銀色の髪の亜里沙

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銀色の髪の亜里沙』(ぎんいろのかみのありさ)は、和田慎二による日本漫画作品。

概要[編集]

集英社別冊マーガレット』に掲載された。集英社「マーガレット・コミックス」、同「集英社漫画文庫」、白泉社花とゆめCOMICS」、大都社「STコミックス」、秋田書店「書籍扱いコミックス」より刊行された。

あらすじ[編集]

1969年(昭和44年)。主人公・本条亜里沙は大企業の社長令嬢だが、母・雪江にすらネンネと言われるほど精神的に幼い少女だった。13歳の誕生日を父の部下の娘である4人の同級生、京崎美尾・信楽紅子・青木恵子・川崎マサコに祝って貰いながら幸福でいっぱいの亜里沙だったが、直後にK町の外れの崖から車ごと転落して死亡したという父の訃報が届く。その悲しみを癒すという名目で美尾を除く3人に誘われたピクニック。そこで亜里沙は父の死が会社の重役である紅子の父・信楽の陰謀による偽装事故であることを知らされ、口封じのために脱出不可能と言われる「吐竜窟」に投げ込まれた。同じ頃、亜里沙の母も重役たちに脅されて企業の権利書を奪われて「野沢精神病院」に放り込まれた。

激流に流されて「吐竜窟」より約40mの厚い壁を隔てた奥の洞窟に奇跡的に打ち上げられた亜里沙は、12年前の1957年(昭和32年)に飛鳥朝時代のである遺跡に閉じ込められている考古学者の老夫婦に介抱され、裏切られた衝撃と悲しみ、更には、復讐心を植えつけてしまうと知りつつ生きる力として憎悪を燃え上がらせるしかなかった老学者の言葉に嘆き悲しんだ挙げ句、なんとしても脱出し復讐を果たそうと立ち上がるのだった。当初は心が荒んでいた亜里沙だったが、2人に色々な知識と知恵を授けられ、また生活のために自ら身体を動かす中で次第に変わってゆく。4年後の1973年(昭和48年)、遂に外界に戻れずに相次いで亡くなった老夫婦を看取った後に吐竜窟を脱出することに成功した彼女は地底にあった翡翠を資金源とし、名を変えて復讐を始めるのであった。しかし、長い間陽に当たらなかったあまりに白髪を通り越して銀色となった髪にショックを受けていた。

数ヶ月後、名門と謳われる「青陵高等学校」に学園の2年分の予算に相当する寄付をした外国帰りの転入生「飛鷹アリサ」がやって来た。それは、銀髪を隠すためにウィッグを被り、母の旧姓「飛鷹」を名乗った亜里沙だった。そこでは嘗て亜里沙を陥れた3人の友人が、それぞれ学業陸上競技演劇の世界で名声を欲しいままにしていた。老学者に無事では済むまいと言われながらも一縷の望みを捨てきれなかった母の消息だったが、監禁先の精神病院で食事を拒んで自殺したことをアル中の院長から聞き出した彼女は、ますます復讐への思いを募らせる。そして、彼女たちがそれぞれ最も得意な分野で真っ向勝負を挑む。その一方で、ずっと自分を心配してくれていた真の友人だと苦難の果てに悟った唯一の存在・美尾に対しては相思相愛なのにお互いに告白できずにいた少年・沖田との恋のアシストをするなど優しく接し、本条家の悲劇の真相を知らない彼女を自身復讐劇に巻き込むまいと決意するのだった。

成績トップの恵子には「次のテストで勝ってみせる」と宣言し、その通りに勝ってみせた。予想だにしなかった敗北に打ちのめされて慰めを求めた恵子は「成績トップだからガールフレンドの1人に加えただけで、もう魅力はない。次はアリサを狙おうか」と笑うプレイボーイの恋人・圭一に捨てられ、悲嘆のうちに首吊り自殺を遂げて両親の深い嘆きを招く。また、陸上で高校生の日本記録を持つマサコに対しては、目の前でそれ以上のスピードで走ってコーチの期待を奪う。マサコは柄の悪い友達を使ってアリサをやり込めようとするが、逆に正体を現したアリサに追い詰められ、更には、恵子の首吊りを目撃したことで発狂する。そして、会社の権利書を奪った信楽の娘・紅子に対しては、芸能界デビューの舞台で使う仮面に特殊な細菌を塗りつけた。その仮面は奇しくも亜里沙13歳の誕生日に友達全員で揃えた思い出の仮面。紅子は細菌毒によっていつ顔の皮膚が腐食するか分からない恐怖に苛まれるより、自ら死を選び炎に包まれ、その状景に紅子の父親は放心して崩れ落ちる。亜里沙の復讐は終わった。

その後、亜里沙は日本を離れることにした。「飛鷹アリサ」がやはり亜里沙だと気づいた美尾との別れを惜しみながら、亜里沙は出航するのであった。

登場人物[編集]

本条亜里沙(ほんじょう ありさ)
本作の主人公。父・鉱一郎の部下である重役・信楽により父親を謀殺され、母・雪江を精神病院に送られ、自身は親友だと信じた4人の内、美尾を除く3人「信楽紅子、マサコ、青木恵子」により脱出不可能と言われる「吐竜窟」に落とされてしまう。12年前から閉じ込められている考古学者の老夫婦に救われ、4年後に恩人の彼らを失うも老学者が死に際に言い残した「サンショウウオ」という言葉から外部より入り込んだ黒いサンショウウオを手掛かりに脱出に成功し、翡翠を資金源として復讐を開始した。次々に3人の元親友を葬り去り、首謀者の信楽には娘を失う悲しみを味わわせて復讐は終わった。
後の作品『怪盗アマリリス』の「アルカディア作戦」でその後が語られている。考古学と地質学権威として有名であり、それ以外は謎に包まれた存在として登場。元の亜里沙に戻り幸福を手にしたら美尾と再会をと誓っていた筈だったが、何故か神出鬼没の謎の大富豪として暗躍している。
本条鉱一郎(ほんじょう こういちろう)
本条工業の社長。雪江の夫、亜里沙の父。会社重役を務める部下の信楽により謀殺され、会社を乗っ取られた。未登場。
K町の外れの崖から車ごと転落して死亡したと警察官に告げられたが、信楽は重役のままであることに我慢できずトップの座を手に入れようとブレーキに細工し事故死に見せかけて殺害された。
本条雪江(ほんじょう ゆきえ)
鉱一郎の妻、亜里沙の母。旧姓は「飛鷹」。部下を連れて押しかけた信楽により、何故か手にしていた実印を無理矢理捺させられて夫の会社と財産を奪われ、野沢精神病院に監禁されてしまう。一切の食事を拒絶し、10日後に衰弱して亜里沙の名を呼びながら死亡した。
信楽紅子(しがらき べにこ)、青木恵子(あおき けいこ)、川崎マサコ(かわさき まさこ)
学校のクィーンを自負しながら亜里沙に頭を下げねばならない、高価な物を与えられた惨めさを味わい、社長令嬢という肩書に接近した等々の各自の不満を殺意にまで発展させた3人。亜里沙を騙して「吐竜窟」に落とすが、脱出した亜里沙に悲惨な復讐をされて破滅する。
信楽(しがらき)
紅子の父親で、本条工業の元重役。社長である亜里沙の父親を事故に見せかけて殺し、本条工業を乗っ取って社長に成り上がった。
京崎美尾(きょうざき みお)
亜里沙の真の友。4年前、偽りの友情の仮面を被っていた3人とは異なり、心から亜里沙を大切に思っている。はにかみ屋でお互いに告白できずにいたが、同じ青陵高校の沖田と両思いで亜里沙の機転で恋人同士になる。
老夫婦
12年前に遺跡を守る迷路の罠に嵌まり、亜里沙を介抱して4年後の1973年、遺跡に閉じ込められてから16年後に相次いで亡くなる。遺跡の奥の洞にある副葬品を活用し、亜里沙と出会う前後の閉じ込められた生活を過ごしていた。

用語[編集]

吐竜窟(とりゅうくつ)
地面に出来たクレパスの地下を流れる激流により生じる強風が吹き上げて不気味な咆哮のようだと近隣の村人には気味悪がられている。約40mほどの厚い壁の下を流れる地下水流により飛鳥朝時代の墳墓に繋がり、墓荒らしから守るために独自の迷路を作って盗っ人を脱出不可能の牢獄に追い込む罠。12年前にその罠にかかったのが亜里沙を介抱した考古学者の老夫婦だった。

書籍情報[編集]

コミックス[編集]

銀色の髪の亜里沙

1973年11月20日発売 ISBN 集英社〈マーガレット・コミックス〉、全1巻

  • 銀色の髪の亜里沙 - 別冊マーガレット1973年4月号、5月号
  • お嬢さん社長奮戦中! - デラックスマーガレット1972年春の号
  • 冬の祭 - デラックスマーガレット1971年 冬の号
  • パパ! - 別冊マーガレット1971年9月号
銀色の髪の亜里沙

1979年8月20日発売 ISBN 4-592-12891-5 白泉社〈花とゆめCOMICS〉、全1巻

  • 銀色の髪の亜里沙 - 別冊マーガレット1973年4月号、5月号
  • お嬢さん社長奮戦中! - デラックスマーガレット1972年春の号
  • 冬の祭 - デラックスマーガレット1971年 冬の号
銀色の髪の亜里沙

2000年3月8日発売 ISBN 4-88653-138-5 大都社〈STコミックス〉、全1巻

  • 銀色の髪の亜里沙(別冊マーガレット1973年4月号、5月号)
  • メイキング①
  • お嬢さん社長奮戦中!!(デラックスマーガレット1972年春の号)
  • 姉貴は年した!?(別冊マーガレット1972年8月号)
  • 冬の祭(デラックスマーガレット1971年冬の号)
  • メイキング②
  • 愛と死の砂時計(別冊マーガレット1973年8月号)
  • メイキング③

文庫[編集]

銀色の髪の亜里沙

1977年3月31日発売 ISBN 4-08-612055-0 集英社〈集英社漫画文庫〉、全1巻

  • 銀色の髪の亜里沙 - 別冊マーガレット1973年4月号、5月号
  • お嬢さん社長奮戦中! - デラックスマーガレット1972年春の号
  • 冬の祭 - デラックスマーガレット1971年 冬の号
  • パパ! - 別冊マーガレット1971年9月号

書籍扱いコミックス[編集]

和田慎二傑作選 亜里沙とマリア

2016年7月15日発売 ISBN 978-4-253-10781-5 秋田書店〈書籍扱いコミックス〉全1巻

  • 銀色の髪の亜里沙 - 別冊マーガレット1973年4月号、別冊マーガレット1973年5月号
  • 大逃亡 - 別冊マーガレット1974年1月号、2月号
  • もりそば幻想 - 和田慎二コレクション1983年
  • 続もりそば幻想 - 和田慎二コレクション1983年
  • 四次元コート - 和田慎二コレクション1983年

関連項目[編集]