長尾真

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長尾 真
Nagao Makoto at WCJ2009 cropped.jpg
Wikimedia Conference Japan 2009 にて
(2009年11月22日、東京大学工学部2号館)
生誕 1936年10月4日[1]
研究分野 情報工学[1]
研究機関 京都大学[2]
出身校 京都大学[1]
主な受賞歴 紫綬褒章[1]レジオンドヌール勲章シュヴァリエ[3]文化功労者日本国際賞[4]
プロジェクト:人物伝

長尾 真(ながお まこと、1936年(昭和11年)10月4日[1]- )は、日本情報工学者[1]京都大学工学部[1]電子工学科卒業。京都大学名誉教授[5]。元京都大学総長[1]、元国際高等研究所所長、元独立行政法人情報通信研究機構理事長[1]。前国立国会図書館長[1][6]

人物・来歴[編集]

専門は、自然言語処理画像処理[1]パターン認識。パターン認識の分野では、手書き文字の認識方式を提案した。この手法は、初期の郵便番号読み取り装置へ応用された。以降、電子図書館システムの研究を主に手がけている。自伝に「情報を読む力、学問する心」(ミネルヴァ書房、2010年)がある。弟子には金出武雄辻井潤一松山隆司松本裕治佐藤理史黒橋禎夫中村裕一らがいる。

電子情報通信学会会長・情報処理学会会長などを歴任。1997年から2003年まで京都大学総長を務め[1]国立大学協会会長として国立大学法人化を行った。また、自ら機械翻訳国際連盟言語処理学会を設立し、初代会長を務めた。

京都大学退官後、2004年に旧通信総合研究所と旧通信・放送機構が統合して設立された情報通信研究機構の初代理事長に就任[1]2007年国立国会図書館長に就任[1]。なお図書館界とは電子図書館の開発で以前から縁が深く[7]、京都大学総長在任中から、日本図書館協会会長を務めていた[8]。 2014年には、日本学士院会員(自然科学部門、工学分科)に就任。2015年国際高等研究所所長に就任。

2016年に京都府公立大学法人理事長に就任。

2018年にシンポジウム『現代社会に役ける宗教の役割』(比叡山延暦寺)にて基調講演「心の時代」を行う(配布資料、講演内容)。科学と宗教の接点の模索を通して、科学技術の時代を越えて人類に共通に存在する心に光を当て、各宗教が大切にしている隣人愛と自己制御の概念を共通の軸として相互理解を実現する努力を促す。

著書[編集]

  • 『画像認識論』 コロナ社 1983.2 (情報工学講座)
  • 『パターン情報処』理 コロナ社 1983.3 (電子通信学会大学シリーズ)
  • 『言語工学』 昭晃堂 1983.6 (人工知能シリーズ
  • 『コンピュータのパターン認識』 東京大学出版会 1985.12 (認知科学選書)
  • 『機械翻訳はどこまで可能か』 岩波書店 1986.2 (New science age)
  • 『岩波講座ソフトウェア科学 14 知識と推論』 岩波書店 1988.7
  • 『画像と言語の認識工学』 コロナ社 1989.1 (エレクトロニクスモノグラフシリーズ)
  • 『人工知能が人間を理解するとき』 インタビュー:村上陽一郎 三田出版会 1990.8 (ステアリングシリーズ 科学技術を先導する30人 )
  • 『人工知能と人間』 1992.12 (岩波新書)
  • 『電子図書館』 岩波書店 1994.9 (岩波科学ライブラリー)
  • 『「わかる」とは何か』 2001.2 (岩波新書)
  • 『学術無窮 大学の変革期を過ごして 1997-2003』 京都大学学術出版会 2004.10
  • 『情報を読む力、学問する心』 ミネルヴァ書房 2010.7 (シリーズ「自伝」)
  • 『未来の図書館を作るとは』 2012.3 全国書誌番号:22035284

編著[編集]

  • 『講座現代の言語 7 言語の機械処理』 三省堂 1984.1
  • 『人工知能 実用化の時代へ』 1986.4 (新潮文庫)
  • 『コンピュータで翻訳する』 牧野武則共編著 共立出版 1995.2
  • 『岩波講座ソフトウェア科学 15 自然言語処理』 岩波書店 1996.4
  • 『書物と映像の未来 グーグル化する世界の知の課題とは』 遠藤薫,吉見俊哉共編 岩波書店 2010.11

監修[編集]

翻訳[編集]

  • 『ディジタル画像処理』 Azriel Rosenfeld,Avinash C.Kak(監訳)近代科学社 1978.12
  • 『人工知能』 P.H.ウィンストン 白井良明共訳 培風館 1980.9
  • 『人工知能入門』 A.Bundy(監訳)近代科学社 1981.12
  • 『コンピュータによる定理の証明』 Chin-Liang Chang,Richard Char-Tung Lee 辻井潤一共訳 日本コンピュータ協会 1983.9

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 長尾 2007, p. 658
  2. ^ a b c d 長尾真 (2001), “私にとってのこれからの認知科学”, 認知科学 (日本認知科学会) 8 (3): 197, ISSN 1341-7924, http://jlc.jst.go.jp/JST.JSTAGE/jcss/8.194 2009年10月5日閲覧。 
  3. ^ a b 京都大学広報委員会 (2005), “長尾 真前総長がフランス共和国レジオン・ドヌール勲章シュバリエを受章”, 京大広報 600: 1894, http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_kohou/kohho/600.pdf 2009年10月8日閲覧。 
  4. ^ a b 長尾 真 - 日本国際賞 歴代受賞者
  5. ^ 京都大学広報委員会 (2004), “名誉教授称号授与式”, 京大広報 588: 1649, http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_kohou/kohho/588.pdf 2009年10月8日閲覧。 
  6. ^ a b 2012年4月2日 館長に大滝則忠が就任”. 2012年4月2日閲覧。
  7. ^ 長尾 眞; 原田 勝; 石川 徹也; 谷口 敏夫; 澤田 芳郎; 吉田 哲三; 柿元 俊博 (1995), “電子図書館Ariadneの開発(1): システム設計の方針”, 情報管理 38 (3): 191-206, doi:10.1241/johokanri.38.191 など。
  8. ^ 河本 博之 (2002), “集会報告: 平成13年度(第87回)全国図書館大会 岐阜大会”, 情報管理 44 (10): 722, doi:10.1241/johokanri.44.722 
  9. ^ IEEE Emanuel R. Piore Award Recipients”. IEEE. 2010年3月10日閲覧。
  10. ^ 京都大学百年史編集委員会編、『京都大学百年史』資料編3、2001年、p.134。
  11. ^ the Association for Computational Linguistics - 2003 ACL Lifetime Achievement Award”. Association for Computational Linguistics. 2010年3月10日閲覧。
先代:
黒澤隆雄
国立国会図書館長
第14代:2007-2012
次代:
大滝則忠