阪神タイガースの歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
大阪タイガースの歌(創唱盤)
中野忠晴シングル
初出アルバム『『阪神タイガース 選手別応援歌 2003』他』
A面 大阪タイガースの歌
B面 大阪タイガース行進曲
リリース
規格 SPレコード
ジャンル 球団歌, 応援歌
レーベル 日本コロムビア(A-305)
作詞・作曲 作詞:佐藤惣之助
作曲:古関裕而
テンプレートを表示
阪神タイガースの歌(球団公認盤)
立川清登シングル
初出アルバム『『大阪ソウルバラード2005』』
A面 阪神タイガースの歌
B面 阪神タイガース行進曲(インストゥルメンタル
リリース
規格 シングルレコードシングルCDの再発盤有り)
ジャンル 球団歌, 応援歌
レーベル ビクター音楽産業(17VP-2071)
作詞・作曲 作詞:佐藤惣之助
作曲:古関裕而
編曲:小沢直与志
テンプレートを表示

阪神タイガースの歌」(はんしんタイガースのうた)、通称六甲おろし」(ろっこうおろし)は、日本プロ野球セントラル・リーグに所属する阪神タイガースの球団歌である。

作詞・佐藤惣之助、作曲・古関裕而

1936年昭和11年)に「大阪タイガースの歌」(おおさかタイガースのうた)の表題で発表され、1961年(昭和36年)の球団名変更とともに改題された。

変イ長調またはト長調(現在ホームゲーム勝利時に流れるものは変ト長調、応援団の演奏は変イ長調)。

現存する日本野球機構(NPB)12球団の球団歌において最古の楽曲である。

解説[編集]

川崎信用金庫前の歌詞ボード(神奈川県川崎市

1935年(昭和10年)末の大阪タイガース創立に合わせて作られ、翌年3月25日甲子園ホテルで開かれたチームの激励会で初披露された。また、出席した二百人程度の関係者には、中野忠晴が歌ったレコードも配布された。このレコードのB面は「大阪タイガースの歌」と同じメロディで歌詞が違う「大阪タイガース行進曲」であった。

このレコードは、製造した日本蓄音器商会の後身である日本コロムビアや球団事務所・ラジオ局にも保管されていなかったが、愛好者からの提供によって復刻され、2003年平成15年)にアルバムCD『阪神タイガース 選手別応援歌 2003』に収録された。なお、現行版に至るまでの作詞には紆余曲折があり、そのうちの初稿版は藍川由美が歌っている(アーティストを参照)。

戦後、1961年(昭和36年)に球団名が阪神タイガースに変更され、同時に球団歌も「阪神タイガースの歌」に改題されている。この際、歌詞中の「大阪タイガース」が「阪神タイガース」に改められ、これに合わせて曲の一部が変更された(歌詞中、「オウ、オウ、オウ、オウ」の部分は、元来「オオ、オオ、オオ、オオ」で「大阪タイガース」の頭韻の名残りである)。

「阪神タイガースの歌」に改題された際、若山彰の歌唱を再録したバージョンが甲子園球場でのタイガース戦で流されるようになった。このバージョンで歌詞を覚えた中村鋭一(当時朝日放送アナウンサー)が、1971年(昭和46年)以降のプロ野球シーズンで阪神が公式戦で勝利した翌朝に『おはようパーソナリティ中村鋭一です』(ラジオの生ワイド番組)で歌ったことをきっかけに、同番組の高い人気と相まって1970年代に多くのファンへ広まった。1972年(昭和47年)に発売された中村の歌唱によるレコード(テイチクレコード発売)は、40万枚以上のヒットを記録し、1991年(平成3年)にはCD発売された。1985年(昭和60年)にタイガースが日本シリーズで優勝してからは、全国的に知られるようになった。なお、「六甲颪」という通称は、中村が考案したとされる[1]。この番組では、タイガースが勝利した翌日に六甲おろしを歌うのが風習となり、関西地方の朝の名物となり、この風習は後番組で現在放送中の『おはようパーソナリティ道上洋三です』へと引き継がれた。

球団歌として公認されたのは、1980年(昭和55年)にビクター音楽産業(現在のJVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)から発売された立川清登歌唱のバージョンである(変イ長調、小沢直与志の編曲)。阪神タイガースのホームゲームではこのバージョンが球場内に流され、ファンが斉唱した。1992年(平成4年)には「六甲おろし 阪神タイガースの歌」の表題でシングルCDとして再発され、阪神ファンの間で正調とされてきたが[2]1999年(平成11年)に廃盤となった。その後、ファンの待望の声に応え、2005年(平成17年)にビクターから限定発売されたコンピレーション・アルバム『大阪ソウルバラード2005』に収録された。

球場で立川の歌が使われなくなってからは、1992年(平成4年)に発表された唐渡吉則歌唱のバージョン(CDアルバム『'92阪神タイガース選手別応援歌ヒッティング・マーチ集』に収録)が代用された[3]。行進曲風の調子が和らげられ、歌謡曲風にアレンジされていた(ト長調)が、毎日放送が制作に関わっていたことから問題になり、球場では伴奏だけのものを使用することになった(ただし、倉敷マスカットスタジアムなど、オーロラビジョンのない地方球場主催の場合は、歌詞つきとなる。また、ビジター球場で流される場合は、多くの場合唐渡版・歌詞つきである)。なお、阪神甲子園球場では、球団のマスコットであるトラッキーのアニメーションとともに、歌詞がスコアボードに映される。

なお、ソフトバンク、阪神を除くセ・リーグ5球団のビジターゲームにおいて7回攻撃前に流れる「六甲おろし」は、これまで通り前述の唐渡の歌唱バージョンが流れている(2017年までの巨人主催東京ドームでの試合のラッキー7は応援団が演奏していた。それ以外はインストゥメンタル。一方オリックスの主催の試合では甲子園のジェット風船時のBGMが流れる)。

その一方で、2020年(令和2年)2月14日から2週間限定で公開されている阪神球団85周年記念の公式ドキュメンタリー映画『阪神タイガース THE MOVIE~猛虎神話集~』(製作:『TIGERS THE MOVIE』製作委員会、配給:KADOKAWA)では、2017年(平成29年)に87歳で永眠した中村が生前に歌唱したバージョンの音源が使われた[4]。また、作曲者の古関が主人公のモデルになったNHK連続テレビ小説エール』第61話(同年6月22日放送分)では、古関が大阪タイガースからの依頼で「大阪タイガースの歌」を提供した実話がエピソードに盛り込まれた(いずれも阪神OBの掛布雅之が出演)[5]

歌詞[編集]

歌詞は1992年(平成4年)12月31日著作権の保護期間を満了し、パブリックドメインとなっている。旋律は日本コロムビアの管理楽曲となっており、演奏に際しては専属開放申請が必要である。

一、
六甲颪ろっこうおろしに 颯爽さっそう
蒼天翔そうてんかける日輪にちりん
青春せいしゅん覇気はき うるわしく
かがやぞ 阪神はんしんタイガース
オウ オウ オウオウ 阪神はんしんタイガース
フレ フレフレフレ

二、

闘志溌剌とうしはつらつ つやいま
熱血既ねっけつすでに てき
獣王じゅうおう意気いき たからかに
無敵むてき我等われらぞ 阪神はんしんタイガース
オウ オウ オウオウ 阪神はんしんタイガース
フレ フレフレフレ

三、

鉄腕強打てつわんきょうだ 幾千度いくちた
きたえてここに 甲子園こうしえん
勝利しょうりゆる 栄冠えいかん
かがや我等われらぞ 阪神はんしんタイガース
オウ オウ オウオウ 阪神はんしんタイガース
フレ フレフレフレ

正式な歌詞ではないが球場では前奏が流れるのに合わせて「強い 強い 阪神タイガース」と歌うファンが多い。

六甲颪について[編集]

一番冒頭に登場する「六甲颪」は、六甲山系から吹き降ろす山颪の通称であり、主に秋から春にかけて吹くことが多い。井上章一は、プロ野球のシーズンが開催される夏に吹くのはほとんどが浜風であることを踏まえ、実際の現象と歌詞のずれについて「作詞家の佐藤は阪神地方の気候について詳しくなかったのだろう」と指摘している[6]。しかし、この歌が制作された当時のプロ野球では2シーズン制を採用していたこともあってシーズン最終戦が12月頃となることが一般的であり、シーズンを戦い抜いたチームを讃える歌詞としては適当であったと言える。

アーティスト[編集]

肩書・所属はいずれも最初の収録時点

みんなで六甲おろし[編集]

甲子園球場や京セラドーム大阪の阪神主催試合で、2016年からスコアボードに流される「六甲おろし」の映像は、「みんなで六甲おろし」と銘打って、阪神ファンの各界著名人がリレー方式で歌っているように編集されている。

2016年には、西川貴教(歌手)がメインボーカルを務めた映像を、レギュラーシーズンの開幕戦(3月25日に京セラドーム大阪で催された対中日ドラゴンズ戦)から第1弾として使用[8]。6月28日の対横浜DeNAベイスターズ戦(甲子園)からは、Char(ギタリスト)がリードギターを演奏したバージョンと水樹奈々(声優・歌手)がメインボーカルを務めたバージョンを追加するとともに、前述の第1弾と合わせて3つのバージョンをシーズン終了までランダムで使用した[9]

2019年には、阪神ファンの著名人に加えて、在阪民放テレビ局およびサンテレビジョンのアナウンサーや情報番組への出演者(いずれも当時)も参加。2018年版までと違ってメインボーカルを置かず、出演者全員が歌唱する映像を放送局単位のリレー方式で組み合わせていた。また、女性陣のみで構成される「TORACOバージョン」も製作。「TORACO DAY」と銘打った5月11日の対中日戦(甲子園)限定で流された。

阪神球団の創立85周年に当たる2020年には、「阪神ファンのミュージシャンが『タイガースバンド』を結成した」という設定で、5人のミュージシャンが85周年記念仕様のレプリカユニフォームを身にまといながら「85th Special Edition六甲おろし」を演奏した映像を制作。この設定によって復活したリードボーカルに、水樹と岡崎体育(シンガーソングライター)が起用された。この年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でNPBレギュラーシーズンの開幕が当初の予定から約3ヶ月遅れたことを背景に、甲子園球場でのホーム開幕戦に当たる7月7日の対巨人戦から放映を開始。上記の影響を踏まえて、放映開始から当面の間は、放映の如何にかかわらず場内で観客が声を張り上げて「六甲おろし」を合唱する行為を禁止している[10]

2016年版[編集]

リードボーカル・リードギター[編集]

VTR出演[編集]

2017年版[編集]

リードボーカル[編集]

VTR出演[編集]

  • 遠藤章造
  • 陣内智則
  • TAKUMA10-FEET
  • Char
  • 千秋
  • 月亭八方
  • トミーズ雅
  • ヒロ寺平
  • 増田英彦(ますだおかだ)
  • 松村邦洋
  • 水樹奈々
  • 若旦那湘南乃風
  • 渡部建(アンジャッシュ)

2018年版[編集]

リードボーカル[編集]

VTR出演[編集]

2019年版[編集]

VTR出演[編集]

アナウンサー[編集]

2020年版(タイガースバンド)[編集]

リードボーカル[編集]

その他のメンバー[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 井上章一『阪神タイガースの正体』(太田出版、2001年)に掲載された中村へのインタビューで「一番のうたいだしから、私が勝手に命名しました」と語っている(同書P320)。
  2. ^ テレビ番組『ズームイン!!朝!』のプロ野球いれコミ情報コーナーでも、阪神情報を伝える際のBGMに、同音源のインストゥメンタルが使用された。
  3. ^ 1993年(平成5年)には、CDシングル「六甲おろし」が発売。先述のCDも含め、発売元は日本コロムビア
  4. ^ この映画では、朝日放送テレビ(永眠の翌年に旧・朝日放送からテレビ放送・アナウンス管理などの業務を継承した会社)が製作委員会へ名を連ねるとともに、製作に際して(旧・朝日放送時代を含む)阪神戦テレビ中継のアーカイブ映像を提供。一部の上映館(甲子園球場に最も近いTOHOシネマズ西宮OSなど)では、公開初日のみ「応援上映」(上映中に中村バージョンの音源に合わせて観客が歌唱することを特別に認める回)を設定していた。
  5. ^ 掛布雅之氏が朝ドラ「エール」出演、六甲おろし熱唱(『日刊スポーツ2020年6月22日付記事)
  6. ^ 2014年5月19日付 愛媛新聞19面『こころの森』井上章一
  7. ^ 以来、2003年(平成15年)発売の『阪神タイガース選手別応援歌2003』まで、日本コロムビアから発売のCDアルバム『阪神タイガース選手別応援歌』シリーズにおいて、必ず収録された('97年版までは、初出の音源。'98年版以降は、甲子園バージョンというアレンジバージョンを収録)。
  8. ^ 【阪神】「六甲おろし」も超変革! 著名人が映像でエール報知新聞 2016年3月22日
  9. ^ 『みんなで六甲おろし』にCharさん、水樹奈々さんが登場!〜新たに2バージョンが完成〜,阪神タイガース公式サイト 2016年6月27日
  10. ^ 『みんなで六甲おろし 2020』~今年はバンドバージョン!~阪神タイガース公式サイト 2020年7月3日
  11. ^ 『みんなで六甲おろし 2017』〜今年も豪華有名人が続々登場!〜,阪神タイガース公式サイト,2017年3月16日
  12. ^ 『みんなで六甲おろし2017』に〜NMB48山本彩さんが新登場!〜,阪神タイガース公式サイト,2017年5月26日

関連項目[編集]