闘魂ヒート

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闘魂ヒート
Toukon Heat
ジャンル プロレスアドベンチャー、アクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス[GBA]
発売元 パシフィック・センチュリー・サイバー・ワークス・ジャパン
人数 1人
メディア [GBA]64Mbitロムカセット
発売日 ゲームボーイアドバンス
日本の旗 2002年12月20日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
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本作から生まれた実在レスラーの「ヒート」(2020年)

闘魂ヒート』(Toukon Heat)は、パシフィック・センチュリー・サイバー・ワークス・ジャパンゲームボーイアドバンス2002年12月20日に発売した新日本プロレスを題材にしたプロレスアドベンチャーゲーム、アクションゲーム(発売元は「プロレス・ライブ・アクションゲーム」と呼称[1])である[2]

概要[編集]

2002年8月29日に都内で発表された闘魂ゲームプロジェクトのひとつ(もう一作はPlayStation 2用ソフト『闘魂猪木道』)。アントニオ猪木が直接プロデュースを担当し、キャラクターデザインは漫画家の島本和彦が務める[3]。小学生プロレスラーのヒート(大羽火人)を主人公にするプロレスアドベンチャーゲームで、発売前の10月14日に現実の新日本プロレスでも「ヒート」としてデビューした[4][5]

ゲームは大羽火人として自宅での自主トレーニングや友人との会話、ときには覆面を被り道場でスパーリングするデイリーパートと、新日本プロレスの興行日程を消化する試合パートで進められる。試合パートは社長から指定される必ずしなくていけない試合日以外は、シリーズ中であれば全大会参加も全大会不参加とすることもできる。

ストーリーモードの他には試合モードがあり、コンピューター操作のと対戦の他、通信ケーブル対応で他のプレイヤーとの対戦も可能。 使える選手はストーリーの進行(主に日付)に合わせて増えていく。

ライターの赤野工作は「キッズゲームなのにキッズがついてこれなかった。プロレスファンにとっては随所に小ネタが盛り込まれた神ゲー」と述べている[6]

ストーリー[編集]

重傷を負った小学生・大羽火人(おおば・ひびと)はアントニオ猪木からの輸血という形で“INOKI-IZM”を伝承された。以降、火人はマスクをかぶり、謎のマスクマン「ヒート」として新日本プロレスリングのリングにたち、実在するレスラー達、そして運命のライバルたちと戦っていく[7]

登場人物[編集]

主人公[編集]

大羽火人/ヒート
主人公の小学生。覆面を被ることでヒートに変身。新日本プロレスの選手、スタッフには小学生であることは秘密である。ベーシックスタイルは玄武の力。闘魂チャージメーターが満タン時にBボタンを押すことで白虎の力が宿る「タイガー・ヒート」(投げ技強化)、青竜の力が宿るドラゴン・ヒート(関節技強化)、朱雀の力が宿るフェニックス・ヒート(飛び技強化)の3モードに進化できる。変身時の名前は変更可能であるが「○○ヒート」と変更後も語尾に「ヒート」がつく。
火人自身は当初プロレスに興味はなく、対戦相手のことはつむぎから知る程度。猪木のことは「ダー!する変なおじさん」と捉えている。なお、火人の読みは「ひびと」であるが、アントニオ猪木の会話中のみ「ひーと」とルビが振られる。

主人公とその仲間[編集]

おもにデイリーパートで火人を支える。

織部つむぎ
火人の友人。クラッチ式フィシャーマンバスターをつっこみに使い、公園でプロレス(火人は実験台)するなどかなりのプロレス通。火人=ヒートとはわかっていないが、知らず知らずのうちにヒートの情報面をサポート。
蔵前国雄
火人、つむぎらのクラス担任。通称・蔵前先生。さわやかな風貌だが蝶野正洋の熱狂的ファンでnWoシャツを着るほか、全身アリストトリストグッズである。ダイナマイトキッドvsタイガーマスク戦でプロレスファンになった。
大羽奈津子
火人の母。夫は事故で亡くしており、翻訳業を生業としている。
マスクド・アントン
プロレスショップ「マスクド・アントン」の店員[8]。猪木の顔をかたどった覆面を被る謎多き人物。店の裏はなぜか南国の海になっている。本名は安丼(あんどん)で、ヒートのファイトマネーは一時的に彼の元に入っている。
百舌鳥円
新日本プロレスのスポンサー令嬢。

新日本プロレス[編集]

ヒートの参戦するプロレス団体。素性不明なヒートを警戒しつつも、応援する。

藤波辰爾
新日本プロレス社長。通称・ドラゴン。話好きで内容が横に逸れやすい。
池谷幸
新日本のスタッフ。週刊コングにインタビュー記事が出るほど有名なスタッフ。アントニオ猪木から指名のあったヒート参戦にゴーサインを出した人物。
七味晋一郎
新日本のスタッフ。闘魂ショップ勤務。受付役のような形で登場し、こっそり初代ヒートを名乗る[9][10]
木戸修
常に野毛道場にいる名コーチ。
ケロちゃん
新日本プロレスのリングアナウンサー
蝶野正洋
渋谷オフィスにいるアメリカナイズされたプロレスラー。
西村修
試合の組み立てと輪廻転生について教えてくれる先輩レスラー。話の内容が小学生に理解できないほど小難しい。
棚橋弘至
新日本プロレスの若手レスラー。
安田忠夫
パチスロ好きのスキンヘッドのプロレスラー。

新日本プロレスジュニア[編集]

ヒートの階級がジュニアヘビー級であるため、初期の対戦相手となる。

金本浩二
関西弁で喧嘩っ早い新日本のレスラー。
エル・サムライ
新日本所属の覆面レスラー。試合前に競馬新聞を買う。
獣神サンダー・ライガー
新日本所属の覆面レスラー。人気も実力も高い。ゲーム冒頭ではIWGPジュニアヘビー級王者
後にブラックライガー、バトルライガーとしても登場する。
成瀬昌由
昔気質のプロレスラー。関節技に自信がある。
井上亘
几帳面なプロレスラー。性格もストレート。
田中稔
ヒートを見て、他人とは思えないと語るレスラー。語尾は「っス」。

謎の戦士[編集]

月鬼
月よりの使者を自称する覆面レスラー。IWGPジュニア王座に挑戦し獲得していく。読みは「げっき」。
月姫
うさぎのようなマスクをかぶった女性レスラー。火人のことを内面からよく知っており、ヒートと戦うため新日本に上がることを希望する。読みは「げっき」。月鬼との関係は不明。
ショウ
アントニオ猪木の息子を自称する謎の男。
アントニオ猪木
ゲーム中では前年12月31日に現役復帰している新日本プロレスオーナー。たびたび強権を発揮。口癖は「ンムフフフ」。

音楽[編集]

主題歌[編集]

熱くファイト![11]
作曲:関戸鉄也 作詞:島本和彦 唄:REN

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ PCCWJapan、『闘魂猪木道』&『闘魂ヒート』の完成披露パーティを開催”. 電撃オンライン (2002年11月21日). 2019年2月13日閲覧。
  2. ^ アクション > 闘魂ヒート”. ファミ通.com (2002年12月20日). 2019年2月13日閲覧。
  3. ^ アントニオ猪木プロデュース、『闘魂ヒート』と『闘魂道』が発表!”. ファミ通.com (2002年8月29日). 2019年2月13日閲覧。
  4. ^ 「闘魂ヒート」の主人公がドームでIWGPに挑戦!?”. ITmedia (2002年9月11日). 2019年2月13日閲覧。
  5. ^ PCCW Japan、GBA「闘魂ヒート」がリングデビュー!10・14東京ドーム大会ではCMも放映”. GAME Watch (2002年10月15日). 2019年2月13日閲覧。
  6. ^ コミュニティレギュラー放送 第213回 闘魂ヒート①”. ニコニコ動画 (2015年6月29日). 2019年2月14日閲覧。
  7. ^ PCCW Japan、アントニオ猪木のゲームを発表!!猪木曰く、「元気があればゲームも楽しめる!」”. GAME Watch (2002年8月29日). 2019年2月13日閲覧。
  8. ^ 外観、内装のモデルは闘魂ショップ渋谷店。
  9. ^ これはヒート発表記者会見では正体隠しのため、新日本プロレスソフト事業部の若手社員・五味晋一郎がヒートのマスクをかぶっていたという関係者以外わからない小ネタ。
  10. ^ 高木圭介『新日本プロレス50年物語 第2巻 平成繁栄期』(2022年、ベースボールマガジン社)245、246頁
  11. ^ ゲーム中では歌声の入ったバージョンは流れない
  12. ^ ベースボールマガジン社「Sports Spirit21 マスクマンワールド All about Masked Heroes」(平成16年4月10日発行)21頁