュワの墓所の地下最深部に存在する球形の肉塊で、旧世界の高度な技術や腐海の秘密を守り続ける一種のバイオコンピュータ。腐海が消滅し大地と大気が浄化されるまでの間、世界を司る役割を持つ。また、清浄になった世界で生きられる体を持ち、穏やかで賢く音楽と詩を愛す新人類の卵を保存している。
人類の精神を読み取り・掌握する機能を持ち、会話が可能。表面上は闖入者にさえ穏やかな態度で接するが、浄化計画を絶対のものと規定する都合、計画の妨げとなると判断した人物には容赦なく精神の破壊を狙う。
世界に対して積極的な干渉はしないが、夏至と冬至の年2回、1行ずつ表面に古代文字を表示する。この文字は世界の成り立ち、生命の秘密を記したものであり、教団はこの文字を解読する事で旧世界の技術を実現している。一方で文字の表示は腐海消滅までのリミットも示しており、全ての文字が出現した時、世界は浄化され腐海は滅びると語る。
庭の主とは好対照を成すものであり、科学技術を含めた人類文明の全てを内に秘め、それに基づいた人類の再興を「希望」と位置付けている。一方で庭の主からは「庭以外に価値あるものを残せなかった=墓所は後世に残す価値のないもの」と酷評されており、世界再生に対する認識の違いが露呈している。

教団

シュワの墓所を守り、歴代の土鬼王朝に科学技術を提供してきた集団の総称。正体は体をヒドラに置き換えて、みずから延命措置を施した科学者達であり、頭巾をかぶって顔を隠している。表舞台に出てくる博士は、神聖皇帝との取り決めに従い僧会に提供された下人。彼らは自らを「墓所の主の下僕として中に住むことを許された選民」と語っている。選民思想が強く、墓所の主に従い、下人を除いて世俗権力には上から物を言う傲慢な態度を取る。墓所が壊れかけた時にアスベルや蟲使いが墓所の中の科学者達に対して逃げるように促したが、彼らは墓所の主への忠誠心から逃げる事を拒んで死んだ。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 語源としてのナウシカアー古代ギリシア叙事詩オデュッセイア』上の女性名の一つ)に由来する英語名には数種類の綴りがあるが、本作のナウシカの英語版での表記はここに示したものの一つ切り。
  2. ^ 剣は王蟲の皮で作られたもの。
  3. ^ その後、ユパが船に乗り込んできたトルメキア兵の隊長を降伏させたことから、集団自決は免れた。
  4. ^ 作中の単位。1リーグは約1.8キロメートル

出典[編集]

  1. ^ a b IMDb.
  2. ^ a b 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ 61』 (1984), p. 166.
  3. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第四巻』徳間書店、p.12,130。
  4. ^ a b c d e 『スタジオジブリ作品関連資料集 型録Ⅰ』スタジオジブリ、徳間書店、1996年、19頁。ISBN 978-4-19-860525-4
  5. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、p.79,81。
  6. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第三巻』徳間書店、112頁。
  7. ^ 『スタジオジブリ作品関連資料集 型録Ⅰ』スタジオジブリ、47頁。
  8. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』徳間書店、18頁。
  9. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』徳間書店、23頁。
  10. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ 61』 (1984).
  11. ^ a b c d e f g 『映画 風の谷のナウシカ GUIDE BOOK 復刻版』 (2010), pp. 34-35.
  12. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、28頁。
  13. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、66頁。
  14. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、27頁。
  15. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』スタジオジブリ、徳間書店、2001年6月30日、558頁。
  16. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、128頁。
  17. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第一巻』徳間書店、42頁。
  18. ^ 『ロマンアルバム・エクストラ61 風の谷のナウシカ』同書の166頁のナウシカの服のイラストの説明にもラステルの服と記載されている、徳間書店、1984年、54頁。
  19. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ スタジオジブリ絵コンテ全集1』同じ記述がある、スタジオジブリ、489頁。
  20. ^ 『風の谷のナウシカ ロマンアルバム・エクストラ61』ナウシカは彼女に一瞬自分の母の姿を見たという記述がある、徳間書店、169頁。
  21. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第二巻』徳間書店、61頁。
  22. ^ 宮崎駿『風の谷のナウシカ ワイド判 第三巻』徳間書店、1985年、14頁。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]