関屋駅 (新潟県)

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関屋駅
南口(2016年8月)
せきや
Sekiya
青山 (1.5 km)
(1.5 km) 白山
地図
所在地 新潟市中央区関屋大川前二丁目2-1[1]
北緯37度54分21.34秒 東経139度0分53.85秒 / 北緯37.9059278度 東経139.0149583度 / 37.9059278; 139.0149583座標: 北緯37度54分21.34秒 東経139度0分53.85秒 / 北緯37.9059278度 東経139.0149583度 / 37.9059278; 139.0149583
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 越後線
キロ程 79.2 km(柏崎起点)
電報略号 セヤ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 1面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
1,684人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 1913年大正2年)11月15日[1]
備考 業務委託駅
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北口(2021年9月)

関屋駅(せきやえき)は、新潟県新潟市中央区関屋大川前二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)越後線である。

歴史[編集]

旧新潟競馬場[編集]

以前北口側には新潟競馬場(関屋競馬場)があった。1906年に開場し、週末には多くの人々が越後線を利用して来場していたと言われている。また戦前の新潟競馬開催の際には当時の国営競馬の馬場であった東京中山横浜鳴尾[注 1]京都の各地の厩舎[注 2]から鉄道による馬運貨物輸送により競走馬が関屋駅に運ばれていたこともある[11]

当駅周辺はかつて「競馬町」と言う通称で呼ばれていた。

しかし信濃川分水路として関屋分水路が開削されるに当たり、計画ルート上にある住宅等を移転させる必要が生じたため、旧競馬場は1964年に閉鎖され、翌1965年5月から当時の北蒲原郡豊栄町笹山(市制施行を経て現新潟市北区笹山)に移転。跡地は掘削地代替住宅地として再開発され、周辺には競馬場そのものの痕跡は残っていない。なお、信濃町地内にある関分公園内には「新潟競馬場跡の碑」が建立されている。

この“関屋”の名は、新潟競馬場開催の重賞競走「関屋記念」として遺されている。当駅周辺では、西側(内野寄り)にある「競馬場踏切」等の名称が、この周辺に以前競馬場があったことを表している。この他、以前は青果店や鮮魚店、精肉店等が集積した「競馬町マーケット」が競馬場踏切北側に所在したが、老朽化等のため2007年6月30日限りで閉鎖となり、2008年2月に撤去された。

東関屋駅[編集]

南口から南西へ徒歩約5分の所に新潟交通電車線東関屋駅があった[1]。現在は駅舎・駅施設共既に撤去され、跡地は市や民間に売却された。現在では住居表示では無いがBRTの運行が決定した際に「東関屋」バス停としてその名前を復活し残している。

跡地には、市営関屋大川前住宅(市営住宅)をはじめ、社会福祉法人の運営する施設や介護福祉施設やマンション等が建設された。

橋上駅舎化[編集]

当駅はこれまで南側にしか駅舎が無かったため駅北側からは利用しにくく、また合理化のため、夕方通勤時間帯を過ぎると駅舎は施錠・消灯され窓口等が利用出来ない等、利用者や周辺住民からは不評で、新潟市やJR東日本新潟支社には北口駅舎新設や橋上駅舎化を求める意見がしばしば寄せられていた。

新潟市とJR新潟支社は2003年度から橋上化事業に着手し、2005年11月に改築工事に着工、2006年12月9日に橋上駅舎と自由通路が完成し供用を開始した[12]。引き続き南北エントランス部に駅前広場を設ける工事を実施し、2007年夏に完工した。なお、改札口内には「関屋駅 いま・むかし」という案内板が設置されており、2007年及び1931年現在の地図及び旧駅舎の写真が描かれている。

北口側のアクセス道路もこの事業に伴って整備された[13]

駅構造[編集]

島式ホーム1面2線を有する地上駅[1]橋上駅舎を備える。新潟駅管理の業務委託駅JR東日本シティクリエイト(JENIC)受託)。改札口には自動改札機が設置されており、全通路でSuica等のICカードが利用可能。バリアフリーを重視した橋上化に合わせて発車標が設置されており、自動券売機多機能券売機[10]待合室(改札内)等がある。駅事務所は自由通路に面する2階に設置されている。なお、橋上化前まではホーム上に待合室が設置されていた。

交通バリアフリー観点から、改札内コンコースとホームを連絡するエレベーター1基と誘導チャイムが設置されている他、コンコースのトイレにはオストメイトに対応した多機能トイレが併設されている。自由通路(南北自由通路)は新潟市に財産権原があり、中央区の建設課が管理している。また、施設のバリアフリー対策として、改札口正面には音声案内装置を備えた周辺地図が設置されている他、南口・北口にエレベーター各1基が設置されている。規模の大きい亀田駅や豊栄駅とは異なり、改札外にトイレは設置されていない。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先 備考
1 越後線 上り 内野方面[14]  
下り 新潟方面[14] 当駅始発
2  
  • 日中は、殆どの列車が当駅で行違いを行う。
  • 平日・土曜日には新潟駅 - 当駅間を折返す列車が1往復設定されている。

利用状況[編集]

JR東日本によると、2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員1,684人である[利用客数 1]

2000年度(平成12年度)以降の推移は以下の通り。

乗車人員推移
年度 1日平均
乗車人員
出典
2000年(平成12年) 1,569 [利用客数 2]
2001年(平成13年) 1,635 [利用客数 3]
2002年(平成14年) 1,613 [利用客数 4]
2003年(平成15年) 1,582 [利用客数 5]
2004年(平成16年) 1,572 [利用客数 6]
2005年(平成17年) 1,593 [利用客数 7]
2006年(平成18年) 1,644 [利用客数 8]
2007年(平成19年) 1,768 [利用客数 9]
2008年(平成20年) 1,794 [利用客数 10]
2009年(平成21年) 1,725 [利用客数 11]
2010年(平成22年) 1,804 [利用客数 12]
2011年(平成23年) 1,876 [利用客数 13]
2012年(平成24年) 1,957 [利用客数 14]
2013年(平成25年) 2,033 [利用客数 15]
2014年(平成26年) 1,918 [利用客数 16]
2015年(平成27年) 1,938 [利用客数 17]
2016年(平成28年) 1,955 [利用客数 18]
2017年(平成29年) 1,939 [利用客数 19]
2018年(平成30年) 1,881 [利用客数 20]
2019年(令和元年) 1,873 [利用客数 21]
2020年(令和02年) 1,603 [利用客数 22]
2021年(令和03年) 1,643 [利用客数 23]
2022年(令和04年) 1,684 [利用客数 1]

駅周辺[編集]

周辺は古くからの住宅地であるが、近年マンション建設も盛んに行われている。

以前は新潟市内随一の工業地帯であり、1909年(明治42年)時点では関屋地内に17の製油所があった[15]新津油田などから石油が運ばれていたほか[16]、製油に用いる硫酸を製造する新潟硫酸の工場もあった[15][17]。駅南東側にはかつて工業用潤滑油などを加工する歴世礦油の工場があり、越後線が貨物輸送を行っていた頃には引込線も設置されていた。しかし1996年に発生した工場火災事故の影響もあり、新潟西港に近い同市平和町(現東区平和町)に移転・統合された。歴世礦油から譲渡された跡地は商業地として開発され、1999年[18]に関屋ショッピングセンターとなった。

駅前広場には南口・北口共にロータリーがある。タクシーの常駐は無い。

南口側[編集]

数軒の飲食店がある。

北口側[編集]

バス路線[編集]

駅前にはバス停は無いが、南口から徒歩約5分の第一高校前バス停と、北口から徒歩約5分の信濃町バス停から各方面への路線バスが運行されている。いずれも新潟交通と地域子会社の新潟交通観光バスの運行による。路線図や時刻表は「路線・のりば(新潟交通)」を参照。

南口側[編集]

南口から徒歩約5分、関屋大川前一丁目交差点角にバス停があり、2019年5月現在では新潟交通グループ路線が以下のように運行されている。

バス停名 乗り場位置・方面 路線名 系統・行先
第一高校前 関新ポンプ場側
(青山方面)
BRT 萬代橋ライン B10:青山
※一部便は青山から W3 寺尾線・ W4 大堀線に直通
B11:青山・青山本村・青山一丁目
B13:青山・西部営業所
W4 大堀線 W45:内野営業所
W6 千歳大橋線 W60:青山(本数少)
白根方面へのダイレクト便 W70:【快速】白根・潟東営業所
第一高校校舎前
(古町・新潟駅方面)
BRT 萬代橋ライン B10・B11・B13:新潟駅前
白根方面からのダイレクト便 W70:新潟駅前
モーニングライナー W46:新潟駅南口
W70:新潟駅前
第一高校校舎前
(県庁方面)
W4 大堀線
W6 千歳大橋線
W45・W60美咲合同庁舎(本数少)
  • 萬代橋ラインの停留所番号は13。快速も停車する。
  • 寺尾線・大堀線直通便の行先は「イオン新潟青山ショッピングセンター#青山バス停」を参照。
  • 美咲合同庁舎発着便(W45・W60)は、平日のみ運行。W70系統の快速ダイレクト便及びモーニングライナーは、新潟駅前 - 当停留所間は各停留所に停車する。

北口側[編集]

北口から徒歩約3 - 5分、信濃町交差点周辺にバス停があり、新潟交通グループの路線が以下のように運行されている。

バス停名 乗り場位置・方面 路線名 系統・行先
信濃町 新潟日報 NIC有明前
(小針・小新・内野方面)
W2 西小針線 W20・W23:坂井・内野営業所
W21・W23新潟大学・内野営業所
W22:信楽園病院
C2 浜浦町線
C3 信濃町線
C20・C30・C31:西部営業所
花工房パレット前
(有明・五十嵐方面)
W1 有明線 W10・W13:内野営業所
W11:グリーン団地前
W12:信楽園病院
青山 青山循環線 青山(信濃町先回り)青山
C2 浜浦町線
W2 西小針線
C20・C21・W25:新潟駅前
西大通り弥生町交差点前
(古町・新潟駅・県庁方面)
W1 有明線
W2 西小針線
W10・W11・W12・W20・W21・W22:新潟駅前
W13・W23:美咲合同庁舎
W14・W24:【モーニングライナー】新潟駅南口
中華料理瑞鳳裏
(古町・新潟駅方面)
C2 浜浦町線
C3 信濃町線
C30・C31・C32:新潟駅前
  • 西小針線のうちW21の一部は新潟大学(新大西門)発着。また快速は坂井方面、新潟大学方面とも当停留所には停車しない。
  • 中華料理瑞鳳裏(旧ウオロク裏)の停留所は、信濃町線および浜浦町線からの循環便のみが発着する。

隣の駅[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)
越後線
青山駅 - 関屋駅 - 白山駅

脚注[編集]

記事本文[編集]

  1. ^ 初代の阪神競馬場である。
  2. ^ 戦前の競走馬調教は現在のように美浦栗東でのトレーニングセンターに集約されておらず、各競馬場ごとに厩舎が在り、そこで調教されていた。
  3. ^ 関屋中央支店は旧第四銀行店舗。関屋支店は旧北越銀行店舗。2021年8月23日に関屋中央支店の建物を継続利用する形で店舗統合を実施し、2022年9月20日に関屋支店の建物を建替えて移転した。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 『週刊 JR全駅・全車両基地』 21号 新潟駅・弥彦駅・津南駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年12月30日、23頁。 
  2. ^ 「軽便鉄道停車場設置」『官報』1913年11月20日(国立国会図書館デジタル化資料)
  3. ^ a b c d 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、599頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  4. ^ a b c 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「大糸線・飯山線・篠ノ井線・越後線・弥彦線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第9号、朝日新聞出版、2009年9月6日、25頁。 
  5. ^ 日本国有鉄道告示第83号”. 官報. 1951年04月04日 - 国立国会図書館デジタルコレクション. 国立国会図書館. 2021年10月17日閲覧。
  6. ^ 「日本国有鉄道公示第150号」『官報』1951年6月22日(国立国会図書館デジタル化資料)
  7. ^ 日本経済新聞 平成3年9月29日地方経済面新潟
  8. ^ 平成16年11月27日(土)新潟駅で自動改札使用開始!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道新潟支社、2004年11月27日。 オリジナルの2006年1月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20060108154725/http://www.jrniigata.co.jp/information/20041127jidoukaisatsu.pdf2021年1月8日閲覧 
  9. ^ 2006年1月21日(土)新潟エリアSuicaデビュー!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道新潟支社、2005年9月21日。 オリジナルの2006年1月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20060105212914/http://www.jrniigata.co.jp/information/20050921suica.pdf2021年1月8日閲覧 
  10. ^ a b 駅の情報(関屋駅):JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2023年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月4日閲覧。
  11. ^ 「競馬法制定50周年」『優駿』、中央競馬ピーアール・センター、1973年10月、43頁。 
  12. ^ 市報にいがた 第2076号 2006年12月10日 p.1 関屋駅橋上駅舎・自由通路が完成 きのう9日オープン - 新潟市
  13. ^ 市報にいがた 第1925号 2004年1月18日 p.3 関屋駅周辺整備イメージ案まとまる 駅舎の橋上化 自由通路設置など - 新潟市
  14. ^ a b 駅構内図(関屋駅)”. 東日本旅客鉄道. 2020年2月2日閲覧。
  15. ^ a b 有明台の歴史”. 新潟市立有明台小学校. 2021年9月15日閲覧。
  16. ^ みなとまち新潟 歴史探訪31 明治・大正時代の新津油田と原油輸送」(PDF)『市報にいがた』第2714号、新潟市、2020年3月1日、5頁。 
  17. ^ 横木剛「新潟と石油 ~明治から戦前の油田開発~」『石油技術協会誌』第79巻第4号、2014年、219-223頁、doi:10.3720/japt.79.219 
  18. ^ オープンモール型SC運営管理実例”. 日生不動産. 2022年2月2日閲覧。

利用状況[編集]

  1. ^ a b 各駅の乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月12日閲覧。
  2. ^ 各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  3. ^ 各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  4. ^ 各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  5. ^ 各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  6. ^ 各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  7. ^ 各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  8. ^ 各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  9. ^ 各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  10. ^ 各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  11. ^ 各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  12. ^ 各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  13. ^ 各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  14. ^ 各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  15. ^ 各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  16. ^ 各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  17. ^ 各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  18. ^ 各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  19. ^ 各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月7日閲覧。
  20. ^ 各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月23日閲覧。
  21. ^ 各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月18日閲覧。
  22. ^ 各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月30日閲覧。
  23. ^ 各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月12日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]