須賀利町

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須賀利町
—  町名  —
須賀利町中心部
須賀利町の位置(三重県内)
須賀利町
須賀利町
須賀利町の位置
座標: 北緯34度6分11.7秒 東経136度15分57.7秒 / 北緯34.103250度 東経136.266028度 / 34.103250; 136.266028
日本の旗 日本
都道府県 Flag of Mie Prefecture.svg 三重県
Flag of Owase, Mie.svg 尾鷲市
地区 須賀利
面積
 - 計 7.244541km2 (2.8mi2)
標高 15m (49ft)
人口 (2013年11月30日[1])
 - 計 276人
等時帯 日本標準時 (UTC+9)
郵便番号 519-3421
市外局番 0597
ナンバープレート 三重
※座標・標高は尾鷲市役所須賀利荒坂出張所(須賀利町176番地)付近

須賀利町(すがりちょう)は三重県尾鷲市町名郵便番号は519-3421。住民基本台帳による2013年11月30日現在の世帯数は165世帯人口は276人である[2]

尾鷲湾北部、須賀利湾に面した漁村であり[3]、尾鷲市の飛地である。尾鷲市街とは海を挟んで向かい合っている。1982年昭和57年)に三重県道202号須賀利港相賀停車場線(須賀利道路)が開通するまで自動車で訪れることが不可能であった[3]。道路の開通により、陸続きの紀北町との関係が深くなってきている[3]2012年(平成24年)9月29日須賀利巡航船が廃止されると尾鷲市から紀北町へ生活圏を移す傾向が加速している[4]

本項では同地域にかつて存在した須賀利村(すがりむら)についても記す。

地理[編集]

尾鷲市街地から見て北東に位置し、尾鷲湾の北の入り口に当たる。南側が海に面しており2つの入り江を有するが、西の入り江が須賀利漁港に指定されている。南向きの山地の山裾に扇状集落が形成されている[3]

北は矢口浦、東は島勝浦、西は引本浦と接する。隣接地区はすべて北牟婁郡紀北町海山区(旧海山町)の大字である。

歴史[編集]

すがりむら
須賀利村
廃止日 1954年6月20日
廃止理由 新設合併
北牟婁郡尾鷲町須賀利村九鬼村南牟婁郡北輪内村南輪内村尾鷲市
現在の自治体 尾鷲市
廃止時点のデータ
日本の旗 日本
地方 近畿地方東海地方
都道府県 三重県
北牟婁郡
団体コード なし(導入前に廃止)
総人口 1,347
1950年国勢調査)
隣接自治体 引本町桂城村
須賀利村役場
所在地 三重県北牟婁郡須賀利村
Sugari village map.png
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江戸時代には江戸 - 大坂間を往来する廻船の風待ち港として栄えた[3]明治時代には桑名から「赤須賀船」と呼ばれる日用品を積載した船が来航したため、須賀利から出ずとも楽に生活ができた[5]。町村制施行時は、村民が単独村制を希望したものの、郡長が財政の不安定さから連合戸長役場を設置していた引本村との合併を説得して引本村大字となった[6]。しかし1897年(明治30年)2月に須賀利区会は地理的孤立と不便を理由に引本村からの分離を議決し、同年5月29日に県からの許可を得て同年6月1日から須賀利村として単独村制の道を歩み始めた[7]1915年(大正4年)、須賀利巡航船が運航を開始する。1945年(昭和20年)8月14日アメリカ軍によって爆弾が投下される[8]1982年(昭和57年)、県道開通により自動車での往来が可能となる。

沿革[編集]

町名の由来[編集]

人口の変遷[編集]

人口総数 [人口: G10.png ]

1793年寛政5年)[10] G10.pngG10.pngG10.pngG01.pngG01.pngG01.png 363人
1869年明治2年[9] G10.pngG10.pngG10.pngG10.pngG01.pngG01.pngG01.png 436人
1920年(大正9年)[9] G50.pngG10.pngG10.pngG10.pngG01.pngG01.png 825人
1954年(昭和29年)[9] G100.pngG10.pngG10.pngG10.pngG10.png 1,402人
1980年(昭和55年)[11] G50.pngG10.pngG10.pngG10.pngG10.pngG05.pngG01.png 916人
2007年(平成19年)[12] G10.pngG10.pngG10.pngG01.pngG01.pngG01.pngG01.png 345人
2013年(平成25年)[13] G10.pngG10.pngG05.pngG01.pngG01.pngG01.png 283人

須賀利漁港[編集]

須賀利漁港(すがりぎょこう)は三重県尾鷲市にあり、同市が管理する第2種漁港1951年(昭和26年)7月28日に港湾指定を受けた。2006年(平成18年)の水揚量(属地水揚量)は279.2t[14]であった。

沿革

1945年(昭和20年)から当時の須賀利村が村営船溜修築事業を実施して港湾施設を整備し、1951年(昭和26年)に第2種漁港指定を受ける[14]。しかし、1959年(昭和34年)の伊勢湾台風の襲来で港は全壊、翌年から復旧工事を行う[14]。その後、数回の改良工事が実施され、現在に至る。

三重外湾漁業協同組合紀州南支所須賀利出張所[編集]

三重外湾漁業協同組合紀州南支所須賀利出張所(みえがいわんぎょぎょうきょうどうくみあいきしゅうみなみししょすがりしゅっちょうじょ)は三重県尾鷲市須賀利町にある漁業協同組合の出張所。かつては須賀利漁業協同組合(すがりぎょぎょうきょうどうくみあい)という独立した漁協であった。2007年度の組合員数は194人[12]で須賀利町民の約56[注 1]が加盟している。

諸統計(2007年現在)[12]
  • 組合員数:194人(正組合員93人、准組合員101人)
  • 保有漁船:105隻(総トン数160.15t)
  • 所在地:519-3421 尾鷲市須賀利町285番地4

主な漁獲魚種[編集]

小・中学校の学区[編集]

公立中学校に通学する場合、須賀利町全域が紀北町立矢口小学校、紀北町立潮南中学校の学区となる[18]

かつては尾鷲市立須賀利小学校(2001年休校[19])、同須賀利中学校(1997年休校[19])が町内にあった[注 2]

食文化[編集]

須賀利町では、尾鷲市本体とは異なった食文化を有する[20]郷土料理として、江戸時代からの伝統がある、「黒おにぎり」がある[21]。黒おにぎりは黒砂糖を使ったおにぎりであり、ほんのりとした甘味がある[21][22]。共同作業の際に食べられた[20]。須賀利町では、黒おにぎり以外でも甘めの味付けが主流である[22]

須賀利町の登場する作品[編集]

交通[編集]

公共の交通機関コミュニティバスだけであり、鉄道や航路は通じていない。最寄り駅は紀勢本線相賀駅である。

2012年10月1日より、巡航船廃止に伴い尾鷲市ふれあいバス須賀利線(14人乗り)が須賀利地区 - 島勝間で1日5往復運行されている[4]。島勝から三重交通の島勝線に接続し、尾鷲市街や紀北町海山区相賀方面へ行くことができる[4]。尾鷲市街までのバス料金は950円[4]。1便当たりの利用客は1人強しかなく、尾鷲市政に負担を強いている[4]。日曜運休(三重交通島勝線は日曜も運行)。

林道が半島を回るように繋がっており、距離は長くなるがそちらから矢口方面へ出ることもできる。

集落の上部から山を越えていく寺倉峠は現在集落の人間が使うことはほぼないが、観光客の散策道として利用されることがある。巡航船以前は寺倉峠を越えて下ったところに海山への渡し船があった。

主な道路
  • 三重県道202号須賀利港相賀停車場線(須賀利道路)

須賀利巡航船[編集]

須賀利巡航船(すがりじゅんこうせん)は尾鷲港と須賀利港を結ぶ航路及びその運営会社有限会社)の名称。1日4便、尾鷲港と須賀利港を25分、500円で結ぶ航路を運航していた[4]2012年(平成24年)9月末をもって廃止された[25]

紀伊山地の霊場と参詣道世界遺産に登録されたことを受け、旅行会社等に対して、「海の熊野古道」として売り込み[26]、団体利用に対しては運休日の運航にも対応するとしていた[27][28]。巡航船の廃止により、観光客の姿がほとんど見られなくなったという[4]

巡航船の沿革[編集]

1915年(大正4年)、個人経営の定期船として運航を開始[5]。その後、1995年(平成7年)からは尾鷲市と須賀利町の共同出資による第三セクター方式になった。1998年(平成10年)度には年間17,208人の利用があったが、2006年(平成18年)には5,947人にまで減少し、経営が苦しくなっていた。巡航船しか公共交通を持たない須賀利町では児童生徒通学高齢者の通院・買い物などにはなくてはならない存在であり、2007年(平成19年)10月からは日曜日を運休して赤字を減らす取り組みを続けながら存続していた[27]

以前より住民からバスへの転換要望が出されており、2012年(平成24年)1月に行われた住民投票で巡航船の廃止とコミュニティバスへの転換が決定し、9月29日をもって廃止された[4]

最末期まで巡航船に使用されていた「すがり丸」は、1992年(平成4年)に現在の紀北町で製造されたものであるが、2013年(平成25年)1月の競売で紀北町の業者の所有となり、さらに同者が静岡県の業者に転売した[25]

旧須賀利巡航船有限会社[編集]

  • 事業所
    • 本社 - 尾鷲市須賀利町
    • 尾鷲取扱店 - 尾鷲市林町[29]
  • 資本金:300万円[27]
  • 所有船舶:45人乗り1隻[27]
  • 出資者:尾鷲市(3分の2)、須賀利町(3分の1)…赤字補填には三重県も出資していた[27]

施設[編集]

  • 尾鷲市須賀利出張所
  • 須賀利公民館
  • 須賀利簡易郵便局

史跡[編集]

出身著名人[編集]

脚注[編集]

脚注
  1. ^ 2007年度の組合員数[12]を須賀利町の2007年の人口[12]で除して算出した。
  2. ^ あくまでも「休校」扱いなので尾鷲市立小学校及び中学校設置条例(昭和39年6月22日条例第21号、最終改正:平成18年6月26日条例第30号)上は廃校になっていない。しかし、尾鷲市の公式文書に「元須賀利小学校」と「廃校」と明記しているものがあり、事実上廃校である[3]
出典
  1. ^ 尾鷲市役所市長公室秘書広報係"平成25年12月分住民基本台帳人口"平成25年12月2日作成(2013年12月16日閲覧。)
  2. ^ 尾鷲市役所市長公室秘書広報係"平成25年12月分住民基本台帳人口"平成25年12月2日作成(2013年12月16日閲覧。)
  3. ^ a b c d e f 尾鷲市役所"7-12 須賀利地域"<ウェブ魚拓>(2013年4月29日閲覧。)
  4. ^ a b c d e f g h 宮崎正嗣「バス転換 変わる生活圏 尾鷲の須賀利巡航船 廃止半年 高齢者 不便↗ 行政 負担↗」2013年4月29日付中日新聞朝刊、三重版12ページ
  5. ^ a b 石原義剛(2008)"日本の小さな漁村<須賀利>最後の巡航船はいつ"月刊『漁業と漁協』平成20年6月号.(2010年12月27日閲覧。)
  6. ^ 三重県尾鷲市役所 編 1971, p. 88.
  7. ^ a b 三重県尾鷲市役所 編 1971, p. 95.
  8. ^ 三重県歴史教育者協議会 編(2006):302ページ
  9. ^ a b c d e f 角川日本地名大辞典24三重県』616ページ
  10. ^ 『大差出帳(尾鷲組大庄屋文書)』:『三重県の地名』925ページより
  11. ^ 昭和55年度国勢調査:『角川日本地名大辞典24三重』1189ページより
  12. ^ a b c d e "尾鷲の漁業 平成19年度版"
  13. ^ 尾鷲市役所市長公室秘書広報係"平成25年4月分住民基本台帳人口"<ウェブ魚拓>平成25年4月1日作成(2013年4月29日閲覧。)
  14. ^ a b c 三重県農水商工部水産基盤室"三重県農水商工部水産基盤室/須賀利漁港"(2010年12月27日閲覧。)
  15. ^ 三重県漁業協同組合連合会"漁協の紹介"養殖情報ネットワークみえ.(2010年12月27日閲覧。)
  16. ^ 三重県漁業協同組合連合会(2003)"三重漁連ニュース 2003年4月~6月"(2010年12月27日閲覧。)
  17. ^ 志摩の国漁協和具青壮年部"和具漁協青壮年部ホームページ"(2010年12月27日閲覧。)
  18. ^ 尾鷲市教育委員会"就学等に関する規則"昭和59年11月8日教育委員会規則第6号.改正:平成21年10月23日教委規則第5号(2010年12月27日確認。)
  19. ^ a b 岡本祐幸"須賀利"(2010年12月27日閲覧。)
  20. ^ a b 三重県農林水産部農業基盤整備課農地・水保全グループ"すがりのおんばんの会"(2012年6月16日閲覧。)
  21. ^ a b NHK津放送局"オータマのぶらり旅|尾鷲市|ふるさとにQ みえの29市町アーカイブス"(2012年6月16日閲覧。)
  22. ^ a b 三重テレビ放送"ええじゃないか。平成弥次さん取材旅"(2012年6月16日閲覧。)
  23. ^ 47News"メンバー-尾鷲市須賀利町"(2012年6月16日閲覧。)
  24. ^ 東紀州観光まちづくり公社観光振興室東紀州プレス&フィルムコミッション担当"「千年の愉楽」映画ロケ決定! 〜尾鷲市須賀利〜 - 東紀州観光まちづくり公社"2011年10月14日(2012年6月16日閲覧。)
  25. ^ a b 宮崎正嗣「波の詩 すがり丸」2013年4月6日付中日新聞朝刊、三重総合23ページ
  26. ^ 東紀州観光まちづくり公社 東紀州百景 » 『風待湊』須賀利に巡航船で出かけませんか?【2009年7月22日閲覧】
  27. ^ a b c d e 読売新聞社"(三重)「須賀利巡航船」存続の危機"YOMIURI ONLINE.(2009年7月22日閲覧。)[リンク切れ]
  28. ^ 「須賀利巡航船」時刻表
  29. ^ 須賀利巡航船有限会社尾鷲取扱店 e-shop地域情報

参考文献[編集]

  • 『三重県の地名』(日本歴史地名大系第二四巻、平凡社、1983年5月20日)
  • 『尾鷲市史 下巻』 三重県尾鷲市役所 編、三重県尾鷲市役所、1971年5月3日、874頁。
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会、『角川日本地名大辞典24三重県』(角川書店、昭和58年6月8日発行)
  • 三重県歴史教育者協議会 編『三重の戦争遺跡 増補改訂版』つむぎ出版、2006年8月15日、314p. ISBN 4-87668-151-1
  • 三重県農水商工部水産基盤室/須賀利漁港

外部リンク[編集]