雄飛 (飛行船)
| 改装前の「パーセヴァル PL 13 ヴァルザーヴァルト」 | |
| 艦歴 | |
|---|---|
| 発注 | |
| 起工 | 1914年8月26日 |
| 進水 | |
| 就役 | 1915年4月21日 |
| 退役 | 1917年7月廃止決定 |
| その後 | |
| 性能諸元 | |
| 重量 | 8.1 t |
| 体積 | 10,000 m3 |
| 全長 | 85.0 m[1] |
| 全幅 | 15.5 m[1] |
| 全高 | 22.5 m[1] |
| 機関 | マイバッハ製水冷直列6気筒発動機[1] 150 hp 2基 |
| 速度 | 巡航速度:57.6 km/h 最大速度:68.4 km/h |
| 航続距離 | 最大航続時間:20時間 最大航速:12時間 |
| 兵員 | 6 - 12名[1] |
| 様式 | パーセヴァル軟式飛行船 |
| 昇騰高 | 2.5km[1] |
雄飛(ゆうひ)は、パーセヴァル PL 13 ヴァルザーヴァルト(Parseval PL 13 Walserwald)を改造した大日本帝国陸軍の軍用航空船である。
パーセヴァル PL 13 ヴァルザーヴァルトは、臨時軍用気球研究会が23万円[注 1]でルフト・ファールツォイク・ゲゼルシャフトに発注、1911年(明治44年)8月から1912年3月にかけて製造、8月に日本に到着した[3]。ドイツ人技師シューベルトの監督により組み立て、所沢陸軍飛行場にて30日に初飛行した[4]。
10月21日には所沢から東京までの飛行を行い[4][3]、26日にも飛行を行っている[注 2]。さらに11月12日の大演習観艦式[3][7]、15日から17日にかけての陸軍特別大演習でも飛行を行った[8][9]。
1913年(大正2年)3月28日、青山練兵場にて北白川宮成久王、久邇宮邦彦王、朝香宮鳩彦王、国会両院の議員を招いての展示飛行中に着陸を試みた際、強風により着陸に失敗し犠牲者はなかったものの機体が損傷した[3][10][11][12]。ゴンドラとプロペラを損傷した機体は再飛行することが出来ず、鉄道により所沢に輸送されることとなった[11]。
その後修復を兼ねて改造し、改名した機体として1915年(大正4年)4月製作。気嚢は羽二重三重、綿布一重から成り、内部には2個の空気房があり、送風機を備える。吊籠は鋼管製で、操縦席、機関ならびに推進装置を設ける。鰭は鋼管製の枠に布を張り、気嚢の動揺を制止した。
1916年(大正5年)1月22日、雄飛は益田済陸軍工兵少佐ほか2名を乗せ所沢試験場から大阪までの試験飛行を行なった[1]。途中、中間点の豊橋練兵場に着陸してのものであった[1]。所要時間は合計11時間34分[1]。なお所沢への帰還飛行は、機関不調で修理に時間をかけるうち天候不順となったため行なわず、機体を分解し鉄道にて陸送された[1]。なおこの飛行を記念して、1月22日は「飛行船の日」となっている[1]。
その他
[編集]注
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 “1月22日 国産初の飛行船(1916年)”. 現代ビジネス. 講談社 (2020年1月21日). 2025年12月22日閲覧。
- ↑ “昭和40年の1万円を、今のお金の価値に換算するとどの位になりますか?”. 日本銀行. 2026年2月20日閲覧。
- 1 2 3 4 郡龍彥 (1935). “日本飛行船史”. 海軍雑誌海と空臨時号「寫眞日本航空史」. 海と空. pp. 29-32
- 1 2 大正ニュース事典編纂委員会, ed (1986-10). “飛行船”. 大正ニュース事典 第1巻 (大正1年-大正3年). 毎日コミュニケーションズ. pp. 669-670
- ↑ “大正元年十月二十一日 飛行船帝都に雄飛す”. 江戸東京博物館. 2026年2月20日閲覧。
- ↑ “バーセバル飛行船 徳川式飛行機 東都の初飛行記念”. 江戸東京博物館. 2026年2月20日閲覧。
- ↑ 海軍 (畫報社) 7 (12): 写真6、5-6. (1911年12月3日). https://dl.ndl.go.jp/pid/1558523.
- ↑ 兵事雑誌 (兵事雑誌) (第16年(22)): 44-53. (1912). https://dl.ndl.go.jp/pid/1523428.
- ↑ “改元初度陸軍特別大演習参加 歩兵作業及飛行船”. 江戸東京博物館. 2026年2月20日閲覧。
- ↑ “所澤に於ける飛行大惨事”. 自動車 1 (5): 23-25. (1913-04-15).
- 1 2 大正ニュース事典編纂委員会, ed (1986-10). “飛行機事故”. 大正ニュース事典 第1巻 (大正1年-大正3年). 毎日コミュニケーションズ. p. 666
- ↑ “飛行船ノ奇禍(大正二年三月二十八日)貴衆両議員参観飛行の当日青山練兵場ニ着陸ノ際風力急変ノ為メ機関ニ故障ヲ生ジ葬場殿附近ニ墜落刹那ノ光景。”. 江戸東京博物館. 2026年2月20日閲覧。
- ↑ “雄飛焼”. さいたま逸品ぐるめぐり. 和菓子店「有限会社 梅月」. 2017年1月25日閲覧。
参考文献
[編集]- 秋本実『日本飛行船物語 - 航空界の特異な航跡を辿る』光人社〈光人社NF文庫〉、2007年。ISBN 978-4-7698-2526-5。