錫杖

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錫杖(和漢三才図会
音を出せるよう加工されたホラガイの貝殻。2006年、岐阜城資料館。隣には錫杖がある。

錫杖(しゃくじょう)は、遊行が携帯する道具(比丘十八物)の一つである梵語ではカッカラ (khakkhara) といい、有声杖、鳴杖、智杖、徳杖、金錫ともいう。

構造[編集]

などで造られた頭部の輪形に遊環(ゆかん)が6個または12個通してあり、音が出る仕組みになっている。このシャクシャク(錫々)という音から錫杖の名がつけられたともいわれる。

仏教戒律をまとめた書である『四分律』『十誦律』などによれば、この音には僧が山野遊行の際、禽獣や毒蛇の害から身を守る効果があり、托鉢の際に門前で来訪を知らせる意味もあるという。教義的には煩悩を除去し智慧を得る効果があるとされる。

錫杖の長さは通常170cm前後であるが、法会、儀礼の場で使われる梵唄(ぼんばい)作法用のの短いものがある(手錫杖)。

持物として[編集]

仏像では地蔵菩薩などが持物(じもつ)として持つことがある。

武器として[編集]

日本の武道団体である少林寺拳法では、錫杖を武器としても用い、錫杖伝(金剛伝)と言う。

楽器として[編集]

修験者(山伏)の道具として、ホラ貝と共に馴染みであり、携行具として楽器的に使用された(山伏祭文)。その後徐々に俗化し、デロレン祭文→現在の江州音頭に継承されている。現在は先端部の金属のみを持って振ることが多い。

経典[編集]

錫杖の功徳を説いたものに九條錫杖経(くじょうしゃくじょうきょう)がある。