銀河鉄道 (バス会社)

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銀河鉄道株式会社
2008年4月に運行開始した一般路線の車両
種類 株式会社
略称 ぎんてつ
本社所在地 日本の旗 日本
東京都東村山市青葉町2-2-1
設立 1999年11月15日
業種 陸運業
法人番号 1012701004500 ウィキデータを編集
事業内容 一般乗合・一般貸切・特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、旅行業
代表者 代表取締役 山本宏昭
外部リンク http://www.gintetsu.co.jp/
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銀河鉄道株式会社(ぎんがてつどう)は、東京都東村山市に本社を置くバス事業者

社名に「鉄道」とあるが、鉄道事業は設立時から現在に至るまで行っていない。

概要[編集]

  • 所在地
    • 本社:東京都東村山市青葉町2-2-1
    • 太陽系地球営業所:東村山市久米川町3-22-1[1]
太陽系地球営業所に車庫があり、すべての業務を行っている。最寄バス停は東村山青葉恩多町線「野際通り西」
「ぎんてつ」と書かれた銀河鉄道のバス停。

公益社団法人日本バス協会の会員にはなっていない[3]。交通系ICカードも利用できない。「東京都シルバーパス」の利用対象にもなっておらず[4]、独自の「お達者定期」を発行している。

また鉄道不通時の代行輸送に関しては、西武鉄道JR東日本との間で代行輸送契約に至っていないため行えないとする見解を2012年11月に出している[5]

沿革・エピソード[編集]

1999年11月15日設立。社名は設立年と銀河鉄道999を掛け合わせたもの[6][7]

社長の山本宏昭は幼少の頃からのバスファンであり、1986年には大型二種免許を取得し、新車陸送などのアルバイトを行なう。大学卒業後は家業である酒店の手伝いをしていたが、1988年に中古バスを購入した頃から、バス会社設立の夢を持ちはじめたという[8]

2000年4月1日より特定輸送事業・貨物運送事業(霊柩限定)で営業を開始。当初は山本の知人が経営する斎場の利用者の輸送を行なっていた[7]

2001年4月26日より東村山市コミュニティバスの運行プラン策定事業者に選定され、同社の提案が運行計画で採用される。2003年1月23日より西武バス小平営業所と共同運行により東村山市コミュニティバス「グリーンバス」受託開始。

2006年の道路運送法改正により、貸切免許によるコミュニティバスの運行が出来なくなるのを契機に、路線バス事業の許可を取得し、2008年4月7日より東村山市周辺で一般路線バス(小平学校線)の運行も開始。他方、コミュニティバスの運行は2014年5月31日をもって撤退。

以降、「大手バス会社が撤退した地域」あるいは「住民が長年陳情してもバスが走らなかった地域」で路線バスを運行しており、税金には頼らないという理念を掲げ、国や自治体からの運行補助金を一切受け取らない独自の運営方針をとっている[9]。また、運行地域においては珍しい前の扉から乗り、後ろの扉から降りる方式を採用し、乗車時に客が運転士と対面になることでコミュニケーションを促進することをねらいとしている[9]

2017年からは、運転免許証を返納した65歳以上の顧客に、バス定期券を1年分無料で進呈している。これは、高齢者による自動車事故を減らした上で、積極的な外出を促すことを目的とした、採算度外視での取り組みとなっている[9]

その他にも社会貢献に積極的であり、2011年には東日本大震災後に、約2000人のボランティアを被災地に無料で送迎。2020年には新型コロナウイルス感染症の流行を受け、東村山駅から新宿駅東京駅へ片道約2時間の無料の通勤バスを毎日運行した[10]

現行路線[編集]

東村山青葉恩多町線[編集]

  • 1系統:東村山駅東口 → スポーツセンター北 → 柳泉園グランドパーク → 東村山駅東口(循環)
  • 2系統:スポーツセンター北 → 柳泉園グランドパーク → 東村山駅東口(早朝のみ・出庫便)
  • 3系統:東村山駅東口 → 野際通り西(夜のみ・入庫便)

東村山駅から東側の青葉町・恩多町の路線バス空白地を結び、東久留米市境の清掃工場・柳泉園、下里四丁目(久留米西団地)、東村山市運動公園を経て東村山駅へ戻る循環路線。

ダイヤは平日・土曜は概ね15分間隔、日曜・祝日は概ね30分間隔。運賃は180円均一(2019年10月1日より[11])。

小平学校線(現在休止)運行開始9日後の2008年4月16日に運行開始。2012年12月3日から12月28日までの平日に他事業者のような運賃倍額は行わず深夜バスを8本試験運行。

小平国分寺線[編集]

  • 11系統:小平駅南口 - 警察学校東 - 中央大学附属中学・高等学校 - サレジオ通り - 国分寺駅北口
  • 12系統:小平駅南口 → 警察学校東 → 中央大学附属中学・高等学校 → サレジオ通り
  • 12系統(急行):小平駅南口 →(途中無停車)→ 中央大学附属中学・高等学校 → 学芸大学 →サレジオ通り

小平駅から駅前の「あかしあ通り」を南下して、小金井市小平市の境界付近にある中央大学附属や東京学芸大学サレジオ小学校・中学校文化女子大学(小平キャンパス)の各学校が集積するエリアを回り、国分寺駅北口に向かう路線。

2010年4月1日、「小金井循環線」として運行開始。当初は学校のエリアから小平駅に戻るルートだったが、沿線住民からの要望に応えて小金井循環線の経路を一部延長し、2012年8月27日に「小平国分寺線」として運行開始。

ダイヤは、11系統が概ね平日・土曜日が20分間隔、日曜・祝日が30分間隔。12系統は、2022年4月現在は運行されていないが、公式サイトの路線案内には2023年1月現在も掲載されている。

以前は国分寺駅北口から少し離れた通称「早実通り」南側の森薬局前に終点の国分寺駅入口停留所を設置していたが、2020年12月23日より国分寺駅北口のロータリーへ変更した[12]

休止・撤退路線[編集]

東村山市コミュニティバス「グリーンバス」用初期車両

日野・リエッセ G-101

小平学校線[編集]

小平学校線(2014年3月24日休止)

小平国分寺線[編集]

13系統(特別快速)(2022年12月16日休止)

  • 小平駅南口 → 地域センター → (直進)→ 国分寺駅北口
    • 利用者の密の緩和や西武線・中央線接続への利便性の向上を目的としたダイヤで、2022年3月1日から3月31日までの間に実証運行が実施された。その後2022年4月1日以降も継続しての運行となっていたが、2022年12月16日をもって休止された。
    • 平日の朝2往復のみで、土曜・日祝日は運行していなかった。
    • 小平駅から地域センターまでの運行は通常の11系統と同じだが、その後は中央大学附属中学・高等学校や学芸大学には向かわずに国分寺街道を直進し、国分寺駅北口まで直通運転する。そのため小平駅南口から国分寺駅北口までを最短で16分で結ぶことができた。

コミュニティバス[編集]

東村山市コミュニティバス「グリーンバス」(2014年5月31日撤退)

  • 2003年1月23日受託開始。東村山駅東口 - 多摩北部医療センターのルートのみ担当していた。
  • グリーンバスのPASMO・Suica導入にともない、2014年5月31日をもって撤退。委託は西武バス小平営業所に統一される。

車両[編集]

ポールスタアラッピングのG-103号車(日野・リエッセ)
銀河鉄道の小平国分寺線で運用中の車両(いすゞ・エルガ)
東村山市グリーンバス初代車両のG-101号車

路線車・貸切車・特定車を合計して20台のバスを保有する。安全第一のための入念な手入れをモットーとして、洗車機は使わず、毎日手作業でバスを洗っている[9]

路線車[編集]

  • 東村山青葉恩多町線
    小型車の日野・リエッセを使用している。整備や車両点検などの都合で中型車が入ることもある。
    東村山市を拠点とする企業のラッピングが施された車両も運行しており、2017年6月1日より、東村山市の食品メーカー・ポールスタアのソースを使ったご当地グルメ「ポールスタア東村山黒焼きそば」ラッピングでの運行を開始した(G-103号車)[14]。銀河鉄道の車両としては初のラッピングバスであった。
    2019年4月28日からは東村山市に本社があるエネックス株式会社の「エネックスでんき」ラッピングに変更となっている[15]
  • 小平国分寺線
    収容力も考慮し、中・大型車を使用する。2015年9月1日より車両の大型化を行い、現在は主に三菱ふそう・エアロスター、日産ディーゼル・UA(富士重工製車体架装・予備)が使用されている。小金井循環線時代を含めた2015年9月1日以前は、日野・レインボー三菱ふそう・エアロミディMKいすゞ・エルガミオ日産ディーゼル・RMを使用していた。ただし、三菱ふそう・エアロミディMK、日産ディーゼル・RMは上記の大型車が整備や車両点検などの場合に代走で充当されることもある。尚、かつて運行されていた富士重工製車体架装のいすゞ・キュービックは、廃車後警視庁東村山警察署のバスジャック訓練に使用された[16][17]

車両概要[編集]

旧G101号車 多摩200か514(??年式KK-RX4JFEA改)引退後ミャンマーへ...CNGリエッセ(廃車済)

新G101号車 多摩200あ2000(??年式 KC-RX4JFAA)リエッセ

G102号車 多摩200か1393(??年式 KC-RX4JFAA)リエッセ

G103号車 多摩200か1682(??年式 KC-RX4JFAA)リエッセ

G104号車 多摩200か1681(95年式 KC-RM211GSN)米沢市80条バス中古・8E(廃車済)

G105号車 多摩200か1660(98年式 KC-RM211ESN)西武バス中古・8E

G106号車 多摩200か1836(01年式 KK-MK25HH)自家用中古?・エアロミディー折り戸

G107号車 多摩200か1877(02年式 KK-HR1JKEE)自家用中古・レインボー観光マスク、(除籍後JAIST(石川)へ…)(廃車済)

G108号車 多摩200か2153(??年式KK-HR1JEE)愛知つばめ交通中古?・日野HR7m (除籍後 大交北部バスへ...)(廃車済)

旧G-109号車 多摩200か2148(??年式KK-MK23HH)エアロミディ(廃車済)

新G109号車 多摩200か2600(01年式 KK-LR233J1)羽田京急バス中古・エルガミオ(品川200か2316 NH2111) (除籍後 頸城バスへ...)(廃車済)

旧G201号車 多摩200か2802(15年式 QKG-MP37FM)サンプルカー (除籍後 共和観光バスへ...) (廃車済)

新G201号車 多摩200か3264(14年式 QKG-MP38FK)サンプルカー

旧G202号車 多摩200か2504(98年式 KC-LV380L)京成中古・7E折り戸(習志野22を3195 2199)(これがバスジャック訓練使用車)(廃車済)

新G202号車 多摩200か3263(14年式 QKG-MP35FM)サンプルカー

旧G203号車 多摩200か2804(??年式 KL-LV380L1)立川中古・エルガ(廃車済)

新G203号車 多摩200か3872(07年式 PJ-MP35JM)ほくてつ中古・エアロスター(金沢200か247 37-720)

G204号車 多摩200か2840(02年式 KL-UA452MAN)東濃中古・新7E(岐阜200か244)

G205号車 多摩200か2997(03年式 KL-MP37JK)東急中古・エアロスターペタノン(品川200か2561 S・横浜200か1335 NI476)

G206号車 多摩200か3073(年式 KL-MP37JK)横浜市営中古・エアロスターペタノン(横浜200か719 1-2636)

なお年式については推測が含まれております。どうぞご参考程度に…

G304 多摩200か1112 7B (除籍後 東日本大震災で被災した原発まで関係者を送迎するのに使用)(廃車済)

G305 多摩200か1198 7B(廃車済)

旧G-701 KL-MS8 三重交通中古(除籍後 劇用車→海外)

旧G704 P-MS725S(除籍後ANY企画熊谷200か1357)(廃車済)

旧G706 セイシン観光中古 (除籍後ロイヤルバスへ...) (廃車済)


  • 東村山市グリーンバス(撤退)
    2003年1月23日の運行開始時に、専用カラーの日野・リエッセCNG車(G-101号車)が導入された。CNG改造はフラットフィールドによる。
    その後、日野・ポンチョに置き換えられ、撤退の少し前まで稼働していた。
    グリーンバスで使用していた銀河鉄道の車両は、西武バスへの委託一本化にあわせ、西武バス小平営業所に移籍している。

貸切車[編集]

会社設立初期の看板車は、設立以前に山本が中古で購入した日野・グランシアターであった。

その後、新たな看板車として東都観光バス国際興業大阪に在籍していたいすゞ・KC-LV781R1富士7HD架装車)を3台導入[18]

2012年、草軽交通から1981年製の日野・RC701Pモノコック構造の観光タイプ車体を持つ車両)を譲受し、東京都の排ガス規制適合改修を施した上で運行開始した[19]。このRCは谷保天満宮旧車祭(国立市)に無料シャトルバスとして参加しているほか[20]連続テレビ小説半分、青い。』では主人公が岐阜県から東京へ向かうときに乗車する長距離バス車両として使用された[21]

以後も積極的に増車を進めており、2014年に初の貸切新車として三菱ふそう・エアロエースを2台導入した。2016年現在の看板車は新車導入された三菱ふそう・エアロクイーンである。

脚注[編集]

  1. ^ 公式サイト内の「営業所名変更のご案内」の発表による
  2. ^ 貸切バスのご案内”. 銀河鉄道株式会社. 2018年5月21日閲覧。
  3. ^ 地方組織である東京バス協会が監修する『東京都内乗合バス・ルートあんない'18〜'19年版』(JTBパブリッシング発行 ISBN 978-4-533-12375-7 )にも非加盟事業者である銀河鉄道の路線は掲載されていない。
  4. ^ 東京都シルバーパスのご案内 - 東京バス協会 2012年11月28日閲覧。事業者一覧に銀河鉄道は不記載。
  5. ^ 振替代行輸送の件 - 銀河鉄道2012年11月6日。同28日閲覧。
  6. ^ 会社案内 - 銀河鉄道公式サイト
  7. ^ a b 毎日新聞(多摩版)2008年4月6日の記事「バス会社の山本社長、念願の定期路線 あす「小平学校線」運行」
  8. ^ バス馬鹿遍歴[リンク切れ] - 銀河鉄道公式サイト
  9. ^ a b c d 銀河鉄道が大切にしていること - 銀河鉄道公式サイト
  10. ^ “コロナをぶっとバス!赤字覚悟で無料の「銀河鉄道」”. 日刊スポーツ. https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202003160000734.html 
  11. ^ 消費税率引き上げに伴う路線バスの運賃改定について | 銀河鉄道株式会社
  12. ^ 【12月23日~】小平国分寺線のダイヤ、停留所変更について”. 銀河鉄道 (2020年12月12日). 2020年12月15日閲覧。
  13. ^ 公式サイト「学校線休止のお知らせ[リンク切れ]
  14. ^ ポールスタア ラッピングバス 運行開始”. 銀河鉄道 公式Facebook (2017年6月2日). 2023年1月14日閲覧。
  15. ^ [1]
  16. ^ 東村山警察署のバスジャック訓練に参加します”. 銀河鉄道. 2023年1月14日閲覧。
  17. ^ 訓練時の運転は西部警察に出演歴のある元スタントマンの乗務員が担当。「バスを破壊させて行う訓練は稀なケース」としている。
  18. ^ 「バス事業者訪問127 銀河鉄道株式会社」『バスラマ・インターナショナル』第112号、ぽると出版、2009年3月、57-62頁。 
  19. ^ 昭和のレトロバス”. 銀河鉄道. 2018年5月21日閲覧。
  20. ^ 谷保天満宮旧車祭”. Automobile Club Japan. 2018年5月21日閲覧。
  21. ^ 【NHK「半分、青い」に出ました】”. 銀河鉄道株式会社(Facebook) (2018年5月9日). 2018年5月21日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]