青葉市子

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青葉市子
生誕 (1990-01-28) 1990年1月28日(34歳)
出身地 日本の旗 日本 京都府
ジャンル コンテンポラリー・フォーク[1]
フィールド・レコーディングズ[1]
アヴァーント・フォーク[1]
チェーンバー・フォーク[2]
アンビエント[2]
ニューエイジ[2]
ナチュラル・ミュージック[2]
職業 シンガーソングライター
担当楽器 ボーカルギターピアノ
活動期間 2010年 -
レーベル 東雲録音
SPEEDSTAR RECORDS(2013年 - )
commmons(2013年 - )
共同作業者 坂本龍一
細野晴臣
小山田圭吾
ZAK
マヒトゥ・ザ・ピーポーGEZAN
公式サイト オフィシャルサイト
青葉市子
YouTube
チャンネル
活動期間 2014年 -
ジャンル 音楽
登録者数 約10.5万人
総再生回数 約1356.6万回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2023年6月16日時点。
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青葉 市子(あおば いちこ、1990年1月28日 - )は、日本女性音楽家シンガーソングライター京都府出身(出生は千葉県浦安市)。

2010年に19歳で1stアルバム『剃刀乙女』をリリース[3]

アメリカ最大の音楽レビューサイト「Rate Your Music(RYM)」ではフォーク・シンガーとして最高評価を得ている[4][1][2]。昨今ではヨーロッパでの活動を主軸としている。

近年は、ナレーションやCM、舞台音楽の制作、芸術祭でのインスタレーション作品発表など、さまざまなフィールドで創作を行う。

経歴[編集]

3歳ぐらいのときに赤いトイピアノを買ってもらい、テレビの前において、CMやアニメの曲に合わせて弾く[5]。小学校のときは合唱部。中学時代は吹奏楽部でクラリネットを担当。

高校では軽音楽部に所属し、そこではキーボードギタードラムベースと、曲ごとに空いている楽器をいろいろやったが、すべて自己流でコードは今でもわからない[6]。バンドでは、東京事変ASIAN KUNG-FU GENERATIONなどを耳で聴いてコピーしていたが、エレクトリック・ギターは性に合わなかった[6]

高校生活で、アルバイトを掛け持ちして貯めたお金で新幹線に飛び乗り、東京でライブを見て夜行バスで京都にとんぼ返りをするという日々の中で、15歳のときに、バンドをしていた山田庵巳に出会う[7]。17歳のとき、山田庵巳がバンドではなく、八弦のクラシック・ギターで弾き語りをしている事を知り[7]ヤマハのジュニアサイズのクラシックギターを購入し、クラシック・ギターを始める[6]。一応教則本は買ったものの結局ほとんど使わず、基本的な指使いもすべて自己流で、遊んでいたら現在のような演奏スタイルになった[6]

山田さんの曲はある程度断片的に弾けるようになり、聴いてもらううちに、「自分の曲も書いたらどう?」と山田庵巳にアドバイスを受ける。[8]

地元京都の大学文学部に進学し、日本語教師の資格を取れるコースを専攻。19歳、2010年1月に、『剃刀乙女』でインディーズ・レーベルからデビューを果たす。20歳、秋ごろ、両立は難しく、音楽に集中したほうがいいと退学して上京。

2013年、4thアルバム『0』でメジャーデビュー。

同年に劇作家青木豪の舞台『9日間の女王』の演劇制作を依頼される。また、藤田貴大のマム&ジプシーカンパニーの『コクーン』や、寺山修司の『レミング』のリバイバル公演にも参加。

2014年3月23日の福井・三國湊座での公演から全国47都道府県を回るツアー「青葉市子 アワぶくツアー . 。○ o ◯ 2014」をスタート[9]。4月26日に台湾公演を、27日に香港公演を実施[9]。9月3日リリースのAimerミニアルバム誰か、海を。 EP』収録の表題曲「誰か、海を。」に歌詞を提供。10月、GEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポーと新ユニット「NUUAMM」(ぬうあむ)を結成[10]

2015年11月、台湾・香港・シンガポールマレーシアタイを廻る自身初のアジアツアーを開催。

また、2019年にNintendo Switchでリメイクされた『ゼルダの伝説 夢をみる島』のサウンドトラックに青葉が参加しており、日本でのゲームのプロモーションに青葉のアレンジが使われた[11]

2020年、活動10周年を迎え、自主レーベル「hermine」(エルミン)を設立。12月2日 、“架空の映画のためのサウンドトラック”として『アダンの風』を発売。2020年のRate Your Music(RYM)の年間世界アルバムチャートで世界2位の評価を獲得した[12]

2021年6月21日、渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて、アルバム『アダンの風』の録音に携わったメンバーと共に室内楽編成によってコンサートを開催。

2022年7月、映画『こちらあみ子』では劇中音楽と主題歌を担当し、 『第77回毎日映画コンクール』において音楽賞を受賞。

2022年7月21日、Blue Note TOKYOにて、青葉市子 「Windswept Adan 2022」 「アダンの風 2022」 with フォノライト ストリングスがライブ。

2022年8月~10月、「ICHIKO AOBA INTERNATIONAL TOUR 2022」ヨーロッパ&北米ツアー。

2023年3月31日、ライブアルバム「Ichiko Aoba with 12 Ensemble(Live at Milton Court)」配信リリース。

人物[編集]

シンガー・ソングライターになろうと思ったことも、自身がシンガー・ソングライターだと意識したことも一度もなく、歌が自然にでき、それが楽しいからやっているだけで、ごはんを食べる、寝るといったことと同じ感覚で、何かを表現しようと思ってやっているわけではないと語る[6]

ディスコグラフィー[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

  発売日 タイトル レーベル 規格品番 収録曲
1st 2010年1月20日 剃刀乙女 東雲録音 ROTL-1 (CD)
2020年12月23日 P-VINE PLP-6781 (LP盤)
2nd 2011年1月19日 檻髪 東雲録音 ROTL-2 (CD)
2020年12月23日 P-VINE PLP-6782 (LP盤)
3rd 2012年1月25日 うたびこ 東雲録音 ROTL-3 (CD)
2021年2月17日 P-VINE PLP-6784 (LP盤)
4th 2013年10月23日 0 SPEEDSTAR RECORDS VICL-64215 (CD)
2021年2月17日 P-VINE PLP-6785 (LP盤)
5th 2016年10月19日 マホロボシヤ SPEEDSTAR RECORDS VICL-64672 (CD)
VIJL-60179 (LP盤)
6th 2018年10月24日 qp VICL-65064 (CD)
VIZL-1459 (LP盤)
7th 2020年12月2日 アダンの風 hermine DDCZ-2268 (CD)

その他のアルバム[編集]

発売日 名義 タイトル レーベル 規格品番 収録曲 備考
2013年8月7日 青葉市子と妖精たち ラヂオ commmons RZCM-59411 2013年元日にOAされたNHK-FM「坂本龍一 ニューイヤー・スペシャル」のスタジオ・セッション(細野晴臣坂本龍一小山田圭吾U-zhaanが参加)をCD化。
2014年12月10日 NUUAMM NUUAMM 十三月の甲虫 JSGM-011 マヒトゥ・ザ・ピーポーGEZAN)との共作。
2022年7月8日 こちらあみ子 オリジナル・サウンドトラック 青葉市子 hermine (配信限定) 映画「こちらあみ子」サウンドトラック

ライブ・アルバム[編集]

発売日 タイトル 収録曲 備考
2011年 かいぞくばん
2014年1月29日 0% 2013年11月25日の音源
2020年4月3日 "gift" at Sogetsu Hall (Live)
2021年8月18日 "Windswept Adan” Concert at Bunkamura Orchard Hall (Live)
2021年12月4日 Live at Jazzstate, 04/12/2019 / Albert Karch & 青葉市子
2023年3月31日 Ichiko Aoba with 12 Ensemble (Live at Milton Court)

配信[編集]

  • 『火のこ(2.8MHz DSD+mp3 ver.)』 - 青葉市子+内橋和久(2011年)

配信限定シングル[編集]

発売日 タイトル レーベル
2017年7月22日 ANGELNOIR キングレコード
2018年8月13日 からかひ / Sweet Williamと青葉市子 Arte Sonata
2019年10月25日 とうめい / 青葉市子&Albert Karch KOLD
2019年12月13日 あまねき / Sweet Williamと青葉市子 Arte Sonata
2020年1月10日 amuletum bouquet hermine
2020年7月22日 "gift" BGM
2020年9月2日 海底のエデン
2020年10月30日 Porcelain
2021年2月3日 アンディーヴと眠って
2021年6月16日 Windswept Adan roots
2022年6月15日 もしもし
2023年5月23日 Space Orphans
2023年8月26日 meringue doll

参加作品[編集]

  • 「Family」 - FreeTEMPO(2010年、『Life』収録)
  • 「Yura Yura」 - Ovall(2013年、『Dawn』収録)
  • 「外は戦場だよ」- 青葉市子 コーネリアス(2013年、アルバム『攻殻機動隊 ARISE O.S.T』収録)
  • 「3びきのくま」- 大貫妙子トリビュート・アルバム『Tribute to Taeko Onuki』(2013年)
  • 『舞台「9days Queen~9日間の女王~」オリジナルサウンドトラック』(2014年)
  • 「雨」- クラムボントリビュート・アルバム『Why not Clammbon!?』(2014年)
  • 「水曜日の夕方」- さくらももこ×来生たかお『One Week』(2017年)
  • 「悲しみのラッキースター (Vu Jà Dé ver.)」 - 細野晴臣(2017年、『Vu Jà Dé』収録)
  • 「てざわりうた」 - Cornelius(2018年、『デザインあ 2』収録)

出演[編集]

舞台[編集]

  • 9days Queen~九日間の女王~(2014年) -歌唱・演奏
  • 小指の思い出(2014年) - 劇伴・演奏
  • cocoon(2015年) - 出演
  • みつあみの神様(2015年) - 劇伴・演奏
  • レミング~世界の涯まで連れてって~(2015-2016年) - 歌唱・出演
  • 0123(2016年)- 歌唱・演奏・出演
  • わたしは真悟(2016-2017年) - 作詞 

映画[編集]

Webアニメ[編集]

CM[編集]

ラジオ[編集]

  • α-STATION「FLAG RADIO」奇数月水曜担当(2021年9月 - 、21:00 - 22:00)

受賞[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 0 by 青葉市子 [Ichiko Aoba]” (英語). RYM/Sonemic. 2021年11月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e アダンの風 (Windswept Adan) by 青葉市子 [Ichiko Aoba]”. RYM/Sonemic. 2024年2月5日閲覧。
  3. ^ Beltran, Sarah. “Beats Without Borders | Ichiko Aoba”. Impact 89FM | WDBM-FM. 2021年11月22日閲覧。
  4. ^ Custom chart: Best albums of all-time from Japan”. Rate Your Music. 2021年11月22日閲覧。
  5. ^ 音楽に助けられた10代の記憶が、今の私につながっている 青葉市子さん(前編)”. 朝日新聞デジタルマガジン&[and] (2021年4月5日). 2022年4月17日閲覧。
  6. ^ a b c d e 青葉市子(インタビュアー:松山晋也)「自己流を貫く剃刀乙女、いよいよブレイクか。「何かを表現しようと思ってやっているわけじゃない」」『TOWER RECORDS ONLINE』、2011年2月24日https://tower.jp/article/interview/2011/02/24/757202014年10月29日閲覧 
  7. ^ a b 青葉市子が飼っていた、「飲まず食わずで死んでいく蛾」とは”. J-WAVE NEWS (2019年3月18日). 2022年4月17日閲覧。
  8. ^ 青葉市子が飼っていた、「飲まず食わずで死んでいく蛾」とは”. radiko. 2019年3月18日閲覧。
  9. ^ a b 青葉市子が4月に台湾&香港ライブ、全国ツアーは明日から”. 音楽ナタリー (2014年3月22日). 2014年10月29日閲覧。
  10. ^ 青葉市子とGEZANマヒトゥが新ユニット結成”. 音楽ナタリー (2014年10月10日). 2014年10月29日閲覧。
  11. ^ Barder, Ollie (2020年3月19日). “The ‘Zelda: Link’s Awakening’ Soundtrack Set Is Entirely Legendary” (英語). Forbes. 2021年11月22日閲覧。
  12. ^ Best albums of 2020”. Rate Your Music. 2022年4月17日閲覧。
  13. ^ タモリが主題曲を担当、赤塚不二夫のドキュメンタリー映画が公開決定”. お笑いナタリー (2016年2月5日). 2016年2月5日閲覧。
  14. ^ 【お知らせ】アニメ「ブレードランナー ブラックアウト2022」声優参加”. 青葉市子公式サイト (2017年9月17日). 2017年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月17日閲覧。
  15. ^ 青葉市子 [@ichikoaoba] (2019年9月7日). "Nintendo Switch 『ゼルダの伝説 夢をみる島』 TVCMのナレーションと 「かぜのさかなのうた」を うたわせていただきました". X(旧Twitter)より2022年4月17日閲覧
  16. ^ 「第77回毎日映画コンクール」『ケイコ 目を澄ませて』最多5冠 沢田研二、岸井ゆきのら受賞”. ORICON NEWS. oricon ME (2023年1月19日). 2023年1月19日閲覧。

外部リンク[編集]