青函フェリー
![]() 青函フェリー函館ターミナル (北海道函館市) | |
種類 | 有限会社 |
---|---|
本社所在地 |
![]() 〒040-0076 北海道函館市浅野町5-22 |
設立 | 1973年2月 |
業種 | 海運業 |
法人番号 |
7440002002324 ![]() |
事業内容 | 一般旅客定期航路事業 |
所有者 | 共栄運輸、北日本海運 |
外部リンク | http://www.seikan-ferry.co.jp/ |
青函フェリー(せいかんフェリー)は、北海道(函館)ー東北(青森)を結ぶ旅客カーフェリーで、栗林商船グループの共栄運輸と北日本海運が共同運航しているフェリー航路である。窓口業務などを行うため、両社により有限会社青函フェリーが設立されている。
概要[編集]
共栄運輸は、1923年4月に株式会社山祐商会として小樽市で設立された後、1941年6月に社名を現在の共栄運輸株式会社に変更、内航運送事業に進出した。1968年6月に本社を函館へ移転した後、1970年9月に貨物船「はやぶさ」(499総トン)を建造して青函航路で自動車航送事業を開始した。北日本海運は、1944年4月に青森海洋筏株式会社として設立された後、青森海運株式会社を経て1960年5月に社名を笹井海運作業株式会社に変更、1962年5月に日本通運傘下となった後、1970年8月に貨物船「第3朝香丸」(678総トン)を就航させた。両社は1972年4月に青函航路の自動車航送貨物定期航路事業の免許を受けた後、1973年2月に業務提携を行い有限会社青函フェリーを設立、共同運航を開始した。その後、1985年7月に笹井海運は社名を現在の北日本海運株式会社に変更している。2020年7月20日、共栄運輸の親会社でもある栗林商船が北日本海運の全株式を取得することを発表。株式譲渡実行日は同年9月1日。[1]
長らく旅客営業を行わない貨物フェリーとして運航していたが、2000年10月の海上運送法の改正により、自動車航送貨物定期航路事業を一般旅客定期航路事業に事業変更して旅客営業を開始した。
2017年12月には共栄運輸が第2種旅行業登録を行い、旅行代理店との契約締結を開始。JAFや日本RV協会(くるま旅クラブ)等との施設割引提携を実施し、青函フェリー往復と北海道内ホテルのセットプラン設定を皮切りに団体客誘客やホテル・飲食店と提携。NEXCO東日本「北海道観光ふりーぱす」の提携、また、船内無料Wi-fiサービスの提供等利用促進を進める[2]。他に、北海道開発局が推進するシーニックバイウェイ北海道に協力企業として参画し北海道内の秀逸な道等をPRする活動を担っている。
航路[編集]
- 青森港は津軽海峡フェリーなどと同様に沖館地区を発着するが、津軽海峡フェリーの「青森フェリーターミナル」は別の埠頭となっており青森市内循環バス「ねぶたん号」、高速バス(盛岡・東京方面)などの発着は津軽海峡フェリーターミナルのみである。なお、青函フェリー青森ターミナル前からの二次交通は、HKグループ(北海道交運事業協同組合)の青森タクシーと提携し、青森駅・新青森駅・浅虫温泉をはじめ、青森市内の大学、弘前大学、北里大学(十和田市)を定額で「青函フェリーdeお気軽タクシー」として提携している。尚、2020年より青森市内循環バス「ねぶたん号」が乗り入れとなっている。
- 函館港は以前一般貨物船用岸壁を共用しており、船尾のみを接岸する縦付け係留を行っていたが、アンカーを使用した接岸となるため作業に時間を要すること、岸壁の水深が5.5mで船舶の大型化に対応出来ないこと、岸壁が耐震化されていないことなど問題があった。接岸作業の時間短縮による輸送効率の向上、船舶の大型化への対応、災害時の海上緊急物資輸送の確保のため、「函館港北埠頭地区複合一貫輸送ターミナル整備事業」として約40億円をかけて横付け接岸可能な耐震強化岸壁(水深6.5m、190m×1バース)が整備された。2014年3月28日に新バースの供用を開始、大型化した新造船はやぶさ (4代)が就航、ターミナルの建屋も新築移転した[3]。
- 2017年(平成29年)11月9日から北海道観光バスにより、青函フェリー前~上湯川町(函館駅前・湯の川温泉経由)間の路線バスが新設され[4]、青函フェリー函館ターミナルの付近に乗車専用(「のりば」と表記)・降車専用(「おりば」と表記)の各バス停が設置された。
- なお、函館バスを利用したい場合の最寄り停留所は、これまでと同様に国道227号沿いの「北浜町」停留所となる。またJRの最寄り駅は「五稜郭駅」となっている。
船舶[編集]
ファンネルマークは共栄運輸は丸に「七」、北日本海運は赤の「K」。
運航中の船舶[編集]
共栄運輸[編集]
- 2000年就航、2,107総トン、旅客定員105人、車両積載数:トラック25台 函館どつく函館造船所建造
- 2014年就航、2,949総トン、旅客定員300人、車両積載数:トラック32台 函館どつく室蘭製作所建造
北日本海運[編集]
- 1998年就航、1,958総トン、旅客定員103人、車両積載数:トラック24台 ヤマニシ建造
- 2009年就航、2,048総トン、旅客定員198人、車両積載数:トラック25台 ヤマニシ建造
過去の船舶[編集]
共栄運輸[編集]
- 1970年9月竣工、499総トン。
- 1973年4月竣工、691総トン。
- 1977年4月竣工、1995年6月引退。999総トン、全長87.3m、車両積載数:8トントラック30台。フィリピンのTrans Asia Shipping Linesに売却→大規模な改造の上、「Trans Asia 2」として就航中。
- 1980年3月竣工、2000年引退。999総トン。
- 1995年6月竣工、2014年引退。1777総トン、旅客定員80名。
北日本海運[編集]
- 1970年8月就航、676総トン。1972年11月改造、999総トン。
- 1974年1月就航、954総トン。
- あさかぜ3号(就航時は「第10朝香丸」)
- 1981年4月就航、1998年引退。「あさかぜ5号」就航に伴い引退。994総トン。
- 1985年就航、2009年引退。「あさかぜ21」就航に伴い引退。フィリピンのセブフェリーに売却→大規模な改造の上、「CEBU FERRY 2」として就航中。
共栄運輸の「はやぶさ(3代目)」が津軽海峡を航行する。
(2008年10月22日)
脚注[編集]
- ^ 栗林商船、函館−青森間のフェリー事業を行う北日本海運の全株式取得へ - FISCO
- ^ 共栄運輸、第2種旅行業に登録 青函フェリー利用のツアーなど造成 - Traicy
- ^ “函館ターミナル移転および運休のお知らせ”. 青函フェリー. 2015年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月24日閲覧。
- ^ 北海道バス「市内路線バス」より、2017年11月18日閲覧
- ^ 函館―青森 新船相次ぐ フェリー2社 - 朝日新聞、2014年4月21日
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
|