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阿久根治子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
あくね はるこ

阿久根 治子
生誕 1933年????
日本の旗 日本愛知県名古屋市
死没 2013年????
国籍 日本の旗 日本
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阿久根 治子(あくね はるこ、1933年昭和8年〉 - 2013年平成25年〉)は、児童文学作家童謡詩人[1]

人物

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1933年(昭和8年)、名古屋市生まれ[2]愛知県立女子短期大学(現・愛知県立大学)国文科にて、当時の学長、高木市之助に師事、上代日本文学を学ぶ[3]1954年(昭和29年)に卒業後、約9年中部日本放送( CBC)に勤務[4]。担当は音楽係[5]。勤務中より童話等を発表[1]1955年、アンデルセン生誕150年祭実行委員会に参加。

1961年(昭和36年)、「「モクモク町」のある1年」を発表、講談社50周年記念児童文学賞入選候補作となる[4]

1963年(昭和38年)、中部日本放送を退職、中日新聞に「ぼくとアリンコピチくん」など数十編を連載[6]

1964年(昭和39年)、心臓発作で倒れ、持病を抱えながら創作を続ける[3]

1969年(昭和44年)、「やまとたける」を発表、第16回産経児童出版文化賞を受賞[7]

1972年(昭和47年)、「つる姫」を発表[8]

1975年(昭和50年)、前年に赤座憲久らと毎日新聞に連載した「東海の民話」が出版され、「八百比丘尼」「怪力妻」「桜婆」「高蔵坊狐」「ぼたもちがギャアロになった」「老狐・小牧山吉五郎」「大池には主がおらっせる」「ヒノキの芽」「庄七さと狐」「亡霊蛍・おこんの墓」「猫ヶ原の鬼婆」「漁師の願かけ」が収録される(挿絵・水谷勇夫[9]

1989年(平成元年)、「こどもの図書館」1989年6月号の「再販してほしい本4」に「やまとたける」が取り上げられる[10]

2003年(平成15年)、「つる姫」を日本舞踊家、花柳龍蘭が舞台化[新聞 1]

2004年(平成16年)、絶版となっていた「つる姫」がアンケートで高評価を得、福音館書店から復刊される[新聞 2]

2013年(平成25年)、逝去[3]。遺族により、旧蔵資料が名古屋市に寄付され「文化のみち二葉館」に収蔵される[3]

2015年(平成27年)10月7日~11月11日、同館2階展示室にて企画展「阿久根治子-古事記に魅せられた女流作家」が開催された[11]

脚注

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新聞

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  1. ^ “瑞穂の日舞家龍蘭さんらけいこ熱心に 童話『つる姫』初の創作舞台化 名東の阿久根さん作 中区で13日公演”. 中日新聞. (2003年4月9日) 
  2. ^ “ひと・仕事 作家・阿久根治子さん 戦乱、強く生きた『つる姫』復刊を喜ぶ”. 中日新聞. (2004ー09ー06) 

参考文献

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  • 音楽之友社、音楽新聞社 編『音楽年鑑昭和31年版』音楽之友社、1956年1月1日。 
  • 松原英治『名古屋新劇史』門書店、1960年1月10日。全国書誌番号:60003925 
  • 中部児童文学会 編『中部児童文学選集3「モクモク町」のある1年」』洛英社、1956年1月10日。 
  • 毎日新聞学芸部 編『東海の民話』六法出版社、1975年6月5日。 
  • こどもの図書館 (児童図書館研究会) 36 (6). (1975-06-05). 
  • 『日本名作絵本 手引書』ティビーエス・ブリタニカ、1993年1月1日。 
  • 中西敏夫 編『児童文学者人名事典 日本人編・上巻(あ~さ行)』出版文化研究会、1998年10月30日。ISBN 4-921067-01-5 
  • 日外アソシエーツ株式会社 編『児童の賞事典』紀伊国屋書店販売、2009年7月27日。ISBN 978-4-8169-2197-1 
  • 日外アソシエーツ株式会社 編『文学賞受賞作品総覧 児童文学・絵本篇』紀伊国屋書店販売、2015年7月15日。ISBN 978-4-8169-2698-3 
  • 『阿久根治子ー古事記に魅せられた女流作家(企画展チラシ)』文化の道二葉館、2015年。 
  • 『ふたば便り』第21巻、文化の道二葉館、2015年7月15日。 
  • 愛知県女性史研究会 編『愛知近現代女性史人名事典Ⅱ』愛知県女性史研究会、2020年12月15日。ISBN 978-4-903036-38-0