閑吟集

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閑吟集(かんぎんしゅう)は、永正15年(1518年)に成立した小歌の歌謡集。

概要[編集]

ある桑門(世捨て人)によってまとめられた歌謡集である。仮名序に「ふじの遠望をたよりに庵をむすびて十余歳」の「桑門(僧)」とするのみで、作者については不詳であるが、連歌師宗長をあてる説もある。「なにせうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」など、当時の刹那的な雰囲気がよく現れたもの、「世の中は ちろりに過ぐる ちろりちろり」などの無常観、室町びとが感情を託して歌った311首が収められている。仮名序に「毛詩三百余篇になずらへ」たとある。

配列は、おおよそ四季・恋の順に並ぶが、四季のなかにも恋の歌と解されるものも多く、連歌のように小歌の内容の連想・連鎖によって各歌がつながっているとみたほうがよい[1]。小歌230首のほか、大和節・近江節・田楽節・早歌(そうが)・放下歌(ほうかうた)・狂言小歌・吟詠などを収める。『続群書類従』『日本古典文学大系』所収。

文献[編集]

  • 日本古典文学大系〈第44〉中世近世歌謡集・撰要目録・宴曲集・閑吟集・狂言歌謡・田植草紙・隆達 (新間進一志田延義浅野建二校注・訳、岩波書店1959)
  • 閑吟集研究大成 (浅野建二著、明治書院1968)
  • 閑吟集総索引 (高梨敏子津藤千鶴子耳野紀久代校注・訳、武蔵野書院1969)
  • 日本古典文学全集〈25〉神楽歌催馬楽梁塵秘抄・閑吟集 (臼田甚五郎、新間進一校注・訳、小学館1976)
  • 今昔物語集・梁塵秘抄・閑吟集 (鑑賞日本の古典〈8〉) (篠原昭二、浅野建二校注・訳)、尚学図書1980)
  • 閑吟集 宗安小歌集 新潮日本古典集成 第53回 (北川忠彦校注、新潮社1982)
  • 閑吟集―孤心と恋愛の歌謡 (NHKブックス (425)) (秦恒平著、日本放送出版協会1982)
  • 新訂 閑吟集 (浅野建二注、岩波書店1989)
  • 新訂 閑吟集(ワイド版) (浅野建二注、岩波書店1991)
  • 日本歌謡の研究―『閑吟集』以後 (真鍋昌弘著、桜楓社1992)
  • 梁塵秘抄;閑吟集;狂言歌謡 (新日本古典文学大系) (小林芳規土井洋一橋本朝生武石彰夫真鍋昌弘校注、岩波書店1993)
  • 閑吟集を読む (馬場あき子著、彌生書房1996)
  • 閑吟集定本の基礎的研究(新典社研究叢書 112) (中哲裕著、新典社1997)
  • 中世の歌謡―『閑吟集』の世界 (真鍋昌弘著、翰林書房1999)
  • 神楽歌・催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集 (新編日本古典文学全集) (臼田甚五郎、外村南都子、新間進一、徳江元正校注・訳、小学館2000)
  • 閑吟集は唄う―小唄や民謡の源 (谷戸貞彦著、大元出版2002)
  • 料紙に歌謡を書く ―『梁塵秘抄』『閑吟集』『田植草紙』 (藤原彰子著、文芸社2008)
  • 中世歌謡評釈 閑吟集開花 (研究叢書) (真鍋昌弘著、和泉書院2013)
  • 風雅と官能の室町歌謡 五感で読む閑吟集 (植木朝子著、 角川学芸出版2014)
  • 伊藤昌輝によるスペイン語訳 Los cantos en el pequeño paraíso - Selecciones del Kanginshu. アルゼンチン: Emecé. (2012). ISBN 978-950-04-3436-2 

脚注[編集]

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  1. ^ 山川出版社「新版 山川 日本史小辞典」

外部リンク[編集]