鈴木鄰松
鈴木 鄰松(すずき りんしょう、享保17年(1732年) ‐ 享和3年(1803年))とは江戸時代の画家。
来歴[編集]
狩野栄川院典信の門人。鈴木氏、名は茂銀。俗称は源左衛門。江戸の人で与力であったといわれる。鄰松、素絢斎、芝山館と号す。英一蝶の画風を慕い、宝暦から寛政期に狂歌絵本の挿絵などを描いている。加藤文麗、高田円乗と並んで当時の専門画家以外の三巨手として知られ、貴客の招致が多かった。その練達した筆遣いは巷の人気を得ていたと見えて、喜多川歌麿の錦絵「青楼十二時」(大判12枚揃)のうち「卯の刻」には、遊女の手にする羽織の裏地に鄰松筆の達磨図を染めたものが見られる。また、一蝶の粉本を写した画譜を刊行したほか、狂歌本、読本、滑稽本の挿絵を描いている。鄰松が所持していた狩野探幽縮図を石川大浪が模写して刊行した『聚珍画帖』において鄰松が享和3年に没したことが判明、寛政7年(1795年)に刊行された狂歌堂真顔撰による狂歌絵本『四方の巴流』にみられる鄰松による挿絵に64歳とあるため、享保17年生まれで享年は72歳とされる。門人に子の鄰江がいる。
作品[編集]
- 『英筆百画』 宝暦8年 英一蜂画 鄰松補画
- 『一蝶画譜』 明和7年
- 『狂画苑』 明和7年 狩野探幽らの粉本を集成したもの。
- 『群蝶画英』 安永7年 一蝶画、鄰松写
- 『春の色』 狂歌本 頭光撰 寛政6年序 共画
- 『柳の糸』 狂歌本 浅草庵市人序撰 寛政9年 北尾重政、鳥文斎栄之、葛飾北斎と共画