関越トンネル

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関越トンネル
Kan-Etsu Tunnel.jpg
(上り線(湯沢 側) 2008年)
概要
位置 群馬県新潟県
座標 北緯36度49分39秒
東経138度54分13秒
座標: 北緯36度49分39秒 東経138度54分13秒
現況 供用中
所属路線名 関越自動車道
起点 群馬県利根郡みなかみ町
終点 新潟県南魚沼郡湯沢町
運用
開通 1985年(昭和60年)10月2日(下り)
1991年(平成3年)10月22日(上り)
所有 日本高速道路保有・債務返済機構
管理 東日本高速道路
通行対象 自動車
日平均通行量 16,361 台(2002年度。上り下り合計)
技術情報
全長 10,926 m(下り)
11,055 m(上り)
道路車線数 片側2車線
設計速度 80 km/h最高速度:80 km/h)
7 m
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下り線(水上側)

関越トンネル(かんえつトンネル 英語表記:Kan-etsu Tunnel)は、群馬県利根郡みなかみ町新潟県南魚沼郡湯沢町県境間にある関越自動車道トンネル谷川岳を貫通している。

概要[編集]

利根郡みなかみ町の谷川岳PAと、南魚沼郡湯沢町の土樽PAの間にあり、全長は上り線が11,055m、下り線は10,926mで道路のトンネルでは日本最長だったが、2015年3月7日首都高速中央環状線山手トンネルが全線で開通したのに伴いその座を明け渡し、2017年現在はそのトンネルに次いで2番目、世界でも17番目(en:List of long tunnels by type#Road参照)という長大トンネルでもある。ただ、山岳道路トンネルでは依然として日本最長を維持している。総事業費は当時で約630億円。

1985年10月2日、現在の下り線トンネルが開通した。当初は片側1車線(暫定2車線)対面通行であった。これにより、関越道の練馬IC - 長岡JCT間の全線が開通し、日本で最初の列島横断道が完成した。更に1991年10月22日に上り線トンネルが開通し、全区間が4車線となった。

長大のトンネルゆえか、トンネル内は開通以来最高速度が70km/hに規制されていたが、2015年10月1日に80km/hに引き上げられている。

なお、谷川岳PAにはトンネルの概要などを紹介したトンネル館が2014年まであった。

トンネル設備[編集]

事故・火災・故障車両発生などの緊急時に備え、上下線ともトンネル入口には信号機が設置されている(トンネル最直前の信号機の手前には、赤信号のときの停止線がある)。

トンネル内ではハイウェイラジオが放送されている。再送信は在京の民放AMラジオ3局(TBSラジオ(954kHz)、文化放送(1134kHz)、ニッポン放送(1242kHz))とNHK第1東京局(594kHz)(これらのラジオ局に設定していても、数回NEXCO東日本の案内メッセージが流れる)。新潟との県境であるが新潟県域局であるラジオ局(新潟放送(BSNラジオ)とNHK新潟放送局のラジオ第1放送)は再送信されていない。

また、全線にわたって携帯電話の通話も可能である。

トンネル内の電力は、走行車線側および追越車線側が、それぞれ東京電力および東北電力により供給されている。これは、一方の電力会社のみに起因して停電となっただけでトンネル内が消灯してしまうのを避けるためである。

153キロポスト付近に群馬県と新潟県の県境があり、路面と壁に線が引かれていて走行中でも見えるほどに大きく書いてある。

換気所[編集]

トンネルの換気のため、谷川地下換気所(水上側から3,738m地点)、万太郎地下換気所(湯沢側から2,968m地点)が設けられている。地上部が非常に急峻な地形で登山道すらなく、作業道を開通させることができなかったことから、通常のトンネルと異なりトンネル内部から掘り上げるという変わった工法[1]で建設された。このため、換気所の地上部分については、修景にまで手が回らず、コンクリート打ちっ放しという非常に無機質な外観となっている。[2]

避難坑[編集]

関越トンネルには、上・下線のトンネルの中間に平行して避難坑(避難用トンネル)が存在している。このトンネルは、建設時に地質調査や本トンネル建設作業のための先進導坑として掘られ、後に避難用として転用されたものである。両側の本線からは下り車線は350mおきに、上り車線は700mおきに連絡口が配置され、火災等の緊急時には当該トンネルから避難坑へ、さらには反対側のトンネルへ避難することも可能である。

こうした避難坑の設置思想は、東名高速道路日本坂トンネル火災事故での死亡事故を教訓として、関越トンネル以降に建設された自動車用長距離トンネル建設において、一般化されるようになった。

通行制限[編集]

およそ11kmに及ぶ長大トンネルであるため、関越トンネルを含む水上IC - 湯沢ICの間は危険物積載車両(柏崎刈羽原子力発電所核燃料を除く)は通行できない。県境を越えるこれら車両は月夜野IC - 湯沢ICの間は、国道17号三国峠)を通行することになる。これは、該当車両が水上ICで退出したとしても、接続道路である国道291号は県境付近が通行不能であり、結果として国道17号を利用するために月夜野IC付近まで戻る必要があるためである(下り線の月夜野ICおよび水上ICの手前と、上り線の湯沢ICの手前には、該当車両に退出を促す内容の標識がある)。

なお、上り線を走行している該当車両がトンネル手前まで来てしまった場合には、下り線へUターンできるよう土樽PAに退出路が設けられている。

また、金属製のタイヤチェーンを装着した車両は危険防止のため(主に、走行中に破損する恐れがあるため)通行が禁止されている。このためスタッドレスタイヤを使用するか、トンネル両端部の谷川岳PA、土樽PAでチェーンの脱着作業を行う必要がある。 ただし、ゴム製のタイヤチェーンの場合はそのまま走行可能だが、路面との摩擦による破断を防ぐため速度が50km/hに規制される。

ちなみに、トンネル手前の各PAまでチェーン規制が行われている場合や、降雪により今後チェーン規制を行う可能性がある場合は、スタッドレスタイヤ車や大型車を含め全車がこれらPAに誘導されタイヤの確認が行われる。この影響により、これらPAを先頭に渋滞が発生しやすい。

特別料金[編集]

トンネル維持・管理費が高額なため、トンネルにかかる水上IC - 湯沢IC間は、高速道路の対距離料金が他区間に比べ、1.6倍にもなっている(関越特別区間)。これは長距離トンネルである中央自動車道恵那山トンネル東海北陸自動車道飛騨トンネルも同様である。

なお、2011年8月1日より2013年年度末までの予定で、恵那山トンネルや飛騨トンネルと共に料金が一般区間並みに引き下げられた[3]

その後、2014年4月1日より当面10年間実施の予定で、ETC無線通行時に限り、引き続き料金引き下げが行われている[4]

笹子トンネル崩落事故による緊急点検[編集]

2012年12月2日午前8時頃に発生した中央道上り線笹子トンネル天井崩落事故を受けて、NEXCO東日本は全国にある笹子トンネルと同型のトンネル全てを緊急点検すると発表した。関越トンネルにおいてもこれに該当し、3日から順次点検が行われた[5]

その後、2013年6月17日付けのプレスリリースによると、上り線が7月1日・4日・8日、下り線が7月11日・16日・17日のそれぞれ20時から翌朝6時まで通行止めとし、関越トンネル内の天井板3枚を撤去すると発表した[6]

なお、通行止め規制区間は上り線が湯沢IC - 水上IC間、下り線が月夜野IC - 湯沢IC間である。

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関越自動車道
(15)水上IC - 谷川岳PA - 関越トンネル - 土樽PA - (16)湯沢IC

関越トンネルを取り上げたテレビ番組[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ http://www.eng.niigata-u.ac.jp/~applmech/jsce/article/025/art025.html 参照
  2. ^ http://yankima.com/onair/120705/index.html FM新潟のNEXCO東日本提供番組サイト 参照
  3. ^ http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h23/0715/ NEXCO東日本 高速道路の割高区間等の料金割引について
  4. ^ http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h26/0314/ NEXCO東日本 新たな高速道路料金について
  5. ^ NEXCO東日本におけるトンネル天井板の緊急点検について - 2012年12月3日、東日本高速道路株式会社プレスリリース。
  6. ^ 関越自動車道(上下線)夜間通行止め規制について - 東日本高速道路新潟支社 プレスルーム

関連項目[編集]

外部リンク[編集]