コンテンツにスキップ

電撃的東京

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『電撃的東京』
近田春夫&ハルヲフォンカバーアルバム
リリース
録音 1978年
ジャンル ロック歌謡曲
時間
レーベル キングレコード
プロデュース 近田春夫
近田春夫&ハルヲフォン アルバム 年表
ハルヲフォンレコード
(1977年)
電撃的東京
(1978年)
テンプレートを表示

電撃的東京』(でんげきてきとうきょう)は、1978年(昭和53年)6月21日に発売された近田春夫&ハルヲフォンの3枚目のアルバムであるとともに、バンド活動期にリリースされた最後のアルバムである。オリジナルの1曲を除く全てが歌謡曲のカヴァーで占められている作品。

概要・略歴

[編集]

近田春夫は、1977年(昭和52年)10月から 1979年(昭和54年)3月まで、ニッポン放送深夜ラジオ番組オールナイトニッポン』の火曜日第2部である『近田春夫のオールナイトニッポン』のパーソナリティに就任[1]。その2時間の放送中に、自身の独自の視点に基づく解説付きで、大量の歌謡曲をオンエアする[2]ことで知られた近田は、1978年(昭和53年)、雑誌『POPEYE』(平凡出版、現マガジンハウス)で『THE 歌謡曲』の連載を開始[3]し、歌謡曲批評家としても知られるようになった。その流れの中で、「批評家としてのスタンス」と「ロックアーティストとしてのスタンス」を融合させて作り上げたのが本アルバムである。

近田が小学4年生だった1960年(昭和35年)のスリーファンキーズのデビュー曲『でさのよツイスト』から、本アルバムのリリース前年である1977年のヒット曲、森進一の『東京物語』、JJSの『ラストショー』、フォーリーブスの『ブルドッグ』までの11曲のカヴァーと、唯一のオリジナル楽曲『恋のT.P.O.』が収められている(シングルとは別ヴァージョン)。カヴァーされた作曲家のうち、筒美京平都倉俊一加瀬邦彦の3名は2曲ずつ選ばれ、作詞家では、橋本淳阿久悠の2名が2曲ずつ選ばれている[4]

ヴォーカルは基本的に近田だが、のちにシングルカットもされた『きりきり舞い』および『東京物語』では、前者を同バンドのベーシスト高木英一、後者を同バンドのギタリスト小林克己がつとめた。この2曲は1枚のシングル『きりきりまい』(全てひらがな表記)として同年シングルカットされたが、このシングルでの『きりきりまい』は、アルバムでの『きりきり舞い』とはヴァージョンが異なる。

1989年(平成元年)以来4回にわたって、シングル『ロキシーの夜』およびそのB面曲『闇にジャックナイフ』をボーナストラックに収めたCDが発売されており、現在でもその全曲を聴くことができる[5]。また、シングルヴァージョンの『恋のT.P.O.』および『きりきりまい』は、1999年(平成11年)に発売されたオムニバスCD『ニューロックの夜明け 番外編(9) キング・ニューロック・シングル集 ファンキー・ダッコNo.1』で初めてCD化された。※オムニバスCDのジャケット表記では『きりきり舞い』となっている。

本作が「ハルヲフォン」のラストアルバムとなり、近田の次のアルバムはソロアルバム『天然の美』(1979年)であった。

収録曲

[編集]
  1. ついておいでシャープ・ホークス1966年
  2. 恋の弱味郷ひろみ1976年
  3. 東京物語森進一1977年
  4. きりきり舞い山本リンダ1973年
    • 作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一、編曲:近田春夫
  5. 真夜中のエンジェル・ベイビー平山三紀1975年
    • 作詞:橋本淳、作曲:筒美京平、編曲:近田春夫
  6. ラストショーJJS、1977年)
  7. でさのよツイストスリーファンキーズ1960年
  8. 情熱の砂漠ザ・ピーナッツ、1973年)
  9. 気になるお前沢田研二、1973年)
  10. ブルドッグフォーリーブス、1977年)
  11. 人間狩りピーター1974年
  12. 恋のT.P.O.(オリジナル)
    • 作詞・作曲・編曲:近田春夫
  13. ロキシーの夜(1978年のシングルA面) - CDのみのボーナストラック
  14. 闇にジャックナイフ(1978年のシングルB面) - CDのみのボーナストラック
    • 作詞:島武実、作曲:筒美京平、編曲:佐孝康夫

[編集]
  1. ^ オールナイトニッポンのパーソナリティ一覧」の項の記述を参照。
  2. ^ ムード歌謡GSアイドル歌謡などを並列に分析、紹介。
  3. ^ 近田春夫」の項の記述を参照。
  4. ^ #収録曲の項の記述を参照。
  5. ^ #外部リンクYahoo! ミュージックの各項の記述を参照。

外部リンク

[編集]