野田小4女児虐待事件

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野田小4女児虐待事件
場所 日本の旗 日本千葉県野田市
日付 2019年1月24日
2017年頃 – 2019年1月24日
攻撃手段 虐待
攻撃側人数 2人
死亡者 小4女児
犯人 女児の父親・母親
容疑

•父親 傷害同致死暴行強要

•母親 傷害幇助
動機

•父親…日頃のストレス発散

•母親…女児の父親(夫)からDVを受けたことによる自分もやらなきゃやられるという恐怖心
関与者 柏児童相談所
対処 逮捕、起訴
謝罪 なし
賠償 なし
刑事訴訟

•母親 懲役2年6ヶ月(保護観察付き執行猶予5年)

•父親 懲役16年
民事訴訟 なし
影響 社会への大きな影響。
管轄 千葉県警察千葉地方裁判所千葉地方検察庁東京高等裁判所
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野田小4女児虐待事件とは、2019年1月24日千葉県野田市で起こった、小4女児が両親の虐待が原因で死亡した疑いのある事件。

容疑者の1人である被害者の母親に対しては、2019年6月26日に懲役2年6ヶ月(保護観察付き執行猶予5年)の判決が下され[1]後日確定[2]、残る父親に対しては2020年3月現在、刑事裁判が進行中である。控訴審初公判が1月19日、東京高裁(近藤宏子裁判長)で開かれ、弁護側は懲役16年とした一審判決に事実誤認があり、量刑が重すぎると主張した。検察側は控訴棄却を求め、即日結審した。判決は3月4日。[3]

概要[編集]

2019年1月、小4女児の父親の通報で駆けつけた救急隊員が、自宅浴室で女児が倒れているのを発見し[4]、のちに自宅で死亡が確認された[5]。女児は父親から首付近を鷲づかみにされる、冷水のシャワーを浴びせられる、髪を引っ張られるなどの暴行を受けた疑いがあり[5]、その後、千葉県警は1月25日に父親を[5][4]、2月4日に母親を[6]、傷害の容疑でそれぞれ逮捕した。女児にはがあり、その痣は腹部など服の上から見えない部分に集中していた[7]ため、父親が虐待が発覚しないように暴力を加える箇所を選んでいた可能性があるとみて捜査が行われた[8]。父親の供述によれば、休まずに立たせる暴行は13時間に渡って続いたと報じられている[9]。母親の供述によれば、死亡する2日前には父親が女児を起こして立たせ、眠らせないことがあったとされる[7]。2月9日には、スマートフォンで撮影したとみられる、女児が泣いている姿が映った動画が父親の所持していた記録媒体から発見されたことが明かされた[10]。2018年8月には浴室内で女児に排便をさせ、その排泄物を手に持たせて携帯で写真を撮影している[11]

2019年3月6日、千葉地方検察庁は父親を傷害致死罪傷害罪で、母親を傷害ほう助罪でそれぞれ起訴した。起訴の時点では2人の罪状の認否は明らかにされていない[12]

2020年3月19日、父親の裁判員裁判で、千葉地裁は懲役16年(求刑懲役18年)の判決を言い渡した[13]

2020年3月31日付で、父親は1審判決を不服として東京高裁に控訴した[14]

2021年3月4日、控訴審判決公判が東京高裁で開かれ、懲役16年とした1審千葉地裁の裁判員裁判判決を支持、被告の控訴を棄却した。[15]

2021年3月19日、期日までに検察、弁護側が上告しなかったため、東京高裁判決が確定した。懲役16年。[16]

女児のアンケート[編集]

女児は2017年11月6日に野田市の小学校で行われたアンケートに、「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたり、たたかれたりしています。先生、どうにかできませんか。」と自由記入欄に回答していた[17]。そのため、柏児童相談所が2017年ごろに被害者を一時保護していた[18]

だが、このアンケートのコピーを女児に無断で、野田市教育委員会は父親に激しく要求されたという理由のみで父親に渡していた[19]

柏児童相談所は、虐待のリスクが高くなったのにもかかわらず、女児を施設から自宅へ戻すことを決定していたことが明らかとなった[20]

自分への手紙[編集]

女児は4年生の10月に、4年生末時点の「自分への手紙」を学校で書いていた。それは「五年生になってもそのままのあなたでいてください。未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい。」との言葉で締めくくられていたが1月に死亡したため、実際に本人が受け取ることはなかった[21]

その他[編集]

  • 女児の学校に弁護士を名乗り「父親を捕まえればいいのに、何でそれを放置してんのか」などと書かれた爆破予告電子メールが野田市役所に届いていたことが明らかとなった[22]
  • タレントフィフィが本事件を引き合いに「児童虐待防止法改正に反対した蓮舫議員が、今回の虐待死の件で現政権を責めることが出来るのか」と『児童福祉法の一部を改正する法律の一部改正』(2004年4月7日可決)[23]において、蓮舫議員が反対したことに疑問を呈する発言をネット上で行った[24]。この発言はネットメディア等で取り上げられ、数万件の拡散が行われた。その後、追従する形で日刊スポーツスポーツ報知などの新聞社も発言を報じた[25]。一方で、蓮舫議員の初当選は2004年7月11日の第20回参議院議員通常選挙であり、件の法改正に関わっていないこと、『児童福祉法の一部を改正する法律の一部改正』では反対票は0であったこと等[26]、発言内容の齟齬が指摘されていた[27]。後に、蓮舫議員からも「誤解が流布されている」という指摘を受け[28]、発言内容を訂正(削除)した[29]。発言の訂正により、報道した新聞各社も併せて訂正、謝罪する事態となった[30]

出典[編集]

  1. ^ “野田虐待死 母に猶予判決 傷害ほう助「夫に迎合、手貸す」”. (2019年6月26日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201906/CK2019062602000272.html 2020年3月10日閲覧。 
  2. ^ “千葉・小4虐待死、母の有罪確定 父の暴行止めず猶予判決”. 宮崎日日新聞. (2019年7月12日). https://www.the-miyanichi.co.jp/news/National/2019071201001427.php 2020年3月10日閲覧。 
  3. ^ 産経新聞1月19日”. 20210122閲覧。
  4. ^ a b “死亡女児、児相が一時保護=17年「父からいじめ」訴え-虐待死疑い捜査・千葉県警”. 時事ドットコムニュース. (2019年1月26日). オリジナルの2019年1月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190126041307/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019012600211&g=soc 2019年3月18日閲覧。 
  5. ^ a b c 小4女児死亡、父親逮捕 冷水シャワー浴びせた疑い”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社 (2019年1月25日). 2019年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月8日閲覧。
  6. ^ 千葉小4女児死亡、母も逮捕 父と共謀し傷害疑い”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社 (2019年2月4日). 2019年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月8日閲覧。
  7. ^ a b <野田小4女児死亡>2日前から眠らせず ○○さん起こし立たせる”. 千葉日報オンライン (2019年2月8日). 2019年2月10日閲覧。
  8. ^ 小4女児“虐待”、発覚恐れ服に隠れた部分に暴力か TBS NEWS (2019年2月3日時点のアーカイブ)
  9. ^ 小4女児死亡、長時間虐待か 逮捕の父親「休ませず立たせた」”. 47NEWS (2019年1月29日). 2019年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月10日閲覧。
  10. ^ 野田・小4死亡事件「娘の無断入室夫が立腹」 泣く女児の撮影動画、見つかる”. 東京新聞web (2019年2月10日). 2019年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月10日閲覧。
  11. ^ 《野田市小4虐待死》母親・妹・妻の証言で明らかになった「鬼父」悪魔の素顔”. 週刊女性PRIME (2020年3月11日). 2020年6月21日閲覧。
  12. ^ <野田小4女児死亡>傷害致死、ほう助罪で両親起訴 千葉地検
  13. ^ “「人格全否定」懲役16年 父の虐待「最も重い」 ○○さん死亡:朝日新聞デジタル”. (2020年4月2日). https://www.asahi.com/articles/DA3S14409625.html 
  14. ^ “野田市女児虐待死 父親が控訴”. (2020年4月2日). https://www.fbc.jp/news/sp/news162152051.html 
  15. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2021年3月4日). “千葉・小4虐待死、2審も懲役16年 「並外れて悪質」” (日本語). 産経ニュース. 2021年3月15日閲覧。
  16. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2021年3月19日). “心愛さん父、懲役16年確定 千葉虐待死” (日本語). 産経ニュース. 2021年3月23日閲覧。
  17. ^ 千葉日報 <野田小4女児死亡>アンケート自由記述欄に記されたメッセージ全文” (2019年1月31日). 2018年2月3日閲覧。
  18. ^ 逮捕の父「生活態度注意」 死亡小4はいじめと回答”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社 (2019年1月26日). 2019年2月9日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年2月8日閲覧。
  19. ^ <野田小4女児死亡>「先生どうにかして」SOS父に筒抜け”. 千葉日報オンライン (2019年1月31日). 2019年3月18日閲覧。
  20. ^ 野田小4女児死亡、虐待リスク高まるも帰宅”. 沖縄タイムス (2019年2月7日). 2019年2月10日閲覧。
  21. ^ 千葉女児虐待死、〇〇さん「自分への手紙」 祖母が公開”. 産経新聞 (2020年2月18日). 2020-006-21閲覧。
  22. ^ ○○さん学校に爆破予告<野田小4女児死亡> 千葉日報オンライン 2019年2月1日22時46分配信 2019年3月18日閲覧(記事のタイトルに被害者の氏名がのっている為、伏字にしています)
  23. ^ 「児童福祉法の一部を改正する法律」の施行について厚生労働省 雇児発第1203001号
  24. ^ 2019年2月17日のツイート[リンク切れ]
  25. ^ フィフィ、蓮舫氏に児童虐待問題「真意を問いたい」[リンク切れ]日刊スポーツ(2019年2月18日)
  26. ^ 日程第4 児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出) 本会議投票結果(2004年4月7日)
  27. ^ フィフィ、虐待死問題で蓮舫議員へ怒りの質問も「事実誤認?」の指摘[リンク切れ]スポーツ報知(2019年2月18日15時12分※『「事実誤認?」の指摘』を追記、記事訂正)
  28. ^ 2019年2月18日のツイート
  29. ^ 2019年2月18日のツイート
  30. ^ フィフィ氏の蓮舫氏に関する原稿についてのお詫び日刊スポーツ(2019年2月18日16時26分)

関連項目[編集]